『 徳林寺・花まつり茶会によせて 』 平成十二年、三月二十七日 さて、もう27日になってしまった。春先はちょっと油断すると体調を崩してしま います。病院に行ったついでに風邪をもらって来てしまい、ここしばらくダウンして ました。今年は書くことがないなー。思い付くまま気の向くままということで、今回 は許してもらいましょう。茶道のホームページもほとんど手を付けてなかったのです が、それは本業の方が面白くて。忙しいというのとは違いますよ。小生、本業はコン ピュータのエンジニアなんです。ここ4〜5年は、インターネットですよ。その技術 をずっと追っかけてきました。いよいよ、おおずめでしてオブジェクト指向にXML に Java の組み合わせによるプログラムを考えている最中です。これは茶道なんかよ りはるかに面白い。やはり男は仕事が第一です。茶道は趣味、それでいいんです。ん こんな出だしで茶会の案内になるのかな。こりゃ困ったことになった。 何を書こうかなー。そうだこの茶道のホームページに寄せられたメールから話しを しよう。大兄で始まったメール、これはなかなかよかった。しぶしぶ茶道をやるはめ になった男性から来たメールで、今年はもう辞めようと思っていたところ、このホー ムページを見て思い止まったという。えらく長いメールで、長老にはめられて茶道ク ラブの世話人にされてしまったとか。毎度正座にしびれを切らし、いつ抜けようかそ ればかり思案していた姿が想像できました。でもよかったね。本当は茶道は楽しいも のなんです。そのことが小生のホームページで、少しでも分かって頂けた。うれしい 限りです。男も若い内は楽しみもあるのです。うら若い女性に囲まれて、華やかな雰 囲気で稽古するというのは楽しいものです。でも、それがおばさん、じいさんばかり では面白くないわなー。分かる分かる。分かるでしょー。 次のお話し。これはびっくりしました。謎めいた女性からのメールでした。だんだ んメールをやりとりする内に、ひょっとしてこの女性と会ったことがあるのでないか。 いや昔好きだった人が名前を変えてアクセスしてきたのでないか。インターネットの 世界なら十分あり得ることです。一昔前なら、別れたらそれでおしまいだった。それ がどこかのホームページに名前があれば、検索して近況を知ることができるわけなん です。実のところはただの思い過ごし。でも会ったことがある人でした。何と表千家 の短期講習会に同じ時にいった人でした。相手も最初僕だとは気付きまでした。ホー ムページでは Mr.Ikken Katou とか、かとういっけんとしてますから、分かりません わね。この方、意外にも近くにいてお稽古にも来て下さいました。懐かしかったです。 まあそれでお互い面が知れたので、一件落着ってところですかね。 もう一人がんばり屋さんの女性の話しを。このホームページを出してしばらくして お稽古に来たいという女性からメールを頂きました。ちょうど子供も大きくなり、自 分の時間が持てるようになったのでということでした。奇麗な方で、最初お寺にみえ て車から降りるのを見ていたのですが、まさかこの人のことじゃないよなと思ったぐ らいです。それから1年ぐらい来て下さり、去年の花祭りはお手伝いもして頂きまし た。今は大学に入り勉強中です。家庭が既にあっての勉強は大変なことです。卒業し てからまたおいでと言いました。まだ若いし、茶道は逃げていきはしないからと。こ の方、来ても黙ってにこにこしているだけでしたが、漆器の体験をしに奈良井宿まで 行ったり、地元の学校の体育館にスポーツしにいったりとすごくアクティブな人でし た。小生、もはやおじさんの部類になり動きが鈍くなりつつあります。この方を見て 元気付けられました。ありがとう、本当にありがとう。また来てね。 果てはて、これじゃ落ちも何もなくなってしまうな。茶道そのものでないけど、こ うしていろいろな方と触れ合うことができた。皆それぞれの立場で一生懸命、生きて いるなーと感じます。小生仕事は仕事で面白いけど、コンピュータ関係の仕事は結構 孤独なもの。パソコンとインターネットがこれだけはびこって来て、だいぶ我々の仕 事も理解されてきましたが。本当、最近のことだよね。それが、こんな形で人との触 れ合いが生まれるなんて、コンピュータやってきて良かったー?。でもお茶はインタ ーネットでは飲めませんね。出あいのきっかけ、そしてリアルな世界での一服を。皆 さん花祭りの茶会でお会いしましょう。百聞は一見にしかず。この男若いのか歳なの か?。疑問も多々お在りでしょう。逆に小生もこのホームページを黙って見ている貴 方にお会いしたいです。本当、とりとめも無くなりました。バーチャルからリアルへ、 これで落ちと致しましょう。 花まつり茶会 − 四月八、九日 方丈にて 一服三百円。           徳林寺・茶道指南  かとう いっけん