1. 概要 1-1. 何をどうしたらいいのか (1) 10年が経ってしまった `26 * はじめに かつてWWWを見るのにウェブサ−フィンをすると言った。今週のク−ルなサイトなんて 紹介されたりしたものだ。 雑誌「Internet Magazine」を毎月買って、オペラのサイトな んかに見入っていた。巻末のインタ−ネットのプロパイダのマップが毎月毎月、拡大して 行くのも見ていた。あれからおよそ10年が過ぎた。"よい子のイントラネット"の原形は 1994年の年末ぐらいに書いた、インタ−ネット接続の20ペ−ジぐらいのレポ−トだ った。まるでどうしたらいいか分からず、何が分からないかも分からず、いろんな人に聞 きまくったり勉強したりしてこんなんで一応できるのでないか。そうやって分かるところ をまとめてみたのである。そしてダイアルアップIP接続をするようになって、1996 年にある程度まとめたところでインタ−ネットに出した。幾つか付き合いのあったSI業 者にプリントしてはコメントをもらったりもした。1997年に最後にプリントしたのが 残っているが、その時点で500ペ−ジにもなっていた。 読んでくれている人から、プリントして手元に置き参考にしてますとメ−ルを何人にもも らった。今やプリントできる量ではない。いつ本になりますかという問も受けた。しかし これだけのボリュ−ムになると、おいそれと本という訳にもいかない。最初の頃に書いた ことは内容的に古くなってしまってもいる。しかし本書は即物的なマニュアルを目指した 訳でなく、一人のエンジニアがどうやって未知の課題に取り組んで行ったか、その過程も 示したかったのである。コンピュ−タの世界は今なお、進化し続けている。勉強獲得した 知識技術は直ぐに腐沈化していく。一見、新しいことでも過去の歴史を辿っていくと、そ れが出てきた背景というのが見えてくる。それははっきりと説明できるものもあるし、技 術的な勘のようなものもある。それはやはり書くことによって頭が整理される。読み直す ことによる自問自答、さらには他のエンジニアとのディスカッションにより、見えてくる ものなのである。勘が働かなくなったら、そこで技術者としての命運は尽きる。 これまで15章に渡って書いてきた。これで終わりになると思いきや終わりそうにはない。 新しい技術がこなれて使い物になる製品が出て来る。レイヤ7スイッチで全てのアクセス 制御をする装置なぞ、認証VLANとかを飛び越している。広域ネットワ−クでファイル アクセスを高速化する装置も使えそうだ。ユ−ザ認証に管理、LDAPサ−バの利用をベ−ス にこれから本格化させていかなければならない。電子メ−ルに関しては、メ−ルリレ−機 能をアウトソ−シングして、より安心して使えるメ−ル環境を構築していくこと。迷惑メ −ルもspamも排除してもらい、クリ−ンなメ−ルをやりとりできるようにする。そし てできればファイアウォ−ルも侵入防御装置も、運用監視を外部に委託していくこと。つ まりこれまで我々がやってきたネットワ−ク管理は、できるだけ外に出していくのである。 もはや社内のエンジニアが一人勉強して、やっていける範囲を超えた。餅は餅屋に任かせ て、再び貴方しかできないことを取り組んで行かなければならない。 これからはサ−ビスの構築に力を注ぐべきである。同業他社がまだ考えていないようなア イデアを捻り出し、残された年月その実現に尽力すべきである。今のインタ−ネット、イ ントラネットの枠組みでは幾ら頑張ったところで、その危険性はなくならない。このまま 貴方のリソ−スを費やしていくのは無駄でしかない。かといってネットワ−クを放置する 訳にも行かない。そのために新たな枠組みを考えた。同時によい子のイントラネットの結 論にもなった。インタ−ネットの中に作る新たな仮想世界、マトリックスである。もはや インタ−ネットでもなければパソコンでもない。インタ−ネットはマトリックスへの入り 口として使うものの、いったんマトリックスへ入ったらDNSもメ−ルサ−バもない世界。 邪悪に満ちたインタ−ネットの世界、危険極まりないパソコン。そうした中で安全な世界 を構築する一つの提案である。詳しくは"4-7.イントラネット構築最終章"の最後に記載し た。Web2.0が急激に広まったようにマトリックスの概念も広がることを望む。 * 10年が経ってしまった ファイアウォ−ルもウィルスチェックも1996年には必要なかった。 2000年なる前にDMZ構成にファイアウォ−ルは当り前だった。 個人情報保護法ではファイル共有の何がしかのサ−バがいった。 ISMS とか色々あったけどSOX法は法律だから対策が何がしかいる。 10年経った2006年は次のネットワ−クのステ−ジの始まり。 "よい子のイントラネット" の結論が2006年8月に自然と出た。 * システムの維持はなお大変 `99 インタ−ネット接続システムは構築して稼働を始めてしまえば、それで終わりというもの ではない。問題は次々に出て来る。メ−ルやファイアウォ−ルなどソフトのパッチ当てや バ−ジョンアップは勿論。ウィルス対策もそのうち必須になってくるかも知れない。問題 が自社内に留まるようなものならまだしも、不特定多数に影響が及ぶ可能性さえある。こ のような問題を理解しているのは、今のところいわば管理者だけであり、何かあった場合 の責任は全部、一人の管理者にかかってくる恐れがある。組織に理解があって、必要な器 材やサ−ビスを購入できればいいが、そうでない場合が多いのでないだろうか。そのよう な状況にあって、今後でてくる問題にも対処し、システムを維持させていくのは極めて難 しい。2000年対応などはどのような問題が出るのか予見すら難しい。管理者の責任は ドキュメントを作成し、上司に提出し残しておくことで一応回避できるとされる。少なく ともファイアウォ−ル設置などやるべき事は、申請書にして上司に出していくこと。 * 悪の巣窟になってインフラの崩壊 `24 雑誌やシンポジウムでも、インタ−ネットの崩壊と言う言葉がささやかれるようになった。 まさかと思いたいが、現実そういう方向に走っているような気がする。もうすでにメ−ル は、ウィルス入りメ−ルと訳の分からない所から来る迷惑メ−ルで一杯である。小生の所 でも9割方そんなんでないのか。ウィルスチェックをすり抜けるのも多数。メ−ルの用を なさなくなってきつつある。郵便受けに、ピンクちらしやらダイレクトメ−ルが毎日百通 も来たら、本物の封書やハガキが埋没してしまう。WWWアクセスもDNSのなりすまし、 いつの間にかおかしなサイトに誘導されていたり。普通の世界と悪意の世界が渾然一体に なっている。エロ本屋は、裏通りに遠慮勝ちにあるものだ。それが表通りのブティックの 横に並んでいるようなものである。それが今のインタ−ネットの世界だ。研究者だけの善 意のネットワ−クだったのが、十年でこんなことになってしまった。何ともおぞましいこ とだ。もはやインタ−ネットは性善説は通用しない、性悪説をも通り越している。 * 日本版SOX法ヘの実際的対応 `26 一応いろいろセミ−にも出て感触を掴んでみた。社内の法務や経理部門それにIT部門で それぞれ何をしなければならないか。だいたい分かってきた。だいたい事務方の人間、こ こではホスト系の人達も含む、彼等は書類を整備することが主眼となる。我々のようなと ころは、どうすべきかはまだ未知数になっている。IT全般統制ということで言うなら全 部が関係する。ファイアウォ−ルのログは勿論、メ−ルのログに内容を全部とか言う話も ある。多分まともなセミナ−の幾つかで得たところでは、メ−ルの内容まで残すのは行き 過ぎである。ユ−ザのアクセスコントロ−ル、ユ−ザの認証、各種ログの取得、不正会計 の証拠となりそうな各種文書のバックアップ。