1-6. 21世紀のイントラネット '99/02〜 (1) イントラネット現状とその展望 * 1999年巻頭の様相 複雑、混沌、幻想、そして人間回帰 複雑:21世紀を目前にして、コンピュ−タ技術はますます複雑、そして混沌さを増して きている。特にこのイントラネットで代表されるキ−ワ−ド、コンピュ−タ技術はこの一 点に向けて集約されるかに見える。しかし初期のイントラネットのWWWをベ−スにした シンプルなシステムから、どんどん複雑なシステムへと変貌しようとしている。WWW+ 全文検索、それにRDBの利用ぐらいまでは自然な流れとも思える。最近ではこれだけで なくアプリケ−ション・サ−バというのが、これらの上に乗っかることになる。さらに分 散オブジェクト指向なるものも、地中の永い眠りから醒めて芽を出しててきた。 Java と か CORBA/IIOP なるものがそれである。これで一体何ができるというのだ。頭がこれまで の技術にこなれない内に、あたらたなキ−ワ−ドが登場する。イントラネットのエンジニ アは、出てくるキ−ワ−ドの本質を早く掴みとり、その実際的な利用のタイミングを計ら ねばならない。 混沌:98年の秋ぐらいまで、 誰が Microsoft 社の基盤が危ういなんて思っただろうか。 それがOSS(オ−プンソ−ス・ソフト)なる新しい形態で以前からあった Linux とい うタダのソフトが急に注目を浴びることになった。 MS-DOS のパソコンでは業務に使うに は今思えばとても貧弱なものでしかなかった。Windows 3.1 をへて 95 の登場はまさにビ ジネス革命をもたらしたと言って過言ではない。オフィスでのネットワ−クを当り前にし たのはやはり Windows のア−キテクチャなのだ。 それに Microsoft の Word に Excel、 これは誰しもそうだねという程認知されてしまった。 これらの意味で Microsoft 社の功 績は非常に大きいと言わざるおえない。しかし奢れるもの久しからず、Windows OSの支 配一色の時代は、今後ながくはないかも知れない。 本当に半年前まで Windows に、この 様なライバルが現われるとだれが予測しただろうか。 もっと具体的に混沌事例もあげておこう。 それは誰でもご承知 Microsoft と Netscape、 そしてその陣営が放つ不統一なソフトに仕様である。WWWブラウザの挙動が両者で違う のは最たるものである。どうも今世紀中に解消される見通しはない。20世紀は2000 年12月終わりまでであるから、まだ約2年あるが。 どうも悪いのは Microsoft 社の方 である。 Netscape 社は Sun が開発した Java をきれいに実装したのに対し Microsoft は独自な拡張を加えた。これは裁判で独自部分をとるようにとお達っしが出た。つい最近 のことである。しかしこれにも懲りず、次世代言語と注目される XML に関しても、 いち 早く対応するのはいいが、どうも独自拡張をしているという話、記事を目にする。人間の 頭はそう早く切り替わらない。ここらで休憩をとり、じっくり先を見て安定したアプリケ −ションなり仕様を出してもらいたい。いつまでもβ版のようなのでは困る。 幻想:CALS、このキ−ワ−ドは95年頃から国内では取り沙汰され始めた。それがだ んだん現実味を帯びるようになってきた。イントラネットが整備されると、次はエクスト ラネットということになる。そこでCALSの基盤ができ上がるのだ。しかし、そのエク ストラネットのところで妙な動きが出てきている。セキュアネットワ−クを使う方向で動 いているのだ。セキュアネットワ−クはインタ−ネットの一部だが、パブリックなインタ −ネットとは一線が引かれている。このため取り引き企業が違えば、別なセキュアネット ワ−クに接続するハメになる。インタ−ネットでデ−タを暗号化すれば済むものを、なん てことだ。暗号化の標準が決まらないのが最大の原因である。技術的には十分こなれてい るはずのものを。 ネットワ−クの基盤の部分でさえ、この有様である。ましてや・・・.CALSは幻想に 終わるか。お互いの生産性の向上を目指したはずが、反対にネックになる可能性が大きい。 CALSはスマ−トに動かなければその効果はない。それだけのハ−ド、ソフト上の整備 ができるのだろうか。誰がその規範を示すのだろうか。強引に上流の大企業ですすめると、 そのしわ寄せは中小の企業がかぶることになる。そうなると、ますます中小企業の体力を 消耗させることになってしまう。もう現にCALSのCADデ−タについては、中小企業 は取り引き先の3次元CADにあわせ、幾つも導入せざるを得えなくなっている。大変な 話である。この上、SGML だ XML だということになれば相当な労力を割かれることになる。 CALSの成功は産業界のパラダイム自体の変化が前提となるのでないだろうか。 人間回帰:何でもかんでもコンピュ−タというのはどんなものか。いい例がメモ書きでさ え Word を、プレゼンは何でも PowerPoint を使う、これは行き過ぎである。何をいいた いかと言えば、手書きの方が分かりやすく、早くできる場合もあるということを認識すべ きである。2000年問題で、身の回りありとあらゆるものが関係しているとことが分か った。単純なもの、ことでもコンピュ−タにのせると、複雑なものに変化してしまう。コ ンピュ−タは余分な作業を生み出す道具であってはならない。誰もが楽に使えて、めんど くささから解放されるものでなければならない。そして、いざという時には、コンピュ− タに頼らなくてもできる程度であることが望ましい。人間は最終的には、体力と知恵しか ないのだ。あまりコンピュ−タ・システムが複雑怪奇にならないうちに、人間とコンピュ −タの住みわけ、コラボレ−ションといってもいい、この規範を示さなければならない。 その兆しが、生産工場で出ている。かつて製造業は工場無人化を進め、ロボットや専用機 をどんどん投入してきた。しかし人間以上にフレキシブルな能力をもっているわけでない。 機械は決して完全ではなく、故障はつきものだった。結局のところ人間と機械は仕事をわ かちあい、フレキシブルさを要求されるような作業は、人間がやった方が正確であり、速 いということがようやく分かってきたのである。この認識はすでにドイツのフォルクスワ −ゲン社で何年も前にもたれ、実施されている。NHKで数年前紹介された。そして今年 の正月だったか、NHKで国内の大手自動車メ−カでも取組みが始まったと放映されてい た。幾ら機械を導入しても作業者をムチ打ってもムダ、ムラ、ムリはなくならい。それは 完璧なものは世の中に存在しないからだ。世界は常にゆらぎ、不安定である。システムは このゆらぎの元に設計されるべきなのだ。 * 2004年になっての想い `24/02 バ−チャルワ−ルド、リアルワ−ルド双方、ますます混迷の度合を深めている。インタ− ネットでも実生活でも安全が脅かされ、いつどこで事件に巻き込まれるか分からない。当 初ゲ−ムソフトがでてきた時に、仮想空間と実空間の区別がつかなくなるのではないかと 危惧された。インタ−ネットは原爆の茸雲のように爆発的に広まり、もはやバ−チャルで はなくなった。個人情報が抜き取られ、知らない間に売買される。そしてICタグなるチ ップが、直にそこらじゅうにはびこるようになる。安全のためと称して、ありとあらゆる ものにICタグが付けられ、テレビカメラ同様、街中至る所に読取装置が設置されるだろ う。もはやSF映画の世界ではない、もう足元までやってきている満ち潮なのだ。ネット と現世の境界はなくなる。ICタグはそれ自体で変化する情報を保持することができるオ ブジェクトである。"5-6. よい子のイントラネット" の中で提唱したタグヘッダ−方式の デ−タ属性が、ものに付属する属性となったと見なしてよい。 集中管理でもない分散管理でもない、緩やかに管理するという小生のコンセプトが悪い方 向で利用される可能性も否定できない。オブジェクトは移動しながら情報を追加し、そこ かしこにあるかも知れない。ある時は行く先々でちいさな命令を受けるかも知れない。そ してある時、ネットの指令塔の一つから収集した情報を吸い上げられるかも知れない。あ るいはオブジェクトには奥深く秘密の命令が組み込まれているかも知れない。必要な情報 を獲得するために、能動的に動くようにプログラムが仕組まれ、逐一または情報が集まっ た時点で指令塔の一つに報告するという。これは企業の中でのCADデ−タや文書などの PDM、ワ−クフロ−に使うことができるし、製造工程にも適用することができるだろう。 製造行程では製造する元の種、ただのエフでもいいし、最初の部品でもいい、これにIC タグを付けるのである。後は勝手に自分で工程を進み管理して行くことになる。