永遠と一日

満 足 度
62.5%
回答者数12


★★★
From: NSAKA(MAIL) 7月 7日(水)13時42分05秒
そういちさんのご意見に対して、(残念ながらNO_MAILでしたので)だいたい同感ですが少し書かせてください。バス中の赤旗が持つ意味はだいたいそのとおりだと思います。ただおっしゃるほどの意味の強さは、個人的にそこには無いと思います。つまり、下でマキさんが書いておられる「あそこだけカラーのようにはっきりしていた」が最重要ではないか、と。 あれは隠喩以前に視覚的なスペクタクルが先行していると考えます。 沈んだバスの中にあの巨大な原色の赤がいきなり置かれるわけです。彼が眠るのは、 騒々しい外界(政治・人種問題も渦巻いているでしょう)から詩の世界(バスの中)に乗り込んで来た為で、外では叫び走っていただろう彼も眠るのだと思います(彼が起きていれば、視覚的効果である赤は幾分弱まります)。楽器を抱えて乗り込んでくる若者達がいきなり演奏を始めるのも、意味に先行している素晴らしいシーンです。(逆に言えば)意味を超えるからこそ、素晴らしいシーンになり得ているのではないでしょうか。まして外を自転車で走るカラフルな3人組(?)に意味を求めるのは困難です(「こうのとり」にも「霧の中」にもこの手の人達が登場しましたね)。あれは意味が視覚的な効果に負ける瞬間だと思います(極端に言えばあれは「シェルブールの雨傘」のオープニングのように幾何学的な色彩を配しているに過ぎないように思える)。 アンゲロプスは深い隠喩や象徴で難解に思われがちですが(実際そういう面も多いですが)同時に、ただ見て圧倒される映像を造るサービス精神にも溢れているようです。僕にとって彼がタルコフスキーの不在を埋めてくれる存在である理由はそこにあります。巨大な右手(?)の石造が海から引き上げられたり、レーニン像が河を渡ったりするのは(そこに意味を求めることも可能でしょうが)、タイタニックが沈むのに負けないくらい視覚的にダイレクトなスペクタクルです。そういちさんが最初に書いておられる「バスのシーンの素晴らしさは言葉では言い表せません」はまさしくそれでしょう。 意味を超えている為に、それを見ていない人に言葉で伝えることが出来ない、至上の映像なのだと思います。
★★★★
From: そういち(NO MAIL) 7月 3日(土)16時03分17秒
実は2ヶ月以上も前に見て、その時投稿させて頂いているんですが、ちょっと気になった点があり、もう一度見に行きました。(2回目の投稿という事を失礼と承知しつつ)その事について書かせて頂きます。(一緒に見に行った彼女は爆睡してましたけど・・・・・。)気になった点は、バスのシーンです。勿論あのシーンの素晴らしさは言うまでもない事ですが、あのバスに乗ってくる、赤い旗を持った学生の描き方が、少し引っかかっていました。彼が手に持つ赤い旗(その大きさにも注目)が何を意味するのか?あれは紛れもなく、左翼主義(共産主義)のシンボルを意味している物でしょう。アンゲロプロス自身若い頃、左翼主義の政治活動に身を置いていた事もあり、又彼の過去の作品群からも、彼のそのような主義が伺えるだけあって、この作品で、この様な隠喩表現を使うのは、何も不自然な事ではないと思います。しかし気になったのは、その赤い旗を持った青年が、バスに乗り込むと、すぐに寝てしまった、という点です。何故寝てしまったのか?俺はこのシーンを初めて見た時、彼は、集会から帰って来て疲れてしまったからだろうと思ったのです。そして、この「疲れて寝てしまった左翼主義の青年」という描写には、アンゲロプロスのメッセージ、「今、世界的にみて左翼主義は疲れて(疲憊)いるのだ」というのが込められているのだ、と思ったのです。だとすれば、年齢的に老いてきたアンゲロプロスにとってこの作品は、若かりし頃のあの力強い作品(メッセージ的にという意味で)と比べて、少し弱くなった自分をさらけ出した物ではないのか、と思ったのです。しかし、2回目に見た時は、こういう風に思いました。「疲れて眠ってしまったのではない。ただ、休んでいるだけなのだ」と。つまり左翼主義は、将来再び躍り出る(この表現には少し語弊があるかもしれませんが)為に、今は休んでいるだけなのだと、アンゲロプロスは言いたいのかもしれない、と。何故なら、あの青年の顔付きが、本当に凛々しくて、いかにも、明日への希望をもっている人の表情に見えたからです。