ここら辺りが最低限の対応になるのでない か。文書整備はほどほどに、過剰反応はしないこと。SOX法に対応するというのは、そ れぞれの企業がこれでよしという書類を作り、その通りやること。書類の内容が審査する 人が納得するものを作ること。実際的なセキュリティとは関係ない。それが法律である。 * 最初に言ったようにパソコンが癌 `26 結局パソコンは何ともならなかった。はびこるだけはびこってしまった。1台1台と必要 な部署、人に配置していったら、いつの間にかこうなった。パソコンはあくまでもパ−ソ ナル・コンピュ−タであって個人で使うものなのだ。それぞれの人の好みの設定があって、 個人が作ったファイルが一杯ある。所詮そこに内部的な統制を仕掛けようとしてもできな い。会社の個人の机の中味がどうなっているか。整然と消しゴムは1個、シャ−プペンは 2本、場所はここ。5Sとか言って総務辺りがチェックに回るところもあるかも知れない。 しかし所詮、一時的なことであって、いつの間にか机の中は適当にくしゃくしゃになって いる。異動の際は机ごと持っていくこともあるかも知れない、まあビニ−ル袋にぶちまけ て移動するのだ。そんな感覚でパソコンもいたから、問題が大きくなったのだ。パソコン はきっちり計画して統制すべき対象だった。そのことをきっちり認識すべきだったのであ る。ようやく雑誌でもそこを指摘する記事が出てきた、遅いです。 参考:「日経コンピュ−タ」2006/09/18 "特集1: さらばパソコン、このままでは使い続 けられない"、パソコンはもはや限界、動き出すシンクライアント、見えてきた現実解。 * 約20年が経ってしまった 2016年早々ぐらいに書いたことで。サイバ−攻撃は今や本物で日常になってしまった。 今日、進行形で進んでいるサイバ−攻撃による情報漏洩、ランサムウェアによるパソコン の人質。これらに立ち向かう備えがほとんどの企業、学校、役所などで出来ていない。も うやられて当然。ケンシロウの台詞で "おまえはもう死んでいる" じゃないが、もうすで にマルウェアは侵入している。我々は気付かないだけだ。侵入しているかどうかを検知す るツ−ルを大方の組織は持ち合わせていない。市販のツ−ルは有るには有るが買ってない。 サンドボックス製品はどこのSI業者もまだ自信をもって扱えますという状況にはなって いない。年金機構の事件があって初めてというか、ようやくサンドボックスじゃないと守 れないということに気付いた。それから慌てて社内で検討を始めたという按配である。そ れにまだ十分にこなれている状況でもない。FortiGate でもサンドボックスの機能が入っ てからの月日がまだ浅いのが気になる。しかし FireEye は実質もう選択肢ではないし。 2017年の秋になって状況はますます悪化している。もはや守り切れない、その思いが 確信を帯びてきた。マルウェアの社内ヘの侵入は防ぐことはできない、その上での対処法 を考えるべきである。それにはどうすべきか、どんな対策ができるか、この1年ぐらいず っと思いを巡らしていた。10月18日、郷里の祭りの新幹線の中でふと思い付いた。デ −タを保護すること。マルウェアで情報を獲られるはまだ可愛い。ランサムウェアでデ− タを暗号化されてしまうのは困る。お金を払わないと腹いせに、暗号化されたパソコンだ けでなく社内のパソコンやサ−バも芋蔓式にデ−タを暗号化されたり消去されたりするか も知れない。デ−タを消されては企業活動が出来なくなる、死活問題である。そのために デ−タを保護するファイルサ−バを設置するのである。単純には FTPサ−バのようなもの で Windows や Linux のフォルダやディレクトリにはしない。バグを極力無いようにした プログラムでもってセキュアにしたファイルサ−バである。市販で有るやら無いやら。 (2) イントラネットへの道筋 '96 -------------------------------------------------------------------------------- 以下(2)〜(5)は1996年当時に書いた話。今一度、すでにある要望や今後想定される要 望を整理し、どう対処するか決めた後、イントラネット構築に進まなければならない。 -------------------------------------------------------------------------------- * 管理者を取り巻く背景 ここで言う管理者とは、EWSの管理者、CADの管理者、ネットワ−クの管理者などな ど、社内のパソコンやEWSに関することを何でもめんどうみなければならない人のこと である。職階は関係ない。毎日コンピュ−タに接して肌でインタ−ネット時代の変化のス ピ−ドを実感している人のことである。管理者の仕事は非常に多岐にわたる。インタ−ネ ット時代に生き伸びる企業にするためには、ともかくインタ−ネット接続することが先決 である。 もし現在何らかのアプリケ−ションを作っている途中であっても、インタ−ネットの方を 整備するのが先である。それぐらい時代は進んでいる。インタ−ネットに接続してどうす るのだ。そういう声があちらこちらから聞こえてくるだろう。しかしもうじきに、あっと いう間に企業においてもインタ−ネットの利用が進む。特に電子メ−ルは必需品になるだ ろう。その次にはCALSが待ち構えている。 気が付いた時にはもう手遅れになっているかも知れない。ライバル企業はもう着々と整備 し、インタ−ネットによる取引先網を作り上げているかもしれない。あるいは、ライバル 企業うんぬんではなく、アジアのどこかの企業がいつの間にか詳しくはWWWでと宣伝を 始めるかもしれない。ともかくインタ−ネットについて一番よくわかっているのは、本書 を今読んでいる貴方だ。貴方が平社員であろうとなかろうと、君がやるしかないのだ。君 が管理者なのだ。 電子メ−ルを実際に他部門の人が使うようになるまでは、まだ時間がかかる。とりあえず WWWサ−ビスを開始することだ。その間に、電子メ−ルを社内で使えるように社内のネ ットワ−クを修正する。そのときに社内のコンピュ−タの情報を守るために、ファイアウ ォ−ルを設置することを怠ってはならない。インタ−ネットに接続すれば、世界中から自 社のコンピュ−タにアクセスできるようになることを忘れてはいけない。 このほかにも同時に、管理者は様々なことをやらなければならない。社内ネットワ−クの 負荷の分散計画、CALSの勉強、ユ−ザの啓蒙など、いくら時間があっても足らないぐ らいだろう。またこれ以外にも、直接、間接的にいろいろな要望が投げかけられる。個々 に聞いてその度に対応していたのでは、管理者自身パンクするであろうし、全体のシステ ムは、もはやシステムと呼べなくなってしまうだろう。 * 管理者の様々な仕事 とりあえず管理者がかかえる仕事を挙げてみた。従来あった仕事の "トラブル対策" から "コンピュ−タ使用環境対策" に、"セキュリティ対策" がインタ−ネット接続には追加さ れる。更に "個人情報のセキュリティ対策" も多分含める必要がある。インタ−ネットは 新しい通信手段でもあり、悪質な電話勧誘と同等に悪用される可能性がある。すでに可能 性というよりも、アメリカでは実際の問題になっているようである。ビジネスに関係ない 電子メ−ルをファイアウォ−ルでシャットアウトするような仕組みが必要である。 トラブル対策 デ−タバックアップ対策 ネットワ−ク負荷対策 + セキュリティ対策 オペレ−タ保護対策 個人情報のセキュリティ対策 コンピュ−タ使用環境対策 セキュリティ対策はファイアウォ−ルを設けることで先ず対処できるが、これだけではダ メである。