ところど ころにあるコンピュ−タから適切な指示を受けることもあるだろう。 ここでは全体をコントロ−ルするコンピュ−タは敢えて存在する必要はない。何か全体の 動きとして把握したい、全体に対して一様に命令を出したい。例えばある製品は取り引き 先の都合で突然とりやめになった。そんな場合、全パ−ツに製造中止命令を送らなければ ならない。特に優先させたい製品もあるだろう。不具合品の一覧だとか統計デ−タだとか を残したいことは勿論ある。ICタグは様々なデ−タを自身で先ず保持し、要所要所のコ ンピュ−タもロ−カルなデ−タとして保持しているだろう。そうしたデ−タを中央コンピ ュ−タは、瞬時にかき集めてくればいいのである。そんなイメ−ジに、C++のコレクシ ョン・クラスを思い浮かべる。分散と集中の管理がうまく作用した形態だと思う。ホスト コンピュ−タが止まっても、部品は可能な範囲で自律的に生産は続けられる。この仕組み がもし人と一般的な物に使われたら。便利で恩恵を被ることは多々あるだろう。しかし一 度悪意を持った輩の手に渡ったら、国家の管制下に置かれたら、おぞましいことになる。 (2) イントラネット構築要素 * 幾つかのキ−ワ−ドと展望 Extranet エクストラネット。 Collaboration コラボレ−ション。 CORBA, DCOM 分散オブジェクト技術 。 XML 次世代ドキュメント・フォ−マット。 B-2-B サ−バ webMethod 社。B2B Integration Server。XML 対応。 Web-ERP, EDI SAP R/3、Baan (ERP=生産,購買,財務,顧客管理:基幹業務ソフト) PDM, STEP CAD関連。 V-CALS, NCALS 国内のCALS実験団体。 Application Server アプリケ−ションサ−バ、amazon.com。 e-bussiness IBM提唱。WebSphere アプリケ−ションサ−バ。 iFS internet File System、Oracle 提唱の新しいファイルシステム。 Servlet サ−バ側で動作する Java アプリケ−ション。 TRON The Real-time Operating Nucleus。BTRON、ITRON とかある。 何となく鍵となる技術が出揃ってきたようだ。ここ1年ぐらいEDI、CALS、PDM、 それに図面管理など全体的なことを考えてきた。だいぶすっきりしてきたような気がする。 EDIやCALSでやりとりするデ−タは、XML に集約されていくだろう。 CALSの STEP だって、XML に包含されてもおかしくない。 統一されたドキュメント・フォ−マッ トは、誰しも望んできたことである。XML は21世紀を直前にひかえて登場した最後のフ ォ−マットだ。これで統一できなければ、人間は馬鹿としかいいようがない。XML はエク ストラネットでの標準ドキュメント・フォ−マットになるべきなのだ。 XML のデ−タベ−スには Oracle の iFS はどうか。仕組みはどうあれ iFS はデ−タベ− スソフトを意識させないファイル・システムみたいである。そもそもコンピュ−タのOS、 ファイルシステムがこれまで貧弱過ぎたのだ。ファイルを作った段階で、検索インデック スができたり、ファイルの関連付けがなされたっていいでないか。 ls でリストできる程 度では話にならない。iFS を一つのベ−スとして発展させるのは悪くなないかも。TRONも 参考にするといいかも知れない。TRON のファイルは TAD という形式1つしかないらしい。 ハイパ−テキストをOSで実現していて。ディレクトリの概念もないという。 次に分散環境について考えてみる。1局集中のホストコンピュ−タからクライアント/サ −バになり、そして分散環境という流れである。1台のサ−バで、あるいは1つのソフト で全ての処理ができるわけではない。分散処理は極めて自然な欲求だが、これまで実現が 難しかった。それが Java RMI や CORBA 実装の Java IDL により、 分散オブジェクト処 理のマシン・インディペンデントな環境ができたのは大きい。これにより分散処理、ここ ではオブジェクト間通信といった方がいいか、比較的簡単に記述できるようになる。これ まではオブジェクトそのものの扱いが困難だったし、通信プログラムは1から書かなけれ ばならなかった。 Java が CORBA もサポ−トしたことにより、前からあった Java RMI はどうなるだろうか。 Java 間メソッドのリモ−トコ−ル機能である。 多分 Java 同士で気楽に使う位置付けと して今後も残っていくと思われる。しかし全体的には CORBA を使う方向にある。 そして CORBA の ORB 間通信は IIOP という流れにある。 Microsoft の分散オブジェクト処理の DCOM はどうか。これはもう死ぬしかないだろう。だいたい COM だとか、何たら Control だとかややこし過ぎる。DCOM 用は ActiveX Control だったけ。精出して作って安定して 動けばいいが、その保証もないし。そして Windows 2000 の登場で、Windows DNA という 戦略かしゃんも出てきた。はっきり言ってたまらんね−。 最後にPDMと図面管理について。現状これらは専用ソフトとなっている。傾向としてグ ル−プウェアやWWWサ−バ利用に向かっているようだ。当然といえば当然な流れである。 PDM、図面管理というのは大きくは、今世界で起こっている新しいデ−タ管理の枠組み に包まれていくべきである。そしてこれをベ−スとしたアプリケ−ションとして、再登場 すべきである。そうすればあらゆるデ−タ、ファイルの管理は一元化されていくであろう。 ここまでなった時、CALSは本当に有効に稼働し始めるのでないか。そのためには、枠 組みのソフトは低価格で提供されることも必要である。多分、現在のようなPDMではコ ストはどうしても高くつく。新しい枠組みで価格を下げることを考えよう。 グル−プウェアの低価格ソフトとPDMはどう違うか。低価格のグル−プウェアのソフト、 例えば "サイボ−ス" など幾つか試してみる必要がある。何千万円もするPDMソフトと どこが違うのか、決定的な違いはあるのか。例えば何百万円もする Oracle と、フリ−ソ フトの RDBMS では、10万エントリ以下なら同じでないのか。 ただサポ−トがあるとか、 便利なツ−ル、4GL みたいなものがあるとかの違いでしかないのでないか。あるいは数が はけないソフトだから、大したものでもないのに高くなっているとか。多分PDMは初め からコンサルありき、カスタマイズありきで出発しているから、どうしても高くなってい るのでないか。外部の人にコンサルしてもらって、果たしてそれでうまくいくのか。 * ソフトいろいろ [ WWW + RDBベ−ス ] ・UNISYSの Web.sql とか、どこだったかの Illustra とかたくさんある。 生き 残っているのは、どれやらさっぱり分からない。 しょせん SQL の発行ル−チンを加 えているに過ぎない。あまり難しく考えずに必要なら自分でコ−ディングした方が早 い。SQL と cgi-bin でガシガシ書いてしまえ。 トランザクションなんてそうそう関 係ない。これらのソフトを探して比較検討する時間だけで、多分ものはできてしまう。 [ WWWベ−ス ] グル−プウェア ・Netscape 製品 いろいろある。電子会議、ディレクトリサ−バ、メ−ルサ−バなど。国内では販 売されなかったバ−ジョンもある。あんまり売れていないのでは?。 ・ELIAS 3.13 J : 1サ−バライセンス 19.8 万円。 WWW連携可能な文書管理ソフト。 IIS 1.0 対応。'98/07 出荷。http://www.linkcom.co.jp/ ・サイボウズ Office シリ−ズ Ver.2 : 1サ−バ、50ユ−ザで約10万円。 8個ぐ らいのモジュ−ルに別れていて全部で百万円超。 Netscape Enterprise Server, IIS に対応。'98/08 出荷。ワ−クフロ−はない?。 http://www.cybozu.co.jp/ ・WebCaucus 1.1 : 全文検索機能もあって、無制限版 100 万円。 http://www.nets.or.jp/interjoin/。さあ、このソフトまだあるのかな。だいぶ 前に見たような。97年ぐらいでないか。 ・Sky Board : オ−プンス−スのグル−プウェアである。一度どんなものか見てみたい。 本が 4,800円で出ているとのこと。(株)トップマネジメントサ−ビス。サポ−ト を受けるのが有償である。http://www.tms-px.co.jp/sky/sky.html。`21/10追記。 [ グル−プウェアベ−ス ] ・Groupmax Version 3 : 日立。簡単導入セット、1サ−バ11クライアント。19.8 万円。 オプションで Notes Domino、Microsoft Exchange Serverと連携できる。ワ−ク フロ−機能あり。http://www.hitachi.co.jp/soft/gmax/ ・TeamWARE Office V5.1 : 富士通。基本パック 16.8 万円。20 ユ−ザ追加ライセンス 19.2 万円。ワ−クフロ−機能はオプションで TeamWARE Flow あり。 ・Microsoft Exchange Server 5.5 : 元はメ−ルソフトがベ−ス。25クライアントで 約65万円。ワ−クフロ−機能あり。Lotus Notes との連携もできる。 ・Notes Domino : 基本導入パック 17.8 万円。ただしライセンス形態は複雑。 ワ−ク フロ−機能あり。RDBMS との連携もできる。'97/10 出荷。5.0 が '99 年初めに 出た。従来のものから大幅に変わるらしい。 [ 最新ソフト ] ・Oracle 8i : XML 対応。米 Oracle 社開発中。 新しいファイルシステム iFS を提唱 する。ディレクトリのファイルそのものがDB管理されているような概念である。 8i には HTTP, SMB, SMTP でアクセスすることも可能とされる。 ・B2B Integration Server : XML 対応。米 webMethods 社開発。 デ−タベ−ス・アク セスおよび XML デ−タ変換機能を備えたWWWサ−バ。今後 XML が普及してく れば、必要になるかも知れない。一応チェックしておいた。 ・Oracle Application Server : アプリケ−ションサ−バ。WWWサ−バから派生する 様々な処理を管理するサ−バと考えていいかも。定義はまだはっきりしていない。 Netscape、IBM、富士通、Inprise、Sybase 社も出している。 ・Inprise Application Server : アプリケ−ションサ−バ。CORBA ORB の VisiBroker ベ−スの分散アプリケ−ション開発ソフト。結構高い。開発ライセンス180万 円から。運用サ−バライセンスは300万円から。他のもこの程度の価格。 * ASPの利用 ( Application Service Provider ) 初めて知ったのが Web Office というサ−ビス。(株)富士通ビジネスシステム−FJB 開発、 http://www.iws.ne.jp/。ASPサ−ビスの走りである。'99/11/06/16 に東京の展示会で 見た。ふらっと立ち寄ったブ−スで、この会社の若い女性が熱心に説明してくれたのを覚 えている。イントラネットのサ−バをアウトソ−シングするサ−ビスで、社内用のWWW、 掲示板、電子メ−ルの利用ができる。社内用のWWWが、社内にではなくこのサ−ビス会 社に置いてある訳で、インタ−ネット経由でアクセスする。情報の機密性と安全性は SSL 暗号化で確保するようになっている。社外ホ−ムペ−ジの設置はオプション。50ユ−ザ で最初30万円、毎月4万円程度。その後、いろいろな会社からグル−プウェアのASP とかも出てきている。これはままいいとして、ビジネスソフトのASP何かも出てきたが、 使いたいという奴がそもそもいるのかそこが問題である。 「ASCII network PRO」 2000/11, "特集1:仕事に活かすメ−ルサ−ビス"。 > 今すぐ使えるASPサ−ビス大集合、P.161〜191。企業会計なんかのサ−ビスもある。 * 経過と用語 < 経過 > 注.L1 - Level 1, R1-Release 1 XML Java 他 ----------------------------------------------------------- | 最初のJava '95/05 | STEP R1 '94/12 | JDK 1.0 '96/01 | JDK 1.1 '97/02 | XML 1.0 '98/02 | DOM L1 '98/10 | JDK 1.2 '98/12/07 -> Java 2 に名称変更。オ−プンソ−ス。 | Namespace '99/01 | XHTML 1.0 '99/12('02/01/26 勧告) < 用語のまとめ > W3C World Wide Web Consortium OMG Object Management Group CORBA Common Object Request Broker Archietecture IDL Interface Definition Language ORB Object Request Broker IIOP Internet InterORB Protocol : TCP/IP ではポ−ト番号は何ですか−。 JDBC Java Database Connectivity : Sun が提唱。SQL への Java インタ−フェ−ス。 RMI Remote Method Invocation : Java 同士のオブジェクト間通信。 DCOM Distributed Component Object Model : これ以下3つ Microsoft 社提唱。 ODBC Open Database Connectivity : デ−タベ−スソフトへのアクセスの仕様。 COM Component Object Model : オブジェクト間通信インタ−フェ−スの仕様。 CGI Common Gateway Interface : HTML から別のプログラムを起動する。 SSI Server Side Include : HTML に直接ファイルやプログラムを埋め込む。 WRB Web Request Broker : なんじゃこれ−。 ISAPI Internet Inforamtion Server : Microsoft 社の拡張 CGI みたいなもの。 NSAPI Netscape Enterprise Server : Netscape Communications 社の拡張 CGI。 XML eXtensible Markup Language : まあデ−タそのものと言ってもよい。 XSL eXtensible Style Language : XML の見え方を決める。99年末でもドラフト。 DTD Data Type Definition : XML のデ−タ定義ファイル。 DOM Document Object Model : Level 1 が '98/10 W3C 勧告。 XQL XML Query Language : XML ファイルから SQL を発行できる?。 XHTML eXtensible HyperText Markup Language : HTML のタグ使用を厳格にしたもの。 CDF Channel Definition Format : CDF, RDF メタデ−タに関する標準化案。 RDF Resource Description Framework CSS Cascading Style Sheet : HTML の見え方を決める。 DSSL Document Style Semantics and Specifications Languages WIDL Web Interface Definition Language VML Vector Markup Language : XML によるベクタ−グラフィックス。 PGML Precision Graphics Markup Language SMIL Synchronized Multimedia Integration Language CE Concurrent Engineering : 結構、昔から言われているが。 B-to-B Business to Business : この2つ98年終わり頃登場。 B-to-C Business to Consumer : SCM Supply Chain Management : サプライチェ−ン管理ソフト、98年終わり頃。 CRM Customer Relationship Management: 99年秋頃登場。非常に瞹昧な用語。 BPR Business Process Reenginnering : 本や雑誌で一時よく言われた。 ERP Enterprise Resource Planning : 著名なのはSAP。 BCM Business Continuity Management : 事業継続管理。 CSR Corporate Social Responsibility : 企業の社会的責任。 