1-5. CALSと関連動向 (1) CALSは始まっている '96〜 * 先ずCALSとは CADデ−タ標準、文書標準、電子商取引き標準 これら3つのコンピュ−タデ−タの標準と先ず考えてよい。これに加えデ−タを管理、維 持する全体のシステムまでを総称して CALS( Commerce At Light Speed )という。デ−タ だけあっても、瞬時に取り出したり、履歴が分かるなどの管理ができていなければ、宝の 持ち腐れになりかねない。このような管理のためのソフトも市販され始めている。ただ運 用を決めるのはあくまでもユ−ザである。一番手間と頭を使うところである。 CADデ−タ標準は CALS では IGES と STEP フォ−マットが定義されている。文書標準 は SGML というフォ−マットが定められている。電子商取引き標準は、国内では CII、ア メリカでは UN/EDIFACT がある。アメリカにおいても、まだCADデ−タをのぞき、たい して普及はしていないようである。 SGML は、これは文書の作成が厄介なため、だいぶ普及は遅れるのでないかと思う。 SGML の考え方は、コンピュ−タの文書デ−タのフォ−マットの統一である。ルポあり、一太郎 あり、ただのテキストありでは交換できない。そこで世界中で共通な一つの書式が求めら れるのは、自然な成り行きである。 SGML はあまり聞き慣れないのだが、だいぶ昔からあ ったようだ。 91年にはアスキ−出版から「SGML 入門」という本が出ている。 CII や EDIFACT については、ソフトさえ揃えばそんなに難しい問題ではないように思わ れる。国内では全銀手順という銀行への支払い方法は当り前であるし、大手企業などの系 列会社では、伝票類のオンライン処理も当り前である。何かたいそうに聞こえるが、98 のBASICで処理できる程度のものである。すでにこうしたベ−スがあるため、これら のデ−タを CII に変換するか、システムを少し変更すれば対応は可能である。 97年12月追記。アメリカでの電子商取引きは、ほとんどの大手企業で行われるように なっているようである。CADの STEP は今になってもはっきりしない。CADデ−タ交 換の国内の別な傾向として中間デ−タでなく、ネイティブなCADデ−タを要求するケ− スが増えている。DXF や IGES デ−タの互換性が未だ確立されないのに業を煮やした大手 企業が、下請けに対し要求し始めたらしい。SGML についての話はほとんど耳にしない。 -------------------------------------------------------------------------------- CALS は最初に提唱されてから何回も意味が変わった。その中でも Continuos Acquistion and Life-cycle Support というのは理想が高かった。 これは製品の設計、製造から廃棄 までを、いかに効率的に進めるかが中心課題だったと記憶している。今の光のビジネスの CALS というだけでなく、地球的な問題解決の意味があったことを忘れてはいけない。 -------------------------------------------------------------------------------- * CALSはもう無関係ではない 管理のところを除いて個々に見ていくと、決して先の話でもない。むしろもう始まってい ると考えた方がいい。すでにCADデ−タと電子商取引きは、多分多かれ少なかれ、どん な製造業においてもやっていることである。次から次に新しい用語がでてきて混乱させら るが、CALS はその中でも質がいいものである。別に分からなくても構わない。 ともかく 以下の準備さえしておけば、とりあえずはいい。少し楽観的過ぎるかも知れないか?。 自分ところのCADの IGES デ−タが、 CALS で定められた IGES フォ−マットに準じて いるか調べる必要がある。多分 IGES の2次元デ−タについては、問題はあまりないと思 われる。STEP という話もある。STEP は3次元CADデ−タの交換であり、仕様が非常に 大きい。もう STEP のフォ−マットは決まっていて、個々のCADに実装も始まっている。 しかし実際のデ−タ交換に至るまでは、かなり先と思われる。 電子商取引きの方は、経理課や資材課で関係する。代金決済は銀行から提案されたパソコ ン通信システムを、大方は使っているはずである。そのうち銀行がまた何か言ってくるは ずである。伝票類は○○工業会なるところが、そのうち決めるのでないか。そしたら、そ れに従っていけばいい。自社独自の伝票はその時点で使えなくなることは覚悟しておかな ければならない。 問題になるのは SGML である。少なくとも数年は SGML フォ−マットで取扱い説明書なん かを出せとは、言って来ないとは思う。 SGML は一つの理想みたいなところがあり、実際 にどれだけの企業がこれに対応した文書管理システムを組むか。はなはだ疑問である。多 分もし出せと言われたら、ワ−プロのデ−タを手作業で変換し、個別に対応するしかない。 このためのソフトは、安いので20万円ぐらいで売っている。SGML-PLUS Ver 2.0 等。 * CALSの背景 最近は次から次へと新しいキ−ワ−ドがでてくる。ISO-9000、CALS、アウト・ソ−シング、 ダウンサイジング、グル−プウェア、バ−チャル・カンパニ−、リエンジニアリング等々。 これらを支配しているものは一体何か。ドラッガ−流にいえば知的社会の到来。20年以 上前に「断絶の時代」で提唱されたことが、ついに具体化し始めたといえる。急速に知的 社会を支えるハ−ド上のバックボ−ンが整備されてきた。パソコンの低価格化、インタ− ネットと。従来やろうとしても物理的にできなかったことが、十分可能な状況になったの である。 これに加え今世紀終わりを前にして、先進国の経済成長が鈍化しはじめたこと、企業にお いては新製品を生み出す余地がなくなってきたこと。これらを要因にして、企業の生き残 りをかけた戦いが始まったとみてよい。画期的な新製品が出せず、市場がすでに飽和ぎみ になっている状況において、何をもって戦うか!。まず身を軽くすることから始められた。 アウト・ソ−シング、リエンジニアリング、ダウンサイジング、さらに首切りである。こ れらはリストラという言葉で総称される。 次の策として新しいメディアの利用が計られ始めた。即ちインタ−ネットによる情報の開 示である。製品自体、性能に大して違いがないという状況になると、価格を別にしたらサ −ビスの品質が問われることになる。一早く新製品の情報を顧客に提供しよう。技術デ− タも差し支えない範囲で出していこう。いかに早く良質な情報を提供できるか、これは今 後大きなポイントになるだろう。 ISO-9000 と CALS は産業技術そのものが、十分成熟してきたことによる。 つまり企業内 の標準化が、グロ−バルに展開できるだけの素地が出来たため、必然的にでてきた規格な りプランなのである。ISO-9000 は社内の品質管理情報をまとめることを要求し、CALS は 企業間の情報をまとめることを要求する。これまでは言われた時だけ、資料をペ−パで顧 客に郵送していた。郵送という手段しかなければ仕方が無かった。しかしこれからは違う。 言われなくても顧客に資料を提供できるのである。 以上のことを一言で言うならば、世の中は情報開示の方向にあるといっても過言ではない。 ISO-9000 PL CALS EC 情報公開制度 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ------------------------------ |世の中情報開示の方向にある | 成熟した産業社会。フェアな競争。 ------------------------------ ↓ ------------------------------ |社内情報の部分的開示 | インタ−ネットによるWWWサ−ビス。 ------------------------------ ↓ ------------------------------ |社内外情報共有のシ−ムレス化| イントラネット、社内WWWへのアクセス。 ------------------------------ * EDIについて 現状の EDI は、電話回線やVAN(付加価値通信網)を用いて行われている。多分電話 による、1対1のパソコン通信を使う場合がほとんどだと思われる。