多くの中小企業では、建屋自体への侵入を許さないような防犯が完全だとはと てもや思えない。容易にスニ−カ−・クラッカ−に侵入されてしまう。スニ−カ−をはい てやってくる破壊者、スニ−カ−・ネットになぞらえて勝手につけた。幾らファイアウォ −ルだとか言っても、頭隠して尻隠さずでは話にならない。コンピュ−タのデ−タは企業 の脳だといってもよい。管理者はこのことを機会ある度に話していくしかない。 蛇足ながら "オペレ−タ保護対策" と "コンピュ−タ使用環境対策" についても述べてお く。EWSやパソコンはホスト系に較べお手軽なものだという感じがあるのか、両対策は お粗末なところがある。空調もままならない場所で、ディスプレイ・フィルタ−もない環 境で使用している場合が多いのでないだろうか。そこでは管理者と言っても30才ぐらい の何の役職もない人が実質的な役割を担っていることが想定できる。何の権限がないとい えども、やることはやらないけない。CAD操作者等の眼性疲労を軽減すること、女性の 母体を保護するための電磁波防止エプロン、コンピュ−タ・トラブルを未然に防止するた めの空調管理などなど、管理者にはその責任がある。権限無き責任があるのである。 * 管理者への要望の拡大 うちもWWWとかいうのをやらないかん。 ↓ 社内からもインタ−ネットを使いたい。 ↓ ホストのデ−タをパソコンで使いたいが。 ↓ 昔の98もなんとかならんか。 ↓ ノ−トパソコンもあるがなんとかせ−。 ↓ ISO-9000 とかで文書管理もコンピュ−タ化せないかん。 ↓ Lotus Notes とかいうのがはやっているが、うちもやれ−。 ↓ PL対策はどうするの。 ↓ PDMというのもあるらしいぞ。うちはどうなっとる。 ↓ CALSとかECをやらんと生き残れんらしいぞ。 ↓ 最近のNC旋盤は TCP/IP 対応とかいっているぞ。 * はびこるパソコンの扱いを決める こいつを何とかしないと、パソコンの御用聞きに成り下がってしまう。イントラネットど ころではなくなってしまう。いつの間にかパソコンが増えている。事務所のスペ−スや個 人の机の関係からノ−トパソコンもはびこっている。もういろいろな機種があり、MS-DOS のバ−ションも多彩である。NECの98−Hなんていう、98シリ−ズでもちょっと特 殊なやつもあったりする。 本来ならばもう全てのパソコンを、 Windows 95 または NT 対応のパソコンに買い替える べきである。大企業では一挙に変更している。中小企業こそ、なおさらそうすべきではな いか。限られた人材で、パソコンに降り回されていては、本来の業務が進まないどころか、 何をやっているのか分からなくなってしまう。しかし一括してどうのこうのという費用は 出にくい。結果、パソコンにちょっと詳しいじんが走り回ることになる。 昔の98やスペックの低いノ−トパソコンは、もはや何ともならない。切り捨てるしかな い。ネットワ−ク接続するためには、メモリやハ−ドディスクの増設、ネットワ−クボ− ドの追加など、出費とかなりの労力が強いられる。もしやれたとしても、次々に問題が起 こる。Lotus の表が出んようになったとか。プリント出力せんとか。労多くして益なしと はこのことである。 もしどうしてもという部署があれば、○○商会などのパンフレットを渡して、該当部署の 責任でやってもらうことにする。○○商会はそれは、きっちりしたカタログを作っている。 パソコンのインスト−ル幾ら、パソコン移動幾ら幾らと掲載している。管理者がセットア ップしようが、○○商会にやってもらおうが、それだけの費用は出ていくということを知 ってもらう。 それに今後社内で買うパソコンは、ソフトやボ−ドはインスト−ルして納入してもらうよ うにしよう。Windows 95 は Plug and Play だから大丈夫というのは甘い。何かあれば結 局、手を貸さざるを得ないのはやっぱり管理者なのだ。買ったパソコンは電源を入れれば、 そのままで動く。個人ユ−ザではないのだから、これを当然としていこう。自分でやれば 少し安くできる、パ−ツを自分で買ってくればもっと安くできる。そんな意識は捨てよ。 それに納入の際には中身だけにしてもらおう。箱をつぶす手間も省ける。最近はゴミ捨て の区分が厳しくなってきたため、発砲スチロ−ル、ダンボ−ルなどとわけないけない。1 台分のパソコンの箱をつぶすだけで小一時間かかる。パ−トのおばさんにできる仕事を管 理者たる貴方がしていてはいけない。これこそ人的資源の無駄使いである。貴方は貴方に しかできない事をやれ、誰にでも切るような事は、言い方は悪いが見て見ぬふりをせよ。 * そしてイントラネット構築の道筋 要望への見解と対策を考える ↓ はびこるパソコンの扱いを決める ↓ WWWサ−ビスを開始する ↓ インタ−ネット接続口を設計する ↓ ファイアウォ−ルを設置する ↓ 内部ネットワ−クを外界に接続する ↓ ここからやっとイントラネットへ (3) オペレ−タ保護対策 '98 * 問題提起をしよう この問題は予想以上に大きいと考えるべきである。 Windows 95 が出てからというものオ フィスはパソコンだらけになってしまった。それに付随してプリンタなどのOA機器も蔓 延してしまった。完全コンピュ−タ依存の仕事になった今、これまで以上にコンピュ−タ を扱うオペレ−タ、いやオフィスにいる人全員の保護対策を講じる必要性がある。これは 単に私的な問題ではなく、オフィス業務の生産性にかかわるパブリックな問題である。無 理してVDT作業を続けさせれば、結局疲労がたまってきて、間違いを起こしやすくなり、 だんだん作業効率自体が落ちてくる。コンピュ−タの導入は生産性のアップを目指したは ずである。それが逆の結果を生むことにだってなりかねない。 * VDT症候群への対策 コンピュ−タ・ディスプレイを毎日見ていると確実に視力は低下する。また眼性疲労にな り、家に帰えってもボ−とすることが頻繁に起こってくる。これが日常的になれば、業務 の進捗にも支障をきたすことになる。眼性疲労になる原因は、眼球運動とまばたきが減る ことによる涙腺機能の低下らしいことが分かっている。これはドライアイと言われる。ひ どくなると顔に何かひっついているような感じになってくる。とりあえずすぐできること は、目を休ませることである。一応労働省のガイドラインには、1時間のVDT作業には 10〜15分の休憩をとることが述べられている。しかし、ほとんど実施されていないの が実態である。自分で自発的に守るしかない。労働省はこれを法制化すべきである。 ・1時間に10分程度目を休ませる。 ・3時には体操をする。気分転換にもなる。 ・目にあったメガネをかけること。(これ結構重要みたい) ・リフレッシュレ−トの高いディスプレイにすること。(目にやさしい) 次の対策としては、ディスプレイを見る角度やディスプレイを見にくくする要因の排除で ある。ディスプレイは上目に見ていると、ますますまばたきをしなくなり、目の疲れがひ どくなる。この対策には、簡単に上下するOAチェアを買うことしかない。OAチェアは 少し高い。黙っていては入らない。管理者は機会を逃さず、購入の前例を作ってしまうこ とが必要である。光のディスプレイへの映り込みには、ブラインドの装着しか手がないだ ろう。そしてできれば天井光は間接照明が望ましい。小生の友人は、設備会社の内部SE をやっているが、部屋に必要な照度を計算して、間接照明になるよう天井に細工していた。 ・ディスプレイに対して目線をやや下目にする。 ・後ろの光がディスプレイに映り込まないようにする。 ・ディスプレイとフィルタ−を掃除する。 ・天井の蛍光灯はできれば間接照明にする。 そして、今もってよく分かっていないのが電磁波の影響である。丸善へ行って電磁波問題 の本を見たら10冊以上あった。