愛知中学 土曜講座(メディアコース)10月5日  
 「メディアから発信される 健康情報を読み取ろう」
担当:扶桑町立山名小学校 養護教諭 桑原朱美


この日に作成した生徒の作品とコメントはこちら

事前準備
 渋滞で,到着が遅れ準備の時間がなくあわただかったが,コーディネーター,アシスタントの方々のご協力でなんとか準備ができた。
○パソコンの設定,スクリーン設置,プロジェクター位置合わせ
○ビデオの設定
○生徒の作品を黒板に貼る (1班〜8班まで番号をつける)
○グループポイント表を貼る。
○作品の審査用点数カードを,教頭先生・木野さん・坂中さん・熊沢さんに配る。
  ※準備が整った段階で,審査を始めてもらう。

イントロ(10分) 
1045分〜1055

(1)あいさつ
(2)今日の流れの確認と約束(★PP
(3)ポスターについての審査会
「これから,4人の審査員の方に審査結果を発表していただきます」 
 これからの講座もグループ対抗として,点数を加算し最後に最優秀だった班に,商品が出ることを伝える。
授業前半(35分) 1055分〜1130

1 指令を達成せよ!

「グループ対抗戦 第2回戦です。これから渡す指令カードを見て,指令の内容に沿ったキャッチコピーを作ってもらいます。キャッチコピーについて,これからビデオを見てもらいます。」   

★「体験!メディアのABC」を視聴。キャッチコピーについての説明を見る。(6分程度)

 生徒たちは結構静かに見ていた。このあと,指令カードとキャッチコピー作成キットを各班に配布し,作業を開始。アシスタントの方々とともに,各班をまわって助言した。

★アドバイスの視点として
 ○だれがターゲットなのかを,ターゲットを意識させるよう支援する。
 ○各班に参考となる資料をつけてあるので,それをヒントにつくるよう声かけをする。

★生徒たちのようすとアシスタントとのやりとり
 ・「JTの社員」という立場でタバコの売りだしキャッチコピーを作る班では,生徒から「タバコは体に悪いのに,売るためにうそをつくなんてできない」ということばが聞かれた。
→でも,これをやらなければ企業では仕事にならないんだよ。というアドバイスがあった。(木野さん談)

・キャッチコピーよりもイラストで伝えようという班が多くキャッチコピーを作る前にイラストを書き始める班が大半。(指示がまずかった)
・班によっては,思いつくコピーを書き出して,そこから組み合わせていくという手順を追っている班もあった。
・全体的にかなり苦戦していた。しかし,ちょっと助言するとひらめいて取り組む姿もあった。
11時半までに作ろうという約束だったが,「休憩いらんから」と作品づくりに取り組む班もあった。

 授業後半(30分) 1140分〜1210

2 クイズ!なんの指令だったでしょう?

★作品を掲示して,「ターゲットは誰か」を,プラカードで答えるという方法で行った。
全部の作品を見せることができなかった。生徒の中に不満が残った。ここでもっと作品についての思いを聞き出す必要があった。

3 タバコの広告を分析しよう!  

「この広告の中でタバコの広告はどれでしょう?グループで相談。プラカードに答えを書いていっせいにあげます。」

★何種類かの広告を見せ,タバコの広告だと思うものの番号をプラカードに書く。というクイズ形式で行った。
黒板前面に出てきて,広告を見比べていた。ここでは積極的な姿が見られた。・・しかし全問正解のグループなし。

★このあと,正解を示した。ここで,男性向けのタバコの広告では,雄大な自然を基調にしたさわやかなもの・
ほっとするイメージが中心で,女性向は,外国人女性が起用されて「キャリアウーマ」とか「元気なイメージ」が
出されていることなどを説明した。女性向タバコに外国人が使われていることに少し驚いていた。






4 タバコの害を知る。(★PP)
「タバコってこの広告のイメージのように,さわやかでほっとするイメージにふさわしいものだろうか」

★「赤ちゃんがタバコを食べたら…」という例とタバコの3つの煙の比較ということを例に出して説明。タバコの害については,生徒たちはシンと
静まり返って聞いてくれた。…しかし,ここでの印象が強すぎて,生徒の中には「メディアの授業なのに???」という感想を持った子があった。

