* 平成13年12月のお稽古 12月23日 お気づきの方もおられると思いますが、小生のホームページはよい子の 茶道の他に、イントラネットとC++についてがあります。小生の持て る知識、経験を全部書き込んだ超技術的な内容になっています。一人の 技術者として、他者にそのノウハウを伝授していくことは、技術の発展 に寄与することになると思っています。技術というものは、そうした言 わばパブリックなものと考えられます。翻って茶道についてはどう考え たらいいか。点前のテキストなどは一杯出ています。精神的なことを抜 きにすれば、手順を覚えれば一応、茶は点てることができるというもの です。昔、小生が家元の講習に行った時、担当の先生に茶杓を作るのに、 先端部をどうやって曲げるか尋ねたことがありました。そしたら知らな いとの返事が。知らないはずはない、教えて下さい。結局笑ってかわさ れました。そして今、茶杓を曲げるノウハウも、インターネットでいと も簡単に知ることができます。茶杓を曲げるのを単に、先の技術と同じ にみなしていいか。小生は少し疑問なのです。それに少し前のことです が、家元の短期講習に応募するので、講習の様子を教えて欲しいとメー ルが来たことがありました。小生は、気持ちをまっさらにして京都に行 って下さいとだけ返事しておきました。茶杓の曲げ方を教えてくれなか った先生は、この小生の答えと同じ気持ちだったのかも知れません。あ えて教えないのも、教えの一つなのだと。 * 平成13年11月のお稽古 11月25日 11月の24日土曜日は、お寺の行事として茶席を掛け、その翌日は毎 月の釜を掛けておりました。これまでずっと来られている方々で静かに お点前をして召し上がって頂きました。点前は土曜日に続いてお盆立て にしました。和尚さん達も来られて、抹茶を頂いた後は廊下に出て、皆 で真っ赤な紅葉を見ておりました。小生しばしば言うに、ここは稽古で あって稽古ではありません。実践の場です。紅葉を見にふらっと散策し に来た方にも、ささどうぞ一服。それだけのことです。こうしてホーム ページを出していると、実はいろいろな話しがきます。雑誌の出版社だ けど女性のためのサイト集に掲載していいか、茶道の特集を組むのだけ どお茶の先生を紹介したいとか。サイト名の掲載程度はご自由にどうぞ と返事する場合もあります。しかし先生紹介、稽古場掲載うんぬんとい う話しはお断りしました。せっかくのチャンスじゃないか、もったいな いことだという声が聞こえて来そうです。しかし小生は月に一回一回の 茶を大切にしたい。ここはお茶の教室ではないのです。はっきり言うな ら小生何も教えるような資格はありません。茶の雰囲気を味わって頂く のみです。折りしもお寺では毎月初めの日曜の昼、座禅が始まりました。 そう座禅して帰るもよし、茶を頂いて帰るもよし。感じることあれば感 じ、考えるとこあれば考え。また、何もなければそれも結構。ここでの 茶はそうしたものなのです。 大山蓮華にまつわる話しを、数年前来て下さっていた方が掲示板に書い て下さいました。お一人でふらっと見えられお茶を飲んでいかれました。 懐かしいです。大山蓮華という花、蓮華という名が付いているせいかお 釈迦様を思い起こしてしまいます。何となく粗末にはできない花のよう な気がしておりました。修験道の山、大峰山に人知れずひっそりと咲い ているという話しは聞いていました。その山に登って実際に見られたの ですね。険しい山です。僕も若い頃は友達に誘われて剣岳など幾つか登 りました。雪山で足を滑らせて、10メートルぐらい山の尾根からすべ り落ちたこともありました。山は決してあなどれません。ご友人の冥福 を僕もお祈り致します。大峰山、僕もいつか登りたいと思います。もう 一つ登ってみたい山があります。四国の剣山です。確かキレンゲショウ マという花が咲くところがあるとか。3年ぐらい前だったか、NHKの ドラマで剣山の神社を舞台にした話しがありました。東京からカメラマ ンがこのキレンゲショウマを撮るのにやってきて、神社の巫女さんと恋 に落ちるという物語でした。ショウマにはアワモリショウマ、ムラサキ ショウマとか色々あるようです。何て神秘的な響きのする名前なんでし ょうか。剣山の流れる雲海の一瞬、さーっと通り過ぎるように見えたキ レンゲショウマでした。 * 平成13年10月のお稽古 10月28日 しばらく書くのを忘れていました。いつの間にか、もう11月になるで はありませんか。哀しい出来事が世界ではずっと続いています。徳林寺 での大きな行事の折りに和尚さんはいつも、参集した人達の平穏と世界 の平和を祈られています。こうした小さな祈りが世界中の至るところで なされるならば、きっと平和な世になるのでないかと思います。決して 大上段に構えた平和だとか、正義だとかいうのでなく、小さな小さな心 の中の祈りです。お茶をやられる人ならば、近くの人達に、一服召し上 がって下さい。それだけでいいじゃありませんか。お流儀がどうだとか 内はこうするだとか、そんなことは棚に揚げてしまいましょう。世界に はいろいろな宗教、人種、そして考え方があります。だからと言ってこ とさら構える必要はありません。また、わざわざ出張って行くこともあ りません。たまたま隣合わせになったら、お茶をどうぞと一緒に飲むの みです。それでお互いにこっとし合えば、いいのじゃないですか。 11月3日のことです。この日はだいたい晴れる日が多いのですが、朝 から雨になっていました。去年は柿を岐阜に買いに行ったのでした。さ て、どうしようかなと思っていたのですが、近くの農協のお祭りをやる とのチラシを思い出し、行ってみました。近郊の農家の人が自分とこで 採れた野菜などを並べていました。早速柿を買いました。柿よりも収穫 があったのは植木です。稲沢からも植木屋さんが来ていて出していたの です。茶花にするなら大山蓮華なんかどうかねと、おばさんに勧められ ました。かすかに頭の隅にあった大山蓮華というキーワード。1200 円でした。家に戻って調べてみると、5月頃咲く格調高い花ということ です。青銅の花入れに蕾を入れるという。早速、お寺の畑に傘をさして 植えてきました。母いわく、去年のやはり5月頃、滋賀県の近江弧蓬庵 に行った時、入れてあったのだよと教えてくれました。少し薄暗い床に 凛としていたのが思い出さます。あー、いい買い物をした。実は農協の バザーは3時までだというのに、母を乗せて10分前に再度駆けつけた のでした。母もそこで、短歌の会で話題に出ていた花がちょうどあって 求めていました。花の名前、また聞いておきます。 徳林寺 秋の月まつり 上の枠もクリック 日時:平成13年11月24日 本堂・境内・茶室 3時〜 呈茶と観楓でお楽しみ  :お煎茶と抹茶のふるまい      焚き火で焼き芋(芋持参):今から楽しみ落ち葉で焼芋 6時  豆マンダラ子供般若心経 :色とりどりの豆で曼荼羅を 6時半 芋汁供養        :皆で頂く芋汁はおいしい      天体望遠鏡で観月    :うさぎが見えるかな 7時  マンダラ閉壇お菓子供養 :マンダラは宇宙なんです 参加費はお気持ち 錦秋の言葉がぴったりな今日この日、徳林寺秋の月まつり、多数の老若 男女の方々に参集頂きました。お蔭様でお茶席の方も、用意した饅頭の ほとんどが無くなりました。といっても、子供さんがだいぶ来てほおば っていましたが。饅頭は金時いもを餡子を包んで、きな粉をまぶしたも の。昨日母と精出して作っていました。花はすすきを探しました。もう 終わりですから、なかなかなくて、ふと猫と目が合い追いかけて行った ら、山の裏手の日陰にきれいな穂が残っていました。お煎茶も出すこと にしたので、雰囲気を少し遊ぶことにして、他にも幾つか花を置きまし た。赤の毛氈は斜めに敷き、お盆点てで。外では焼き芋、しまった食い 損ねてしまった。おいしく焼けたとか。更に芋だきの大鍋も。夕方も5 時を過ぎると日も暮れてきて、小生が最後のお点前を蝋燭の灯火で致し ました。本堂では豆まんだらの供養が、百八献灯に般若心経の唱和の後 まんだらを皆でいっせいにくずしました。子供らはその豆菓子を袋に一 杯持って、笑み満面でした。そして外ではお星様を天体望遠鏡で見せて もらいました。何と土星の輪が見えたのには、びっくりしました。お茶 席の手伝いに来られた方々、土星にお月様見て帰りましたか。 * 平成13年9月のお稽古 9月30日 平成14年4月追記 確かこの時期、茶の湯MLに投稿した記事です。和尚さんがすごかった ので、何とかその話しを載せたいと思ったのです。今は故あって茶の湯 MLは自粛しています。茶の湯MLというのは、インターネットのメー リングリストを媒体とした流派関係なしの茶道同好者の集まりです。良 くも悪くも、インターネットの性質が出ています。ですから楽しみもあ れば、トラブルも多発するという世界ででもあります。また一口に茶道 といっても、流派いろいろ、稽古の年数もそれぞれ、上下関係なし、は たまた煎茶までも入っているという。