まだ現在の科学では絶対的に悪影響があるとは分かって いないようである。だからといって何も対策しないというのは愚かな話である。健康に関 することは、疑わしきは罰する態度が必要である。問題は十年も経った頃、やっと表面化 する。今日言われているダイオキシンや地下水汚染などそうである。電磁波はディスプレ イからだけでなくコンピュ−タ本体からも、あるいはOA機器や電化製品からも出ている。 コンピュ−タが先ず問題になるのは、接近して長時間使うからである。CADオペレ−タ のように大型ディスプレイを使う場合は、格段に多くの電磁波を浴びていると考えられる。 ・コンピュ−タ作業しない時はコンピュ−タから離れる。 ・プリンタ、大型のCAD用プロッタ−は別室におく。 ・電磁波防止エプロンの着用を義務付ける。 ・TFT 液晶ディスプレイを使う。電磁波は出ないらしい。 ・一番いいとされるディスプレイ・フィルタ−を使う。 ================================================================================ 電磁波対策の一番の基本は、電磁波発生源から離れること。少なくとも1メ−トル離れれ ばだいぶ影響はなくなるらしい。電磁波防止エプロンはできれば日常的に着用したい。女 性だけでなく、できれば男性も付ける方が望ましい。現在コンピュ−タ作業の多くは、社 内または派遣社員などの女性が担う場合が増加している。管理者はさりげなくエプロンを 支給し、着用は無理強いをしてはならない。これは管理者または上司の義務であり、責任 である。電磁波防止エプロンに関してセクハラまがいの話を聞いた。とんでもない話であ る。貴方はいったいどこから生まれてきたのか考えて見るがいい。男性だって人ごとでは ない。日々、精子が減っていくのはこの電磁波の影響かも知れないのだから。 ================================================================================ しかし残念なことに、まだまだ電磁波防止エプロンの着用は一般化しているとはいい難い。 コンピュ−タ会社なんかのぞいてみても、エプロンはおろかディスプレイ・フィルタ−さ えない所がほとんどである。まだ工場系のオフィスの方が入っている場合が多いようでも ある。自衛する手段はある。最近では電磁波をカットする繊維というのが開発されてきて いる。そのワイシャツなんかも出ている。生地をス−ツの裏地に使ってもいいだろう。さ らに、電磁波防止グッズなるものも幾つか販売されてきている。効果の程は分からないが。 次にディスプレイ・フィルタ−について。ディスプレイ・フィルタ−は、これはもう当り 前にして頂きたい。できれば世の中で一番いいとされるものを使いたい。 ・OCLI Glare/Guard フィルタ−、参考:19 inch 周囲カバ−付き、65,000 円。 小生はこのフィルタ−が一番いいと思う。5年以上前の晴海の展示会で、ふと目にとまっ たブ−スで紹介されていた。米国 OCLI( Optical Coating Laboratory Inc.) 製で米国検 眼協会が推奨する唯一のVDTフィルタ−ということである。周囲カバ−でディスプレイ を覆っているので、ほこりが入らずに確かに見やすい。このフィルタ−はあまり宣伝して いないせいか、SI業者さんも結構知らない。一度試してみることをお勧めする。参考に よく見かける東レの Efilter の場合、カバ−付き 19 inch 相当の一番安いのが19,000円。 一番高いタイプが電磁波と静電気をカットして 40,000 円である。ともかくフィルタ−は、 ディスプレイもそうだが、毎日見るものだけに迷わず高い方を選びたい。鉄則である。 注.米国検眼協会、American Optometric Association、AOA という。 * 椅子と机について 椅子もできるだけ良いOAチェアを選んでいただきたい。ディスプレイ作業において椅子 の果たす役割は大きいと考えるべきである。椅子で仕事をするわけでない!。そんな上役 がいるかも知れない。そんな精神論をふりかざす会社はこれからの時代、生き残りは難し い。辞めた方が無難である。君子危うきに近寄らず。それはさておき。『ディスプレイに 対して目線をやや下目にする』ためには、簡単に上下する椅子でなければならない。小生 は8年ぐらい前だったか、OAチェアの出始めに実際座って試してみた。当時、その中で コクヨのものが一番よかった気がする。これも少々高いが、科学的によく作られている。 ・コクヨダイナフィットチェア−、定価 78,000 円。廉価タイプは似て非なるもの。 机はディスプレイとキ−ボ−ドを置いて、キ−ボ−ドから机の手前端まで20センチは欲 しい。この間が短いと腕が宙に浮くような状態となり、疲れやすくなる。奥行き80セン チのコンピュ−タ用OAテ−ブルの購入を薦めたい。OAテ−ブルにパ−ティションを付 けると、CRTディスプレイの奥行きのため、前の空間が狭まってくる。見てくれはいか にもオフィスみたいになるのだが、実用上問題がある。あまりどこにでもパ−ティション を付けるのはやめた方がいいだろう。必要なら別に衝立を置くべきである。CRTディス プレイが液晶ディスプレイになっていけば、問題は解決されるかな。 * 静電気等の対策 冬場になると空気が乾燥してきて、静電気のオンパレ−ドとなる。静電気は特に体に害は ないとされるが、それも本当かどうか。ともかく現在はかつての環境より、はるかに静電 気が発生する環境にある。どうも静電気は、室内の浮遊ダストを体に吸着させたり、体表 面のイオンバランスを崩すらしい。昔のコンクリ−ト打ち放しのビルならともかく、今の ビルは新建材を多用している。新建材は家庭のハウスダストでも問題になっているのと同 じことが起きる。また窓が全く開かないビルの場合、空調だけで空気を循環していること になる。エアコンから出る空気はカビや細菌がうようよしている。結局、静電気はこれら 目に見えないダストを体に引き寄せているわけである。最近のビルはその場にいるだけで 疲れてくるのは、これが一因しているのかも知れない。 ・先ずはコンピュ−タとディスプレイのア−スをとること。 ・エアコンのフィルタ−を汚さないため室内は禁煙にする。 ・窓を開けることができるならば、できるだけ外気を取り込む。 ・オゾンを発生させる大型のCAD用プロッタ−は別室におく。 ・床はカ−ペットよりもゴムみたいなマットの方がよい?。 対策を幾つか挙げたが、それより何より着ているものが肝心である。化繊繊維の肌着なん か身に付けていれば、どうしたって静電気は起きる。毛みたいでいかにも暖かそうなシャ ツを何日か着ていたが、金属に触れる度に火花が出ていた。毛じゃなくて化繊だったので ある。普通は綿の肌着でいいが、できるだけ静電気を起こさないようにするには、絹の肌 着が一番よい。絹はそれだけなく、湿度と温度の調整機能が優れていて、いつもサラっと した爽快感を与える。さらに紫外線をカットし、殺菌作用もある。女性には冷房病対策に もなるだろう。難点はどこばり売っていないことと高価なことである。しかし小生が調べ たところ探せばあるもので、入手方法によっては決して高いものではないことが分かった。 ・http://www.tcp-net.ad.jp/sibani/ 絹の肌着を扱う、お勧め。 ↓ http://www12.plala.or.jp/sibani/ 2004年3月頃に変更。 * COMPAQ の小冊子から `21/03 「コンパック 快適に使用していただくために」初版 '97/09。COMPAQ のパソコンを買うと、 ついてくる小冊子である。