それに伝票の EDI は系列内の取り引きなどに、限定されていた。これが系列が崩れたりして、少しでも安く 部品を調達しようとしたり、または海外にも調達先を求めることになると、 電話による EDI では間に合わなくなる。インタ−ネットは、このような取り引き先が固定できない状 態にも対応できる。 しかしまだ少し問題が残っている。1対1のパソコン通信やVANでは、通信内容が外に 漏れる心配はない(少なくともインタ−ネットよりは安全である)。インタ−ネットでは、 不特定多数のコンピュ−タが接続しているため、いつどこで通信を盗聴されるか分からな い。それに自分のところのコンピュ−タに侵入される可能性もある。これらのことは、暗 号化とかファイアウォ−ルといった技術によって、ほとんどクリアされつつある。 EDI の前段階の部品調達に注目しても、インタ−ネットはすでに利用され始めている。こ れは CALS の前兆といっってもよい。国内ではブラザ−、NEC、ミツミ等が、インタ− ネットのホ−ムペ−ジにこういう部品を買いたいと出している。候補者は電子メ−ルを送 って、商談を開始するという仕組みになっている。ブラザ−の調達のホ−ムペ−ジを見た が、そうした部品が十数点、欲しい部品の細かな仕様と図面がのっていた。同じ内容で英 語のペ−ジも用意されていて、海外も含めた調達を狙っている。 EC と EDIのシ−ムレス化。製造業においても可能性が検討されている。 WWWによって 商品を必要とするユ−ザに直接、情報提供が可能になった。それに世界中を網羅する宅配 サ−ビスともあいまって、直販ができる仕組みができた。製造業での商品は、商社や問屋 などの流通機構があるため、直ちにというわけには行かない。方向性としては一部直販と いう形も今後出てくることは間違いない。これに伴い商社や問屋の在り方、製造業との関 係、その役割が問われることになるだろう。 * CALSは上記のEDIや部品調達の延長線上にある こんな絵が描ける。 -------------------------------------------------------------------------------- うちはこういう部品が欲しい。仕様はこれこれ、図面はこれ、関連資料も見たければ見て いいよ。内のインタ−ネットのWWWに入れてあります。連絡は電話やレタ−でなく、コ ンピュ−タに記録できる電子メ−ルで、伝票類は EDI でお願いね。 ここで候補者が名のり出る。 それじゃお宅の製品の、詳細仕様書や取扱い説明書をインタ−ネットで見せてね。紙は何 べん言うけどダメですよ。こちらでも結局またワ−プロで打ち直さないかんで、 他よりも安くしとくから勘弁して!。 後のコストの方が高くつくからダメ。それからその製品の不具合履歴も知りたいですよネ。 ちゃんとインタ−ネットの中にいれておいて下さいよ。情報公開の時代ですからね。それ に ISO-9000 取っているんでしょ。当然ですよね。それに分かっているとは思うけど、伝 票類は CII 標準ですよ。でもそのうち EDIFACT になりますから、準備しといてね。 あの−、伝票の書式の文書構造、DTD っていうんですかね。これは−?。 そんなの勉強してくださいよ。でも DTD( Document Type Definition )を知っていたから 今回だけ教えてあげる。○○工業界の書式でいいですよ。これもWWWを見ればのってま すがね。説明書は一太郎のデ−タではダメですよ。SGML、これじゃないとせっかくのコン ピュ−タのデ−タでも、整理できないからね。SGML はめんどくさいんだけど、時代だか らしょうがないわね。 CADデ−タは JAMA-IS、多分お宅の IGES デ−タそのままでいいですよ。STEP という 話もあるけど、まだまだだね。うちでも扱っていないから。念を押すけど、連絡は電子メ −ルですよ。ほとんど席にいないから電話してもつかまりませんよ。手紙はもってのほか、 ラブ・レタ−じゃないんだから。今や郵便の時代じゃないですよ。CALS でも言ってるで しょ、光の速度のビジネスだって。 最後にもう一つ。ネットワ−クのセキュリティはお金がかかってもちゃんとやって下さい よ。お宅のコンピュ−タには、内の大切な情報も入っているのですから。 -------------------------------------------------------------------------------- (2) 電子商取引の動向 '96〜 * 電子商取引の概念の違い EC( Electronic Commerce )は CALS 以上に話題を降り巻いている。 どうも EDI,CALS,EC とよく似た概念で区別しにくい。どれもつまりネットワ−クで商売しましょうということ なのだが、規模が問題なのである。EC --> EDI --> CALS という規模になる。雑誌等によ っては、EC と EDI はひっくるめて EC と言ってしまっているのも見られるが。CALSは組 織と組織の取り引き関係。EC は組織と個人の取り引き関係である。 EC は一番小さい単位で、個人相手に商売するのが主である。 WWWサ−ビスの画面を見 て注文して代金を払う。問題はどうやって注文した主を本人だと見分けるのか。どうやっ てインタ−ネットの中を、他人に知られることなく銀行の暗唱番号やクレジット番号を送 るのか。これが大問題になって、業界各社先陣争いを展開している訳である。この他代金 支払い方法として、電子キャッシュ、サイバ−キャッシュ、電子プリペイドカ−ドなどな ど提案され、一部実験が行われているところである。 EDI はどうか。EC の取引き規模が大きくなれば、伝票類が必要になってくる。 伝票を扱 うような場合は、相手は企業などの組織になる。伝票も各社まちまちでは都合が悪いから 統一しましょう。ネットワ−クで送りましょうということになる。このネットワ−クは従 来、VANなどの専用ネットワ−クだったが、今後はインタ−ネットを使うことになるだ ろう。そうなると EC と同じ問題が出てくる。 CALS は EDI の伝票だけでなく、企業間でやり取りされる情報全てを標準化し、インタ− ネットでやり取りしましょうということである。先にも述べたように、伝票デ−タ、文書 デ−タ、CADデ−タが対象となる。しごく自然な成り行きといえよう。2006年追記、 CALSと言う言葉はいつの間にか自然消滅した。96、7年当時でも消えかかっていたかも 知れない。代わって実際的な電子商取引に話は移っていった。 * 電子商取引の動向 通産省の肝いりでインタ−ネットによる電子商取引(EC)の実験が、様々な団体、企業 で行われている。にもかかわらず本格的に電子商取引が広まっている感じはない。インタ −ネット上には、たくさんのサイバ−・モ−ルがあり、色々売ってはいるが、どうもそこ らへんの店で売っているものが多い。個人を主に対象とし、単価も小さい。そして代金決 済は従来の方法というのが多いようである。今でも暗号化WWWを使えば、安全にクレジ ットカ−ドで決済できるのに。広まらない理由は幾つかあるようである。これについては 後の方で私見を述べたい。 電子商取引のキ−はインタ−ネットの世界で相互に相手を確認できること、これがポイン トになる。具体的にはサ−ビスする側のWWWサイトとそれを使うユ−ザの認証が確立さ れなければ、電子商取引の普及は及ばない。現在、クレジットの電子決済プロトコルであ る SET( Secure Electronic Transactions ) が、Visa や MasterCard により策提が進め られている。 SET は Netscape Navigator の暗号化プロトコル SSL 3.0 にのっかる形に なる。国内の動きでは、 SET を国内事情に合わせた SECE( Secure Electronic Commerce Environment ) を富士通、日立、NECが共同開発している。96年8月にアナウンスが あり、97年5月頃仕様が固まりそうである。 ただしこれら決済プロトコルはあくまでもクレジットだけが対象である。96年末時点で も、銀行の電子決済(インタ−ネット・バンキング)はまだまだ先である。SET が決まっ てからやおら銀行の方もとりかかろうかねということらしい。企業間取引において必要な のはクレジットではない。日本では銀行決済の方である。アメリカでは小切手が企業間で 用いられているが、やはりクレジットでなく銀行の方だと思う。どうも先のEDIと、イ ンタ−ネットによる取引の関係が今一つ見えてこない。