小生もインターネットの普及に尽 力した一人として、このような試み、集まりには期待もし、いささかの 興味もありました。四国での茶会へも出向いたりしました。それは、ち ょっとできないおもてなしでした。しかし、小生疲れました。茶道はゆ っくりやるのがやっぱりいいです。 上野での茶の湯ML主催のお茶会、盛況だったようでおめでとう御座い ます。一得庵さんの移動式茶室とか、お茶の劇だとか、何だかすごいこ とになっていましたね。小生のとこも日曜、相変わらずで月末の釜をか けておりました。久し振りにお濃茶をやりました。初めて来られた方に も、初めての濃茶のお客さんになってもらいました。皆さん、おいしい と口を揃えて言ってました。濃茶を点てたのは、同じくMLの女の人な んですよ。五人分点てて頂いたのですが、湯の分量が難しいですね。そ れにあまり練っていると冷めてきてしまうし。水自体も大切です。それ こそ四国オフミの茶会のように、石鎚山系の湧水なんかだと最高ですね。 でも、徳林寺の水だって井戸水なんですから。 それが1ヶ月程前、井戸水が出なくなってしまったのです。どうも底の ところが少し崩れてしまったらしいのです。どうするべと話していたの ですが、土曜日、何と和尚さん自ら井戸の底に降りて行っているではあ りませんか。井戸の辺りに人が何人かいるな、業者の人を呼んだのだな と思ったのですが。井戸の深さは30メートル、ちゃんとポンプで空気 を送りこんでいました。井戸の上にやぐらを組んで、滑車を付け、消防 のレスキュー隊員そうろうで井戸の底に降りていたのです。そうはもう 覗き込むと恐ろしいぐらいの深さでした。上げてくれーの合図で3人が がかりでロープを引っ張りました。 そして、地獄からようこそ。ちょっとできんぞー。人間やってやれんこ とはない。すごいパワーだ。この徳林寺の和尚さんは、仏教の大元のネ パールで永く修行された人です。それ故こんなパワーがあるのだろうか。 禅に確か"大死一番"という言葉があったと思います。今度、井戸水が出 なくなったら、ここは小生も井戸の底に降りて行き、一度大死してくる か。ともかく井戸の修理は、後は店で管を買ってきて付けるだけという。 10月の月釜の時は、めでたく井戸水が出ていることと思います。本当、 水コップ一杯おろそかにはできません。今夜はいい月が出ています。季 節もよくなりました。皆さんの御来山お待ちしております。 * 平成13年8月のお稽古 8月26日 8月のお茶のお菓子は越中八尾の玉天、軸は色紙でおわら風の盆の女の 人が踊る姿という塩梅でした。普通は掛け軸にこうした色ものは使わな いのですが、今日は特別です。なんせ十年前から一度見たかった、越中 八尾おわら風の盆の前夜祭に行ってきたのですから。よかったです。心 が洗われる思いでまだその余韻にしたっています。風の盆の本番は9月 1日から3日です。すごい人出で見るのはとてもや行けないと諦らめて いました。それが8月20日からの前夜祭とか、町の会館で保存会の人 達によるステージがあることを知りました。先週の初めのことです。お 盆休みはどこも動かずじまいだったので、いっちょ行ってみるかと。野 宿覚悟の上で、列車に飛び乗ったというわけなんです。八尾のなんとし っとりして落ち着いた町のことか。踊りのなんと優雅なことか。胡弓な ど鳴り物の哀しいような調べ。そして男衆の唄いに小生はぞくぞくした ぞ。こういう伝統が静かに息づいて続いていくというのは、本当いいこ とだなー。ただずっと前からこうしているから今年も風を待ち、胡弓を 奏でおどりを踊るという。皆さん静かに風の盆、見守ってあげましょう。 さすがに9月に入って何日か経つと涼しくなって、そこかしこに秋の気 配を感ずるようになりました。本当、日本はもう熱帯地方かという思い がしていたものですが、喉元過ぎれば何とやらで。日本の家は夏を主と すると言われていたのですが、古の習いを今一度見直さないけないです ね。さてさて今度の土日、9月8,9日は瀬戸物祭りです。今年も行く ぞー。両日、確かいつも瀬戸の街からボンネットバスが赤津を往復しま す。無料で、石炭バスだったような気がしますが。一度乗ってみたいー。 赤津会館一帯でも即売会やってます。会館で前に見た喰篭(じきろう)ま だあるかな。7万円のとこ、半値になっていたら買って帰ろう。あまり 織部らしくない、さっぱりした絵付けで瞬間気に行ったのだけど、値段 がちょっとばかし高い。瀬戸の市民会館も寄らないかん。瀬戸の駅の真 ん前にあるところです。2階で作家の方が何人か詰めていらして、展示 即売してます。案内も頂いたので、ともかく小生見に行きます。さあま だどちらの日に行くか分かりませんが、3時ぐらいにはうろうろしてい ます。天然パーマで後ろが少し薄い男がいたら、僕でしょうね。声を掛 けてやって下さい。 夜も更けてきました。虫の音が聞こえてきます。彼岸花の赤がそこかし こに見つけることができます。いつの間に出てきたのだろう。栗や柿も 一早くお店に並んでいました。週末、四国の高松に行ってこようと思い ます。なぜか呼ぶんですよね。インターネットの茶道のメーリングリス トでのお茶会なんです。行かないかん義理も何もないんですが、何故か 引っ掛かるのです。たかがお茶会に四国まで行くものかな、よく分かり ません。結局人の気持ちというのは、距離を越えてしまうものだと思う のです。どうぞお越し下さい。ああー、それでは行きましょうか。それ だけで抹茶一服飲んで帰ってくる。それでいいのでないかなー。何万円 もする茶会だとか、由緒ある高価なお道具が見れるとか。そんなことで は僕は四国まで行けません。しかし僕は本当のとこは分かりません。何 がって、四国だから行ったのでないのか。これが東京だったら、やっぱ り行かなかったろうな。多分、四国の今生きている人に会いたかった。 春先に菜の花を摘んだ川の土手、機械が入ってきれいさっぱり雑草を刈 ってしまいました。ああー、これから秋の花が出てくるのにと思ってい たら、例の赤い花が所どころに出てきました。そう彼岸花でした。そう いえばこの土手では菜の花の後には土筆を、その次はわらびを摘みまし た。そうこうする内に初夏となり、どこからともなく牛蛙の声が。夏に 入ると川に沿う木々から蝉の声がうるさい程に。今は最後のツクツクボ ウシが鳴いています。川の向こうには田んぼが広がり、稲がだいぶ実っ てきています。そして実りの秋、祭りの秋と深まっていきます。こうし て事も無く年が回っていく。あらためて平和であることの幸せを思いま す。人々が世の中が平和であるのは、自然にもたらされるものでありた い。努力しなければ獲得できない、そういうものであっては欲しくない。 でも難しいことだなと思う。小生は難しいことは分かりません。自分に できることは、どなたさんが来ても一服どうぞと、勧めるだけのことで す。反対も賛成もない、敵も味方もない。ただそれだけのことです。 * 平成13年7月のお稽古 7月29日 皆様、暑中お見舞い申し上げます。せめて涼しげな写真でも。去年大垣 に行った時、お城の横の郷土資料館の入り口にあった水口です。このス イカ食べたーい。そういえば駅近くの饅頭屋さんの店先で、水饅頭を水 の中につけていたの。一つ頂戴と言ったら、そのまんま手渡ししてくれ たという。何て素朴。うれしいじゃありませんか。そういえば岐阜の学 校に行っていた頃、自転車で大垣の夏祭り来たっけ。面白くてねー。見 世物小屋も出ていました。ろくろ首なんです。それをさも見な損だみた いに小屋の前の番台みたいな所から、口上をたたくのです。しまったそ の時入って見ればよかった。でも出てきた人の顔を見たら、何だーとい う顔をしていたのですね。ついでに大イタチってしってますか。正確に は大板血といって、小屋の中に入ると大きな板に赤の絵の具を塗ってい るだけという。こういう胡散臭いのも、愛敬があっていいじゃないです か。半分騙されるのを承知しているという。しかし、ここは人をそう思 いながらも小屋に引き込む口上という話芸。そのお代な訳なんですよね。 しかしこうした小屋を見たのは、その時が最初で最後でした。夏に因ん で、ちょっぴり恐い?お話しを一つしてみました。 何という暑さじゃ、座っているだけでじわっと汗が出てくる。今何時だ と思う?、夜の12時過ぎだよ。夏ばて防止に鰻を食う?。こう暑くて は鰻なんか食う気にならん。ということで鱧を食べる会というのをやる ことにしました。でも内緒なんです、内輪だけで5日の日曜にやるんで す。鱧は生簀にいるのを選んで、さばいてもらって、骨切りは皆でやる のです。利尻昆布だけで出汁をとり、さっぱりと、それでいて精を付け ようでないかという趣向なんです。家に昔からある会席膳に、ご飯は素 麺、汁は鱧椀、向こうは鯛の昆布締めを。さらっとね。さてうまく行き ますか。お寺でやるのなら、飛び入りでも構わないのですが、なまもの を出すということでお寺ではできないのです。お寺は精進だけです。