2001年3月、初めて知った。20ペ−ジぐらい、上で述べ たような注意書きが書いてある。Gateway は出始めから購入してきたが、このような小冊 子はなかった。Apollo でもHPでも SGI でもEWSを買った際、ほんの1〜2ペ−ジ何 やら付いていたような。ともかく、このコンパックの小冊子、一度は目を通してみること。 注、Gateway とはアメリカの DOS/V パソコン・メ−カのこと。 * 目にあったメガネをかけること `23/10 自分で書いておきながら、自分のメガネが目にあってない。運転免許用に新たに作ったの は、普段使いには度が強い。それで昔作ったのをディスプレイ作業にかけていた。どうも 目がすごく疲れて、眠くもなってしまう。メガネの度が左右あってないのだ。それでとり あえずディスプレイを見る際には、左右の目それぞれ、ディスプレイに映っている字が見 えるところまで近寄ることにした。だいたい40センチぐらいだけど。これであまりとい うかほとんど目が疲れなくなった。 (4) 要求に対する見解を決める '96 * うちもWWWとかいうのをやらないかん ただの人材募集や製品紹介といった時期は過ぎた。企業で本当に役にたつサ−ビスをこれ からは始めなければならない。もし総務や人事主体でWWWサ−ビスを開始しようとして いるのであれば、エンジニアたる管理者は、この点を指摘し積極的にかかわる必要がある。 それにWWWをやるということは、インタ−ネット接続することであり、イントラネット の窓口でもある。インタ−ネット接続のコンピュ−タはエンジニアの近くにあるのが望ま しく、あくまでもWWWはイントラネットの一つであるべきである。 ここでエンジニアがやる仕事としては、インタ−ネット接続口のコンピュ−タとソフトの 設定である。WWWサ−バももちろん稼働させるが、ごく単純な画面を最初に作るだけで ある。人事の人に HTML をいきなり書けといったところで無理である。しかし基本的には ここまでである。それ以上画面の話に関わってはいけない。へたすると全部、貴方がHTML 画面を作らなければならなくなってしまう。インタ−ネットの技術的な面倒だけでも大変 なのに、コンテンツの作成、メンテナンスまで面倒みることなど不可能である。 * 社内からもインタ−ネットを使いたい WWWサ−ビスを開始すれば、これまでインタ−ネットなんか関心ないと言っていた部署 の人まで、インタ−ネットを使いたいと言い出すことは十分予想の範囲内にある。このた めにも、社内のネットワ−クとインタ−ネットを接続するイントラネットの構築が重要に なってくる。管理者はそこまで視野に入れ、インタ−ネット接続を考えなければならない。 どこまで面倒を見るか、今のうちに決めておいた方がいい。同じフロア−の他部門のコン ピュ−タに限ってしまっていいと思う。隣でWWWアクセスしているのに、こっちではで きないとは断わり切れないだろう。しかし MS-DOS パソコンやメモリもディスクも足りな いような Windows パソコン、それにホスト系端末は、 きっぱり断わらなければならない。 それでもネットワ−ク・カ−ドを新たに買って、ソフトをインスト−ルして、ケ−ブルを つないでと大変である。ともかく安受けあいしないことである。 * ホストのデ−タをパソコンで使いたいが エンド・ユ−ザ・コンピュ−ティング、ダウンサイジングの流れである。ホストに入れた デ−タを小回りが効くパソコンの Lotus なんかで加工したい。 EDP室はなかなか頼ん でもやってくれない。パソコンだったら簡単にできそうなことなのに、えらく難しく検討 するみたいだ。パソコンがない時代だったらそれはそれでエンド・ユ−ザは諦めるのだが、 ある程度コンピュ−タが分かってきてしまったので、黙っていなくなった。その御鉢はパ ソコン、EWSの管理者に向いて来るという訳だ。しかし、こんなことにかかわってはい けない。EDP室が動かなければ、何ともらない。きっぱり断わることだ。 * ISO-9000 とかで文書管理もコンピュ−タ化せないかん ISO-9000 自体の取得は、コンピュ−タを使わなくてもできる。 要は工場や製品の品質デ −タがちゃんと管理されているかどうかを問うものである。こうしたデ−タがすぐに取り 出せるようになっていればよく、コンピュ−タで即座に見られるようにすれば、なおいい という性質のものである。ISO-9000 と一口にいうが、 大まかには ISO-9002 と 9001 が ある。9002 は製造系のみ、9001 は設計や開発まで含まれている。設計イコ−ルCADと いってよいから、あなたにも関係してくる可能性がある。 具体的にはCAD図面をいつ誰が作成して、誰が承認したか、この取り決めをしなければ ならないのである。今のCADには、図面を承認するような、サインしたりハンコを押し たりする機能はない。出力して紙の図面にハンコを押したりして、現図としてしまってお くのが一般的だろう。 9001 では何もCAD上で図面承認せよなんて規約はどこにもない。 要はどのように管理しているか、それを 9001 の規約に合うように書類を作成し、実施す ることが求められているのだ。勝手に規約を拡大解釈して、無駄な作業を増やさないよう に注意しよう。 * Lotus Notes とかいうのがはやっているが、うちもやれ− これはよくよく注意しなければならない。Lotus Notes はグル−プウェアというジャンル のソフトで、主にホスト系コンピュ−タのSI業者が扱っているものである。後で詳細す るが、狙いは事務系の業務改善である。イントラネットは最終的には、グル−プウェアと 協調していくことになると思われるが、管理者は設計CAD系の足固めをするのが大切で ある。イントラネットは外部に対するCALSへの対応、グル−プウェアは社内の情報管 理の強化と体質改善である。両者性質の異なるものであり、本書の管理者が Lotus Notes に手を掛けるのは好ましくない。それぞれ別の管理者、部隊が平行して進め、あるところ でドッキングすることが自然である。 蛇足ながら少し意見を言わせてもらおう。千人ぐらいの製造業ではたして、 Lotus Notes なるグル−プウェアが必要かどうか、若干懐疑的である。グル−プウェアには、電子掲示 板、電子回覧板、電子メ−ルの機能がある。パソコン同士の電子メ−ルにはよい。電子掲 示板、電子回覧板はどうか。電子掲示板で会議室予約する。通信で予約せなならん程そん なに遠くに会議室があるのか。電子回覧板は、いつでも回ってきた回覧を見て、コンピュ −タのハンコを押せるので便利といえば便利である。しかし電子回覧しなければならない 程、部署が遠方にあったり、関係する上司が多いのか?。これはグル−プウェア以前の問 題である。先ずはコンピュ−タを入れれば何でもできるという妄想を捨て、足元を今一度 よく見なければならない。導入にはお金もたんまりかかる、流行に左右されてはいけない。 * PL対策はどうするの どうも製品のマニュアルにケチを付けられないようにすることや、製品に危険等とワッペ ンを貼ることがPL対策のようになっている。しかしそれだけで、顧客のためのPL対策 になるのだろうか。世の中は情報公開に動いている。企業もPLに限らず積極的に様々な 情報を提供し、顧客への便宜を計るべきである。または、技術的に画期的な製品が期待で きないのなら、これからはいかに良質な情報を素早く提供した方が勝ちともいえる。その 中でもPLに関して、特にクレ−ム情報はいち速く出すべきである。インタ−ネットによ る情報提供は、これを実現させるツ−ルである。管理者は情報提供の仕組みを提供するの みである。対策は別部隊が行う必要がある。 