◆今日は,「養護教諭のコンピュータの効果的な活用」ということでお話をさせていただきます。

◆子ども達と真正面から関わっている私たち養護教諭は、まさにどろくさい,人間くさいしごとをしています。いわば,人と人の心とからだという実にアナログな部分にかかわる地道な仕事です。今日は,日々,そのような仕事をしている私たち養護教諭が,コンピュータというデジタルを,どのように活用していくか,ということをお話させていただきます。
◆養護教諭として,コンピュータを活用するということを考えた時,「情報化の時代だからコンピュータくらい使えなきゃ恥ずかしい」とか「コンピュータが設置されたから使わなければいけなくなった」とか「時代遅れといわれないように」という意識で使う必要ないと思います。そんなの面白くないですから。気持ちがワクワクしないでしょう?
 まずは,私達の仕事の中で,アナログでなくてはできないこととデジタルでやってもかまわないということを,自分なりに持っていただきたいということです。養護教諭の仕事自体に「コンピュータが使えるからいい」「使えないからダメだ」ということはないのです。

 私は,たまたま趣味でやってきたコンピュータが,前任校で「養護教諭とネットワーク担当者の二足のわらじ」という立場をいただいたことがきっかけで,さまざまなことにチャレンジする機会がたくさんあったというだけでした。
 今日は前任校での実践や現任校でのとりくみなどを紹介させていただきますが,それをそのままやってみてということではありません。
私の場合、アナログとデジタルの区別なくとにかくやってきたという部分もあります。ですから、失敗も多くありました。

そこで,みなさんには,
(1)自分の日々の執務と照らし合わせて,どこに,どのようにデジタルを導入すれば,子ども達への対応の時間(つまりアナログの時間)を少しでも多く生み出していけるのか?
(2)養護教諭としての熱い思いを効果的に伝えたいという夢を現実にするためにどう使えばよいのか?
(3)子どもたちの心と体を守り育てるために,コンピュータで何が出来るのか。
(4)人と人とを結ぶ道具としてのコンピュータの可能性はなんだろう?

ということを考えてながら,取捨選択しながら聞いていただきたいのです。

 コンピュータを使うというと,「まずスキル」と考える方も多いと思いますが,私は,そうは思っていません。スキルの習得より大事なことは,「こんなことできたらいいな」とか「こうなったらもっと仕事が効果的にできるのに」とか「こうすれば,自分の思いが伝わるのに」という夢とか思いとか発想だと思っています。それが,自分にできるとかできないとか,今の世界の最新技術でできることかできないことかも関係ないのです。

 今日の私の話で,そんなふうにわくわくした気持ちをもっていただけると嬉しいなと思います。考えているとワクワクしてくるというような気持ちを出発点にするのがよいと思います

 ◆初めに,私が現在勤務する大口北部中学校について,お話します。

 ◆昨年度,自ら希望して本校に赴任しました。元気のいい少年たちがたくさんいるよ、といわれましたが、それとと分かっていて転勤希望を出した理由のひとつは,「アナログとしての養護教諭の仕事をもう一度見つめなおしたい」という気持ちがあったからです。
 
20年間小学校勤務で,いろいろな実践をしていく中で,どこかで養護教諭としての大切なものを失ってしまったような気がしたからです。やんちゃな子ども達が炊くサ似る学校なら,これまでのいろいろな実績もすべて捨てて、生徒達と裸一貫つきあっていけると考えたからです。昨年度は,5月に保健室閉鎖をし,自称「歩く保健室」として問題行動の生徒と体をはって付き合ってきました。ですので,コンピュータの活用をがんがん行うという状況ではありませんでした。しかし,このことは,私にとって養護教諭としてのありかたや,客観的にコンピュータ活用についても考えるとてもよい機会となりました。