CII Center for the Informatization of Industry EDI Electronic Data Interchange STEP Standard for the Exchange of Product model data EDIFACT Electronic Data Interchange For Administration Commerce and Transport (3) システムとは何かに関する蘊蓄 `23〜 * Mr. Ikken Katou のシステム観 世界は常に揺らいでいる、システムはこの揺らぎの元に/前提に、設計されるべきなのだ。 この "よい子のイントラネット" 自体が一つのシステムです。先ず全体の骨格を設計して、 個々の部分を肉付けしていく。その過程で骨格を修正、成長させていくわけです。そうや って全体の姿が整ってきて、形になっていくのです。でもすいません、なかなか本になら なくて。Webだと全体を見通すのはしにくいですね。本だと、パラパラとめくって全体 の様子が掴めます。全部プリントアウトしている方、ご苦労様です。何と出版社の人らも、 よい子をしっかり見ています。コンピュ−タ関係の出版社だってコンピュ−タも使えばネ ットワ−クだって使うからね。実は以前 "よい子のC++" をアスキ−出版の西社長宛に 送ったことがあった。ある茶会で名刺交換なんかもしたんだけどネ。名古屋駅の本屋で話 した男は、イントラネットの本を出していて、そんなの簡単に本なんか出せますよ、出版 社に言ってみればと話していました。その男、それ一冊だけだったみたいだけど。 * 遅いWWWアクセスを改善する話から 専用線 128 Kbps でWWWサ−バにメ−ルなんやかんや全てでは、外からのWWWサ−バ ヘのアクセスも遅くなってしまう。お客さんを待たせることになり、商機を逸することに なりかねない。Bフレッツを別ラインで設けるまでの辛抱とは言え、なんとかならないか。 それでリバ−スキャッシュを期間限定で、暫定的に利用することを検討した。話を聞くに、 WWWサ−バのアクセスのログがどうもちゃんと取れないという。キャッシュしたログに なるという。これはちょっと困る。すでにアクセスログを取って、利用状況を少なからず 傾向を内でも見ている。まあ自分とこは構わない、しかし他の部署がどういうか。どうも 営業部隊の方で、より細かにログを分析しているようなのである。それも立派な一つの仕 事になっているみたいで、いろいろ仕事は出て来るものである。さて、分析するのが大事 が、遅いアクセスをとりあえず改善させるのが大事か考えなければならない。答えは出て いるはずである。いったん稼働に乗ると、独り歩きを始めてしまうのが常である。 * とんでもないメ−ルの利用の仕方から メ−ルを取引先で時間をベ−スにした利用をしているのがいた。例えば昼の1時に個々の 発注を1通ずつのメ−ルで取引先に送る。さらに2時に、その変更分を送るという。だか ら、その間にメ−ルが使えないのは困る。メ−ルサ−バを止めるのはやめて欲しいという。 知らん間にとんでもない使い方をしている輩がいたものである。メ−ルなんていうのは今 でこそほぼリアルタイムで届くようになっているが、保証されたものではない。届くまで 数時間、へたすると数日かかる場合だって、今でもあるのだ。UUCPの時代では、アメ リカとのやりとりで2日3日はかかったものである。それでも航空便よりはるかに早く届 く訳で、有難いと言われていた。実はファイアウォ−ルのマシンがトラブって、知らん間 に止まる。それで業者を呼んで修理することになった。止めるなも、んもすもない。イン タ−ネットが使えなくなりますと社内に一斉メ−ルを送った、いつ止まるか分からないシ ステムでは、先ずは不具合を直すのが最大の優先課題であり順位である。 * この4〜5年の間に起きていること `24/02 恐ろしい程の変化が起きていると思いませんか。インタ−ネットはまさに悪の巣窟と化し てしまいました。パソコンの性能はぐっと上がり、価格はぐっと下がりました。使い捨て の自転車感覚になるのは、もう時間の問題かも知れません。ハ−ドディスクが2ギガバイ トで、すごい容量だと驚いていたのが、個人のパソコンでも1テラバイトを自作しようと 雑誌に載る始末。先日パソコンショップでテレビゲ−ムの予告が流れていて、思わず立ち 止まって見てました。鬼武者とかというゲ−ム。人間の顔そのもののキャラクタ−、いや キャラクタ−なんてものではない、人や化け物がそのもので、壮絶なアクションを繰り広 げる。映画タイタニックのコンピュ−タ・グラフィックスを上回るリアリティです。たま げました。映画と言えば近未来もの、人間社会がコンピュ−タに管理支配される筋書のも の。ICタグの低価格化により、まさに絵空事ではなくなりつつあります。このような急 激な変化は百年に1度のカタストロフィ−と言っていいと思います。 * カタストロフィ−から悪の循環 `24/02 カタストロフィ−は物事がある程度まで進んで行くと、思わぬ大きな変化が一挙に起こる 現象を言います。多分マスの影響が一番大きいのでないかと思います。量が少ない内はゆ っくりと進むのですが、それがある量を境に大量生産の恩恵に預かってぐっと価格が安く なり、それが拍車をかけてどんどん広まるという循環になる。そして匿名の世界に入って いくのです。そうなると、ある程度の節度をもって進んできたのが、まるで混沌邪悪な世 界が出て来る。一番身近な匿名世界はあなたのパソコンのハ−ドディスクです。ウィルス は入り込んでいるは、意味不明なファイルがごまんと。新しいマスの出現は、犯罪の新し い形態を呼び起こし、犯罪のマスをさらに増加させることになる。この何年間かの犯罪の 増加は著しいものがあります。何と小生の自宅まで空き巣に入られてしまいました。人は、 この日本では衣食住は満ち足りたはずなのに社会はどんどん悪くなる一方です。システム はある程度の規模、範囲しか制御することができないのです。 * 技術者の良心を越える問題が `24/03 技術はできた時から一人歩きを始める。いいことにも悪いことにも使われていく。悪いこ とに用いられた場合、その利用をやめさせるのは多大な犠牲と労力が必要になる。技術者 はあらゆる可能性を考え、 "技術者の良心" に従って開発しない選択を時にはしなければ ならない。純粋に技術を科学を追及しただけという弁明はこれからの時代、許されるもの ではない。企業のサラリ−マンの身分で開発を拒否したら多分、首もしくは冷飯を食わさ れることになるだろう。しかし開発したとしても、その後の社会的な影響において会社自 体の存続が危うくなってくるだろう。企業も良き一市民として振る舞うことが、これから の社会では求められている。じゃあ、具体的にどんなのがあるか考えると難しい。たった 1つでも危険なものと、大量になって問題になるものがある。憂慮すべきは後者で、現代 は大資本を一挙に投入して、最初から大量生産しフル回転するビジネススタイルが流行だ。 もう何が起こるか分からない。人の感覚が付いていけないのだ。 * IP電話と黒電話から考える `24/03 IP電話は関心せんです。電話は電話です。イ−サネットとは別な網を使うのがいいんで す。万が一、イ−サネットがダウンしても電話は使えるぞ。できれば昔の黒電話も数台は 社内に残しておいた方がいい。黒電話は電気がいらない。電話線から自給自足しているの だ、頼もしいではないか。便利なものにはどこかに落し穴がある。車のパワ−ウィンドウ、 車を止めてエンジンも切ってしまったら、窓ひらけせん。以前たばこを吸っていた時、困 った。水ん中に落ちて窓が電気仕掛けだから動作しなくて死んだとか、やりきれんね。つ い先日の自動回転トビラの事件もそうだ。これは便利と言うのだろうか。少なくとも人に とっては全然便利ではないぞ。かっこいいとでも思っているのだろうか。前から危ないと 思っていた。自動回転トビラのあるビルへ出入りするときは、努めてただの扉を探してい た。あれは回転するギロチンだね。木の格子戸ではさまれて死んだなんてのは聞いたこと がない。日々使うもので、一人でも怪我するようなことがあったら、即中止が原則だ!。 * 管理ということの落し穴 `25 インタ−ネット、社内ネットワ−ク、パソコンが当り前になり仕事に必須のものになった。 セキュリティを確保し、常に稼働し続けることが求められるようになった。そのための維 持管理がだんだん重要になってきた。しかし、管理というのは管理のための管理になって しまうきらいが多々ある。本質的な技術的な設定がなおざりにされ、手続き的なことばか り仕事が増える可能性が大である。ネットワ−クの稼働率99.9%目標、パソコンのト ラブル改善件数10/月、サ−バ停止時間の15分単位の記録、各種トラブル緊急対策マ ニュアルの整備、サ−バ稼働の毎日のチェック。