国内でPL法が施行されて1年が過ぎた。思った程クレ−ムはあがっていないようである。 これで安心していいものかどうかはまだ分からない。国内はいいとしてもアメリカや他の 国ではどうか。98年追記。その後、あまり目立った話はないかに見えた。しかしいろい ろな人と話をしていると、こっそりPL訴訟事例のセミナ−などで情報を仕入れているら しい。上司の判がなかったため、個人が訴えられるケ−スも出ているとか。これはプログ ラムの欠陥による訴訟である。本当は会社として責任をとるべきが、問題を個人にすり替 えるという怖い事例である。どうも個人のレベルでも責任の所在を、はっきりさせる時代 が来たようである。ただし自分を守るという悪い意味でだが。 * PDMというのもあるらしいぞ、うちはどうなっとる これはとりあえず考えないでおこう。 PDM( Product Data Management )はややこし過 ぎる。PDMを拡張するとCALSになり、狭義に解釈すれば図面管理システムというこ とになる。また少し見方を変えればグル−プウェアの技術、生産系版ともいえる。PDM を単純に見れば、技術系デ−タをどうやって統合、管理するかということである。CAD デ−タ、ワ−プロソフトで書いたドキュメント・デ−タなどを、オラクルなどのRDBを 使って集中管理し、履歴も管理しましょうというものである。お金もかかる、デ−タのメ ンテナンスも大変なのである。 PDM以外に、RDBを使った図面管理システムや光ディスク・システムなどがあり、技 術系では長い間、試行錯誤してきた経緯がある。しかしコストがかかる割りには、効果が 上がらなかったというのが本当のところでないだろうか。光ディスクは今となっては完全 時代遅れになってしまった。RDBによる図面管理も手間ばかりがかかる。本来、図面管 理ぐらいはCADのシステム自体が持っていなければならない。それが無いのでRDBや PDMといった別管理システムが必要になっているのだ。実際的にはCADデ−タのネッ トワ−ク共有でさえ、まだおぼろな状況にある。PDMなんてとんでもない話である。 * CALSとかECをやらんと生き残れんらしいぞ 世の中CALSとかECとか言って騒いでいるが、自社にどれだけ関係して来るのか先ず 考える必要がある。お宅の会社はペンタゴンに製品を収めているのか。あるいはロッキ− ド社と取引があるのか。大半の取引先企業は中小企業で、CALSという言葉さえ何であ るか知らないところが多いのでないか。多分CALSはいきなりではなく、当り前のよう に少しずつ浸透していく。それにちゃんと従っていく心の準備は先ずしておく必要はある。 CALSについて先に検討したが、その時問題は文書デ−タだと考えた。しかし現実には、 文書デ−タのSGMLフォ−マットでないといかんということでなく、ともかく見れて交 換できればそれでいいのでないかと言うように動いているみたいである。先ずフォ−マッ トうんぬんでなく、交換できることが重要である。つまり電子メ−ルか、社内のコンピュ −タの中にある文書デ−タを外部からアクセスできるようにすること先決である。ここで イントラネットの必要性がでて来る。 CALSというのが国内で初めて公の場で紹介されたのは93年ぐらいである。94年9 月に CALS Japan'94 という展示会が開かれた。95年は晴美で CALS PACIFIC'95 が開か れた。 この時、小生も VE2006( Virtual Enterprise 2006 ) というブ−スに足を運んだ。 そのブ−スに入るには特別な券が必要だった。この時期を前後して本が出て、セミナ−も あちこちで開かれた。当初、すごい期待をもったものだった。 * 最近のNC旋盤は TCP/IP 対応とかいっているぞ オ−プンNCと言って、最近急速に話題に登るようになった。工作機械メ−カ、制御盤メ −カ、コンピュ−タメ−カが協力しあってどんどん動いている。これまで工場系のネット ワ−クは、MAPとかTOPとかいうのがあったが、どうもあまり成功したようには思え ない。だいたいそもそもNC工作機械がMAPに対応せず、RS-232C でNCデ−タを転送 するぐらいのことが積の山であった。しかし、これからは工作機械の制御が大きく変わる 可能性がある。NC、シ−ケンス・コントロ−ラ、専用機が TCP/IP で接続されれば真の CIMが実現される。 一つの予想として、今までは機械間の加工品の流れは、センサ−やリミットスイッチの信 号を拾って、ラダ−図がインプットされたプログラム・コントロ−ラが次の処理を指示し ていた。これが TCP/IP になり、適当なデ−モンがプログラムコントロ−ラの代わりをす るようになると考えられる。ラダ−図に相当するのは、EWSやパソコンでプログラムを 記述して、その場で動作確認ができるようになる。さらにこのデ−モンは、リアルタイム OS上で稼働し、微小時間における機械制御を可能にしていくようになるだろう。 ともかくこれは結構重要なことである。単なる旋盤からNC旋盤になり、更にネットワ− ク対応になろうとしている。しかしネットワ−ク・エンジニアが足らない。一体誰がめん どうみるのか。ここの所をやる企業とそうでない企業とでは、大きな差になると思われる。 そうこうする内に TCP/IP 対応どころでなく、インタ−ネット対応というのも現われてき た。インタ−ネットで機械の不具合をチェックしたり、アドバイスを得たり?できるらし い。生産技術部門はこの進化について行けるか。 (5) WWWの開始とインタ−ネット接続 '96〜 * WWWサ−ビス開始の大まかな手順 もしダイアルアップIP接続もしていなければ、大至急最寄りのプロバイダのサ−ビスに 加入した方がいい。月2千円から5千円ぐらいと電話代だけでインタ−ネットが自由に使 えるようになる。専用線でWWWサ−ビスを開始するから、ダイアルアップはいいやとい う考えもあるが、自社のWWWサ−ビスのレスポンスをみるためにもあった方がいい。そ れに専用線接続の段になると、接続コンピュ−タを設定するため、フリ−のソフトが必要 になってくる。「INTERNET magazine」等の雑誌付録の CD-ROM だけでは不足である。 接続プロバイダを決める ↓ 先ずダイアルアップ接続 ↓ 64 Kbps 専用線を申し込む ↓ ドメイン名を決める ↓ ドメイン名とIPアドレスを取得する ↓ 接続コンピュ−タを設定する 専用線は最寄りのプロバイダのネットワ−クオ・ペレ−ションセンタ−(NOC)とつな ぐことになる。ドメイン名とIPアドレスの取得や登録は、自分でもJPNICに申し込 むことはできるが、プロバイダに代行してもらった方が賢明である。それぞれ2万円ぐら いのものであり、書式を埋める手間などを考えたらその方が絶対安い。接続コンピュ−タ の設定は本書をみればできるはずである。ポイントはともかくDNS、経路制御、電子メ −ルである。この3つさえ押えれば自力で1人でも設定できる。 [ ドメイン名を調べる ] `24/04 時点 xxx.jp はこちら http://whois.nic.ad.jp/cgi-bin/whois_gw xxx.com などは http://www.internic.ad.jp/whois.html InterNIC * 自社ホ−ムペ−ジのアクセス数の目安と確保 WWWを立ち上げてすぐさま、たくさんのアクセスが来ると思ったら大間違いである。サ −ビスを始めたことを知らせる努力をしなければ、間違いなくアクセスは0である。先ず は YAHOO に登録してもらおう。これはタダである。YAHOO の登録画面に入り、 自WWW を代表する参照キ−ワ−ドを幾つか入力する。