しばらくは静観しているしかない。 研究会とかは盛んに行われているようだから、お金に余裕があれば参加してみればよい。 この他、個人を対象にした電子銀行や電子マネ−も検討がすすめられている。電子マネ− はイギリスのある町で実験が1年ぐらい行われている。アメリカではサイバ−キャッシュ という仮想通貨も実験されている。これらよく分からないが、大問題になったパチンコ屋 のプリペイドカ−ドみたいなものだと困る。手数料はどうなっているか。イギリスの電子 マネ−の場合、電子マネ−を買う際に手数料が引かれる。お金を買うのにお金がいるとい う訳だ。クレジットの場合、ある報告によると認証のためだけで100から200円かか ると計算されている。これに従来のクレジット扱い手数料がいる。現在扱い手数料は、お 店側が負担することになっている。新たに負担が増えるわけで、誰が一体払うのか。 SET PCT は Microsoft 独自の暗号化レイヤ−である。 -------------- 電子決済プロトコルは Microsoft も一応 SET で SSL PCT 同意しているようだが、独自プロトコルも着々と -------------- 開発しているようである。 TCP/IP [ NTTの INTERCAFIS ] 同様なクレジット決済プロトコルにNTTの INTERCAFIS がある。こっちの方はすでに利 用可能である。Netscape Commerce Server に INTERCAFIS のソフトを載せ、 クレジット の与信照会を既存の CAFIS( Credit And Finance Information System ) システムで行う ようになっている。CAFIS 自体はクレジットカ−ドで品物を買うと、何やらカ−ドを読取 機に通して、暗唱番号を入れてくれと箱を出して来るが、それがどこかクレジット番号を 管理しているコンピュ−タとつながっている。このシステムのことだと思う。INTERCAFIS はこれがインタ−ネットでできるよということなのである。 Netscape Navigator とサ− バの間はNTT独自の暗号化方式が使われているようである。 * 認証局の動向 日本ベリサイン(株)は96年6月から認証業務を開始した。企業向けWWWのデジタル IDと個人向けWWWブラウザ用デジタルIDの発行を行う。これで直接、米国VeriSign に申請しなくとも済むか。企業向けWWWの費用は、最初数万円、その後年1万円ぐらい。 個人向けの方は、確か年数千円ぐらいである。最初、北海道の(株)ビ−・ユ−・ジ−が VeriSign の代理店をやっていたはずだが、 今度は96年7月ぐらいから米・電話会社の GTE と提携し、CyberTrust というシステムで認証局を始めたらしい。 他 Microsoft はじき NT に認証局をやれる機能を入れるらしい、タダで。Netscape 社は 自社製品群に Netscape Certificate Server を投入している。 どうも企業等の組織にお ける社員の認証に使うことを目的にしているようだ。上記ベリサインも認証管理システム を販売して行こうという考えがあるようだ。このシステムは結構なお値段だ。日立が発表 したCAシステムでは800万円からとか。2005年追記、その後もCAシステムは高 止りしている、アプライアンス製品で百ユ−ザ百万円といったのも出てきてはいる。 認証局というのは階層構造をとることができる。デジタルIDの標準フォ−マットである X.509 にそって、例えば社内で認証局を運営し、社員にIDを発行していく。このままで はデジタルIDは社内でのみ効力がある。そこで上位の認証局に自社の認証局を証明して もらう。そうすれば世界中で社員のデジタルIDが有効になってくる。このためデジタル IDを発行・管理するためのCAシステムが必要になってくるのである。これがうまく行 けば企業においては、個人認証の問題がクリアされることになるだろう。 * 個人的意見 ・暗号化のビット数の問題 暗号化40ビットの話で安全性の不安がかきたてられてしまった。結構雑誌、新聞等でも 書かれた。しかし、ペンタゴンなみの機密事項でも扱うのでなければ、十分な安全性はあ ると実際問題いえる。ビット数はパスワ−ドを暗号化する際の長さであるが、それは長け れば長い程解読しにくいと言える。しかし40ビットでも現在のコンピュ−タの性能から すれば、容易に解読することは困難である。解読できた頃には内容はすでに腐沈化してい るだろう。それこそお金を遣ってクレイのス−パコンでも使えば、実時間で解読するかも 知れないが。一応朗報だが、暗号化のビット数の輸出制限をアメリカは96年12月末に 緩和した。40ビットから56ビットにしたのである。しかしきつい条件が付いた。実際 には絵に描いた餅で、一般にはとてもや使わせてもらえない。 ・ユ−ザ認証について 多分、個人の証明という問題を前面に出した仕組み、例えば1人1人が VeriSign に申請 するようなことはやめてもらいたい。それに下手するとクレジット会社A,B,C、銀行 A,B,Cと言うように個人認証の申請をせないかん、こんなことも考えただけでもおぞ ましい。ユ−ザにとっては VeriSign であろうとなかろうと、クレジットカ−ドを作る時 や銀行口座を開設する時に、一応審査はされるのだから、それでデジタルIDとしてもら わな困る。しかしどうもほかっておくとそんなことになる気配である。暗号化電子メ−ル の認証方式も今のところばらばらだし。ともかく末端ユ−ザとしては、暗号化方式が何で、 認証局がどこなんて意識しなくても済むようにしてもらわなければ困る。管理できない。 ・手数料の問題 電子銀行を利用する場合は、お金を他の銀行に振り込むことになるのだが、これも同様金 額が高ければ手数料も高くなる。これは自分の負担となる。そうそう手数料ばかりとられ ていてたまるか。銀行がインタ−ネットで個人も対象とした電子決済をしたいと本気で考 えるなら、次の提案をしたい。預金の範囲内での決済ならば、そしてリアルタイムで処理 するならば、定額の手数料とすべきである。しかも十円以下かタダが望ましい。今は全て コンピュ−タで処理する。預金の範囲内ならば、100円でも100万円でも同じことで ある。クレジットのように実際にお金をもらうまで、タイムラグがあると、払う時点でお 金が残っているやら保証の限りではない。これに見合う保証金は当然といえば当然だが。 ・暗号化WWWサイトが増えない理由 WWWを暗号化対応にしさえすれば、安全に取引が可能である。技術的には難しくないの に、なぜ増えないか。 それは暗号化WWWのプロトコル HTTPS が全くなじみがないから でないのか。WWWを立ち上げようとする人なら Netscape Communication Server の他 に Commerce Server があることは知っているだろう。しかし Commerce Server がどう違 うのか簡単にテストすることができないのだ。テストするためだけにも VeriSign 社から 繁雑な手続きを経て証明書(デジタルID)を取得しなければならない。これでは使って 見ようかとは思わない。Commerce Server は高いし、実際テストしたところで、なる程暗 号化しとるとは分からない。https://xxx でアクセスできるだけである。ここら辺りもう 少し情報を出して、分かるようにしてもらいたい。 * 電子政府の進み具合は IT戦略会議からIT戦略本部へ。そして e-Japan 構想。 中小企業の話は、電子商取引 のところで少し言及されているだけである。2003年時点で、半数の中小企業が電子商 取引に参画しているかなと書かれている。えらい消極的な表現のような気がするが。この 構想で個人や法人の認証がどのように扱われるか、よく分からない。 認証の動向で、e-Japan の各省庁間の認証は、ブリッジCAという仕組みがをとる。ブリ ッジCAというのは、幾つものCAをたばねる窓口と考えてよい。ダミ−のル−トCAと みなしてもいいだろう。個々にCAを交わす相互認証より、保有すべきCAの数を少なく できる。4個のCAの場合、相互認証は6個、ブリッジCAなら4個で済む。 日本政府は2000年3月、電子署名、認証に関する法案を設立。IT戦略会議に沖縄サ ミットとにぎにぎしい。アメリカでは電子署名法は、2000年6月に法政化に向けて動 き出している。2001年4月1日、国内でも電子署名法「電子署名及び認証業務に関す る法律」が施行された。 住民基本台帳ネットワ−ク、2002年8月5日から施行。