 本校は、昨年度より2本の研究を引き受けました。それが,大口町のサイバータウン構想を受けてのIT活用の実践研究,そして愛知県からの健康教育研究です。養護教諭の立場から,やんちゃ坊主達との格闘をしながら,健康教育の研究をすすめてきました。(どんなにやんちゃでも,私は彼らが大好きで,今でも大切な生徒です)IT活用については,直接の担当ではないのですが職員に一人一台,各教室特別教室に一台,それ以外に,無線LANによる持ち運び可能のノートパソコンの整備など,非常に恵まれたIT環境が整備されていましたので,必要最小限に活用しながら,健康教育への活用という点で,自分の中で少しずつ構想を固めておりました。本年度,職員の努力が実りまして,学校は非常に落ち着いています。私も,コンピュータの活用を本格的に始めているところです。

 大口町は,サイバータウンとして,テレビなどで紹介され,有名となった町です。
 町全体を光ケーブルで結び、「デジタル技術を使って、アナログ社会のコミュニケーションを創造するまち」をめざして,取り組んでいます。特に学校でのIT教育への力の入れ方もたいへんなものがあります。
 この大口町の「アナログ」を「デジタル」で結んでいこうとする考え方が,私が養護教諭として考えていることに非常に近いものがあり,大口町の養護教諭部会でも,どのように行政との情報連携や行動連携をしていくのかという視点から,コンピュータの活用を考えているところです。

 私が考える,「養護教諭のコンピュータ活用」の概念を,前任校でのネットワーク担当者としての経験と養護教諭仲間と作り上げた自主研究会での心のつながりから,このようにまとめてみました。

それは,

@スキルではなく,「心」と「熱い思い」で活用
A人と人をつなぐ(心のネットワーク)道具としての活用活用
B健康教育とIT活用を融合させた活用

ということです。

 それでは,実際の活用についてお話させていただきます。
今日は,この
7つの点についてお話させていただきます。


(1)執務の効率化のための活用
(2)データや情報の共有化
(3)専門職としての最新情報の取得
(4)ネットワーク作
(5)授業への活用と教材づくり
(6)発信の手段としての活用
(7)地域,強制とのコラボレーションや今後の見通し

 私がやってきたことの羅列になるかと思いますが,実践そのものよりアイディアとか裏技的なもので参考になるものがありましたら,どんどん盗んでいただき,また,こんなものはおかしいよというものがありましたら,聞き飛ばしていただければ結構です。

初めに,「執務の効率化」ということでお話させていただきます。

 私達の執務の中で,一番時間を費やすのが,検診データの処理と保健室来室者の記録をどう管理し,どう活用していくかということであると思います。 保健室来室者については,市販のソフトを使っていましたが,個々の子ども達のデータの蓄積ができ,学級へフィードバックに大変重宝しました。誰がいつごろどれくらいの頻度で,どんな理由で来室したのかが,カンタンに検索でき,保護者からの問い合わせにもたいへん役立ちました。

 検診データにつきましては,平成10年にマイクロソフト社のアクセスというデータベースフトで自作のプログラムを作成し,統計処理を行い,結果のお知らせを自動印刷する機能を持たせ,必要データの抽出を行ってきました。これによって,検診の事後措置の時間が大幅に短縮でき,その分を子どもたちへの対応の時間にあてることができました。この自作プログラムですが「HIMEアプリケーション」と名づけまして,ほしいという養護教諭仲間に配布しました。

これらのプログラムやソフトの活用の利点につきましては,プレゼンにも示しましたように,「必要データの取り出しや統計処理が短時間でできる」「気になることの早期発見や特定児童生徒の継続的な傾向を見ることができる」「データの加工や活用がカンタン」ということがあげられます。

 ここでは,このHIMEアプリを紹介させていただきます。

HMEアプリの紹介)

 本年度より,IT活用のモデル校ということもありまして,「エデュコムマネージャー」という校務支援システムと連動した「エデュコム保健システム」を使っています。このシステムにつきましては,次の「データの共有」というところでお話させていただきます。

◆それでは次に,データや情報の共有化・提供という点についてお話します

 さきほど,紹介しましたプログラムや来室記録は,それなりに便利で,それまでの執務の時間を大幅に短縮してくれました。しかし,それはあくまでも,養護教諭の執務の効率化ということで,保健室の中だけでの満足でした。