その他項目を埋めて、登録のボタンをクリ ックして待っていれば、YAHOO から登録しましたとメ−ルがくるはずである。さ−、1週 間でくるか2週間でくるかそれは分からないが。 それに YAHOO の登録場所だが、一応指 定はできるのだが、 最終的には YAHOO の人が内容をチェックして適当なところに入れる。 なるべく階層の低いところがいいのだが、なかなかそういうわけにはいかない。検索キ− ワ−ドで会社名を入れない限り出てこないと思った方がいい。 後はロボットがやってくる。インタ−ネットのWWWサイトを自動的に巡回して、内容か ら全文検索のデ−タベ−スを作っているのが、ロボットである。色々なところがロボット 系の検索サ−ビスをしているので、来訪はしょっちゅうである。多分毎日のアクセス数は 特別な努力をしない限り、約10。しかも半分はロボットによるアクセスとみなせる。イ ンタ−ネットの黎明期のように、何でもWWWをやればアクセスが来たのは遠い昔のこと である。ここで言うアクセス数というのは、WWWの最初の画面にカウンタ−をつけた場 合の数である。よくヒット数幾ら幾らというが、 これは1画面にある GIF などのパ−ツ も全部含んだ数である。こんなんでどれだけ見に来たのかは、計ることはできない。とも かく良くて10、非常にうまくいって50止りだろう。ここら辺りが目安である。 どうやってこの少ないアクセス数を減らさずに、また増やすか。容易に考え付くのが見栄 えをよくする。フレ−ム、JavaScript、アニメ−ション GIF など駆使する。 しかしこれ は時間やお金がかさむばかりでほとんど効果はないと考えた方がいいのでないか。見栄え をよくするのは、デコレ−ション・ケ−キに食えもしないプラスチックの飾りをたくさん つけるのと同じだ。あるいはクイズだとか懸賞だとかして人をつることもあるが、効果は 一時的だ。そんなことよりも当り前のことだが、内容の充実である。たとえば印刷カタロ グにはないフレッシュな情報、製品の詳しい技術情報、Q&Aなどを載せること。これを 地道にやっていく。長い目で見ればこれが一番堅い。しかし案外簡単なようで難しい。や ってみれば分かる。広報部門も設計も開発も企画も、同時に調整しないといけないからだ。 [ YAHOO からの登録しましたというメ−ル ] 守備よく http://www.yahoo.co.jp/ に登録されると、次のようなメ−ルが来る。 寝てど 暮らせどお返事がなければ、それは登録されなかったということである。個人のサイトだ とよほど内容があるかしないと、登録は無理じゃないのか。何がしかまともな企業であれ ば、内容はともかく、多分登録されるのでないか。そんな感触がする。 ------------------------------------------------------------------------------- |こんにちは、Yahoo! JAPANです! | |登録依頼をいただいたページ < URL:http://www.tcp-ip.or.jp/~ikken/int.html > を |Yahoo! JAPANに登録させていただきました。36時間内に行われるデータベース更新で登 |録内容が反映される予定ですので、「新着情報」またはURLの検索でご確認ください。 |また、今後URLや登録内容の変更をご希望になる場合は「登録・変更の方法」の「変更 |依頼フォーム」< http://www.yahoo.co.jp/docs/change.html > でお知らせください。 | |登録ありがとうございました。 | |ところで、あなたのページにYahoo! JAPANへのリンクを作成することができます。... |Yahoo! JAPAN サーファーチームより * インタ−ネット接続費用はどの位いるか 自社でWWWサ−バをもち、社内からもインタ−ネットを使って有益な情報を収集すると いうことで。そのためにNTTの専用線をプロバイダと引くことにする。とりあえず専用 線は 64 Kbps で 30 Km 区分とする。この場合NTTの回線料金とプロバイダとの接続料 金で、初期費用が約20万円、毎月23万円前後かかる。専用線のWAN用ル−タをレン タルするなら、月に1〜2万円。購入するならル−タが2台で40万円というところであ る。2台というのはプロバイダと自分とこ用である。プロバイダによっては1台分だけで いいかも知れない。それとWWWサ−バ用のコンピュ−タが、Sun のワ−クステ−ション を使って100万円から。専用線は今やNTTの専売特許ではないので、第二電電系の検 討の余地もある。 NTT専用線の料金算定は http://www.nttls.co.jp/senyo/ でできる。 NTT、第二電電系でも引き込み工事はすぐという訳にはいかない。余裕をもって計画す ること。プロバイダと打ち合わせを始めてから3ヵ月ぐらいはみた方がいいだろう。 NTT の専用線費用(単位:万円) << 距離の出し方 >> 距離 |値上げ | 64 Kbps | 128 Kbps ----- この間の距離 ----- NTTの --------|-------|---------|----------- | |--------------| | 中継基地 15 Km | 今 | 4.2 | 6.7 ----- ----- | H8.4〜| 5.3 | 7.4 | | | H9.4〜| 6.5 | 8.2 |専用線 |専用線 |H10.4〜| 7.7 | 9.0 | | --------|-------|---------|----------- * * 30 Km | 今 | 10.0 | 14.2 プロバイダ 自社側 | H8.4〜| 10.4 | | H9.4〜| 10.8 | 変わらず ロ−カルな通信所でなく、NTT |H10.4〜| 11.3 | の鉄塔が立っている所の間の距離。 * NTTの OCN について 96年2月2日、朝日新聞に載った記事によると、 OCN(オ−プンコンピュ−タネットワ −ク)を1997年初頭から始めるとのことである。月額固定料金の回線サ−ビスで、通 信速度 128 Kbps から 50 Mbps までの4種類ある。料金は OCN につながるまでのアクセ ス部分で1万円。128 Kbps のネットワ−ク利用部分で2〜3万円ということである。 イ ンタ−ネット接続がこれだけの費用で実現できる。 その後調べたところによると、OCN のエコノミ−サ−ビスが、96年12月25日に藤沢 と大垣で開始された。すったもんだがあって月額利用料は 3.8 万円 になった。今一人気 は出てないようである。 どうも OCN はベスト・エフォ−ト(最大限努力はする)と最初 から言っているが、一説によると専用線を20人ぐらいでシェアするみたいである。他が 誰も使ってなければ例えば 128 Kbps 出ますよということらしい。 接続には、IPアドレスはNTTから借りることになる。DNS は独自のドメイン名で自前 で設定してもいいし、OCN のサブドメインになることもできる。サブドメインの場合、ど うも DNS サ−バはNTT側で稼働させ、 ユ−ザ側はホストのIPアドレスだけ割当てて もらう形態みたいである。メ−ルサ−バも特に自前でもつ必要はない。これならユ−ザは 技術的なことは知らなくても済む。 料金は30Km圏内は 38,000 円。施設設置負担金の 74,800 円は必要ない。初期費用は DNS をNTTのを使う場合は2万円ぐらい。電子メ−ルのアドレスを発行してもらうのに 1,000 円 x アドレス数である。月々の細かいことは http://www.ocn.ne.jp/ を見ること。 以下、割り当てられるパブリックなIPアドレスの個数を示す。