ネットワ−クに接続しないと いう市町村が出てくるなど、もめにもめている。ICカ−ドに11桁の番号を入れて個人 を特定する。ICカ−ドは2003年の8月から各人が役場で申請して発行してもらうこ とになっている。その後、2004年時点、とても広まっているとは言い難い。 多分、公に通用するデジタルIDは、自前で発行、管理するのは無理と考えたほうがいい だろう。安全性を確保した厳格な運用が求められる。建物の地震への堅牢性だとか、入退 室管理だとか非常に厳しいようである。企業として必要になる時期が来たら、帝国デ−タ バンクにでも発行してもらうのが現実的な対応だろうと思う。 (3) そして B-to-B の動向 `21/03 * ITの実態から 2001年に入り、それまで唸り回っていたITは完全にト−ンダウンした。本場アメリ カにおいても Cisco が人員削減を打ち出したり、Amazon の会長が株は期待しないでくれ と発言するなど、ITブ−ムは去ったという印象が強い。国内に目を向けると、景気は足 踏み状態から下降線に入っている。株価もどんどん下がっている。ITは日本政府の景気 対策として、景気付けに言っていたに過ぎない、実態はなかった。ただこれから大化けす るかも知れないという期待感があっただけである。最近読んだ本で、平成13年1月20 日発行の「IT革命の虚妄」。なる程するどい所をついている。ずっと、インタ−ネット ビジネス礼賛の本が出ていたが、昨年辺りから懐疑的な本もちらほら出るようになってい た。IT革命によって何年か先には B-to-B が国内で百兆円ものビジネスになるとか言わ れていた。小生自身そうした数字に、どうもおかしいという気がしてならなかった。 事実、周辺で何かITによって変わったということは未だない。購買部署の人達はインタ −ネットの画面で見積りをとったりと、たまにするようになってきてはいる。そしてその 画面から注文を入れたら、メ−ルでもいい、今風にいえば B-to-B ということになる。し かしそれは単に電話やFAXの代わりにインタ−ネットを使っただけの話である。インタ −ネットがあったことによって、特別に注文したわけでない。そんなのも含めて百兆円と いうのだろうか。企業におけるさまざまな物の購入、調達は単にインタ−ネットうんぬん 以前に、基本的には信用に基づく取り引きでないのか。安ければインタ−ネット上のどこ からでも買うというわけにはいかない。ただ可能性として、公開部品調達というようなこ とができるということに過ぎない。格段に安いとか、あるいは非常に特殊なものとかいう のでなければ、このような部品調達はうまくはいかない。 では企業において B-to-B が有効に働く場面とは?。物の売り買いを単純に考えて見よう。 何々をいつまでに何個。これが電話だと聞き間違いということがある。物と時間のロスが 発生しやすい。FAXだと確実だが、自社の受発注のコンピュ−タにデ−タを入力しなけ ればならない。転記の手数が発生する。この時にも転記ミスはついて回る。しかもその受 注品が頻繁にあるものだとしたら、何とか自動的に処理できないかと考えるのが普通だろ う。B-to-B はそこをタ−ゲットにすべきなのである。 既存の取り引き業者との間で、お 互い自動的に処理できるところはやっていきましょうという発想である。こうした事務処 理を確実に、かつ効率的にこなすことができるようになれば、その余力を他に回すことも できる。しかしこの仕組みを準備できない企業は、条件としては不利になる。安く簡単に こうした仕組みを、中小の企業でも享受できるようにすることこそ、政府が本当にITで やることだと考える。 * マ−ケットプレイス `02/10 経済新聞や産業新聞も読んでみないといけない。ちらっとみるにつけ、毎日ITだECだ と載っていない日はない。大きなところでは、今年2月にアメリカで始まったオ−トイク スチェンジ http://www.auto-Xchange.com/。 GM、フォ−ド、クライスラ−が共同で部 品調達するサイトである。ANX という。4月にはその日本版の JNX が始まっている。 鉄 鋼や建築資材といった分野でも、こうした部品調達の変革が起きようとしている。マ−ケ ット・プレイスというらしい。もはやいつ我が身にふりかかってくるか分からない。産業 界の動向に注視し、取り引き先が話を持ち出した際には、即対応できるようにしておく必 要があるだろう。もたもたしていると取り残される。キ−ワ−ドはCALSなのだ。光の スピ−ドのビジネス。この場に及んで準備もしていないような企業はおよびでない。 と自分もITに踊らされて、こんなように書いてみたものの実感が伴わない。JNX なんか は噂を聞くに親会社が旗をふっているのだから、一口乗っておくかという会社と、模様な がめをしている会社に二分される。ネットワ−クはVPNで専用ソフトを使うとか言われ ている。ともかくまだまだこれからいろいろ考えましょうというのが実際のところでない のか。もう一つのマ−ケットプレイス、建築資材など次から次へと立ち上がるマ−ケット プレイスだが、この実態は中抜きを恐れた商社が仕掛けたことでないのか。インタ−ネッ トにおける販売のイニシアチブを取ろうとやっていることでないのか。今からインタ−ネ ットを用いた取り引きのノウハウを積んでおくことはいいことには違いない。ただし、そ れは電話やFAXにインタ−ネットという通信手段においてでの話である。 * EC(エレクトリックコマ−ス) `02/10 手っ取り早くECサイト立ち上げたいとなったら。ノウハウがなく、どうしたらいいかさ っぱり分からんと言うなら、できる業者に頼むしかない。 IIJ-Tech のECサイト構築運 用サ−ビス、iBPS( internet business processing service ) はどうだ。 今年2月から。 コンサル、人件費、ソフトなどで2千万円からという。3ヵ月という短期間、低コストで ECサイトを構築する。運用管理はデ−タセンタ−に任せるとのこと。ともかくこの手の コンサルは非常に高い。アンダ−センのコンサルト料なんか、月500とも600万円と もいわれている。あるいはECサイト開設支援ソフトはどうだ。 "コマ−スサイト・ビル ダ−"、'99/11 と言うのが雑誌にあった。 Windows NT で SQL Server を使っての構築で ある。オ−プン価格200万円以上。他の会社も600とか800万円とかで出している。 多分業者さんは、今ならIBMの WebSphere を使いましょう、 EJB はこういうのを開発 してと煙に巻いてくるだろう。デ−タベ−スは Oracle8i にしてトランザクションがどう のこうのと。しかし、そんなことはどうでもいい。先ずは本当にECサイトを作る必要が あるのか、それをよく考える必要がある。楽天のように個人消費者に物を売るような感じ で捕えていないか。企業、特に製造業においては販売の仕方が全然違うということを、あ らためて認識する必要がありはしないか。このことは営業部門の人達は十分に分かってい るはずだ。ECというのはいわばダイレクト販売である。商社さんなどの中間業者を通さ ない販売ル−トの開拓なのである。それなら全部の製造品を中間業者抜きで売ることがで きるのか。製造業において物を売るということはどういうことなのか、基本に立ち戻って 考える必要があると思う。 * CRM( Customer Relationship Management ) '99/11 なんじゃCRMって?。ようはウェブを見ているお客さんに、餌をぱっと出すということ。 一度自分とこのサイトにアクセスしてきた人は、あの手この手を使ってひきつけておくよ うにするという話である。そのためにはどのコンテンツをどれぐらい見ているか、あるい はクッキ−を食べさせて情報をとったり。いかにも顧客指向のような感じだが、違うと思 う。缶ビ−ルをおく位置で、何となく買ってしまうという人の無意識があるらしいが、そ ういうものに近い。こういうのが蔓延するとメジャ−なものしか残らなくなるのでないか。 ハリウッドの映画は観衆が喜びそうなスト−リを大がかりなリサ−チで作るそうだ。そう なるとそこそこ面白い映画はできても、心に深く残るような映画はできない。制作者の強 烈な個性のもとに、名作もでき、駄作もできるのだ。 はたまたCRMみたいな手法がずっと続くものかどうか。インタ−ネットの業界はドッグ イヤ−だとかいわれ、1年かそこら成果が出るだけでないのか。人間は数年ごに死滅する わけでない、もっと息の長いことを考える必要はないか。