 みなさんも,保健室で捉えたデータは,機会あるごとに担任の先生方や管理職にフィードバックていらっしゃると思いますが,資料を作るのがたいへんだったり,せっかくプリントアウトしても読んでもらえなかったりというご苦労があると思います。これも,養護教諭としての大切な職務ではありますが,もっとカンタンに担任の先生方が知りたい時に,保健室の状況を職員室にいながらにしてリアルタイムで確認できるという機能を持たせたのが,エデュコムのシステムです。これは,保健室でもくもくと養護教諭が使うというものから、ネットワークというものを,意識したシステムですので,これまで以上にデータの共有や提供が簡単になりました。

 来年度は大口町全体でこのシステムが稼動します。町内の健康診断統計も,データを投入すればクリックひとつで町内郡内の統計ができあがります。ただ,機能としては,本年度はテスト的に入っておりますので,モデル校二つが現在の状況をエデュコムの担当者と検討しあってバージョンップをしていく予定で,まだまだ開発中という段階です。そのあたりのことを,開発されたエデュコム社のお二人に説明していただこうと思います。

ここで エヂュコムの 松本さん・柳沢さんに,校内ネットワークを組む際,保健室をどう組み入れるか,保健システムの概要と今後のバージョンアップ,エデュコムマネージャーとの連動について説明をしていただきました。


◆次に,専門職としての最新情報の取得という点についてお話します。



 保健室で,インターネットに接続されている場合は,保健室にいながらにしていろいろな情報をゲットできます。その資料を,保健便りに活用したり,自分の学校の健康教育の取り組みの参考にしたりということが可能になります。

 ネット上の著作権フリーの画像やイラストなどは,時間があるときに検索して自分のパソコンに保存しておくと,保健便りやプレゼンや教材を作る祭に便利です。
 それから,これは,裏わざと言うか知ってて便利ということですが,学校での仕事を自宅に持ち帰る手間を省くということで,最近はネット上に自分のフォルダを作成することができる便利なものもありますので,活用されると良いと思います。WEBPOKETというものなどが,たいへん便利で私も使っています。ただし有料ですが。そうでなければ,Yahooの無料メールなどを登録されまして,直接メールで送ってしまうということもできます。
 フリーメールでは,学校にいながら自宅に来たメールなども確認できますので,活用の幅は大きいと思います。
 私は、生徒とのコミュニケーションにも、YAHOOメール携帯メールを使用しています。性や恋愛に関する悩みやちょっとした雑談など、コミュニケーション作りに役立っています。
 もしも,保健室にパソコンがない,あってもLANやインターネットにつながっていないという環境にありましたら,「日々変わる医療や健康に関する情報から,養護教諭を取り残すおつもりですか」と管理職や自治体へ働きかけてみるのも,大事な発信であると思います。おかげさまで,大口町は,町の方の視野の広いご配慮のお陰で,保健室へのコンピュータの整備が,いち早く進められております。校内にコンピュータ整備が進められる際にも,保健室はどうしても,忘れられてしまいがちです。また,整備されてもスタンドアロンで,校内のどこともつながっていないという状況のところがほとんどのようです。
 パソコンの整備が進められる時は,町とか市とかがいっせいに行うと思いますので,その時に向けて,地区の養護部会として,なぜ,保健室にLANにつながったコンピュータの設置が必要なのかということを,話し合って要望としてすぐに出せるようにしておくべきだと思います。

◆それでは、4つ目の視点。ネットワーク作りという点についてお話させていただきます。

私が,これまでさまざまな実践を行うことができたのは,実はこの「ネットワーク」による人と人とのつながりが私を支え,私の実践を仲間達がネットワークを介して,意見をくれたり,追試をしてバージョンアップしてくれたりのGIVETAKEがあったからと思っています。
 養護教諭は一人職であり,いわば一国一城の主でもあります。自分のやり方で自分の思うようにやれる反面,独りよがりであったりします。実践についても,それを自分だけのものにしてしまい
,十分な交流や検討もなく,一から作り上げるということも多いと思います。
 しかし,人間,得意なこともあれば不得意なこともあります。不得意な部分を補いあって、一緒に作っていけばいいのです。作ったものは、共有すればいいのです。同じ養護教諭同士の実践の交流を行い、他の人の実践を追試をし,さらに良いものにしてまたそれを返していくことで,より質の高いものを作り上げていくことができます。これが、実践の共有と資源の共有という考え方です。と同時に,健康教育と一見関係ない分野との交流をしていくことで,視野を広げ,実践にふくらみを持たせることができると考えています。