そ れで自宅でやるので、十人が限度ですかね。改まって人を招くというの は大変です。と言っても皆で料理、盛り付けなんかするのですがね。こ のもてなしの究極の姿が茶事ということになります。茶事ではどうもて なすか、もてなされるか形式がしっかりあります。悪い言い方をすれば マニュアルがある。ひょっとするとこの方が案外、気が楽だったりする かも知れません。次にどう展開するか大方分かっているのですから。 さて鱧を食べる会はうまく行ったのか。総勢十人、内6人が安城まで魚 を買いに行きました。石川丈山の里へ先ず行き、お抹茶で一服しました。 お菓子なかなかおいしかったです。魚屋さんはすぐ近く。鱧は活きのい いのをいけすから2本、太いのと中ぐらいのを。鯛の昆布締めをするの に真鯛をと思っていたのですが、活きのいいのがなくて。魚屋のお兄さ ん、だったら甘鯛がいいよと大きなのを2本。甘鯛は三枚に開いてもら ってそのまま、酒と醤油をかけてタッパーに入れました。これで帰って 来るまで少しは味が染みているというもの。鱧の太い方には、何と子が 入ってました。これは珍しい、椀物にはもってこいです。昼12時に集 まって買い出しに行き、自宅に3時前に戻って来ました。さてそれから 料理です。甘鯛を細切りにする人、わさびをする人、素麺を盛り付ける 人。鱧の骨切りは若いお嬢さんにもやってもらって。先ずはさっと湯通 しして吸い地をはって。会席膳にこれらを並べて、手渡ししてと。まだ 鱧は一本あります。次は葛をまぶし、昆布をかぶせて10分程蒸しまし た。葛たたきの汁椀です。何と甘みが出たような、一層おいしくなりま した。お酒は津島の酒と、お一人が持参してくれた明眸をついで回りま した。会費は実費で千円。手間暇かけた千円は違うなー。いい暑気払い ができました。また、やりましょうねー。 大型の台風、11号到来ということで、21日会社は昼から休みとなり ました。昼ご飯食べてそそくさと帰って来ました。んー、なんかその割 りには大したことないような気がせんでもないが。そろそろ恒例の水曜 日に魚を買って帰るというのを復活しようかと思っていたのだが。火曜 日にNHKの表千家のテレビを見るので、しばらく魚デーはお休みにし ていたのです。しかし明日の水曜日では魚はないわな。今日、漁師さん は漁に出れないので。冷凍もんはあるだろうけどね。僕の料理のバイブ ルは、漫画の"おいしんぼ"です。暇あれば何回も見ています。こないだ の鱧を食べる会では、この漫画に出ていた水茶漬けを出そうかなとも思 っていました。でも魚との取り合わせでは無理があるなと。漫画の中に は、茶道に関する話しもたまに出てきます。究極の披露宴では懐石が出 てきたし、菓子対決では干し柿が日本の菓子の原点だったとか。漫画見 て勉強している訳なんです。最近、関西の食通の京極氏のモデルがこの 人かなというのを見つけました。写真を見ると顔の丸こいところが漫画 のとそっくりなんです。もう少し"おいしんぼ"読み解きたいと思います * 平成13年6月のお稽古 6月24日 6月の稽古が終わってから7月の稽古の前までの話しとしよう。これま で、何かぐちゃぐちゃになってしまっていた。 6月のお稽古ではお一人に、絞り茶巾覚えてると尋ねてやってもらうこ とにしました。絞り茶巾というのは、盛夏と極寒の時にやる表の点前で す。茶巾を絞り直して茶碗を温めたり冷ましたりして、言わば時間かせ ぎをするわけなんです。暑い日には、茶せん通しをして湯を捨て、それ からおもむろに茶巾を絞る。さて久し振りにこの点前やってもらって感 じたのは、しょせんそんな程度、時間を稼いだからと言ってお茶碗が少 しでも冷めるわけでないということ。しかも何人もに続けてお茶を点て るとすれば、毎度そんなことやっているのも変な話しで。それこそ一客 一亭、夏の暑い日に友がやってきた。よく尋ねて来てくれた、ささ一服 召し上がれという時にこそ、ふさわしいかなと思ったのでした。それ以 外の場合では、絞り茶巾なんかことさらすることもない。それよりもあ まり熱くならない茶碗を用いるとか、茶せん通しから湯を捨てるまでを さらっとこなすとか。本来的に手に持った茶碗の温度を高くしないよう にすることが、先ずは肝要かと思いました。しかし、だからと言って中 のお抹茶がぬるくなるようではいけません。夏でもよい服加減のお抹茶 の熱さは、却って爽やかにするものです。 残念、鱧椀失敗しました。29日会社の帰りに魚屋によったところ、氷 の上に一匹鱧出していました。水槽に何日かいてくたばった奴なんです ねー。一味落ちることは分かっていましたが、まあ今年初めてというこ とでとりあえずもらうことにしました。さあー、他でだったら2500 円ぐらいするでしょうか。800円でした。開くだけ開いてもらって持 って帰りました。菜っきり包丁を研いで、さあー骨切りというわけなん です。それがどうもやりにくい。鱧の開き方が悪かった。背開き、腹開 きかどっちかなんですが、両サイドに身が別れてしまっているので、骨 切りがうまくできないんです。捌いてくれた人が、いつも人でなかった のもいけません。そして肝心の吸い物はどうなったかと言うと、生臭さ ー。口の中むわむわで、たまりません。湯引きで梅味噌でもダメー。こ りゃひどい。やはり活きのいいのでないとだめ、それが今回よく分かり ました。今朝獲れたのを絞めて店に並んでいるのを買う、水槽に入れた のなら入れただちのを頂いてくること。先ずはそういうことですな。 関の刃物、7日の土曜日行ってきましたよー。岐阜の友達のところに久 しぶりに会いに行って、暇だからちょっくらで掛けるかーということで。 高速に乗って山の中を走ってすぐに関に到着です。先ず刃物会館という ようなのがあるはずだと、そしたらちゃんと看板が出てました。何と土 日は4時までで、十分過ぎていました。刃物会館の前で水遣りしていた おじさんに聞いて、インター近くの刃物センターへ。少し分かりにくい 場所で、誰も客がいませんでした。それが数分も経たない内に、観光バ スが次から次へとやってきて、おトイレはこっちよーなんてことに。い つの間にか包丁の研ぎ方の講習が始まって。それがもう赤面するような 口上で、面白いの何の。ともかくしっかり研ぎ方は分かりました。そう そう、そのおっさんに鱧切りの包丁のことを、団体さんが来る前に聞い たのです。ここにはないという。正広のカタログを出してきて、6万円 です。5年に一本ぐらいしか出ないとも。お客さん鱧切りして料理され るの?。へーってなもんで。まあ、なんぞ土産をと、名前なしでお得と いう小出刃1500円を買って帰りました。名前ありだと倍するんです がね。このお店何でもありました。左利き用のはさみとか包丁とか。い っぺん行たってちょうだい。 不審菴は "ふしんあん" か "ふしんなん" か。表千家を習っている人な らご存知、家元にあるお茶室です。さて不審菴、何と発音するのか、結 構よく話しに上がるのです。お家元の見学会かなんかだった時、案内し てくれた玄関の方に、どなたかが尋ねてみえました。"なん"と呼んでい る時もあるようなのですが、本当はどうなんでしょうかと。 "ふしんあ ん" でいいですよと確か答えておられました。それからNHKの教育で も、以前やった表千家茶の湯ですが、その時も案内役の男の人の問いに、 "ふしんあん" ですと。しかしその番組の終わりには、どうしても"ふし んなん"に聞こえるなーと思ったものです。さて、その疑問がやっと解 けました。なんでも鑑定団に少し前まで出ていた日本画の渡邊包夫氏の、 "鑑定の鉄人「古書画」目利きの極意"235ページです。狩野探幽の正 しい読み方は、かのうたんにゅうと読む。本来の日本語では「ん」のあ とには「なにぬねの」の音が入る。とありました。ですから古来の日本 語読みでは"ふしんなん"が正解。しかし現代読みで"ふしんあん"でも間 違いではないというのが、落ち着く先ということになりましょうか。 * 平成13年5月のお稽古 5月27日 以前にもお話したことがありますが、毎週水曜日は小生が魚を買って帰 ることにしております。それは会社近くの魚屋さんが三河湾から揚がる 新鮮な魚貝類を扱っているからです。何を食べてもおいしくて、これな らもう四国に帰ろうなんて里心起こす必要もないなと。しかし完璧間違 いでした。連休明けに四国に行ってました。親戚の家で、石鯛の塩焼き を出してくれました。天然物なんですが、いつでも200円ぐらいとか。 それが味があるんです。鯛の塩焼きなんて、あまりうまいと思ったこと は正直言ってありませんでした。そして次の日は松山に行って、昼にラ ンチ980円を食べました。松山を案内してくれた夫妻に連れられて入 った普通の食べ物やさんでした。出てきたのは文字通りの花篭弁当、鯛 の刺し身のおいしいこと、海老の天婦羅の味のあること。砥部焼のカッ プでコーヒーまでついて。もう、どうなっているの。更に夫妻の家では、 魚は釣ってきたもの、野菜は横の畑で作ったもの。