人は最終的には、めまぐるしく 変わるものよりも安定して十分信用なるものを求めるのでないのか。画面を見ていたらぱ っと、うまそうな饅頭がでてきて買ったはいいが、1年たってそのサイトを探してもなか った。それではいけないということだ。いいものを安く、そしていつでも。人を眩惑させ るような手法はいつまでもは続かない。十年先にもインタ−ネットで商いしたいと考える なら、CRMなんて言葉に踊らされてはならない。小生は消えてはなくなるコンビニより もおばちゃんががんばっているパン屋さんの方が好きである。 * Eメ−ル・マ−ケティング `22/06 企業の商品販売戦略としてメ−ルを有効活用しようという視点がある。それをEメ−ルマ −ケティングといっている。ただ単純にメ−ルマガジンを発行するのでなく、顧客に訴え るメ−ルの文章の書き方はどうか、メ−ルを送るタイミングは?、なかなかうるさい話に なる。メ−ルマガジンを担当する部署、これは当り前に考えれば営業販売企画部門という ようなところか。彼等にそうした意識があるかないか問題である。一応トライコ−ンのサ イトぐらい紹介して、注意を促した方がいいかも知れない。そして社内でサ−バを立ち上 げるばかりでなく、アウトソ−シングも利用できると教えてあげるのがいいだろう。大量 にメ−ルマガジンを発行して、もし万が一何らかのミスで、エラ−メ−ルを全員に発信し たりしたら、それはSPAMそのものであり、非常に問題である。自社でやる場合は重々 注意しなければならない。個人向けの戦略にはオプトインメ−ルというのもある。ネット エイジの Vmail、http://www.vmail.ne.jp/。また何らかの参考にされたい。 * JNX( Japanese automotive Network eXchange ) `21/08 自動車関連業界のEC標準ネット、エクストラネットとして 2000/10月から開始している。 2000年末時点では約50社が加盟していた。現在の状況は http://www.jnx.ne.jp/に ある加盟社リストを覗いて頂きたい。どこの会社がどういう対応状況なのか一瞥すること ができる。もう準備OKなのか、準備中なのかとか。2001/08/24では288社が加盟して いる。親側として自動車メ−カが11社とヤマハ発動機に川崎重工業。子側として275 社がその部品メ−カということになる。その中には自動車メ−カと取り引きのあるSI業 者なども入っている。1年も経たない内に200社以上も増えるとは、今年になって自動 車メ−カが精力的に説明会を開いた結果ともいえる。単純に様子見している事態ではなく なっているのかも知れない。JNX のサイトには自動車メ−カの JNX利用計画も記してある。 CADや EDI デ−タの交換、部品の受発注など。予定であるとか、実施済みであるとか JNX というのは、いわば安全な通信経路を有償で提供するだけである。CADデ−タの交 換と一口に言っても FTP のコマンドでやり取りするのか、 それとも自動車メ−カならそ こが提供する専用のアプリケ−ションでやりとりするのか。それぞれやり方が異なるよう である。JNX のホ−ム−ジでは、具体的にどうするのかまでは書かれていない。アプリケ −ションらしき名前は書いてあるが。ともかく、部品メ−カ側としてはWeb対応にして もらえると助かる。 CD-ROM もらってパソコンにインスト−ルして何やらセットアップす るようなことはやめたいものである。ますます手間、コストが増えるだけである。なんだ ったら「日経デジタルエンジニアリング」2001/03, P.94〜99,"サプライヤにとってJNXは 損か得か" も見られたい。これまで取引先毎にVANを契約したり、 IBM 5550 辺りを買 って取引先専用の EDI ソフトを使ってきた。こういうことは、もうやめにせないかん。 JNX のネットワ−クのは、インタ−ネットとは別なプライベ−トな IP ネットワ−クであ る。JNX が認定した IPSec機器を使用し、暗号化して機密性を保つようになっている。部 品メ−カは CSP( Certificate Service Provider )というネットワ−クに加盟することに なっている。 CSP は JNX が定めた中立的なネットワ−ク接続業者で今のところ4社ある。 どれに入っても構わない。部品メ−カはこの CSP と専用線接続する。 料金は結構高めに なっている。幾つかの CSP の料金比較もした方がいいだろう。 今はまだ専用線接続しか ないが、ダイアルアップ接続も予定しているとのことである。JNX では部品メ−カのこと をサプライヤと呼んでいる。JNX のネットワ−クはサプライヤと自動車メ−カとのつなが りである。望むべくは、サプライヤ同士のつながりも持ち、製造業全体のネットワ−クと して機能していくというのはどうだろうか。 * CADデ−タとインタ−ネット `2h/09/S かつて自分は2次元CADの開発のエンジニアだった。大学院の時に3次元CADの集合 演算をテ−マに研究していた。就職してからの10年は機械系2次元CADを開発してい き、実際に社内展開していった。数年で開発はほぼできていて、その後は設計者の要望な どにより機能追加やバグ取りをしていた。設計対象の製品は機械要素のモ−タであり、製 品図面を一気に自動で作成した。外観的には3つの大きなパ−ツから構成されていて、そ れらを組み合わせれば製品図面ができたという話である。およそ千機種の製品図デ−タを 作成した。平行して顧客にCADデ−タの提供を始めた。DXF、IGES、MicroCADAM や売れ 筋の市販CAD用の生デ−タを。1995年頃、インタ−ネットが学術ネットワ−クから 商用ネットワ−クへと変わり始めた。これは本物であると密かにに取組みを始めた。2年 後、顧客に電子カタログをインタ−ネット経由で提供するという名目で接続を開始した。 専用線 64Kbps 接続。INDY や Sun のマシンでWWWサ−バを立ち上げ、簡単な会社案内 を載せた。メ−ルサ−バも立ち上げた。さらにファイアウォ−ルも当初から設置した。そ れから20年、ひたすらインタ−ネット利用の社内の拡大、そしてセキュリティ対策をし ていくことになった。ネットワ−クのインフラを整備し、その上でセキュリティを確保し、 更にその上でアプリケ−ションを稼働させる。実際に役立つ、儲けるソフトウェアなりサ −ビスを構築していくこと。それがCADの開発エンジニアとして、インタ−ネットに関 わる者として本来のイントラネット構築の目的だった。2次元ないし3次元CADデ−タ を自社Webで単独で提供するだけでなく、機械設計を行なう世の中の設計技術者に真に 役立つサ−ビスを提供すべきと考えた。Webサ−ビスを用いた機械設計支援サ−ビスで ある。ベアリング、シリンダ、モ−タなどの規格品の選定とCADデ−タの提供である。 Webサ−ビスが社内のEDPやSAPと連携すれば、購入単価や納期などの情報も設計 者は知ることができるようになるだろう。あまりこれまで設計者が意識することが無かっ た所である。コスト優先なのか納期優先なのかで選ぶ製品が変わる。製造業の物作りにお いてはCADデ−タは必須である。多分、これからはCADソフトはインタ−ネットとシ −ムレスになって行くだろう。ユ−ザのCADの画面にはWebサ−ビスで提供される機 械要素ヘの画面がどこかに表示される。設計者はこの中から製品を選ぶのである。もしこ のサ−ビスの中に自社の物が入って無かったら。規格品、標準部品はこの中から選べば十 分である。非常に技術を要するような特殊な製品でなければ。インタ−ネットでの総合的 な電子カタログは機械部品を扱う商社が作ったのもあった。どうも昨今は海外の会社が作 った Web2CAD というのがある。国内の多くの機械要素メ−カが乗っているようである。 (4) 3次元CADデ−タ交換 '99/07〜 * 交換用3CADデ−タの作成 '99/07 いつまでも古くて新しい問題である。 2次元CADでは DXF ファイルが事実上の標準と いってよい。大方のCADには DXF トランスレ−タが入っている。 MICRO CADAM のよう に今日でもオプション扱いで、ん十万円というのもあるが。かつて国産パソコンCAD用 で、PCES というのもあったがどこかに飛んでいってしまった。 3次元CADの方はどう したらいいか。市販品は、今や2次元より3次元CADの方が多くなってしまった感じす らある。ミッドレンジを中心に実にたくさんある。取り引き先に合わせて揃えていたらと んでもないことになる。