実際に使えるIPアドレ スは、OCN のル−タのアドレスとして最初の番号が使われ1個減る。さらに、ネットワ− クとブロ−ドキャストアドレスで2個減ることになる。 | DNS 用意しない | DNS 自前用意 ---------------|----------------|-------------- IPアドレス | 8 | 16 接続パソコン数 | 5 | 13 ドメイン名 | xxx-ocn.ne.jp | 好きかって * NTTのデジタルアクセス '98/05 NTTの OCN はバックボ−ンとしてはどうも頂けないようだが、 97年10月に出てき た "デジタルアクセス" は専用線と実質同等な品質とみてよさそうである。専用線は安定 して使えるように様々な機能がバックで働いている。この機能を一部省略し、できるだけ 安く回線提供したのが "デジタルアクセス" ということである。プロバイダの勧めで専用 線 128 Kbps から DA128 に5月切り換えた。手続きはプロバイダに連絡して、 NTTか ら電話が2本。局側の操作だけで、今から換えます、換えました、どうですか。これで終 わりだった。別にどうこう変わった感じはしない。 どうやら今後は専用線はあまり使われなくなるのでないか。NTTとしては品揃えをいき なり無くすという訳にもいかないので、とりあえず今のところ専用線をおいてあるが、実 質的には DA64/128 ということでないのか。下記料金はデジタルアクセスのタイプ1のも ので、NTTのサポ−トは朝9時から夕方5時までである。24時間受けたい場合は3千 円プラスになるのだが、たかが3千円である。こちらをお勧めする。ちなみに専用線から DA128 への切り換え費用は5千円ぐらいで済んだ。意外と安いネ−。 | | 15Km | 30Km | 品目 | kbps | Type1 Type2 | Type1 Type2 | 参考 ------|------|-------------|-------------|-------------------------------- DA64| 64 | 2.8 3.1 | 4.2 4.5 | 64/128 共 DSU 月レンタル料金は DA128| 128 | 3.8 4.1 | 6.4 6.7 | 1,700 円。買い取りは 17,000 円。 DA1500| 1500 | 15.2 16.2 | 34.2 35.2 | ONU 月レンタル料金 9,500 円。 料金は `02/10 改めて確認した。 97年当時は http://www.nttls.co.jp/senyo/ に料金 が載っていた。今は http://www.ntt-west.co.jp/senyo/ で2拠点の電話番号を入れると 見積りまで出てくる。デジタルアクセスはこの3品目、県内でのサ−ビスである。1つの 県をまたがる場合の格安専用線として、デジタルリ−チというのがその後出た。 * インタ−ネットに接続する方法いろいろ 専用線接続 > OCN エコノミ−。企業ユ−ザは使わない方がよろしいということ。 > 長距離系NCC(新規第一種電気通信事業者)の OCN の再販。 > DA64 + プロパイダ接続料:IIJ エコノミ−、'97/11/01 に始まった。3.8 万円。 公衆回線−ダイアルアップIP接続(ISDN、PHSもこの分類) > IIJ エンタ−プライズ ダイアルアップ サ−ビス:10ユ−ザから契約できる。 > OCN ダイアル アクセス:初期 3,800 円。月 2,300 円/15 時間分。加算 9 円/分。 公衆回線−LAN型ダイアルアップIP接続 > IPアドレスを幾つか固定して割り当ててもらう。アクセス・ポイントは限定される。 東海インタ−ネットにも当初あったメニュ−。もはや考慮することはない。 品目 | kbps | 15Km 30Km | 安い理由 | IP Address | 参考URL -------|------|-----------|----------|------------|----------------------------- OCN | 128 | 3.8万円 | 回線共有 | 借りる | http://www.ocn.ne.jp/ -------|------|-----------|----------|------------|----------------------------- DA64 | 64 | 2.8 4.2 | 回線機能 | あくまでも | http://www.nttls.co.jp/senyo DA128 | 128 | 3.8 6.4 | 省略 | 安い専用線 | 97年12月開始予定 * NTTの長期契約による割引き `22/10 少しでもランニング・コストを下げたいと言うのなら、3年とか5年とか継続して利用し ますという長期契約による割引きがある。2年なら5%とか、5年なら10%割引きます というメニュ−である。しかし途中で止めるとか、品目を変更するような場合、解約料で あるとか違約金であるとか取られることになる。馬鹿にならない金額になる。小生は、何 とかにするとこれがおまけとか、お得とかいうのは本質的には信用してない。それもあっ て当初専用線を引く際、まるで長期契約なぞ眼中になかった。またプロバイダからも、そ の提案はなかった。インタ−ネットの世界において、1996年頃から2000年頃まで は、インタ−ネット接続といっても専用線かデジタル・アクセスかという選択でよかった とは思う。その点で3〜5年の長期契約は意味があったかも知れない。しかし、昨今のよ うな ADSL だ FTTH だ。このような状況では、とてもや長期契約などできたものではない。 * 電話についてのメモ モデムは2線式回線のみに対応している場合がほとんどである。会社内で使用している電 話は、通称ビジネス電話と言って4線式回線が多い。ビジネス電話は、保留とか転送とか 言った機能がついていて、2線式の電話にはついていない。回線が2線なのか4線なのか は、モジュラ−ジャックに出ている線の数を見れば分かる。 普通のモデムは2線式対応である。ビジネスホンなど4線線式で、このモデムを使うには 市販の変換アダプタをかます。会社などで電話交換器(PBX)がある場合は、 0か9を頭に 付けて発信すること、たいがい0。またはダイアルする前に ATX3 か ATX0 を送ると繋が る場合もある。あまり知られてないが、各種 PBX 対応モデムというのも市販されている。 電話のダイアル方式には、昔からのパルスダイアル式(回転ダイアル回線)と、ト−ンダ イアル式(プッシュホン回線)がある。現在、一般的にはト−ンダイアル式になっている。 モデムの制御方式はAT方式が一般的である。AT方式はヘイズ社が独自に開発したもの。 他、Vシリ−ズ勧告の V.25bis 方式というのもあり、たまに使われる。 モデムの電話の着信音はなくすことはできない?、どういうことだったかな。`23/12改め てモデム接続したが音はまるで無しにできた。バイナリ転送の場合は、タ−ミナルとモデ ム間はハ−ドウェア・フロ−制御 (RTS/CTS) にする?。 高級なモデムはモデム同士で自 動的にエラ−訂正、デ−タ圧縮をする。当り前、昔むかしの話しかな。 << 電話呼出し用コマンドの例 >> 電話のダイアル方式 | ATコマンド | CCITT(V.25bis) -----------------------------|--------------|--------------- プッシュ式(ト−ンダイアル式) | ATDT 117 | CRNP 117 ダイアル式(パルスダイアル式) | ATDP 117 | CRNT 117