苺を摘んで、そら豆、 たしっぽ、わらびなど。何でこんなにおいしいの、何でこんなに自然に もてなしてくれるの。お茶はこういうところでやりたいものだ。何と都 会の嘘っぽいことよ。そう思わずにいられませんでした。 最近来たメールに、お茶の先生になるのに幾らぐらい費用がいって、そ の年数は?。と言った質問がありました。前にも同様なメールが来たこ とがあり、その時におおよそこうですねと答えたことがありました。し かしよく考えてみれば、そんな簡単にこうですと言えるものではありま せん。車の免許を取る、着付け講師何級を取る。茶道の場合そうした次 元のものとはまるで違うからです。茶道はお点前はもちろん日本文化の ありとあらゆる所と関係し、また深くは禅とも結びついています。カリ キュラムこれだけこなせばOKというものではないからです。もちろん 表面的には表千家なら表千家の教授者の講習というのはあります。一番 先生として肝心なことは、人にものを教えるということ。案外簡単に考 えがちですが、このことは実はとても難しいことなのです。永い目で見 て弟子を育てていく、辛抱がいることです。何を自分は伝えたいか、教 えたいか。その哲学も必要です。自分がお茶会などへ行ってお茶を楽し むことと、茶道を教えることは全く別のことだと理解して下さい。 花木二題。家のベランダに置いてあったサボテンに花芽が出てきました。 直径15センチぐらいの丸いサボテンに、気が付いたらにょきと2本出 ていました。長さは20センチ以上ありましょうか。もう先はピンクの 花が咲き出しているのです。母曰く、8年ぐらい前にもらったものだそ うです。ずーとベランダの隅で、黙ってじっとしていたのでした。本当 花が咲くとは珍しいですねー。その前は6年ぐらい前、月下美人が静か に大輪の花を開かせていたのを覚えています。これも奇麗でしたー。も う一つの話しは木です。今お寺の蝋梅の木に実が一杯ついているのです。 この蝋梅の木、少し日陰でこれまで花が咲きませんでした。何やら蕾は つくのですが、それから花にならずそのまま落ちてしまっていたのです。 それが今年はよく花がつきました。そして蝋梅の実がついたのです。そ りゃ梅の木なんだから、梅の実が付いてもおかしくはないんですが。こ れもとても珍しいです。今月の月釜までもったら、花に入れてみようか な。貴重な枝物ですね。あの蝋細工のような黄色の花びらが、ほのかに 匂う香りを思い出して頂いて。 * 平成13年4月のお稽古 4月29日 連休は皆様いかがでしたか。楽しく過ごせましたでしょうか。連休最後 の六日の日は小生いろいろ出来事がありました。朝からお茶の用意をし てタイのお坊さん方にお点前致しました。何やら3日頃から一杯人が来 ていて、瞑想をやっていたのだそうです。お茶を出したことで、お昼を よばれることになりました。いわゆるタイ料理、しかもお坊さんに出す 手のかかった料理だったのでないかと思います。タイのお坊さんは一日 二食なんだそうです。でも、そのお昼の量の多いこと。おいしかったで すが、残してしまいました。申し訳ありませんでした。それから、茶席 は片づけて畑の方をやっておりました。そしたら懐かしい顔が。この荒 れ地を開墾して畑にした男、今は京都のお寺にいるアメリカ人のトーマ スさんでした。いやー、久し振りと抱き合いました。彼、日本人以上の 日本人という人。大徳寺では茶道流派の裏も表も見て。縁あってこのお 寺にやってきて、一人もくもくと畑をやった男なんです。余分なことは 言わない。人の嫌な話しはしない。小生の月釜にも何度も座わりました。 いい客ぶりでした。禅の修業をした姿を、一緒に畑仕事をしながら見た 思いが致しました。 * 平成13年3月のお稽古 3月25日、花祭り 毎年恒例の花祭り茶会の時期が近づいてきました。今回はちょうど8日 が日曜と重なりなりました。例年より少し桜の開花が早いようです。何 とかもってくれるといいのですが。この茶会、両日でお客様の数が80 から百名といったところでしょうか。それを3人か4人程度でいつもや っております。いつかなんか自分1人だけという時もあったりして。そ れでも何とか続けて来られた。お茶会を開くというイメージでなく、お 接待として茶席を設けている感じですか。だから続けることができたの でしょうね。毎年この茶会に来て下さっている人も何人かいます。お話 ししていると、ああそうでしたねと思い出したりして。10年ぐらい前 にお稽古に来ていた方がおみえになったりも。特にこの1年は、ホーム ページを見て来て下さった方が何人もいます。また久し振りに遊びに来 られませんか。徳林寺の桜も、それは見事なものです。よければ来たつ いでに茶席、お手伝いして行って下さい。時間がゆっくり流れていきま すよ。何て日々の生活は慌ただしいのでしょうね。 花祭り茶会終わりました。用意した饅頭90個に羊羹3棹に、頂いた饅 頭20余り、残ったのは4つか5つだけでした。大変でした。土曜日は 3人で日曜は5人でこなしました。このホームページで何人か来られる 様子だったり、案内もしたのですが結局誰も来ませんでした。かろうじ て初釜から来てくださっている方が、しっかりお手伝いしてくれて本当 助かりました。やっぱり若い人が動いてくれないと、なかなかいけませ んねー。ぱっぱと点出しもしてくれるし、どうもお疲れ様でした。3時 過ぎになって少し風が出て来ていました。そしてその僅かな風に桜の花 がぱーっと散って、花の吹雪を見ました。それは見事なものでした。そ の花びらが茶席の赤の毛氈に舞ってきて、外では微かに尺八の音色がし て。別世界のようでした。大したお道具を並べたわけでありません。お 菓子も大して高いものでもありません。でも、ここに今日来られた人だ けのご馳走でした。 白のいちはつが咲いてます。それに八重の山吹も一杯花をつけています。 桜が済んだと同時に、一杯花が咲き始めました。そして急に緑が濃くな ったような。お山は新緑の季節に入ってきています。小生、最近の休み の日は、茶花の移し替えをやっております。本堂の南手から北側の畑の 横に移動させているのです。ツルハシを振り下ろして、地面を掘っての まさに土方作業。一輪車でこれまでの畑の土を運んでと、汗だくだくで やっております。普段それこそ座ってばかりコンピュータに向かっての 仕事なんですが。15日、日曜の東山荘での茶会も、日の高いうちに御 無礼し、とって返してスコップを持っていました。やっぱり人間、汗か かないけませんね。ご飯もおいしいし、よく寝れるし。そういや落語に お茶の効用を大工かに説いたら、そりゃいけませんと断ったという話し。 日曜はそのどちらも一緒にやってしまったのでした。お抹茶もいいけど、 汗かいた時の井戸水をがぶがぶ飲むのもいいものですよー。いかん、こ んなことばかりやっているので、東山荘でお茶の方失敗しちゃった。 ここのところ二つのお茶会に行きました。それぞれで、これはと思うと ころがあって少々考え込んでいます。一つは安い駄菓子を出しておきな がら、高価そうな道具を展観していた茶会。まあ桜が見事だったので仕 方ないか。もう一つは茶室に傷を付けてしまった茶会というイベントで の事件。常々、茶会のお手伝いのことをスタッフと呼ぶのはおかしいの でないか。それに茶会は、たとえ大寄せであってもイベントと呼ぶのも おかしいのでないか。そう思っていました。茶会は多くの場合、文化財 の茶室であったり、寺院であったりかけがえのない建物の中で行います。 そこでは、ほんの少しの油断も許されるものではありません。失敗は起 らないように細心の注意を払うことが必要です。釜を懸けるため、特に 火の扱いは十分注意しなければなりません。飲食禁止の場所は、きちん と守ることも当然です。点前座の畳に醤油をこぼしたりするようなこと があっては、それこそ畳の入れ替えになります。ですから、こうしたこ とをわきまえることができる人達にのみ、こうした場で茶会を許される。 小生はそう思います。とかく人数が集まれば茶会も、楽しみ余興として のイベントに仮し易くなります。ここは、茶道を行う者として自ら律す べき肝要な所かと思います。4/1,15 去年バスツアーで高野山に行った時のことです。高野山の入り口に着い た時案内のお坊さんが乗り込んできました。ちゃんとそういう係りのお 坊さんがいらっしゃるんですね。バスの中での案内に、昼食の店と、奥 の院での案内でした。短い時間の中でちゃっちゃと高野山の由来やら何 やら説明して下さいました。その中で頭に残っていることがあります。 高野山では肉、魚は御法度です、しかし表があれば裏もある、裏通りに はちゃんと肉屋さんも魚屋さんもありますと。これを面白おかしく真顔 で、案内の中で話しされたのです。小生掲示板の方で、稽古だから茶会 だからと抹茶や菓子の質は変えないなどと書きましたが。内心、表もあ れば裏もあると一人思っていました。どちらも買うお店は小さいところ で、ものにムラがある場合があるのです。