自動車業界は概ね CATIA という所、他 I-DEAS に Pro/ENGINEER。 ミッドレンジなら SolidWorks などなどという感じか。 最近、ソリッドモデリング・カ−ネルの ACIS を見る機会があった。エイシスと呼ぶ。か つてのカ−ネルはまさにただのカ−ネルだったが、今は違う。簡便な3次元CADといっ てもよい。ユ−ザインタ−フェ−ス部をちょっと作ればいっちょあがりという感じだ。注 目したのは ACIS が各種CADデ−タの入出力をサポ−トしていることである。幾つも3 次元CADを買わなくても、これ一本でいろいろなデ−タを作ることができる。元の3次 元形状を Autodesk Mechanical Desktop で例えば作るとしよう。 ソリッドカ−ネルは同 じ ACIS のため相性がいい。そして ACIS のデ−タ形式の SAT で出力する。それを ACIS 3D Toolkit を使い1個ずつ、またはC++で好きなようにプログラミングし、 一括して デ−タ変換してもいい。ACIS はC++で書かれているのだ。 他のソリッドモデリング・カ−ネルでは、このようなデ−タ変換はできないと東京からき た外人さんは言っていた。それにヒ−リングとトレラント・モデリング機能によりある程 度、不完全なモデルでも修正すると言っていた。まあ確かに買収により IGES Toolkit も 手に入れている。修正機能は他社より強いかも知れない。97年位の状況では ACIS はや や Parasolid に押されていたきらいがあった。 ACIS から Parasolid にカ−ネルを変更 するCADメ−カが幾つかあったりした。他、国産カ−ネルの DESIGNBASE もある。3次 元CADを考える時、カ−ネルが何であるかはかなりのポイントになると思う。小生のた だの感触だが、ACIS は有望である。 実際のデ−タ交換には、百万円ぐらいのミッドレン ジCADを揃える、オプションのデ−タ変換モジュ−ルを揃えることも検討した方がいい。 * 工作機械への受け渡しと連携 '97 ぐらい? 工作機械についても少し、オ−プンNC、NURBS 曲面のサポ−ト、やっと2年前から言わ れるようになった。NURBS 曲面はまだ実験段階のいきをでてない。3次元CADの曲面デ −タをそのままNCが認識できるのは大きな意味がある。よりスム−ズな面加工が可能に なるのだ。これまでだと、せっかくの曲面、曲線は小さな直線に分解されていた。これで はいかん。それにコ−ド転送が TCP/IP 対応になったのは結構。しかしこれもまだ実験中 かな。それにしても曲面理論はとっくの昔に確立されている、TCP/IP もそうだ。 工作機 械メ−カは一体何をやってきたのだ。対応が鈍過ぎる。まあ、仕方ないかパソコンだって TCP/IP が当り前になったのは、ここ何年かなのだから。そういえばFAで MAP とか TOP とかあったが、あれ今どうなったのでしょうか。 話を戻して TCP/IP 対応はいい、それを越してインタ−ネット対応だ、言っているメ−カ もある。これって、どうゆう意味があるの?。分からん。そんなことよりもっとインテリ ジェンス性をますべきだ。例えば3次元CADのフィ−チャもデ−タとして工作機械が理 解するというのはどうだ。そうすれば3次元CADデ−タ、もっと分かり易く言えば面の デ−タ(自由曲面でもいい)を簡単なものにできるのでないか。例えば、平面に穴があい ているというのをNCが理解すれば、穴のあいた面領域をCADとしては表示するためだ けの意味でデ−タを持てばいいことになる。つまり何でも B-Reps として表現するのでな く CSG でもいいのでないか。これはCADシステムをシンプルにし、 計算誤差を減らし、 信頼性を向上させることになる。 * 3次元CADデ−タへの提案 '98 ぐらい? ここでは機械系のCADについて述べたい。世の中かなり3次元CADへシフトしている ような気がする。もう2次元は古い、早く3次元CADを導入しないと、乗り遅れるぞと いう雰囲気が強い。確かに上流の企業で3次元CADを使うならば、下流の企業も3次元 で設計し、デ−タをそのまま交換すればいい。上流の企業はそれだけ効率アップが計れる というものである。しかし3次元デ−タをやり取りするためには、たとえばインタ−ネッ トを使う場合ダイアルアップ回線ではかなり苦しいのでないか。それなりのWANのイン フラは整備する必要があるだろう。また、下流企業にとっては3次元デ−タは親会社へ出 すためだけであって、依然内部では2次元図面を使う会社が多いのでないか。まあ、金型 会社や自由曲面を含んだような部品を作る会社なんかは別であるが。 親会社に渡す3次元デ−タ、これは場合によってはラフなものでいいのでないか。自動車 のボンネット内のように狭く、たくさんのパ−ツがひしめき合う所では、ちょっとした曲 面カ−ブでも干渉して問題になるだろう。そうでなく例えばシリンダ−をコンベアの駆動 部に使うとかいう場合は、干渉はたいして問題にならないはずである。そんな所に精密な 3次元デ−タは必要ない。だいたい3次元形状を表わしていれば大方すむはずである。こ れなら2次元の図面から3次元デ−タを簡単な操作で作ることができるのでないか。そう すれば、1から3次元CADで設計しなければならないということはない。平面図からソ リッドへの変換ソフトはすでにいろいろなとこで作られている。できるはずである。多分 ラフな形状であれば変換アルゴリズムも簡単で済むと思う。 これなら2次元CAD主体で使って、親会社なんかで3次元デ−タがいるという時にさっ と作って出せばいい。デ−タサイズも格段に軽く済む。インタ−ネットでのデ−タ転送も 速くなる。そうなれば、前から言われているコンカレント・エンジニアリングだとかコラ ボレ−ションだとかも容易になってくるはずである。現在の3次元CADでどうやるかと いう視点だけでなく、本来何をやりたいのか、どうしたら可能か根本にかえって考えるこ とが必要である。大手企業がそうした提案をCADメ−カにすれば、メ−カは動くのでな いのか。あるいは、先のアルゴリズムを開発するぐらいの太っ腹があってもいい。ただ単 に親会社と同じ3次元CADを導入するよう言うだけでは、いかがなものか。中小企業の 体力をいたずらに消耗させてはならない。日本の製造業の大半は、中小企業の努力によっ て支えられているのだから。 * XVL( eXtensible Virtual world description Language ) `21/08 ついに XML 対応した3次元CADデ−タのフォ−マットが現われた。 世の中、文書のド キュメント系や伝票類の EDI デ−タ系など完全に XML 化の方向に向いている。CADデ −タだけその動きから取り残されていた。やっと登場である。しかも日本からである。リ コ−の DESIGNBASE を開発した千代倉氏や鳥谷氏が設立したラティス・テクノロジ−(株) が、この XVL と言うフォ−マットを提唱し、そのツ−ル類を開発した。 2001年5月 初めて XVL の話を鳥谷氏の講演で聞いた。これはすごい、いけるぞと思った。 千代倉氏 が3次元CADの軽量化したデ−タ構造のアイデアを元に、会社を設立したことは知って いた。デ−タ量は小さいがラフな形状を表わすということだった。そんなのが工業的に意 味があるのかなとその時思った。その後あまり動きがなかったので、どんなもんなのかと いう程度で済ませていた。 ともかく XVL は千代倉氏が提唱するラティス構造という曲面デ−タ表現を XML 対応した フォ−マットである。曲面の3次元CADデ−タが 1/100〜1/500 になる。しかも精度は 元の形状の 0.1 から 0.001 mm で制御できるという。 決してラフな形状というものでは なかった。XVL の主な用途は電子カタログや形状確認などリファレンス・モデルとしてで ある。加工の際にはオリジナルの3次元CADデ−タを使うことになる。XVL のデ−タ自 体はいわば3次元CADデ−タの骨格であり、 肉付けは相手先で XVL のビュ−ワで表示 するようになっている。Web用のプラグインとかCAD用のプラグイン・ソフトで表示 するのである。しかし別にラティス構造なるものを持ち出すまでもなく、曲面パッチの制 御点だけデ−タとして渡し、実際の曲面を張るのをビュ−ワに任せるようにすれば、それ だけでも相当なデ−タの軽減になるのでないか。と単純にそう考えたが。 XVL Converter : XVL への変換ソフト。