デ−タベ−スに登録、エクセルで表を作 り毎週発表。なんぼでもやろうとすればある。ともかく切りがない。公衆便所の掃除のチ ェックと同じだ。そんなことばかりに振り回されると、本当にやらないけない設定や検討 がおろそかになる。見かけちゃんと運用されているが、実は中身はまるでなし。気付いた ら壁に運用管理チェック表だけが張ってあった。そんなことになりかねない。 * ICタグは超小型コンピュ−タ `24/12 ネットの世界での先端技術にICタグというのがある。だんだんと無視できない技術にな ってきつつある。ICタグは愛知万博の入場券にも仕組まれているように、身近なところ でも静かに広まってきている。産業会でもICタグに関するセミナ−が頻繁に行われるよ うにもなってきている。ICタグは RFID とも言われる。その現物を見たのは3年前の東 京での展示会だった。その時はこんなのもあるよという程度だったが、どうやら個人の一 般消費財からの情報収集に用いることから広まって行きそうな気配である。ICタグは超 小型のコンピュ−タであり、身の回りのありとあらゆる物に付けられ、物の移動とともに 情報が蓄積されていく。即ち個人の行動が筒抜けになる仕組みが、最初から備わっている。 個人情報保護法の施行にあいまって、ICタグの利用脅威も、昨年の2月位から識者によ って指摘がなされているところである。この追跡技術は産業分野でも利用できる事であり、 ERPだとかSCMだとか設計生産廃棄に関して大きな技術革命になる可能性がある。 * イントラネットはシステム構築 `2b/11 ( fortune.txt も参照のこと ) システムエンジニアは全体像を常にワッチしている技術者。建築の耐震補強の話。構造力 学なんかもまるで勉強したことがない輩が、にわか仕立ての資格をとって、耐震診断をや ったり。部分的に補強するとかえって、全体としてのバランスが損なわれ一部だけに大き な応力が集中し、反対に強度を緩めてしまう。それと似たようなことがイントラネットに ついてもいえる。イントラネットはシステムとして捕える必要がある。 特にイントラネットの中のネットワ−クはシステムと捕えてト−タルで設計する、モデル を作ることが肝要である。セキュリティだけに特化して提案するということではない。サ イバ−攻撃だと言ってそこばかりクロ−ズアップして、セキュリティをともかく強化した いとか。そんなことをやると規則ばかり制限ばかりで非常に使いずらいことになってしま う。システムは全体としてバランスが取れていることが最も大切なことである。 しかしそうは言ってもシステムというのはなかなか抽象的な話で、具体的にはどうするの という議論になってくる。やはり、ここは自分がしっかりとコンセプトを固め、やること を明確にしないといけない。例えばセキュリティに関して言えば、情報漏洩のことばかり 気にして、中国などアジア拠点とのWAN接続は業者任せ。シ−ムレスに日本本社とつな がって、頭隠して尻隠さず、裏木戸から堂々とマルウェアが入ってくるかも知れない。 システム構築は表から裏から。何かの設定はこうしたらできたという情報だけでなく、こ ういう設定にしたらダメだったという情報も必要である。プラス情報とマイナス情報。失 敗事例を共有するのである。不必要にああだこうだと試行錯誤の時間を減らすことができ る。まっとうな設定をより確かなものにできる。表と裏からはっきりしていること、まだ 分かってないことあやふやなことを挟み打ちにして行くのである。 システム構築と言うものの正体は。事実の断片を拾い集めて、それらを繋ぎ合わせ意味の ある全体像にすること。事実の断片とはある物の機能、実際にやれることの見極め。自分 の持つ技術、他者がもつ技術。お金。組織での立場。つきあいのある業者。個人的な人脈。 ありとあらゆるリソ−ス。一見して関係のなさそうなものでも、つながりが見い出せるか もしれない。幅広い見地が必要である。システムはこのような基に築かれる。 (4) ITと言うキ−ワ−ドから `26/01 * ITって一体何、IT戦略とは ITが経営うんぬんという話に入りこんでしまうと、おかしな展開になっていってしまう。 ITが経営を変える、ITを駆使した事業システムの構築うんたら。新幹線のグリ−ン車 にある雑誌のウェッジとか経営者向けみたいなセミナ−であるとか、こんなキ−ワ−ドが 踊る。日経関係の雑誌にもITを導入しました。ITの成功と失敗とか。それでも同じ日 経でも、CAD系の「日経ものづくり」と情報系の「日経システム」とでは意図する対象 が異なるようだ。「日経ものづくり」ではやはり3次元CAD導入、PLM導入、図面管 理導入と言った話がIT導入である。「日経システム」になるとERPに始まりCRMや らSOX法やらBCMやら、地震対策にただのパソコン管理。何でもかんでも入ってくる。 大体において、大上段に構えた説教じみたお話しが多い。おかしいぞ、なんでITが経営 を変えたりするわけ。訳が分からん、ITは魔法の粉か。コンピュ−タ以前、電卓の時代。 そろばんより計算は速い。電卓が経営を変えるなんて言った奴がいるか?。 ビジョン :あるべき姿 理想像 ストラテジ−:戦略 取捨選択 タクティクス:施策 実行計画 IT、言葉だけで実態のない妄想。ITが経営を変える、どういう意味でいっているのか。 いっぺん調べてみたろか。上層部の人らがどこからか仕入れてくるキ−ワ−ド。ITガバ ナンス、CSR、CRM、IBMのオン・デマンド。これらキ−ワ−ドは巷に幾つかある が、ただの概念に過ぎない場合や、インフラをうまく利用した姿であったりするだけであ る。同じようにIT戦略といっても、何か具体的なソフトなり、指針なりが有る訳ではな い。要はネットワ−ク・システムをいかに使うかに関わっている。森前首相が唱えて開始 された政府のIT戦略本部、これとても高速なネットワ−ク・インフラを整備することだ った。このインフラを利用したのでよく挙げられるのが遠隔医療。それ以外はIT戦略ら しき具体像は政府の資料を見ても見えてこない。ITとはどうあがいたって、コンピュ− タを利用することでしかない。それぞれ工夫して使っていくだけのことである。 * 世の中そんなにスマ−トになったのか 2008年に導入される日本版SOX法(サ−ベンス・オクスリ−)。企業の財務情報が信 頼に足るかどうか判断するため、企業の内部統制を評価する仕組みを定めた法律。コンピ ュ−タ業界では、電子メ−ルの内部統制の強化が必要?。すべての作業手順書を作成して、 やったことを確認できるようする?。世の中またまた騒いでいるぞ。IT関係を対処しよ うというのは日本だけらしい。日本の力をそぐための陰謀でないか。本質的なITでなく、 管理的なITの方に注力させるという。 日本全体がこざっぱりして、何でもスマ−トにこなせるようなイメ−ジが蔓延してしまっ ている。中日球場のドヤ街みたいなのが、全館禁煙のド−ム球場になって。ITもそうだ。 ITの運用、セキュリティ、教育。さまざまなIT分野でガイドラインができてそれに沿 って仕事をしていくのが、いかにも"正"かのような認識。経済産業省がまとめたITスキ ル標準( ITSS )なるもの、11の職種、38の専門分野のスキル区分。しかしこれでどう にかなるものか。現場はそんなもんじゃないぞ。 ベンチマ−キングと言うキ−ワ−ドもちらほら出て来る。セキュリティをベンチマ−クす るチェックシ−トをもらった。それは事細かな項目が一杯。他社のものまねをする。どれ だけまねたか数字で示す。いつからこんな用語があったのだ。IT投資効果やIT活用度 を計るベンチマ−クが欲しい、あれば参考にしたいが、IT関連の学会はまるでやってこ なかった。情報処理関係には約50の学会がある。しかし実際のコンピュ−タ活用、ネッ トワ−クの運用など現場サイドのことは論文にする研究対象ではなかったのである。 最近、雑誌の記事でなかなかいいのを読んだ。NY証券取引所は5%を立会う場で60% の取り引きをしている。システムはかならず止まる。弾力的な考え方のもとにコンピュ− タに任せる所と手作業でやる所を分けている。非常に優れた考え方だ。システムには、こ うした割り切りが必要である。小生が提唱する、システムは "ゆらぎの元に設計されるべ き" という考え方にも合致している。この発想は決してベンチマ−キング的なことからは 出て来ない。自分の判断でやってく。荒川静選手のように自分のベストを尽くしかない。 * 足元からITが崩れて行くぞ 怖いのは他所事に気をとられている内に、インタ−ネットそのものが使えなくなるという こと。ネットの世界はとてつもなくひどい状況に陥ってしまっている。定型化されたセキ ュティ対策やネットワ−ク管理に慣れっこになっていく内に、対応能力を失っていく。