心にずしりと感じたいのちの重さ 
  第2回学校保健委員会 報告 =6年生総合的な学習  医療現場のお話を聞こう=

 11月20日(水) ,第2回 学校保健委員会を開催しました。講師は,
愛知みずほ大学教授 横山道代先生。

医師として,多くのがん患者の生と死を医療現場で見つめてこら
れました。
 先生が,患者さんとのその家族とともに考え続けてこられた「死
と向き合うこと」「生きること」・・・。
その体験を通して,いのちの大切さを語っていただきました。
 がん患者本人の苦しみ,闘病,死と向き合う姿,それを支える家
族の思いなど,医師としての立場から,
子どもたちにもわかりやすくお話をしてくださいました。
 先生の温かくおだやかな口調から,いのちの重さをずしりと感じ
とることができる,そんな貴重な時間となりました。




○私は,横山先生の話を聞いて「死」に対しての考え方が変わりました。私たちがふだんやっているゲームでは,簡単に人を殺すことができる。でも,先生の話を聞いてたとえゲームでも簡単に人を殺してはいけないとうこと。人の心(気持ち) の考え方について・・・私もよく,人の気持ちを考えることがあります。でも,つい気持ちを考えずに言葉を発してしまうことがあり,あとから気持ちを考えてしまうことがあります。人の心に気づく,気持ちを考えるということはとても難しいのです。最後に横山先生は,とてもたいせつなことを私たちに教えてくれました。誕生日のときに「ありがとう」というのはプレゼントをもらったからではない。「『うんでくれてありがとう』と言いましょう。」と言われました。この言葉を大切にしたいです。

○学校保健委員会で「死」について考えました。以前にも岐阜大学の近藤先生に「脳死と臓器移植」の授業をしたので,死については,少しぼくたちも勉強していたのでよくわかりました。もしも自分がガンになったら。ぼくだったら,ガンになったことをあまり言ってほしくないと思いました。それは,たぶん自分があと何日だといわれたとき,絶望するし,痛みを感じるならはもう死にたいと思ってしまうかもしれない。もし家族がガンだったら・・。ぼくは,たぶん家族の誰かがガンで死んでしまったら,すぐにはそれを受け入れられない。ずっと絶望してしまうかもしれない。


○私は,横山先生の話を聞いて死について考えてみました。私がもしも治らない病気になってしまったらたぶん家族に何をしてあげられるかよりも自分のことを真っ先に考えてしまうかもしれない。だから,自分より家族を大切にするって簡単そうに見えて結構難しいんだなと思いました。

○私は,どの話を聞いても,「うん,そうだ」とかいろいろ思いました。その中でも,特に最後のあるお母さんと小学校5年生の子どもの話は心に残りました。

 病気になったお母さんが小5の娘に思い出を残してやりたいと映画に一緒に行ったり,してあげました。お母さんがちゃんとガンと向き合っていて前向きに生きている。そのお母さんがすごいなぁ。私は,そのお母さんの話を聞いて,前向きに生きていけるようないけないような半々の気持ちになりました。それに,心の中も傷ついているというのは,そのとおりだと思いました。

○私が治らない病気になってしまったらすごくショックです。頭の中が真っ白になってしまうかもしれません。でも,元気な間は少しでも家族といっしょにいたいと思います。横山先生が話してくれたように,痛みや苦しみをがまんしていっしょにいることはできないと思います。家族の死の時も,自分の死の時も,いっしょにいたいし,いてもらいたいと思います。
○もしも私の家族が死んでしまったら,それを目の前にして私はいままでの思い出を思い出してやっぱりないてしまうだろうと思う。でも,家族の人は,私にたくさんの勇気をくれたので,その死を受け入れられると思う。

○もし自分が死ぬ立場だったら,横山先生の話のように,できるだけ家族と一緒にすごし,思い残すことのないよう,みんなとの時間を大事に過ごしたいです。そして「今までありがとう」と家族に伝えたい。

 

○今までは,誕生日に「ありがとう」といっていたのは,プレゼントをもらったからで「うんでくれてありがとう」じゃなかったけど,これからは「うんでくれてありがとう。」とお父さんとお母さんに言いたいなと思いました。

 

もしも,自分だったら?もしも家族だったら?と考えながら,
聞いていたのでしょうか?
 じっと,聞き入っていった子どもたちの姿は印象的でした。

子どもたちからは,質問がつぎつぎに出されました。
 「死を待つ人に対しての治療で一番難しいことは何ですか」
「ガンになりやすい体質は?」
「どうして死ぬと体温がなくなるの?」

○自分がもし明日死ぬことになったら好きなことをやってみたい。でも病気になっているから苦しいと思う。家族の中でだれかが死んだら多分泣くかもしれない。私は,家族の中で誰も死んでいない。だからどれくらい悲しいのかわからない。

○もし,自分でなく家族が残り少ない命だったらものすごくな泣くと思います。だってこの世に6人しかない家族だからです。だから,少しでもたくさんの時間をすごしたいです。だから家族にはずっと元気でいてほしいです。

○横山先生の話を聞いて感動しました。私は,自分の死がわかったら,やっぱり家族と一緒にすごしたい。家族と一緒だから落ち着くし,ず―っとあえなくなってしまうから。横山先生も病気と闘っている人のそばにいて,きっと直していあげたかったんだと思いました。家族の死がわかったら,私はできるだけそばにいてあげたい。もしもう死んでしまったら,そばでずっといて泣いていると思う