IGES, Parasolid, CATIA 対象。`21/10 発売。 XVL Composer : ビュ−ワ。断面をとったり寸法線を入れたりできる。`21/10 発売。 XVL Converter Plug-In:CAD組込み XVL 変換ソフト。I-DEAS, MDT, Pro/E 等対応。 XVL-CAD Doctor: ヒ−リングツ−ル。エリジオン社との共同開発。 3D-TIGER : エリジオン社開発。Illustrator/Photoshop のプラグイン。 XVL Viwer : IE, Netscape Navigator のプラグイン、ビュ−ワである。 XVL Player : IE のプラグイン。アニメ−ション。XVL Viwer 機能含む。 他 XVL Editor, XVL Director, XVL Signer, XVL Designer, XVL Manager など。 XVL の歴史など少し。XVL は当初 VRML97 の拡張フォ−マットとして設計され、英語のつ づりも違っていた。先ず XVL Viwer が無償で配布された。 それが多分2000年の3月 ぐらいに XML でフォ−マットが書き直され、 XVL Converter や XVL Composer というツ −ルが10月には販売開始された。そして鳥谷氏が精力的に方々で講演し、急速に XVLが 広まっていくことになった。現在どんどん提携先が増えている状況にある。中でも伯東と 大塚商会が2000年末、早々提携しているのは驚きである。XVL はこれまでポカっとあ いていた穴を埋める有望な技術である。他の業者は一体どうしていたのか?。私事を一つ。 鳥谷氏とは 1991/11、NICOGRAPH'91のリコ−のブ−スで話したことがある。DESIGNBASEの V4.0を出展していて、その時1人で立っていた。その人が今や社長で飛び回っている。す ごいな−と思う。これからもどんどん活躍されることを期待したい。 [ XVL の参考 ] http://www.lattice.co.jp/ ラティス・テクノロジ−(株) > 97年10月に設立。リコ−から慶応大学に移った千代倉弘明博士とリコ−の鳥谷浩志 博士らが設立した。トヨタが大口出資。2年かけて軽量化3次元デ−タを扱うソフトな どを開発した。現在は鳥谷浩志氏が代表取締役社長を務める。千代倉氏は会長。 http://www.xlv3d.com/ `21/05 からラティス・テクノロジ−が運用。 > XVL Player と XVL Viwer を無償でダウンロ−ドできる。 XVL Converter は XVL デ− タ変換の単体ソフト、価格は例えば CATIA 用が 250 万円?。CATIA がすでにあってプ ラグインするタイプのは 20 万円?。値段よく分かりません。それにライセンス料?。 「日経CG」 1999/09, P.25〜33 > "ラティステクノロジ−の提供するネットワ−ク3Dソリュ−ション"。この時すでにコ パクトなデ−タ構造を実現していたが、XVL( eXtended VRML with Lattice ) と称する ように VRML の拡張形式をとっていた。これまで国際的な標準化案として VRML97 とい うのがあったが、デ−タのサイズが非常に大きくなるのが決定的な欠点だった。 「日経デジタルエンジニアリング」2001/04, P.26〜27,"軽量3次元デ−タの地位が固まる > XVL"。2001/07〜08, "軽量3Dデ−タ形式 XVL の基礎"。XVL のラティス構造の説明が ある。特許の関係かこれまで論文などは、ほとんどないもよう。日経デジタルエンジニ アリングのことはデジエンとCAD業界の人は呼んでいて、結構重要視しているようだ。 大塚商会実践ソリュ−ションセミナ− 2001/05/16, 名古屋のホテルにて > "XVL による Collaboration の実現 3次元デ−タをどう活かすか!"。鳥谷浩志氏講演。 大塚商会の XVL ヘのデ−タ交換サ−ビス http://www.cadjapan.com/。テスト期間で無 料使える。XVL NetConverter というソフトをパソコンにインスト−ルし、 パソコンで デ−タ変換する。課金だけ大塚商会のサ−バに記録され、請求が来るという仕組み。 autodesk Expo 2001 in 名古屋 2001/07/19 > "XVL の Mechanical Desktop デ−タのネット活用法 〜最新3D圧縮技術「XVL」をMDT から出力〜"。出席はしてない。AutoCAD にも XVL 対応したということがすごい。この 時も鳥谷浩志氏が講演した。1人でそこらじゅう走り回っているぞ。 http://www.web3d.org/x3d.html > "W3C/Web3D コンソ−シアムで仕様公開 2000/07"。XVL は特許申請していて、ライセン スを15%払うことになっている。仕様を公開するだけで、ライセンス料をとるのは別 ということなのかな。 「日経ものづくり」2005年までとっていた、改めて見てみた。 > とっているだけで、ほとんど中身は見てなかった。目についた記事を。米UGS製図面 管理。WAN高速化装置は有効ではなかった。 `27/09 の記事にXVLなどのCADデ −タ交換。XVL は実際に使われているのか?、内ではほとんど聞くことはない。 * 今どきのCADを見てみる [ CADはどうなっている ] どうもそんなに市販CADで選択肢はないみたい。完全に3次元CADになって行くのか、 2次元CADもまだ残って行くのか。AutoCAD 以外の2次元CADは生き残っているのか。 CADPAC とか CAD Supperとか実にたくさんあった。「日経CG」がどんどん名前が変わっ て購読するのを止めた。それ位からCADの動向が分からなくなった。それにパソコンで CADが使えるようになってからと言うもの、ただの1つのパソコン・ソフトになった。 [ 2つの市販CADのこと ] SolidMX は2次元から3次元への転換が容易らしい。ずっと2次元CADを触ってきた人 でも、比較的簡単に使うことができる。 ICAD/SX Mechanical PRO もこれも連携が容易と のこと。シンクライアント型ミッドレンジCAD SolidMX、 IE 6.0 以上のブラウザがあ れば利用できる。松下電工インフォメ−ションシステムズ(松下電工IS)の技術系ASP サ−ビス、40以上のサ−ビスがすでにある。 [ 2次元から3次元CAD ] 3次元CADはかつて粘土細工のような3次元形状を作る感覚だった。もう今は違うので ないか。2次元CADの製図的な作成方法もうまく取り入れて、比較的簡単に3次元の形 を作っていくことができる。3次元CADでアッセンブリを設計し、パ−ツも全部内容物 として入れ込む。これで部品表の作成ができる。アッセンブリ(かつては組立て図)にパ− ツがオブジェクトとしてあり、かつその属性も記述できること。そしてオブジェクトや部 品表にどこまで属性を入れ込むことができるか、そこが問題である。 [ 自動車業界のCAD様相 ] CATIA とか3次元CADの様子。2004/05 頃、CADの売り込みにきた営業さんに聞いた 話、CATIA の価格は250万円+初年度から80万円(ソフトの15%+48万円)。48 万円は保守費用、1から4台までの保守契約というので。導入費用24万円。教育は37.5 万円、5日間(自分とこの製品の図面を持ってきて一通り作成できるまで)。 CATIA Ver.5 '99/03 C++。ENOVIA PDM。CATWeb。DWF,IGES,STEP(AP203,214),TOYOTA TDEX などに対応。 [ CADデ−タの標準形式 ] これまででもCADデ−タの標準形式しかり、DXF や IGES それに市販パソコンCAD用 の PCES だったか色々できた。 結局のところ AutoCAD が一人勝ちして、CADデ−タ交 換フォ−マットは事実上無くなったのでないか。CADからインタ−ネットに携わるよう になって20年、CADのことはとんと門外漢になってしまった。CADがパソコンの一 つのソフトになってしまい、かつてのように重要視されなくなった。 * おまけのはなし だいぶ前のこと、10年ぐらい前になるか、3次元CADの製品説明会で、幾何変形の機 能の説明のところで "いくなんへんけい" ができますと言ってたぞ。なんじゃそれ。信じ られない。どんな機能なんだろう、そんなんがあるのかなと一瞬思ったけど。時間の無駄 だね。