お抹茶もおいしい時もあれば、 匂いからしてこれはという時もあったり。ですから一番いいものを買っ ているだけなのです。一番いいと言っても値段はその店では知れている ので。お菓子の方も何かすると、べっちゃとしている時があります。そ れ以外の時はとてもよいのですが。ですから常に安定しておいしいのを 求めようとするなら、老舗で高い値段を出すほかないのです。小生は一 緒においしいのを作っていきましょうという気持ちで、これからもこれ らのお店を応援しようと思っています。お客さんにいいものを出したい ということ、それにお店を応援し育てて行くこと。裏と表にはそうした 意味があるのです。 バスツアーの話しを出したついでに。吉野山の花見に行って参りました。 義経と静御前が逢瀬を楽しんだ吉野、ロマンチックですよねー。初めて 行きました。山の中で何にもない所だと想像してました。山の中腹にい きなり門前市が出現して、それはすごい人、人、人。人の頭上越しから ちょっとだけ向いの山に桜が見えるという。本当たまげたー。観光地と いうとこと、一度は行ってみないと分からないものです。それで肝心の 桜はというと、もうほとんど終わってました。もっともソメイヨシノで なくて葉と花が一緒に出る桜なんだそうです。よかったこと、葛きりが 食べごたえあっておいしかったです。葛きりなんて、屁みたいなものと 思っていましたが、どうしてどうして。吉野に行ったらご賞味あれ。一 番印象に残ったのはバスツアーの添乗員の男の人。それはもう大変。ま るで休みなしで毎日、こうして案内しているという。お客は楽しくて当 たり前、ちょっとのトラブルでもお客はブーブー。仕事とはいえ毎日や れるかー。茶道での人のもてなしとは違う面もあるけど、この添乗員さ んの気苦労に比べれば知れているような。最後、名古屋に帰ってきた時 お客さん皆、彼によくやってくれたねと思わず拍手してました。4/14 * 平成13年2月のお稽古 2月25日 今時分、女の子がいるお家ではお雛さんを飾っているのでしょうね。知 り合いの家で飾っている雛飾りの写真を、メールに添付して送ってきた ので、使わせてもらいました。そこの家にはお嬢さんが2人いて、もう 大きいのですがね。女の子の居る家は華やかでいいですね。と、今月の 月釜は雛祭りに因んで、子供の人形を床に飾りました。陶器でできた平 安朝時代の男女の童、一対なんです。陶器ですから土でできているので すが、それは見事なんです。着物のたゆたゆっとした感じ、女の子の恥 ずかしそうにうつむいた様子。男の子が手にもった摘んだ花、何と心が 和む童か。本当人形とは思えません。この人形、昨年の瀬戸物祭りで母 が気に入って手に入れました。毎年、この時期だけ茶席に使うことにし ようと話しています、でもリクエストが多ければ花祭りの茶会でも出そ うかな。今度の花祭り茶会は4月の7,8日になります。もう桃も梅の 花も一杯咲いています。今日はお稽古の時、風でたてつけががたがた言 ってました。あれはきっと春一番だったんだ。もう春はそこまでやって きています。皆様にご多幸あれ。 デコポンというみかん知ってますか。ネーブルの逆ででべそなみかんな んです。四国の田舎から箱一杯送ってきたのです。それで変な格好した みかんだなーと思い、一口食べたわけなんです。んー、やっぱり変だな ーというのが第一印象というか。それがですよ、デパートの鹿児島の物 産展で、そのデコポンが出ているではありませんか。何と1個300円。 ひえーだ。昨日(3/11)すぐ近くの安売りの店でも売ってました、そこで も1個150円なんです。たまげました。どうも最初食べた時、皮をむ いで食べたのがいけなかったようです。そのままパクパク食べればよか ったのです。はっさくや伊予柑みたいに外の皮がむぎにくくないし、し かも身もそのまま食べれるという。そう考えると意外にデコポン、これ はいけるぞということになってきました。これなら一人もんでも、食べ れないことはない。ビタミンCもとらないとね。それにしても、四国か ら鹿児島のものが送られてきたのかな。近所の人からも、ボンタン飴を もらうし。鹿児島づいとるばい、おいどん。 陶磁器の買い方をひとくさり。瀬戸や常滑になんぞいいものはないかな と、たまに出かけることがあります。瀬戸物祭りであったり、ただの平 日であったりするのですが。瀬戸なんかは窯元もたくさんあって、陶磁 器会館とかそれはたくさん品があります。先ずは、そこに展示している 物を求めましょう。こんなんないですかと、へたに尋ねるのは止めた方 がいいです。奥の方から探してもってきてくれたものを、気に入らず断 るのはなかなか勇気がいるものです。たくさんあるのですから、じっく り探してその中から気に入ったものを買うこと。次に値切るのはやめま しょう。瀬戸では、いつでもすでに結構安い値段になっています。値切 るのでなく、気に入ったものであれば誉めることをしましょう。そした らこれも使ってみて頂戴とおまけしてくれたりします。以前、瀬戸物祭 りで負けてくれーとしつこいお客に店の人は、そんなに負けたら焚賃も 出んわと怒っていました。それに、しっかり物を見定めるまではべらべ らしゃべらないこと。特に我々は日常の雑器というより茶道で使えそう なものを見ているわけですから。情やその場の雰囲気に流されてはいけ ません、選ぶのは真剣勝負です。 * 平成13年1月のお稽古 1月28日 1月20日、朝しーんとしているのでどうしたのかなと外を見たら、し ずしずと雪が降っていました。車の上には10センチも積もっていまし た。そして翌日、名古屋でこれだけ降っているのだったら、関ヶ原は1 メートルぐらい積もっているぞ。いざ出陣!。11時に家を出て昼1時 前には関ヶ原の駅に立っていました。ありゃ、名古屋とあまり量は変わ らないぞ。これまで正月の間に何度も、関ヶ原にやってきました。いつ ぞやなんか、風に吹く音が名も無き武者達の叫び声のように聞こえ、震 え上がったこともありました。いや今でもここは恐ろしい所です。今日 はまだ行ってない陣屋跡に行こう、ある意味で歴史を左右した武将、小 早川秀秋が構えた松尾山です。石田三成の陣などとは反対の方角にある 山です。東名高速をくぐって、川を渡ったところ辺りから雪は20セン チぐらいありました。陣跡まで2Km弱程度、2時ちょっと過ぎに到着 しました。何と見晴らしのいい場所、小早川が高見の見物で動かなかっ た気持ちが分かるというものです。帰りは降り積もった雪道を、転げる ように走って降りました。30分もかからなかったような。さて、これ で気合が少しは入ったかな。来週の月釜、皆様のお越しをお待ちしてお ります。 10、11、12日の連休は3日間ともお寺の畑に出ていました。畑を やっていた外人さん、トーマスさんが居なくなってから畑もだんだん荒 れてきました。彼が居た頃は今なら大根なんかがにょきにょき首を出し ているところなんですが。これからどんどん雑草がはえて来るので、今 の内にせめて土をひっくり返しておこうと、スコップで土方作業をして いました。それに2年程前に山の中に出ていた椿の芽を、ベランダで育 てていたのが大きくなったので、それも植えてやりました。土を掘り返 すと、中に小さな虫がいるようで、それを目当てに鳥がやってきました。 すぐ近くまでやってきて畑に立てた竹の先っぽなんかに止まっては、畑 に降りてきてはついばんでいるのです。腹が黄緑で尻尾を上下に動かし ていました。他にも数種類やってきました。全然恐れる様子もありませ ん。こりゃ餌をあげないけないので、畑を耕やさないかんねーと鳥さん とお話しました。田舎から送ってきた伊予柑を食べて日長一日を過ごし たということでした。ふと、明珠在掌にありではいかんなー。外に出て いかなくては広がりがないぞ。坐すも真だが、立つも真。鳥に仏性有り や否や。さあ言え、答えなくば焼き鳥にして食ってしまうぞ。 * 平成13年になりました 正月は二日です。弟夫婦と子供がやってきてにぎやかです。皆さんはど んなお正月をしていますか。我が家ではだいたい二日の日に巻寿司を巻 くことになっています。そのための準備は結構大変です。海老と穴子は 28日ぐらいまでに買っておきます。海老はとりあえず冷凍して、穴子 は白焼きにしておきます。穴子は正確に言うとここら辺りではめじろを 使うことになります。さて今日二日小生が手伝ったことは。海老をゆが いたのを身をむしりました。そしてごく弱火で、しゃもじでずっとかき 混ぜながらおぼろにしていきます。味付けは少量の砂糖とほんの少しの 塩。だいだいを絞って、合せ酢にしてごはんを切っていきます。後は海 苔をあぶったとか、包丁をといだとか。まあ、いろいろですね。海苔は 最近すでにあぶったのばかりで、探すのに苦労しました。蒲鉾はなんと 一本750円です。そうそう蒲鉾も細長く切って、出汁で煮ました。途 中一休みに小生が八丁味噌で味噌汁をぱっと作りました。そんなこんな で十本以上巻けました。