ネ ットの世界は、もはや性善説でもなければ性悪説でもない。他者をまるで信じられない世 界になっている。そんなところでル−チンワ−ク化で済む仕事なぞあるはずがない。 ほかっておくとウィルスにやられ攻撃者になる。恐ろしいボットというウィルス。ボット は自分自身で伝搬していく。遠隔操作ができる。指令者であるハ−ダ−は IRCサ−バを不 正利用して一括して命令を送る、パソコンに忍びこましたプログラムを変えていく。それ によって迷惑メ−ルを特定サイトに送り、DDoS 攻撃をする。 Winny はまだ可愛らしい方 である。ボットは人体に感染するエボラウィルスに匹敵する。 ほかっておくとインタ−ネットにさえ接続できなくなる。2005年 APNICの研究員が出 した予測では、IPv4 の枯渇は2009から2012年になるという。 日本は IPv6 は結 構進んでいて、大学や一部の自治体で利用が始まっている。セキュアなネットワ−クの利 用を考えていくと、もはや IPv4 の世界ではどうしようもない。Windows パソコンはIPv4 の世界に置いてきて、別なマシンで新たな IPv6 の世界に行くべきかも知れない。 * 新たなIT時代の身の振り方 CADの開発をやったエンジニアが、インタ−ネットをつないで社内ネットワ−クもやり、 さらに基幹系ネットワ−クも関わって、ITというひとくくりで情報システム部門に統合。 情報システム部門の一部としてネットワ−ク課になる?。いやいや別ものだから並列にし ないと、ということで総務部の下か、今流行の経営企画部か、はたまたIT管理統括本部 か。どっち道、純粋に技術畑を来たところに、文系の人間と仕事することになった。やた ら難しい言い回しが好きで、実際の物よりも概念が好きで。それでいて数字が好きときて いる。今期何%達成、人材育成率50%UP。我々の様なネットワ−クを管理していると ころでは、トラブル発生率3%、月間サ−バ稼働率99.9%。てな具合になる。手を少 しでも抜いたら奈落のそこに落ちかねないネットワ−ク管理、そんなことが分かっている のは我々管理者だけだ。それがファ−ストフ−ドのハンバ−ガ−屋並みにマニュアル化と 数値化をしようとする。タイタニックのように氷山に衝突する方向に向かっている。 自分自身の身の振り方を真剣、考えなければならない。従来のホスト系部門はこれからも 必要である。ERPソフトのプログラム開発は、.NET や Java や C、それに C++ などで ある。COBOL しか扱ってこなかったホスト系の人は、触ることはできないだろう。我々も 触ることはできない。人をどうするかは一番の問題である。人を育てる、ついていけない 部下を捨てる、そして自分自身を捨てる。そうした判断が近々に求められている。インタ −ネットが商用利用可能になった1995年から10年が経過した。爆発的な普及を遂げ、 日常当り前の存在になり、今の危険に満ちたネットにまでなった。そして次の10年が始 まった。Web 2.0 というパラダイムと動画ばんばんの世界である。多くの企業はもう技術 的に付いていけない。自社でネットを運用するのは放棄して、どんどん外にお任せするよ うになってきている。社内でもネットワ−ク技術者と言うのは、非常に特異な存在であり。 まるで別と言う認識、扱いになっている。どうする、一人またがんばるのか。 * 異分野でのIT紹介、ASPの構想・取組み "医療情報化と電子社会の展望" という公開シンポジウムが、 名古屋の栄で2002年6 月29日(土曜)にあった。デジタルIDの研究をされている岩田彰先生が主催するとあ ったので、参加してみた。今、病院でどんどん進められているカルテの電子化を中心にし た話で、電子カルテのフォ−マットにはXMLを、ユ−ザつまり患者を特定するためには デジタルIDを使いましょう。更には学閥の著しい医療界にあって、この電子カルテのシ ステムを統合しよう、そしてそれをASPでサ−ビスし、診療情報も共有できればという 話があった。分野は違うが、いろいろ示唆されることがあった。電子カルテのコンピュ− タシステムは、かなり高額である。それをモデルを一つ考え、皆で使えば安く済むでない かということである。思ったのは、ならば小生が考えているように、インタ−ネット接続 口のモデルだって、できるはずである。電子カルテの実際的な問題は、誰がいつ入力する のか。議論が続出した。裁判の証拠にもする原本のカルテということで、弁護士の見解な ども聞けた。判例に基づき理路整然とした考えは、さすが弁護士だと感じた。 ITを基盤とした医療:名古屋大学附属病院医療情報部長。情報開示、チ−ム医療、連携。 診療記録の保存は民間のデ−タセンタ−の利用はまだできない、平成14年3月29日付。 共通の電子カルテシステムと言うのを考えていかないけない。それにより、中小の病院で も導入できるように少しでもコストを下げたい。床、即ち入院ベッドの数1当たり100 万円から。電子カルテシステムを20以上のメ−カが売り込みにしのぎを削っている。厚 生省は平成18年度までに全国の400床以上の病院で6割以上の普及を目標にしている。 地域共有型電子カルテシステム実証実験:名古屋工業大学、岩田彰先生他発表。電子カル テはXMLの MML 形式で、X線画像なんかも表示でき、 ほぼ実用レベルにあると見えた。 WWWサ−バは SSL 対応。個人のクライアント証明書を持ち、双方向認証する。 岩田研 究室で開発した認証局を独自に設置。WWWサ−バは、Apache + Tomcat により Servlet で処理。WWWサ−バは岐阜に設置しているとか。WWWサ−バは医療情報デ−タベ−ス センタ−としての役割をして、大病院、個人医院、薬局、自宅などを結ぶことになる。 * 改めてITって何? とある店で待っている間に女性向け週刊誌をぱらぱら見ていた。政府のIT投資の無駄遣 いについて書いてあった。パスポ−トのインタ−ネットでの申請のシステム、何十億か何 百億円か掛けて利用者がほとんどない。それでサ−ビスは廃止する。結局1件当たりの発 行に1600万円かかったと。この話、他でも見たぞ。ITといえば何でも予算がついた。 コンピュ−タやネットワ−クに関わることなら、別枠のIT投資に入れることできた一時 期があった、今もそうかも知れない。今時、たいがいの事はコンピュ−タやネットワ−ク が関係する、週刊誌には、それで結局のところITって何。漠然と、インタ−ネットやコ ンピュ−タを使って何かするもんでしょ。とそのぐらいに思っている程度の話。誰もきち んとこういうものだと認識してない。改めて聞くのも恥ずかしい、裸の王様みたいになっ ている。まあそんな三文記事が載っていた。そもそもITというのは概念、しかもかなり 広い概念である。昨今、一つの適当なキ−ワ−ドができると、それが蔓延する傾向という のが強い。キ−ワ−ドが一人歩きし始めるのである。 ITの基本的な要素はコンピュ−タなどの高度な技術とそれらを関連付けるシステムとし ての機能である。ともかくITを使いこなすには、基本から最新のコンピュ−タ関連技術 を理解することが必要である。パソコンのソフトがインスト−ルできます、使えます。ワ −ドやエクセルが使えます。そんなのはITでも何でもない。昔、東芝のルポというワ− プロ専用機を使っていて、私はITができますなんて言ったか。ともかくITというのは Information Technology であって、技術がとにもかくにもいるのである。 最新技術は業 者も暗中模索してやっていく、それゆえ完全お任せでうまく行くはずはない。こちらも業 者さんと一緒になって勉強し、新しいサ−ビスを構築して行くこと、問題解決を計って行 く姿勢が肝要である。勉強せんでも金さえ出せばやってくれるような従来型の仕事、ホス ト系の元々の端末であるグリ−ンの画面で COBOLをいじっているような仕事。こんなのは もはや変わる必要もない、ITの範疇には入れない。無理に COBOL を Javaに変える必要 はない。無難にこれからも COBOL で過ごして行けばいいのである。`26/11 * ITうんぬんの参考 「日経コンピュ−タ」2005/12/26, P.102〜106 "追跡 注目プロジェクト ケンコ−コム" > 在庫管理システムを半年で刷新。Webサ−ビスの実際の利用事例。 「日経ものづくり」2005/03。ITを導入するってどういうこと。失敗例など。図面管理や > 3次元CADの導入もそう。コンピュ−タを使うのなら、何でもITということみたい。 (5) 今どきの図面管理とPDM * 2000年になる前頃のPDMの様子 PDM( Product Data Management ) 94年末での話だが、当時東洋情報システム(TIS)が Sherpa というPDMを担いで いた。国内で唯一入手可能な本格的なPDM専用システムだった。