 養護教諭の専門性ということが,言われていますが,それに変にこだわりすぎることに私はひとつの不安を感じています。専門性と専門バカとは違います。ということで,専門性を高めるためのネットワークの活用ということで,私は次の2点を考えています。

1)養護教諭が自分の専門以外の分野に目をむけ,視野を広げることで自分の仕事を客観視すると同時に,他の分野と健康教育の関連性を考える。

(2)養護教諭同士が,自分の執務を振り返り,養護教諭同士の執務や取り組みについての交流を深め,そこから執務の見直し,教材の共同開発などを行うことで自分の実践のバージョンアップを図る

 これらのことを,コンピュータの活用という点から具体的にどうするのかといいますと、

 @自分の興味のある分野のメーリングリストに参加する。
 Aメールマガジンを購読する。ということがあげられます。

 私は,授業作りネットワーク・メディアリテラシー教育,作文教育,鈴木敏江の未来教育などのメーリングリストに参加したり,そのメルマガを購読しています。興味があればメーリングリストで紹介された研究会にも参加します。そうした中で,多くの分野の方々と交流ができ,自分の執務に広がりを持たせることや授業へのアドバイス,はたまたほんの執筆やテレビ出演まで経験させていただきました。そのことは,養護教諭という仕事が,他の人からどう見られているのか,という客観的な視点も持つことができました。
 養護教諭同士のネットワーク作りとして,平成12年に地区の養護教諭の有志で「健康教育研究会ひだまり」という自主研究会を立ち上げました。
 月一回の例会では,実践報告やその交流,執務の疑問など話し合っていますが,月一回の例会では聞けないことや緊急で聞きたいこと,例秋に出ることができなかった人への報告などができるなど,メーリングリストは大活躍しています。
 メーリングリストによる日常的な情報交換では,大きな研究会では
,聞けないような初歩的な疑問なども,気軽に聞くことができ,また,こんな実践したよ,こんなことしたいけどいい資料とか講師知らない?○○先生の実践を追試したよ。こんなふうにバージョン変えてみたよなどという日常の情報交換が,即,日々の執務に生かされます。地区だけでなく,全国の養護教諭との情報交換として,私は,熊本の澤エミ先生が立ち上げられたメーリングリストにも入っています。ここでは,愛知県以外の先生方との交流で,いろいろと助けていただいています。


◆それでは次に,授業での活用や教材作成についてお話します。
(ここでは,これまでに作成したパソコンの自作教材を,実際に見ていただき,簡単な説明をしました。

 コンピュータ教材の活用の形態としては,「授業で活用する」場合と「集会やその他の場面で活用する場合」があります。授業では,コンピュータの活用をメインとしての授業と補助的に使用する場合とがあります。
教材の種類としては,「パワーポイントで作成したもの」「HTMLを使用したもの」「パワーポイントとHTMLの両方を活用したもの」「ビデオをパソコンで動画編集して活用したもの」「ネット上からダウンロードした教材」に分けられます。


 パワーポイント教材
 ◇教師が,フラッシュカード代わりに使用したり,説明画面として使用する。
 ◇物語風に授業を進めたり,紙芝居感覚で活用する。(デジタル紙芝居)
 ◇集会での活用 (前任校では,2分の1成人式で活用,現任校では,文化祭の健康クイズで活用)

 HTML教材
 ◇子ども達が,それぞれのコンピュータで個別に学習を進める場合に便利。(クイズや各自で確認させる内容などに使用するとよい)
 
 パワーポイント教材とHTML教材を組み合わせたもの
 ◇一斉に指導したい内容をパワポで,個別に考えさせたいことをHTMLで(パワポだけでも可能)
  
 ビデオ教材 
 ここでいうビデオ教材とは,単にビデオをとったものを使用するというころではなく,撮影した素材を動画編集ソフトで資料や教材として作成したものをいいます。カンタンな無料ソフトもある。
 本校では,朝食指導や職員への健康インタビューなどで活用。アイディアしだいで,活用場面が大きい。授業だけでなく,集会やHPへのアップ,給食時の放送などに使うことができる。