明日の初釜に来られ方は、ひょっとして... まだ正月の名残りが目の前にあります。大きな花瓶に入れた正月花が二 つ。一つはマンションのロビーに飾っておいたものです。マンションの 役員が回ってきた時にせっかくだから、何か飾りましょうかと一度飾っ てみたのです。それ以後は勝手に置いてしまっているのですが。本当は せめてマンションの入り口に注連縄もあるといいのですが、あまり他の 人らは気がないみたいです。ちょっと寂しいです。年末、暖かい日が多 かったですよね。それで何となく正月が来るという実感が湧きませんで した。例年ですと正月花の花材を求めて、母とうろうろするのですがど うも今回は。本当なら自生している猫柳とか梅とか、少しずつ集めてお くのです。そうしたので入れると全然勢いが違います。ダイナミックな 正月花ができるのですね。と言っても、小生は母の入れるのを手伝うだ けなんですが。茶花のように数少なく入れるのも難しいですが、こちら もまた難しいものです。 * 平成12年12月のお稽古 12月24日 今年そして今世紀最後のお稽古終わりました。静かに濃茶を頂きました。 今日は24日。もう本当残すところ僅かになりました。お稽古に来られ ている人達、それに小生の母に自分自身。皆、元気な体で年を越せそう です。幾ら茶道だ抹茶だ懐石だと言っても、体が悪ければそれどころで はありません。厄年とはよく言ったもので、人間永年使ってくるとどこ かかしこ故障してくるもの。若い時は考えもしなかったことです。小生 5日前から禁煙しました。健康のため止めることにしました。これまで なかなか止めることが正直言ってできませんでした。昔のようなきれい な空気の中でなら、たまに一服したとことろで問題なかったかも知れま せん。茶席には煙草盆を出すくらいですから。でも、今日汚れた空気の 中でかつ煙草を吸っていたら間違いなく肺癌になりそうで、恐くなりま した。止めて何となく体が少し軽くなったような気がします。来年はい いことがありそうです。人生の転機になるような事がありそうです。今 年最後の時に、禁煙ということで一つ歯車の向きを変えてみました。 * 平成12年11月のお稽古 11月26日 いかん。ぐちゃぐちゃになってしまった。 毎月のお稽古では間に休憩を少しとるんです。その時にいろいろな話し が出ます。ご夫婦で来られている方から美容室のベルジュバンズという のが髪にも体にもいいとお聞きしました。なんと旦那さんで証明済みと いう。男ははげるか白髪になるかどちらかでして、お寺の住職がもうそ ろそろ坊主になるかと手ぐすね引いている訳なんです。いやいやまだコ ンピュータのエンジニアとして第一線は引けないと、こちらもがんばっ ているのです。それにまだまだ若いつもりでもいるのですから。そんな 訳で、そのベルジュバンズとやらやってもらいました。これはかなり効 果が期待できそうです。聞いたとこによると美容室でも十軒に一軒ぐら いしかやってないそうです。そして結構なお値段をとるのが普通だとか。 紹介して下さったお店は、一回3千円程度。最近は街に飲みに行くこと も、とんと無いし。これでふさふさになる?なら安いものかな。でも実 のところ言うと、薄いのは後ろの方でして自分では見えないものだから、 あまり気にはしてないんですがね。 * 平成12年10月のお稽古 10月29日 たった今、足の小指の爪が取れました。夏、炎天下四国を歩いて真っ赤 になっていたのです。ちゃんと内側から新しいのがはえて来て、ぽろっ と取れました。最後のお礼参りでした。満願、さて何か願いがかなった でしょうか。かなったかも知れないし、まだなのかも知れない。でもそ もそも願懸け自体したのかどうかも。母が長生きしますように、あるい は自分のことお願いしたかも知れない。どうも四国のお遍路というのは、 欲のないところでのお参りのような気がする。全部回ったからと言って、 坊さんの資格がもらえるとか言うものでないし。それよりもっと強烈な のは、お接待を受けた体験だった。人にものをもらう、これにはがーん と来た。思わず頭が下がった。人に施しを受けるということ、尋常では ない。思わず自分の我や欲といったものが、その時だけでもどこかに飛 んでいったような気がした。みかん一つ差し出してくれたおばあさんに、 僕は茶道で人をもてなすなんて言うのが恥ずかしい。 10月のお稽古では常連さんが3人もお休みで、どうなることかと思い ました。それでも他3人と遠方からお一人おいでになり、にぎやかに会 を持つことができました。小生も久しぶりに着物にして、一点前しまし た。もう炉の季節なんですが、ここでは年中風炉のままです。それでせ めてと思い中置きにしました。4人の内お点前ができるのはお一人だけ。 こないだは奇麗に点前してたのに、今日は乱れてますねー。先生分かり ますか?。旅行で食べ物が合わなかったとか。お二人はお客さんの稽古 を。なんとなく体が固いので、肩をとってリラックスしてーと。手は裾 を押さえてと。何度か畳の上を歩いてもらいました。ゲストの方にはと もかく一服頂いてもらいました。雑きん掛け、一緒に花を採ってきて入 れてもらって。初めてのお茶の体験だったそうです。お疲れさまでした。 いかがでしたか、お茶というものは?。日常的でもあるし、非日常的で もありますね。小生は?。いやー、普段はコンピュータだらけで月に一 日だけ変身するんですよ。 来週19日は久しぶりに京都へ行ってきます。お家元に短期講習の時の 集まりがあるんです。もうずいぶん昔になってしまったなー。会社を一 週間休んで行ったもんです。大変だったー。今も当時と変わらぬスタイ ルで講習会はやっているようです。一生の思い出になります。男女とも 25才までなので、表で習っている若い諸君きばって行ってみるといい よ。何故25才までなのか、どうもそれ以上の年齢になると欲が出るの でいけないとか。そんなこと先生が言っていたような気がするなー。本 当全く欲のない時分なので、ぼんやり見過ごしたことも一杯あったろう なーと思うのです。てな訳でさっき、袴を着ける練習をしてました。今 年新調した袴なんです。講習に行った時、必要というので急遽作ったの は化繊で、なんか七五三みたいな感じで、これではいい歳こいていかん なーと思っていました。ようし、新しい袴着けたまま新幹線乗って京都 へ繰り込むかー。 京都は快晴、着物来たまま新幹線に乗り込んで行きました。袴は新調し たのでなく、小生のおばあさんが息子(僕からいえばおじさん)に作っ たのにしました。おじさんも昨年亡くなり、子供の頃から一緒によくお ばあさんの墓参りに行ったものでした。そう、袴は形見なのです。多分 55年ぐらい前に作ったものです。丈もぴったりで全然傷みがなかった です。それを着て表千家お家元の新席で一服頂きました。まさにふさわ しい。おばあさんもおじさんも向こうで喜んでくれたと思います。お家 元では玄関の若い方らがお点前をしてくれました。床柱には紅白の椿に 紅葉した葉が一枚。藁灰の手あぶりも出ていました。23才の時に行っ て以来ずいぶんと月日が経ちました。でも常に見守ってくれているよう な、そんな気が致します。それに恥じないお茶をやっていくこと。改め て肝に銘じる一日でした。 * 平成12年9月のお稽古 9月24日 さて今年もだんだんと残りの月が少なくなってきました。衣更えとはよ くしたもので、半袖では寒くなって来るのですよね。秋は茶会の季節で もあります。小生も幾つか行こうかなと思っています。掲示板にも出て ますが、徳川美術館での茶会の案内をしてもよろしいでしょうかとメー ルが来たのでどうぞと。この茶会なかなか券は手に入るものではありま せん。ちょっと高いですが、それだけの価値はあるかと思います。小生 は故郷のお祭りに帰ろうかな、どうしようかな、ここ数年毎年帰ってい たからなーと思案中でもあります。喧嘩太鼓と言ってきかんきの男衆ば かりの祭りなんです。数年前生まれて初めてその太鼓、かつぎました。 いや血が騒ぎましたねー。お茶なんかよりこっちの方が性に合っている ぞ。はっぴ着て酒飲んで、顔真っ赤にしているその時の写真を、どこか に埋め込んでみようかなー。あなたの故郷のお祭りはどんなんですか?。 10月19日、昨日からぐっと冷えて来ました。いやー、故郷の祭りも 終わった。ぐっとがまんで仕事してましたが、気もそぞろ。インターネ ットで逐一状況が伝わって来ます。祭りの山車とでもいうべき太鼓台を ちょっと紹介。重さ2トン、長さ11メートル、高さ5メートル、そし てそれをかつぐ人数が150人と言われています。町には45台の太鼓 台があって、それぞれの場所でかきくらべをします。そして何の因果か 毎年喧嘩がつきものなんです。一時多度の上げ馬神事が馬の虐待だとか マスコミがワーワー言ってましたが、それはそこに永年住む者でなけれ ば分からないこと。見物する人も半分喧嘩を期待しているわけなんです。 何てやばん!。太鼓台は移動していくので、それに付いて見物人も移動 していきます。