○横山先生が話してくださったお話は悲しかったです。私は自分が死んだら,家族の人が死んだら,と考えました。家族が死んだら私はとても悲しいです。思いっきりなくかもしれません。もし私が死んだらと思うと,家族が悲しむのはいやだし私も少しでも長く生きたいと思いました。私は,病気の人やガンの人を助けたいと思うけど,人の死を見るのはいやです。横山先生は何人もの死んでいく人たちを見たそうです。私は家族や自分,友達が死ぬのもいやです。

○ぼくの親がガンにかかってしまったら,一所懸命お手伝いをしたい。自分ガンにかかってもう助けられなかったらみんなにありがとうといいたい。今日はいい話が聞けたと思う。

○私は,横山先生の話を聞いて,生きるとか死ぬということがよくわかりました。横山先生は,ガンに苦しむ人たちの話をしてくれました。病気を治すことだけでなく心のケアも大事だと教えてくださいました。もし,私のお母さん,お父さんや家族の人たちがガンになってお医者さんが「もうすぐ死んでしまう」といったら私はたくさん泣いてしまうだろうし,私も死にたいと,思うかもしれない。けれど,先生が話を聞いて,もしも,家族の人が死ぬことになったら。私は悲しいと思うけれども,心の中で生きていればいいんだと思いたいです。死んでしまうまでの間は家で看病しながら最後まで一緒にいたいです。逆に私がガンになったら,家に帰って家族との思い出を増やしたいです。横山先生の話はずっと忘れたくない話でした。

○私は,自分の「死」について考えさせられたりしました。私は自分が死ぬと告知されたら遺書を残したい。みんなが悲しむのが嫌いだから悲しまないように言葉を残したい。

○私が考えさせられたのは,小学校5年の女の子の話です。お母さんがガンにかかってしまって,死んでしまった時,女の子は静かに泣いてお母さんのきれいな髪にリボンをまいてあげました。その話を聞いて,涙がぽろぽろと出てきました。私は,もしそれが自分のお母さんだったらと考えていました。私は,女の子の気持ちがすごくわかりました。女の子が静かに泣いた時もきっと女の子は最後まで,お母さんに,自分が「強いんだよ,さびしくないよ」といってるかのようでした。お母さんもきっとそのことをずっと願っていたいたんだと思います。自分もこんなことがあったら,私は,お母さんの病気のことを教えてほしいと思いました。だって,何も知らなかったら大切な貴重な時間だから,普通に過ごすより買い物に行ったりしていっぱい楽しい時間をすごして,いい思い出ばかりにしたいからです。この話を聞いて命のたいせつさを大人になってもわすれません。


○ぼくは今まで,死んだらどうなるんだろう?と考えたことが何回かありました。死ぬということは,怖いと思っていましたが,今日のお話を聞いたら,怖くなくなりました。死ぬということは,その前に何かをするということを考えなければならないと思いました。



保護者の感想

5年生のお母さんが突然胃ガンと言われた時のそのお母さんの気持ちはどんなふうなのか本人じゃない限り到底わからないと思います。でも,私の同級生も1年前に小6の女の子と小5の男の子を残してなくなりました。やっぱり彼女も子どものことばかり考えて,ふらふらの体で肺に水がたまり,呼吸困難なのに,この時期の学校の保護者会にご主人の車に乗せてもらって行ったと聞きました。どんなにしても心残りばかりかもしれないけど,一生懸命子供のためにできる限りしたと思います。それ以来,私は子供と一緒にいられるのだからと思い,毎日たいせつに子供とのひと時を送ろうと思っています。また,その時のことを思い出して少しダブってしまいました。

★いのちの尊さ,大切さを改めて感じました。これからの死を迎える家族のあり方を含めて考えていきたいと思います。

★ノンフィクションの話はさすがに重いと感動しました。子どもたちの心にも響いたと思います。これからもいろいろな分野の現場の話を聞く機会を作ってほしいです。

★もっとたくさんの方々に参加していただけたらよかったのではないでしょうか。現実的な話でご自身の経験からいろいろなことが聞けてよかったです。今回は小さい子どもたちにも聞かせてあげたらよい話だと思いました。

★横山先生のお話は,重いテーマでしたが,温かい口調でわかりやすくいのち・心の大切さが子供たちの心に残ると思います。週5日となり,なかなか時間がとりにくいと思いますが,勉強より大切な学習ですので,今後も同様に続けていただきたい。

★内容はわかりやすく子ども向けだが1時間を越えるのは子供にとって長いのでは?臨床医ならではの具体例をとりあげたのは興味が深かったが,もう少し短いほうがいいと思いました。

★目の前の勉強が大事,そしていのちについての学習がそれほど必要かどうかなんて思っていましたが,いのちについてということが人間にとって一番身近で大切であることが改めてわかりました。

★私も家族がガンの治療中だったときのことを思い出し,本人の気持ちになってあげていたつもりでしたが,こればっかりは病気の本人の気持ちにはなれないと思います。

★いのちについての勉強はとても大切なので,これからも続けてほしいです。