 ネット上からダウンロードした教材
 ◇個人,または学校,団体などから無償で配布されたものを活用できる。
 ◇その他のものについては,使用許可をとる。

◆発信の手段としての活用についてお話しします。

 私たち養護教諭は,いわば縁の下の力持ちです。だからといって,保健室の中でひっそりと過ごす時代ではありません。
 私達の職務内容は,とても理解されにくいものでもあります。時代の流れとともに,私達の職務内容は多岐に渡り,広い知識とより深い洞察力も求められています。だからこそ,ただ黙々とやっていてる場合ではないのです。
「自分が,保健室の中でこどもたちをどう育てたいのか,を明確に発信することが重要であると思います。
 保健便り,職員会での保健室経営案の提案ということに加えて,ホームページでの発信なども,とても効果的な発信方法であると考えています。
 学校のホームページがある方は,ぜひとも,保健室のページに「養護教諭のとしての熱い思い」をのせていただきたいと思います。

 授業実践や何かの取り組みをされたら,個人情報の留意しながら,授業の写真や子ども達の感想をのせたりするのも良いでしょうし,健康情報などを載せるのも良いと思います。また,ほけんだよりをネット上からみることができるようにすることも,いいでしょう。どんなコンテンツにするかということも大事ですが,保健室のページを見れば,その養護教諭の子ども達への思いとか自分の職に対する思い入れなどが伝わるものであることが大切です。

◆最後に,地域や行政とのコラボレーションや今後の見通しという視点から,保健室へのコンピュータ導入についてお話します。

 丹羽郡では,各校で使うというよりも,地域でつながっていくという視点で,大口町養護部会と扶桑町養護部会が話し合って,保健システムの開発を進めています。このことは,やがて,各校の子供たちという視点を超えて,「大口の子ども」「扶桑町の子ども」そして「丹羽郡の子ども」という視点でのものの見方,健康教育の見方につながっていくものと考えています。さらには,行政の保健センターやさまざまな社会教育とつながっていけることを目指しています。
 丹羽郡の養護部会が,ここまで大きな構想をもてるのも,保健室にLANにつながった(さらに高速光ファイバー)すばらしい環境にあるお陰です。

 では,そうした環境がない学校や地区は,どうしたらいいのでしょうか?

 保健室にコンピュータが設置されている,さらに,LANやインターネットに接続されている環境にあるという学校は,現状では,まだまだ少ないようです。愛知県でも,地区によって格差が大きいです。
 LANに接続することで,データを本体に残したままということがないという利点を,声を大にてし管理職や行政に訴えていくべきだと思います。盗難にあった場合に,データがサーバー内にあれば,万が一盗難にあった場合にも,個人情報は守られます。

 行政への働きかけにつきましては,各校の養護教諭がばらばらでお願いするのではなく,地区の養護教諭部会としてお願いする方がいいと思います。その際に,先生方が実践されたものをまとめ,あくまで子ども達のすこやかな成長のためということを前面に出していただき,粘り強く交渉していくことが必要です。
今後は,文部科学省の方針もあり,学校へのコンピュータ導入は進められていくと思いますが,その時に,保健室への設置ということが忘れられないように,積極的に働きかけることが必要です。だまっていては,一般の先生方も行政もどうして,保健室にコンピュータが必要なのかわからないからです。当然入るだろうと思っていたら,古いパソコンをスタンドアロンの状態でつかうはめになった
,という話は良く聞きます。
 地区の養護教諭部会があれば,そこで,ふだんから,話し合っておく,中心となって動く人も決めておくと,いざといいうタイミングですばやく動けると思います。

 最後になりましたが,コンピュータは,スキルで使うものではなくて,心と発想で使うもの。心と発想が先で,スキルは後なんです。思いついたけど,やり方わからなかったら,そこで堪能な人に聞けばいいし,同じ養護教諭の人で堪能なひとがいれば,「私アイディア出す人,あんた作る人」でいいのです。その時こそ,アナログとデジタルのネットワークがモノをいうのではないかと思います。

 終わり