5 外国のタバコの広告を見てみよう

「これからカナダで使われている警告カードを各班に一部ずつ配ります。このカードは,いったいどこに使われているのでしょう?」
★ここまでで,かなり時間が迫ってきたため,各班に配るはずのカナダのタバコ警告カードは,授業者が提示して説明した。
  タバコのパッケージの中にいれることがカナダでは義務付けられている点を押さえ,日本の状況と比較しながら説明した。
(注意書きが小さい,自動販売機でどこでも売られている,
CMやの状況など)

6 まとめ(PP)

 まとめでは,まわりにあるたくさんの健康に関する情報も,そのものをどう取り上げるかによって,
伝えるものがまったく違ってくるということを話した。例として中国のやせ薬について話した。 
これからは,文字を読み取る勉強とともに,写真や映像などもその意図をよみとる勉強が必要となることを話してまとめとした。

授業後の感想

○ キャッチコピーは,伝える意図や見方によって考え方が違うということがわかった。キャッチコピーのタバコの時タバコを売りたい会社と売りたくない会社とがあることがわかった。これからはキャッチコピーを見てこの会社は何を伝えたいかを考えてみたいと思う。
○キャッチコピーからその考えを感じ取るのはむずかしい。そのよさが書いてあっても危険なこともあって。もっといろんな情報をのせたほうがいいとおもいます。
○第5回目はキャッチコピーについてだった。キャッチコピーの体験をしようということでグループに集まってタバコについて考えようということになった。しかし,あまりまとまらない作品になった。しかもその後,キャッチコピーのはずがタバコの話になってしまってメディアじゃない気がした。
○目的によってキャッチコピーが違うことをしりました。しかし,その使い方によっては中国のやせぐすりの事件のように副作用が書いてなくて多くの被害を受けることもあることがわかりました。
○つたえる側の趣旨によってそのイメージが変わるので,見る側のレベルが大事だと思った。その広告をうのみにせずその商品の広告の本質を知る必要がある。キャッチコピーを考えるのはなかなか難しかった。商品のイメージを一文で表さなくてはならないから。
○「諸刃の剣のキャッチコピー」タバコを題にキャッチコピーのことをしりました。タバコは百害会って一利なしといわれるほどのものなのに,広告などではさわやかなイメージなどが書いてあり,イメージと実物のギャップがありました。そのいい例で,中国のやせ薬がありました。宣伝だとそのいいことしか書いてなかったが本当は人が死ぬほどの薬だったことでキャッチコピーはいいこともあれば悪いこともあると知りました。
○キャッチコピーには良いことばかりでなくちゃんと短所も書いておかなければそれを見て感じる印象が違ってくる。そのものに間違った見方をしてしまうからやはり一方的な考えではいけない。
○キャッチコピーは,伝える意図や見方によって考えが違うということがわかった。キャッチコピーはタバコを売りたい会社とうりなたくない立場があることがわかった。キャッチコピーを見てこの会社は何を伝えたいのか考えてみたい。
○僕らの指令は「未成年がタバコを吸うのをやめようとする」キャッチコピーの制作でした。キャッチコピーはいいできでした。今日は今までの中で1番楽しかった。
○キャッチコピーはタバコだけ見ても実際はいろいろなものがあって,資料によっても色々違い子とがわかった。
○キャッチコピーを実勢に作って対象に対して短いことばで伝えるのが難しいということがよくわかった。タバコのこともいろいろわかった。
○キャッチコピーを工夫した。タバコの悪いところよいところどちらもあった。タバコは第1に体が悪くなるということだ。大人になってもタバコはしません。他人にも悪いから。
○クイズは難しかった。「わからん」といいそうだった。自分たちの作品はクイズにならなかったからむかついた。
○クイズが面白かった。タバコは体に悪いし子どもにも悪影響だということがわかった。タバコのキャッチコピーはでたらめだと思った。
○タバコについて性向若者向けがあることがわかりました。でも,体に悪影響を及ぼすとなるとぼく葉吸わないと思う。しかも赤ちゃんが1本タバコを吸うと死んでしまうってすごいと思う。
○タバコの吸いすぎはだめだというキャッチコピーを作った。なかなか思いつきませんでした。タバコを吸うことでどうあんるかを最後にやた。当たり前だが赤ちゃんがタバコを1本食べると死ぬということがわかった。