ですから移動した後は、ただの寂れた町に過ぎないんで す。祭りの3日間は会社も学校も大方休み。女子はかつては振り袖を着 て男衆を応援しました。今でもちらほらいますねー。まるで祭りのため に生きているような人と町です。んー、来年は帰るぞー。 * 平成12年8月のお稽古 8月27日 8月最後の日曜だというのに、昨日のお稽古も大変暑かったです。雨が 降らないのでお寺の花畑もぐったりです。かろうじて家のベランダに咲 いていたのを使いました。何でしたか、母がつくっているので朝顔の小 粒な感じのでちょっと珍しい花なのです。この種を何故か彦根城の茶屋 にお裾分けしたそうです。そしたら大事に育ててくれて、垣根に巻きつ いているのを何年か前に小生も一緒に見ました。花一つで人、いろいろ な縁を持てるものだなーと思います。そうですよね、だから花言葉なん ですよね。小生も花を贈ったことがあったなー。でも、あまり語ってく れなかったみたい。たくさんの洋花よりも、そっと一輪の茶花の方が寡 黙だけど語っているような気がするなー。そうそう花の名前は桔梗朝顔 でした。もうそろそろ終わりです、そして夏も終わりです。 * 平成12年7月のお稽古 7月30日 7月のお稽古は全員で5名でした。常連さんだけね。稽古の日、少しは しのぎやすかったとはいえ、出てくるのはおっくうですよねー。平水指 しに長板、そして平茶碗にしました。といっても道具があまりないので レパートリーがないんですがね。絞り茶巾をやってもらおうと思ったの ですが、いかんやり方忘れてしまって。目下の関心が仕事のイントラネ ットの方に行ってしまっているので、かなり茶道を始め他のことがおろ そかになっています。そんなことで来て下さっている人に迷惑かけてい ます。すいません、来年からは茶道の方、気合いれますので。でも男は 仕事だと思っています。今、自分にしかできないことをやる。茶道は二 の次です。月釜の席主がこんなんではいけません?。 連日暑い日が続いています。今日8月5日暑気払いをしてきました。鰻 はいいから鱧を一口頂こうと、尾西の(元木)さんまで車を走らせました。 昨日思い付いて、今日の11時半頃電話して鱧を一品ぐらいとお願いし て1時ちょっと過ぎに着きましたか。口取りの後すぐに鱧の椀が出て来 てそれはおいしかったこと。もうそれだけでも満足してしまいました。 京都の川床料理のような凝った趣向はありませんが、どの料理一つとっ ても心配りが行き届いて、目が覚めるような思いが致しました。元木を 後にして今度は大垣に行って見ようと、橋を三つ渡って参りました。ち ょうど大垣水祭りと関ケ原決戦博で賑わっていました。写真は大垣城の 西手にある郷土資料館にある、いわれのある井戸水です。おいしい水で した。これだけでも来た甲斐があったというものです。一日よく遊ばせ てもらいました。本当いい暑気払いができました。んー、元気が出てき たぞ。 皆様、残暑お見舞い申し上げます。四国はお遍路のお礼参りに出かけて いました。炎天下、88番大窪寺から10番切幡寺、そして吉野川を渡 って11番藤井寺へ。お四国さんは88番まで来たら、10番に戻りそ れから1番まで行き、高野山で結願なんですね。いやー暑かった。たま らんです。アスファルトの道路で日陰がなく、おまけに足にマメはでき るし。もう体をひきずって、無心になるしかないという。できれば番外 札所も一つ、二つ参りたかったですが、今回は11番で止めとこうーと いうことで。駅に向かいました。以前休んだ喫茶店に和三盆のあんこが あって、それが上品でおいしいのです。お盆でもその店開いていました。 あんこ一袋買いました。そして徳島に出て、阿波踊りです。夕方6時ぐ らいから出るそうで、まだ昼で街をうろうろしてたら出くわしました。 太鼓の音に何とも上品でお色気のある踊り。いいなー。名残惜しいけど 高速バスで淡路を経由し舞子へ、後ゆっくり鈍行で名古屋に戻ったので した。貴方も四国参ってみませんか。いいですよー。 * 平成12年6月のお稽古 6月25日 あれ6月の分書き忘れていました。お濃茶をやってもらいました。その 方は、ここでは初めてでした。お点前する前に袱紗の四方捌きと、おし ふくの紐のほどき方を教えて、さーやってみましょうと。小生点前を横 で見ていたのですが、お湯の分量が少なかったというか、お茶の分量が 多かったというか、だいぶどろーとしてしまいました。お客さんに座っ た方には、初めてお濃茶頂く人もいてだいぶ騒いでいました。濃茶はち ょっとの湯の加減ですぐしゃびしゃびになるし、なかなか難しいもので す。5人分でなくて3人分にしとけば、まだ点てやすかったかなと思っ ています。 7月20日、夏になりました。本当に暑いです。名古屋では37度だそ うです。ついついアイスコーヒーを口にして、氷をポリポリやりながら 書いています。花畑も水不足でぐったりしています。今度のお稽古では 簡単な料理をと考えていましたが、ちょっとその気力が..。漫画のお いしんぼに出ていた、水対決でのご飯に湧き水の茶漬けを一度やってみ たいなーと思っているのです。お水は井戸水で、他は畑で採れた胡瓜を ポリポリとやってもらうという、至って簡素なものなんです。手を掛け たような料理は暑苦しい、さっといきましょう。そうねー、水茶漬けで なければ素麺もいいかも。皆様も不時のお客様にいかがですか。 だんだん蒸し蒸しして来ました。お寺の花畑の宗旦槿もそろそろ咲きか けています。宗旦槿、誰が名前を付けたのでしょうねー。利休の確か孫 に当たるんですね。生涯仕官せず貧乏だったので、乞食宗旦とも言われ ました。千家の中で本当の侘び茶を実践したのは彼だけだったかも知れ ません。なかなか貧乏もそう誰ばり簡単には体験できません。特に現代 のように不景気だといいながら、車を2台持つようなご時勢では。さて 侘びは金の茶室も造ってこそ解るというものなのか、それとも本来無一 物の中から出てくるものか。貴方はどっちだと思いますか。 * 平成12年5月のお稽古 5月28日 いやー本日のお稽古、今日は晴天でした。昨日の終日雨から少し汗ばむ 程のお天気でした。今日は小生も着物を着ました。総勢4人が着物でし た。初めての方もお一人みえたし、先月とは打って変わってにぎやかに なりました。お花はてっせんに縞あし、それに細い竹を入れてもらいま した。竹は水揚げが悪いとされていますが、切る時にすっぱーと切れば 結構もちます。一説によると切り口を火であぶるといいとかありますが。 まあ一度試してみて下さい。縞あしは知らない人にはただの雑草みたい なものですが、これからの季節涼しさが出ていい花材です。堀内宗心先 生もよく好んで入れられているようです。今日の縞あしは穂が出たもの でした。 雨が降ってはかーっと天気になって、草花は喜んでいることでしょう。 でも畑をやる人間にとっては大変なことで、草取りしても一週間で元の 木阿弥になってしまいます。剪定鋏があることにはあるのですが、ばか になっていて、ちっとも切れません。こんなんは砥いだことなかったの ですが、一度やってみたれーと砥いでみました。先ずは隙間をせばめよ うと鋏をかしめたる部分を金槌でたたいて、それから砥石をかけました。 おおー、結構これで切れるではありませんか。やってみるもんですね。 夏、こうやって外で汗を流していると、その年の冬は風邪をひかないみ たいです。少しお腹も出てきたみたいだし、当分これでダイエットしま す。いや出たといっても、ほんの少しだけですよ。 同門会の支部総会に今日、21日行って参りました。平日ですから会社 は休んでのことですが、滅多に休むこともないので、有意義なことには たまには休まなね。何と昨日も休んで、中日劇場で伊丹十三監督作品の あげまんを見ていたという。招待券もらったんでしょうがないわね。い やこれもよかったです。実に有意義でした。しかし、今日は二つたまげ たことがありました。先月初めて来られた方に会場でばったり。座って 一服してたら目の前を通り過ぎるので。いやー、貴方の方こそ先生じゃ ないですかと言うと、楽しい会なので今月もまた伺いますとのこと。そ れと会場入り口で青年部入会の申し込み書を出したところ、よい子の茶 道のかとうさんですねと即言われたのにはびっくり。こりゃ、おかしな ことはできんなーと思った一日でした。 * 平成12年4月のお稽古 4月30日 4月のお稽古はすがすがしいがしい風が茶席に入ってきました。桜の木 も花びらに代わって、緑の葉っぱを一杯につけています。花畑には八重 の山吹き、それにここでは珍しく藤がふさをたらしていました。二重切 りの竹に入れてみました。新しくお稽古に来たいという方がいたのです が、今日は見えませんでした。たいがい初めての方には、お花を入れて もらうのですが。ちょっと藤では難しかったかも知れません。そういえ ばだいぶ前、江南の曼荼羅寺の藤を見にいって、お茶席にあがったなー。 5月の連休中にはきっと釜がかかっていると思います。よかったらどう ぞ。 