そのセミナ−に出席し たが、Sherpa なるPDMを導入すると何で効果が上がるのかよく理解できなかった。 説 明する方も暗中模索という感じだった。分かったことは、単なる図面管理ソフトとは違う ということ。ワ−クフロ−、部品管理、部品構成管理ができること、それに非常に高い買 い物だということだった。EWS、30台でPDMシステムを組むとしたら5千万円位か かるだろうとも聞いた。仕事の分担が明確なアメリカではどんどん導入されているとこの こと。いろいろ海外の企業での事例を挙げて説明していた。その当時の国内の様子は、や っと ISO 9000 が取り沙汰されるようになったばかりだった。仕事の形態は、まだまだあ うんの呼吸と呼ぶのがふさわしい状況だった。今後もこの状況は大きくは変わるまい。 またアメリカでの状況は、PDM販売業者はソフトを売るだけで、カスタマイズは導入し たエンジニアが猛勉強して対応したらしい。国内での販売は、以後幾つかのPDMソフト が出てきたが、SI業者はカスタマイズありきで販売した。これはEWSでもサポ−トあ りきの国内事情を反映してのことと思われる。PDM導入にあたっては、業者による全体 業務の分析から始まり、コアの部分のカスタマイズが必要とされた。このためPDMは立 ち上げに半年とか1年とかいう時間がかかったのである。ここ4〜5年は主に超大手企業 を中心に導入されていった。またPDMとまでいかなくても、 ISO 9000 に絡んで何がし かの図面管理システム、富士ゼロックスの EDMICS(1989年頃からある) なんかいい例 だろう、まあまあの中規模の企業にも入っていた時期でもあった。 改めてPDMとは何か。そのメリットは?。この答えは案外難しい。よく似たグル−プウ ェアとどこが違うのか。Lotus Notes で図面を含めたドキュメント管理を組んだ事例もあ る。一つの見方としてPDMはCAD図面を扱い易いように、あらかじめ作ってある。そ う見ることができる。図面のビュ−ワが最初から用意されているのも便利である。グル− プウェアのソフトでは、そんなわけにはいかない。作り込む必要があるだろう。メリット はどうか。あるPDMを販売しているところでは雑用をけずり、設計なら設計に専念でき るようになるため効果があるとしている。その雑用が浮く分をもって費用対効果を導くこ とができるとも言うのだが。また別なところは設計リ−ドタイムが短縮される。図面品質 が向上するとも言っている。あまり説得力がないような気がせんでもないが。 98年頃からのPDMメ−カの動きも見てみよう。ソフトのパッケ−ジ化とWWW対応化 を各社急速に進めている。業務全体を見通して、PDMシステム全体を設計するのは極め て難しい。時間もかかる。システムの変更が容易でない。その反省がどうも最近のPDM には出てきている。PDMシステムをもっとシンプルに捕え、できるところから早く安く、 立ち上げることが大切である。そのように変わってきつつある。何でも1つの巨大ソフト で対応するのでなく、分散処理もいいではないか。 そのための技術 CORBA が実用範囲に 入った。それにクライアント側ではWWWブラウザと Java により、プラットホ−ムに左 右されないPDMクライアント・ソフトへとシフトしつつもある。CORBA も Java もほぼ 仕様が固まってきた。2000年ぐらい、PDM元年になる可能性がある。 CALSとの関係はどうなっているのだろうか。日本CALSという NCALS が '95 年か ら3年間検討された。その中の実証実験に V-CALS というのがある。これは自動車会社が 共同でCALSの実験をしたものである。実験には富士通の INTERSTAGE というPDMソ フトが使われたらしい。それにPDMを作っているメ−カ DEC, IBM, Metapahse, Sherpa, Matrix One も実験に参加している。 その後、実験の成果をもとに各メ−カ共同でPDM の仕様を OMG に提案した。これは '98/10/12 OMG で正式採用されている。さらにこの仕 様に準じて富士通は PDMSTAGE というPDMを作っている。つまりようやくPDMのデフ ァクト・スタンダ−ドが示されたわけである。 ISO 9000 をきっかけに国内の中企業にお いても、仕事の手順書の作成など責任分担がはっきりしてきた。中企業でもPDMを検討 する時期にどうやらさしかかった、そのような気がする。 * PDMのデ−タベ−スについて 従来RDBは音声、画像などのバイナリデ−タまたは可変長デ−タを扱うのは苦手だった。 当然CADデ−タも可変長デ−タである。これにいち早く対応したのが、Empress だった。 1990年ぐらいだったか。その後 Oracle など他RDBは、レコ−ドに長大バイナリデ −タを扱えるようにするなど工夫を凝らして対応することになった。当時の Oracle の評 価はデ−タベ−スとしては老舗だが、Empress の分散デ−タベ−スといった先進機能から 遅れをとっていた。しかしWWWが出現してからというのも、一早くWWW対応して今の デ−タベ−スは Oracle ネという状況になった。余談でした。そうそう可変長デ−タの扱 いでした。1995年ぐらいだったか、ObjectStore といったOODBが出現し、可変長 デ−タも楽に扱えるようになった。 デ−タベ−スが可変長デ−タをサポ−トするということは、アプリケ−ションのデ−タを そのままDBに格納できるということである。これによりPDMの枠組みができたわけで ある。格納したデ−タは、PDMにより関連つけられ、PDMのソフトを通してのみ、デ −タにアクセスするようにした。これによりデ−タの一元管理を可能したのである。これ はTISで Sherpa PDMの話を聞いたことによる。どうもNECの Obbigato は当時か らアプリケ−ションのデ−タはDBには格納してなかったようである。多分 MATRIX なん かはDBにOODBを採用していることから、DBの中に格納していると思われる。なぜ、 このようなことを言うかといえば、PDMのシステムを変更する場合、一体どうなるのか、 それを危惧するからである。 DBの中にCADデ−タなんかを格納するPDMだと、他のPDMつまり、他のDBにな った場合CADデ−タも格納し直さなければならない。異機種デ−タベ−ス間の相互運用 ということで各社のDBは、他のDBへのアクセス方法を提供しているようである。しか しこれはデ−タを引き出すだけの話であり、格納し直すというのはやはり大変なことだと 思われる。それに部品構成管理のテ−ブルなども移す必要がある。デ−タベ−スの種類が RDB、OODB、ORDBと違えば移植は困難かも知れない。PDMの導入にはここら 辺りもよく考える必要があるのでないか。へたすると半年、1年かけてカスタマイズした PDMシステムがやっと稼働という時点で、古臭いものになってしまい、せっかく作った DBのテ−ブル情報が水の泡となる可能性だってある。 * 専用PDM製品 ・MATRIX 先進のOODB型マルチアプリケ−ションPDMの実現。第4世代オブジェクト指向型製 品情報管理システムという歌い文句。92年ぐらいからある。その当時の資料ではデ−タ ベ−スに Objectivity を使っている。98年半ば Oracle にも対応。 Java や CORBA に も対応してきている。米 MatrixOne, Inc. 開発。SGI でも稼働する。 値段はPDM製品 の中でも高そう。丸紅ソリュ−ション(株)扱い。http://www.msol.co.jp/egs/f460/ ・Sherpa WORKS パッケ−ジ対カスタマイズ比は 8:2 が売り。 導入しやすいように機能別にモジュ−ル化 を計っている。他のPDMはその逆でカスタマイズがばかにならないとのこと。しかしま だまだ高い。10ユ−ザ登録、2同時ユ−ザ使用で、出図機能も含めて約2000万円程 度。10同時ユ−ザ使用にすると約3千万円ぐらい。WWW版とクライアント/サ−バ版 あり。UNIX用もNT用も価格は同じとのこと。 '98/02 から横河ディジタルコンピュ −タ(株)が扱っている。現在のは CORBA, Java 対応。 http://www.ydc.co.jp/pdm/。米 Sherpa Corporation 開発。 ・Metaphase Enterprise 3.0 米 SDRC( Structural Dynamics Research ) 社開発。文書管理機能を MetaDM と言う名前 でパッケ−ジ化してある。2ユ−ザのお試し版が500万円であるとのこと。SGI のマシ ンもサ−バになれたと思う。マツダ、日産、セイコ−エプソンが導入。エヌ・ケ−・エク サや沖電気工業(株)などが扱っている。