○タバコを売る業者は自分勝手に人の健康を狂わせたりするのも気にせずにタバコを繰ることだけを考える。僕はそんなことだから今の若い子が未成年の人もタバコを吸う世の中になったのだと思う。僕は改めてタバコが嫌いになった。
○今日初めて聞いたことは,自動販売機は日本にはあるけれどアメリカやカナダではないということ。日本には自動販売機に広告みたいなものがあるのに外国などはない。日本も外国などをみならっていかなめればならない。赤ちゃんはタバコを1本食べてしまっただけで死んでしまうのだからもっと日本人はタバコの危険を知るべきだと思った。
○今月はタバコのキャッチコピーを書いたりクイズに答えるということをやった。僕はもともとタバコが嫌いで体に悪いということもしていたけどあらためて確認した。僕は大人になってもタバコを吸いたくないと思う。
○タバコはそうと植わるいということがわかった.今日はタバコが悪いということをキャッチコピーにした。カナダではタバコの自動販売機がないことがわかった。その理由はタバコに憧れないようにするためとわかった。
○タバコは数一よりも周りにいる人の方が害も大きくかわいそうだと思った。タバコは唐だの中にいる胎児にも影響があって子どもの流産の確率も増やす。そしてなにより子どもがタバコ1本を食べる都心でしまうことにびっくりした。
○いる野間にかタバコの話になっていた。初めはタバコの広告づくりだったのだが。ヤッパリ話がかわるのはよくない。タバコは吸ったら体によくないことぐらいわかっていた。でも今回さらに知った。本当にためになった。ありがとうございました。
○今日はタバコのことをよく知りました。タバコは立ち上る煙が1番悪くて吸っていないひとより近くにいる人がよく煙をすうのでタバコを吸っているひとよりも近くにいる人のほうがいろいろな病気にかかる。僕はタバコをすいたくありません。
○今日わかったことは,タバコが危険だということと,タバコは吸っている人よりタバコを吸っていないのに立ち上る煙を吸っている人のほうが危険だということです。ぼくはあらためてタバコの危険性を知りました。今日は本当に勉強になりました。
○キャッチコピーを書いた後にタバコは危ないということや悪性変異や侵食汚染沙良にタバコの悪いことがいろんな人々に感染拡大を起こすので本当によくないと思いました。
○カナダと日本はタバコの規制が全然違うということがわかりました。キャッチコピーはすごく大事だと思った。日本ももっとカナダみたいに規制をきびしくして欲しい。
○タバコはいろいろな面で問題を引き起こしているのにタバコ会社はそのことを否定しているばかりかそのことを広告で使わずいいことばかりだと思わせているだけなのでこのような事はないほうがいいので,法律で決めたほうがいいと思った。
○たばこについていろいろなことを知った。今までタバコは体に悪いということは知らなかったけどたくさん悪いことがある事を知った。キャッチコピーについても知ることができてよかった。ぼくは大人になってもタバコは吸わないようにしようと思った。
○タバコにはあまり関心がなかったのでつまらなかった。タバコは吸うものじゃないですね。今度はお酒にしてください。

授業の総括的な反省(終了後の話し合いから)

1 「メディアでタバコの害を教えているのか」「タバコを題材にメディアを教えているのか」がはっき
りしない結果となったように感じた。(自分としては,タバコを題材にメディアを教えているというつも
りだった。)生徒の感想を見てみても,「途中で話が変わった」と指摘しているものがある。生徒の感想を
見ても,「タバコの害がよくわかった」というものが多く,逆にいえば,こうした手法でタバコの授業を行
うのは,効果的ということか?

2 生徒ががんばって作った作品を,きちんと評価してあげる場がなかった。色々苦心して作ったのだから,
「メディア」ということにこだわる内容にするためにも,生徒たちの努力をたたえる意味でも,後半のタバコ
の害のことはカットして,そこを大切にすべきだった。外国との比較という点にこだわりすぎてしまった。

3 グループ活動にすることのプラス面とマイナス面を考えたい。グループでの共同作業では,やる子とやら
ない子にわかれてしまう。全員が意欲的に参加できる工夫が必要。

4 体験!メディアのABCはわかりやすくキャッチコピーについて説明していたが,実際に作るのは難しい。

5 グループ対抗の点数もすこし考え直した方がいい。