5月の14日、お天気もよいので気晴らしに母を連れて琵琶湖の方に行 きました。お目当ては秀吉が最初に城を築いた長浜近くの山です。小谷 城といって、信長に責め滅ぼされた城跡です。このお城には信長の妹で あるお市が嫁いでいました。お市はそれはきれいな人だったということ で。娘が三人いて、その一人が後で秀吉の側室になる茶茶です。だい ぶ前、NHKの大河ドラマで池上季美子が演じていました。あれは、は まり役だったなーと思います。前置きが長くなりました。そんなかんな で一度行ってみたかった。悲運のこのお城に登ってみたかったのです。 一宮から高速にのり、関ヶ原で降りてそのまま北上しました。山の間を ぬって琵琶湖側に出ました。信号があまりなく快調です。姉川の合戦の かんばんを横目で見て、小谷城の山のふもとに着きました。何もない所 です。一応城跡の様子を描いたかんばんがあり、あずま屋がありました。 そこに車をとめて登っていくことにしました。石段も何もありません。 登山道に近いです。聞いたことのない鳥だか蝉だかの不気味な泣き声が そこかしこから聞こえてきます。それで30分ぐらい登ったでしょうか。 休憩する場所があって、家から持ってきたおにぎりを食べることにしま した。全く何もありません。 それから小一時間登って行きました。城跡の入り口まで辿りつきました。 千畳敷の大広間があった場所とか、何とか丸といって、山の尾根に沿っ て細長く各所の跡がありました。これで最後という場所まで来た時、雨 が降ってきました。しんしんと雨が降って、やはり少し恐い感じがしま した。しかし、よくもまあーこれだけ何もないもんです。落城前、信長 との約束が裏切られて、徹底抗戦して焼け落ちたということです。帰り は関ヶ原の古戦場跡にも寄りました。以前冬の寒い日、独りで歩いた時 は身震いしたことがありました。ここら辺りは今でも何もない所です。 たまにはこうして歴史を尋ねてみるのもいいことです。 * 花祭りの茶会 4月の8,9日 毎年、恒例の花祭りの茶会の時期になりました。1月は永く感じられた のですが、やはりそれから日にちが経つのは早いものです。ここしばら く風邪引いてしまって、準備はまだ何もできてません。炭もないし、灰 も直さないかんし、まんじゅう今度は何にしよう。会社の方も、人事異 動の季節でごたごたするし、本当大変ねー。皆さんもそれぞれ大変だと 思います。でも、8日にもなれば少しは落ち着いてきているかな。一服 しましょう、お抹茶で。このお茶会、いつもかなり悠です。どうぞ遊び においで下さい。一服300円です。 *** 花祭り茶会の余韻 *** 無事、今年の花祭りの茶会を終えることができました。六年前に稽古に 来ていたおじいさんが、先生お久し振りですとやって来てくれました。 お元気そうでしたが、足が悪くなり腰掛に座って頂きました。よくぞ生 きておられた。その間、いつも着物きて楽しみにやって来られていた御 婦人が一人他界されていました。やっと定年になりこれからという時に、 今でもその方の姿が目に浮かびます。何年もこの部屋で一緒に稽古し、 この茶会ではがんばって頂いた。見渡せば、お子さんや御主人が病気だ ったり、あるいは事故で亡くされていたり。人はそれぞれ様々な思いを ひきずりながら生きている。僕はそうした人達を静かに、変らぬ姿で迎 えてあげるしかできないではないか。 よく茶道は、お茶会はおいしいお茶を出すこと。楽しい一会にすること だと口にするのを聞きました。それはそれで正しいのだけれども、小生 のこの花祭りの茶会では、それだけでは済まないものがある。来年のこ と、いや明日のことでさえ分からない。来年も自分が元気でいるのなら、 ようこそとまた迎えてあげなければ。後片付けを終え、夕方五過ぎお弟 子さん達を見送りました。来年もぜひお願いしますねと言って。お一人 は着物を召したまま桜の花満開の下、坂を下って行きました。花をみな がらゆっくりと。その姿がなんともいえなく美しかった。哀しいような 美しさがありました。多くは語らないし僕も聞きませんが、悲しいご事 情があるようです。 それが坂を下って行く、後ろ姿に映されたような気がして。僕は息を飲 んで見送りました。皆がんばって生きていきましょう。そして何とか体 が動くのであれば、また来て一服召し上がって行って下さい。来年もお 待ちしております。 * 平成12年3月のお稽古 3月26日 今度の花祭りの茶会は4月の8,9日になります。このホームページを いつも見て下さっている方、どうぞお越し下さい。いっけんてどんな奴。 女性の方は小生の首実験、大いに歓迎。茶の湯メーリングリストの方も お誘いあわせの上、御来山ください。できれば飛び入りでお手伝いして 欲しいぐらいです。一緒に楽しいお茶会にしましょう。お待ちしており ます。 ところで小生、ひょんなことからシルク肌着のインターネット通販を応 援することになりました。着物が絹だったら、肌着も絹がいいですよね。 オールシルクで身を包む、なんて贅沢なんでしょう。最初ご婦人用しか その店扱ってなかったのですが、店長くどいて紳士用も扱ってもらえる ようにしました。お値段の方もだいぶがんばっています。一度ご利用し てみて下さい。もちろん小生、普段もシルクになってしまいました。 アドレスはこちら、http://www.tcp-net.ad.jp/sibani/。 * 平成12年2月のお稽古 2月27日 上の写真は香合です。瀬戸の陶芸家で人形を土で作っている女性の作品 です。蟹が可愛らしくて思わず買ってしまいました。人形の方も置いて ありました。それは見事なものです。あのふにゃふにゃした土で、着物 のたゆたゆっとした感じが出ているのです。蟹は沢蟹を捕まえてきて、 側で見ながらこさえたとか。やっぱりいいものはいいですねー。陶器の 香合は丸い正露丸みたいなお香を入れて、炉の時期に使います。でも沢 蟹だから夏のイメージです。風炉で香木を入れても爽やかな感じですね。 夏、四国の田舎に帰ると青蛙がいて沢蟹もいたような気がするなー。遠 い日の思い出のような・・・。まだ、その青蛙います。 思いもかけず、今日のお稽古はたくさんの方が見えました。なんと8年 前の花祭りの茶席に座られたという人が、外人さん二名を伴って来られ ました。外人さん日本語も達者で、おまんじゅうを喜んで食べていまし た。一宮のお嬢さんも友達二名連れて来て下さったし。檀家の方もまた 二名と、おおにぎわいでした。土曜日は名古屋でも雪が降り出し、こり ゃ明日の会は誰も来んぞと思っていたのでしたが。最近少し弱気になっ ていたところでした。嫁さんのあてもないし、一旗挙げる目当てもない し、だめな男だなーとため息をついていたのです。こんなんで会続けて もなー、なんて。 でも8年も経ってふと来てくれる人もいる。やっぱり続けないかんなー。 10年前にこのお寺の夏の禅の合宿に来た子供たち。もう立派な大人に なっているはずだ。会社を終わってから駆け付け、点前を一週間教えた。 まんじゅうにつられて目を輝かせて茶せんを振っていたことが思い出さ れる。その子達がひょっとすると、あらためてやって来るかも知れない。 来ても来なくても、迎えてあげる用意をしといてあげな。自分の今でき ることは、結局そういうことなのだ。やはり自分は、もう坊主になるし かないのだろうか。自問自答するいっけんさんでした。 * 平成12年1月のお稽古 1月30日 皆様どのようなお正月を過ごされましたでしょうか。小生は3日の初釜 とその後の新年会の準備なんかで忙しくしていました。なんと巻寿司を 母と作っていたのです。えびのおぼろを作って、あなごも焼いて、お酢 はだいだいを絞ってと本格的なやつです。僕の故郷ではえびとあなごが なければ、巻寿司は作らないという人もいるぐらいです。正月花もどー んと入れました。花材はそこらの野山から採ってきたものばかり。紅白 の猫柳でボリュームを出しました。いや生けたのは母なんですがね、僕 も少しだけ。茶室のしだれ柳もなんとか。柳を探してうろうろしました が、すぐ近くにありました。それに侘び助けの白と、紅は山茶花にしま した。ろうばいも一枝入れました。花入れはもちろん、自作の竹二重切 りです。 * 平成12年初釜 1月3日 さて2000年になりました。子供の頃21世紀なんてのは、はるか向 こうのことだと思ってました。本当は来年が21世紀なんですが、いい じゃないですかもう。ともかく感無量な面持ちが致します。30日には お寺で餅つきで、その薪の火で竹の油抜きをしてました。31日には2 時間ばかりかけて、竹の二重切りの花入れをこさえました。さっき、そ こら池の辺りをうろうろして柳を探してましたが、ないですねー。1本 あったんですが、どうも弱い。ぽきぽきと折れてしまう。柳はそこへん にありそうなもんですが、あっても市がきれいに刈ってくれてしまって。 まあ、なければ柳はお寺にある猫柳で代用しよ。自然のままの猫なので、 勢いが違います。つらつらと書いてしまいました。本年も皆様、よろし くお願いします。