http://www.oki.co.jp/。 エヌ・ケ−・エクサは NKK(日本鋼管)から分離独立した会社。99年半ば、料金体系が変わった。1ユ−ザ 開発版なら40万円程度で買えることになった。 ・Obbigato Π 国産PDMソフト。NEC開発。1サ−バ、5クライアント 215 万円から。'98/11 出荷。 実際の導入では10同時ユ−ザで1千万円程度。CORBA 対応。デ−タベ−スは Oracle 使 用。デ−タは Oracle 内でなく通常のディレクトリに保存する。 サ−バは SGI には対応 しない。クライアントは Windows のみ。 以前は Obbigato という名前で5年ぐらい前か らあったが、これは他のPDM同様作り込みが必要であった。 Π ではコア部分はパッケ −ジになっていて、ユ−ザインタ−フェ−スを少しカスタマイズする程度で使用が可能と いうことである。http://www.interplanets.nec.co.jp/info/Sp/obbigato/ ・PDMate for Windows NT V2 富士通が作っているPDMソフト。Windows ベ−ス。Web対応はオプション。多少のカ スタマイズをして30人程度で使うので2千万円程度か。どんなCADにも対応する。デ −タベ−スは Oracle 8 を使用。ワ−クフロ−は同様、 富士通作成の Team ware と連携 する。富士通は98年春に出した Windows 用、ICAD/SX Mechanical PRO の販売に力を入 れていて、同時に紹介される。 ・NSXPRES-III ワ−クフロ−管理、電子承認・朱書き。Oracle V.7 以上、Motif 必要。 HP-UX, Solaris, AIX, Windows などで稼働。新日本製鉄(株)開発。これもだいぶ以前からある。 サ−バに クライアントとも Windows パソコンのみ対応となっている。 ・その他市販ソフト Product Manager --- IBM社。 Work Manager --- HP社。 EOS --- HP社。ただしHPも Sherpa に移行。 RX-Index --- RASTEREX 社。イ−ジオ−ダ型PDM。 ADEIS --- 東電ソフトウェア。 FORMTEK --- FORMTEK 社。三菱商事扱い。 OpenPDM --- (株)コア。SGI も対応。http://www.core.co.jp/。 PDMMASTER/NX --- 三菱電機 '97/11 発表。WWW、Java 対応。 CAD系PDM : Pro Engineer の Windchill。IDEAS、Computer Vision もあり。 * 昨今のPDMやPLM 富士通のPDM。PLEMIA。部品表 BOM。CADデ−タから全文検索ができる。 設計ポ −タル、設計ナビゲ−ション。サ−バは Windows 2000 など。 Linux、UNIXは対応し てない。Windows のCALももちろん必要である。ライセンスのこと。パッケ−ジは12 個ある。国内シェア。日本IBMが15%、富士通とが電通国際が10%づつ。PTCジ ャパンとがオ−トデスクが5%ずつ。 あるセミナ−のアンケ−トで。ご利用中のPDMはの種類。EDMICS、ArcSuite、SMARTEAM、 Obbligato、TeamCenter、Windchill、OpenPDM、eMatrix が列挙されていた。 2017年 になってのこと、生き残っているのは Obbligato はある。他のはあまり聞くことがない。 部品表から生産管理システムへの話。名古屋の上前津の本屋へ2007年1月4日寄った ら、コンピュ−タ関係の新刊の所にBOMの本もあった。この本だけ異色、日経。非常に 遅れた分野だ。「実践!PLM戦略」PHP研究所 1,300 円+税、 BOMすなわち部品 表デ−タベ−スが肝心である。我々技術畑が取り組まなければならない本当の所はPLM。 PLMって、PDMの延長という感じではないぞ。環境を配慮した設計とか、部品表の管 理とか部品のスペックの追跡とか。ちょっとニュアンスが違うみたい。設計に関して環境 なんたらかんたらの法律がでてきたもよう。ERP、SCM、CRM、PLMとか。3文 字キ−ワ−ドに振り回されるな。よそさんはこれらのことをうまく使いこなして、何かす ごいことをやっているのでないか。上の人は漠然とそんなことを思っているかもしれない。 * PDMシステムの設計 [ システムの設計論 ] 全体像を把握するのは容易なことではない。業者のコンサルはそこからやろうとする。多 分お決まりの想定したフロ−に適当にはめこんでいくだけ。こうしたコンサルの部分でお 金をとるわけだ。当初は簡易PDMシステムの開発、簡易PLMシステムの開発というこ とを考えていた。PLMはPDMよりも概念の幅が広いのだが、内容的には同じだろう。 IT戦略とかなんとか、大上段にかまえたスロ−ガン的な話も同じである。あるべき姿で あるとか、どうして行きたいだとか。でっかい目標みたいなことはある。しかし現状を詳 細に把握してどうだというのは、すごく大変なことなのである。理想はただの夢物語をパ ワ−ポイントでプレゼンするだけだ。それで、結局なにということ。コンサルなのでコン サルであくまでも終わる。PDM、PLMの作り込みもそうだ。カスタムメイド。そうい うアプロ−チではなくて、分散システム。 全体像が分かっていなくても、部分ごとに作り、その間のデ−タの受け渡しをすればいい でないか。部分部分がやりたいことを出していく。そのために必要なものは何か考えれば いい。何か図面を描いたとしよう。全体の組立図であれば、僕は欲しい私もほしい。プリ ント出力したのも欲しい。こういうのであれば2部欲しい。 新しい図面ができたら、そうやって欲しいわけである。新しい図面を作った。必要な部署 に配布する、プリントして仕分けして、送る。そういう集中管理ではない。集中管理すべ きことは、部門ごとにプリントした図面が全部でいったい何枚だったか。そういうことで ある。あるいは該当部門がちゃんと図面を受け取ったかどうかのチェックである。 [ 緩やかな結合 ] -------------------------------------------------------------------------------- 収束していくジョブ 次世代CADシステム 柔軟なシステム -------------------------------------------------------------------------------- 仮想モデリングCADで、設計の途中段階の様子は情報が足りないところもあって混沌と している。3次元化している部分もあれば、形状的におかしなところもある。そういう状 態で、複数のCADと連携してコンカレント設計を行っていく。もうちょっと向こうへ行 ってくれとか、ここはスペ−スを開けてもいいとか。 部品は供給する会社のWebサ−ビスにアクセスして、部品形状をとりこんでくる。部品 形状はオブジェクトになっていて、さまざまな情報を内包している。更なる詳しい情報、 例えばその部品の単価、納期、在庫などはWebサ−ビスにある。部品の不具合の記録な ど、その会社にある情報でアクセス可能なことは即わかるようになっている。 これらはWebサ−ビスまでの仕組みでなくてもできるかも知れない。ともかく部品の情 報を集めることができる。これにより、製品のコストがはじき出される。それぞれの部品 の納期により、最終納期もでてくる。別な部品を使ったらどうなるかというシュミレ−シ ョンができてもいいだろう。 設計、図面ができたら資材調達部門へ図面を渡す。ここではWebサ−ビスがフルに使わ れるだろう。部品会社、共通のWebサ−ビスのインタ−フェ−スにより、その会社独自 の発注システムができている。売った買った、納入された代金を支払ったなどなど。定常 的な部品の購入においては、Webサ−ビスが自動的に行う。 Web 2.0 とCADとの関係は。何がイメ−ジできるか。Webサ−ビスによるマッシュア ップ。Web 2.0 の本質はマッシュアップだと思う。他のコンピュ−タのリソ−スを使うこ と、それはかつて非常に困難だった。PDMのエンジンに Apollo の分散ア−キテクチャ のソフトを使うか。個人情報、機密情報、重要情報、一般情報。CAD図面は別管理だ。 以下2017年10月に追記。人体の仕組みがより詳しく分かってきている。先日NHK でやっていた。従来は脳からの集中指令で人体は動いていると思われていた。それが内臓 個々からも指令が出ているというではないか。脳は一番重要な制御を担っているのだろう が臓器からも目や手や他の臓器を制御物質を出しているという。これは驚きである。