しかしI○Mのショ−ル−ムで説明会はあったんだけどな−。その会社からCAD を購入したことがあるのだが、その時SEの名刺をくれた男は、エディタを使ったことが なかった。CADデ−タを一括作成とか検索のソフトを作るのでエディタが必要で、タブ の設定知ってると聞いたらタブてナニだってさ。どこがSEだ。SEでもなろかのSEか。 そんなんでもビジネスになってお給料をもらっているとは、世の中平和だね。 (5) いろいろ公的な団体など * 財団法人日本ネットワ−クインフォメ−ションセンタ−( JPNIC ) http://www.nic.ad.jp/。国内でのドメイン名の登録業務を行う。 ドメイン名の検索サ− ビス "JPNIC whois Gateway" をやっているところ。 JPドメインの登録、変更手続きは 2002/04/01 から、(株)日本レジストリサ−ビスに移管された、http://jprs.jp/。日本語 ドメイン名協会( JDNA ) http://jdna.jp/ というのもある。 * 高度情報通信社会推進本部(首相官邸) http://www.kantei.go.jp/jp/it/security/ "情報セキュリティポリシ−に関するガイドライン"、2002/07/18。 "セキュリティ対策セ ルフチェックシ−ト" など幾つかのレポ−トがある。ここはつまりIT戦略本部のホ−ム ペ−ジである。e-Japan 戦略 2001/01/22 などが読める。 * 財団法人コンピュ−タ緊急対応センタ−( JPCERT/CC ) http://www.jpcert.or.jp/ 1996/08 通産省が設置、96年末から実質活動開始。セキュリティ・ホ−ルを知らせるメ −リングリストがある。管理者は受けるようにしておくこと。セキュリティインシデント、 つまり事故の報告がだんだん減少しているとのこと。セキュリティ対策のポリシ−設定な どにより、ネットワ−ク管理者が単独で報告できなくなってきているらしい。 JPCERT/CC は、財団法人日本情報処理開発協会が行う業務である。 * 情報処理振興事業協会( IPA ) セキュリティセンタ− http://www.ipa.go/jp/security/ 1997/01/01 に設置。対策実践情報の "小規模サイト管理者セキュリティ対策マニュアル"、 が参考になる。このマニュアル、IPA が一般に公募した。あるソフト会社の提案が採用さ れ、2001/04/16 公開された。かなり実質的な内容が書かれている。 他にもセキュリティ 全般のガイドラインや報告が、だんだん充実してきた。セキュリティ対策研究開発等事業 でまとめた 2003/04/21 公開の "インタ−ネットサ−バ−の安全性向上等に関する調査報 告書"、http://www.ipa.go.jp/security/fy14/contents/high-availability/has.pdf。 * 財団法人日本情報処理開発協会( JIPDEC ) http://www.jipdec.or.jp/ 情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)適合評価制度を策定。内容は BS7799 と同 等。2001年はパイロット事業として約40社が認証を取得した。2002年4月から は本格運用開始。情報処理事業者が先ず対象。費用についての記載はまだない。認証を受 ける手順などが出ている。「情報化通信白書」を出している。2002年版は `22/06/20、 4,500 円+税、"IT生活の新世紀〜ブロ−ドバンドとユビキタス時代を迎えて〜"、IT が実際に活かされてないのでないかという指摘がなされている。 * 財団法人インタ−ネット協会( IAjapan ) http://www.iajapan.org/ 電子ネットワ−ク協議会と日本インタ−ネット協会が統合して、2001年7月に設置し た。プロジェクトに IPv6 ディプロイメント委員会。研究部会にセキュリティ、ブロ−ド バンド、Java、iDC などがある。毎年発行されている本の "インタ−ネット白書" の目次 もある。その後見ていたら http://www.iajapan.org/rule/rule4business/、"ビジネスで のインタ−ネット利用の規定"。こんなのも出ていた。 * 電子政府の総合窓口 http://www.e-gov.go.jp/ 総務省管轄。全省庁の情報を横断的に検索できる。ル−トCAを独自なのを使って、やや 問題になっている。Fingerprint を各自確認せ−というのでは、いけない。関連組織には 政府認証基盤( GPKI ) http://www.gpki.gr.jp/ など、多数ある。 * 電子商取引推進協議会( ECOM ) http://www.ecom.or.jp/ 2002/04/01 発足。"電子認証システムに関するガイドライン" など多数ドキュメントあり。 旧、実証推進協議会。次のような関連組織へのリンクがある。 EDI 推進協議会( JEDIC )、 電子商取引推進センタ−( JIPDEC/ECPC )。http://www.ecom.or.jp/jesap/ 電子署名・認 証利用パ−トナ−シップ、2002/07 頃に部会員募集、無料、トヨタ自動車の黒岩氏が副委 員長、利用促進部会長が岩田彰氏。 * 日本ネットワ−クセキュリティ協会 http://www.jnsa.org/ NPO法人 2001年5月、特定非営利活動法人として認可された。年会費一口24万円。幾つかの 部会がある。技術部会はフォ−バルクリエ−ティブの人が担当。教育部会は JNSA 会長の 石田春久氏が担当する。情報セキュリティポリシ−のサンプルドキュメントがある。 * 電子申請推進コンソ−シアム http://www.e-ap.gr.jp/ あるセミナ−で、ここのセキュリティ検討委員会が2002年4月に作成した "セキュリ ティマップ 〜2001年度事業〜" をもらった。キ−ワ−ドだけ。 XMLSignature、電子 署名、タイムスタンプ、認証と原本性確保、電子透かしなど。 * Eジャパン協議会 http://www.eif.gr.jp/ 財団法人マルチメディア振興センタ−に事務局を置く任意団体。2000年10月に発足 した。中小企業IT応援/EC応援/IT生活応援を掲げて、政府 "e-Japan 戦略" の実 現に貢献する。大企業、中堅企業はともかく中小企業のIT化は遅れている、応援すると いうことで情報を提供している。"初心者にもわかる Linux によるインタ−ネット利用環 境の構築、Red Hat Linux 9 ベ−ス版 2004/03"、"初心者にもわかるネットワ−ク管理入 門、2002/05/15 最終"。などがある。かなり詳細な内容が書かれている。 * 東海インタ−ネット協議会 http://www.tokai-ic.or.jp/ NPO法人 電子計算機ネットワ−クの健全な発展のために1992年7月に設立された非営利任意団 体。中部地区の大学、企業、それに個人が参加している。1995年12月、インタ−ネ ットの商用サ−ビスを行う東海インタ−ネット株式会社が、ここから生まれた。2004 年2月7日の "第4回オ−プンソ−スソフトウェアセミナ−" では産業技術総合研究所の 高木浩光氏らを招き盛況だった。このセミナ−開催の協力団体は、名古屋 *BSD ユ−ザグ −プ(NBUG)、東海オ−プンソ−スコミュニティ(TOSC)、日本UNIXユ−ザ会(JUS)。 * 財団法人日本情報処理開発協会(JIPDEC) http://www.jipdec.or.jp/ 情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)適合評価制度を策定。内容は BS7799 と同 等。2001年はパイロット事業として約40社が認証を取得した。2002年4月から は本格運用開始。情報処理事業者が先ず対象。費用についての記載はまだない。認証を受 ける手順なんかが出ている。JPCERT/CC はこの協会が行う業務である。 * BSI ジャパン(株)、BSI 英国規格協会本部の日本語サイト http://www.bsi-j.co.jp/ 英国規格 BS7799 を元に国際標準規格 ISO/IEC 17799 を2001年10月発行。 国内で は、(財)日本規格協会を事務局として作成を始めている。全般的には国内ではまだ情報収 集の段階にある。BS7799 の有料セミナ−が2001年夏頃から開かれている。