19.Apr.2006

 

春山シーズンになってからというもの
天候が相変わらず安定せず
自分のリズムと天気変動のリズムが合わない
こうゆう時はムリをしてはダメ
自分のセットが遥か沖から入ってくるのをじっくり待つべし

とは言うものの
ほとんどツアー日程的にも最後の最後になっちゃって
もうこのまま山遊びは終了しちゃうのか?
なんだかスッキリしない気持ちの毎日じゃのう

そこへとうとう
なんとか自分の乗るべきセットが遥か沖に見え始めた...
ような気がした
あわてず騒がず
直前までじっくり見極めて...

 

 

 

 

テイクオフしてみた

 

 

 

 

 

こここ、これわ...

 

 

 

本日は豪華トネガワコンビによる送迎であった
アリガタヤ、アリガタヤ

 

そしてコレが送迎リムジン
なワケはない
「ももちゃんクレープ号」である
なんだかなあ

 

ほぼ天気予報通り
薄曇り
気温は高からず低からず

 

本日のゲストは
自分入れて3名
自分だけボードであった

 

山は我々にいろんな情報を無言で投げかけてくる
五感をフルに働かせて
山の言葉を聞こう

 

注意

 

ましょう

 

今日も安全に楽しく遊ばせてください
とお祈りする

 

そして安全を最大限に確保してくれるのが
このヒト
イイ顔してます

 

今回、親分と自分はアイゼンでハイク
こうゆう場面はシューは歩きにくいですね
それ以外でも
この時期のハイクはシューよりアイゼンのが
何かとラクだし
使い勝手も良いかも

 

それにしても静かで
他には滑り目的でハイクしてくる人もいない
こんなに風がないこの尾根は初めてかも

 

 

それでも途中から南西の風が少し上がってきて
気温も低めで寒くなってきた
汗だくのハイクを予想してただけに
ちょっとびっくり

 

何度来ても圧倒される景色

 

 

いよいよ降下開始

本日の目標シュートは
かなりリスキーな地形で
雪が良ければスゲェ楽しいのだろうけど
そんな雪質の時はほとんどなく
今回もそのセオリー通り
かなりな悪雪だった

そんなワケで自分は
久しぶりに「滑り」 で強烈に緊張してしまいました

何事も適度な緊張感はプラスになるけれど
極度な緊張状態は
本来の自分の能力を発揮できないどころか
とても危険である

そしてなぜそのような緊張状態になってしまうのかと言うと
ようするに「その場の状況(コンディション/ロケーション)」に対しての
自分の能力のマージンが少ない
もしくはまったくない
さらには足りない
ということに起因しているわけで

本来人間がこのようなアウトドア系の遊びに対して
快感を感じるのは
「自分の能力」と「その場の状況」のマージン部分であり
「状況」が「能力」のラインをほんのちょっと越えたり戻ったりすることで
スリルを感じたりもするのでありましょう
言ってみれば
その「スリル」がアウトドア遊びの「快感」でもあるわけだと思うのです

そしてそのような
ほんの少しだけ一線を越えたり戻ったりを繰り返すことによって
自分の能力も向上すると
こういうことなのでわないかな、と

でもって今回は
その「一線を越えた度合い」が
ちょっと多かった、
らしい

 

というエラそうな能書きは読み流してもらうとして

 

ドーンとイッちゃってくださぁ〜い!

 

 

 

写真にすると判りにくいですが
スゴイ斜度感です

 

核心部中のさらに核心部を
ジャンプターンでクリアーしていく親分

 

 

 

スリルをフルコースで堪能するゲストたち

 

 

 

最終セクションへ向かう親分

 

下から見た最終セクション

 

無事ボトムへ到着

 

成功をエアで祝う親分

 

そして笑顔炸裂

結果的に
エントリーセクションと最終セクションは
かなり調子良い雪でリラックスして楽しめましたが
核心部およびその前後のセクションは
緊張の連続
達成感は最高でした
素晴らしい斜面だ

 

そしてこの後
おなじみのメロウで巨大なボトムを延々ユク
止まりまくる雪を予想してたんだけど
快適なクルージングだった

 

本日の収穫は
画像左上隅からボトム中央へ向かって落ち込む
タイトな沢
中央下にちっこく見えるのが親分

 

そしてとうとうボトムを埋め尽くすデブリ畑に遭遇

 

なごみエリアのセイフティーゾーンに接近

 

まずは無事に核心部を終えられて
ほっとココロ休まるひととき

「イチロヲさん、ダグ・クームズが...」
そのとき親分が静かに言った
自分もそのことを考えていた
事が事だけに
核心部を抜けて落ち着いたら話そう、と思ってた
どうやら親分も同じことを考えていたらしい

「ダグ、クレイグ・ケリー、トレバー・ピーターセン、それから誰でしたっけヨーロッパの...」
「マルコ・シフレディ...」
「そうマルコ、偉大な滑り手はみんな亡くなっちゃう
こういうことやってるといつか死んじゃうんですかね... 」

「人間は遅かれ速かれいつかは必ずその日が来ますよね
それまでにどうゆう生き方をしたかってことなんではないでしょうか
たしかにまだこれからやりたいことだって一杯あっただろうし、
残された人のこととか考えたら、この上もなく悲しいことだけど
もしかして本人には幸せな最後だったと言えるのかもしれませんよね」

という自分は幸せな最後を迎えられるような生き方をしているのか?
というとまったくそんなことはない
本当はそんな偉そうなことを言える立場にすらまったくないし
少なくとも自分のような極々普通の人間は
リスクを限りなくゼロに近付けた行動をとるべきなのでしょう

人間は自分ひとりだけで生きているのではない
廻りの全ての人や物のおかげで生かされているのだ、と

なんてちょっとセンチになってみたりして
らしくねぇぇぇぇぇぇ!!!!

さあ体冷えきるまえに下りちゃいましょ

 

 

後半はまさしく
山あり谷ありで
楽しい時間が続く

 

ちょっとした場所でも
「楽しむ」 ってことを忘れたくないんだ
僕達は

てなカンジですか

 

 

そしてとうとう無事帰還
最高の山に最高の笑顔
無限の時が静かに流れた
今日も、そしてシーズンを通して
最高の遊びを楽しく安全に先導してくれた
トネ親分はじめカラースポーツのみなさまに感謝
一緒になったゲストのミナサマもどうもありがとう

そしてもちろん山のカミサマにも感謝
来シーズンもまた楽しく遊ばせてもらえたらうれしいです

 

 

 

時は際限なく流れ続ける
人間の営みとは関わりなく
まさしく砂時計の砂が流れ落ちるかのごとくに

just flow with it

 

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