だとすれば、アンゲロプロスには、未だに燃え盛る自分の主義主張を訴えるだけの精神性を持っているのだと、思いました。まあ、どちらの解釈が正しいのかは本人に聞いてみないと判りませんけどね。あ、誤解のないように言っときますけど、俺は共産主義者ではないですよ(笑)。>マキさん国境のシーンでの、あの黒い人影。その直前の少年のセリフ、覚えていますか?あの人影は、アルバニア(紛争が起こってた国ですよね)という国から、国境をこえて脱出したくても出来なかった人達を、象徴しているのだと思いますよ。つまりは隠喩描写です。国境の金網をよじ登ってでも、向こう側に行きたかった人々の・・・・・。確かに島国に住んでいる俺達にとってみれば、国境という存在が、ヨーロッパの人達にとって、どれほどの重みを持っているのか、その実感が湧かないのは当然かもしれません。でも逆に言えば、それほどアンゲロプロスという人は、(国境が身近な存在である)自分の民族性(ギリシャ人)とその歴史を、強烈に自覚し、痛烈に外にアピールする事に、殊のほか意識している作家と言えるのかもしれません。長きに渡る駄文、大変失礼しました。
★★
From: マキ(NO MAIL) 6月 30日(水)11時31分11秒
友達といったけど、時々意識がとんでしまいました。それでも、特に印象的だったのはバスのシーン。なんかあそこだけカラーのようにはっきりしていた、と思う。全然映画には詳しくないけど、これはむしろ「観る」より「読む」という感じ。あの曲もとてもよかった。あんな曲もいいもんだなぁと久しぶりに思った。けどやっぱり難しかったから、もっと集中力ついたらまた観てみたい。ひとつ不思議だったのは、国境のシーンであの灰色の雪の世界のバックにたくさんの黒い点のように人がいたけど、あの人たちは何をしているのかな、と。なんかある人はモゾモゾして降りてくるように見えるし、別の人は全く動かないし。しかもみんな高低差があるから、どんな状態でいるんだろうと疑問として残りました。
★★★
From: オグ(NO MAIL) 6月 25日(金)13時49分44秒
なんだかとても難しかった。映像と曲はすごく良くて、何かそそるものがあったけど。一緒に行った友達はウトウトしていましたよ。
★★★★
From: KOU@神楽坂(MAIL) 6月 15日(火)01時00分37秒
ここまで難解にしなければいけない意味がわからなかったけれど。作品のテーマは、美しい映像は、老人と少年の笑みは、僕の脳裏に強烈な印象を残してくれました。
★★★★★
From: よしともよもしと(NO MAIL) 6月 6日(日)12時05分37秒
とにかくすごかった。バスのシーン、そして、少年の友人が死んでみんなで弔っているシーン。カラダの内側からグっとおされているような感じになりました。すべての主演者に一貫していえたことは、みんな、悲しい顔(泣き顔)などの表情が笑っているようにもみえることマッタク逆の感情からでる表情が、似ていたというのは印象的だった。ライフイズビューティフルよりも生きる美しさを学べると思います。
From: mori(NO MAIL) 6月 6日(日)02時35分24秒
あらすじを読んで面白そうだなと思ったけど、正直言って期待はずれでした。こういう単館ロードショー作品って一般受けしないだけあって当たり外れが大きい。いくら映画的、芸術的に素晴らしくても、のれなかったらあとは苦痛です。いわゆる映画通の人には評価が高いようだが私はのれませんでした。途中ちょっと寝てしまいました。まわりにも寝てる人いました。人それぞれ、感じ方は違うものですね。
★★★★
From: ハスラー清水(NO MAIL) 6月 5日(土)02時26分56秒
アンゲロプロス監督作としては星5つとはいかず(それだけこの監督の評価が高いのだ景」がやはりベストで、子供が重要な地位を占め)。「霧の中の風景」と、子供が重要な役割を持つている点で類似してるが、「霧の中」のほうが心の機微をよく表現していていい。今回の作品は監督が年を取ったのかなぁといったところで何か自伝的な要素があって(ない?)、バスのシーンなど幻想的なシーンはさすがアンゲロプロスという感じなのだが、そもそものテーマが「永遠と一日」でやはりかなしいですねぇ...。否定的主題即ち「死」から最後の「愛」への飛翔、それを描ききっただけでもブラボー!なのですが、何でブルーノ・ガンツ(アレクサンドレ)はそんなだったのでしょう(理解力不足?) 僕は前述の「霧の中の風景」をアンゲロプロス抒情詩として特に絶賛します。又、「旅芸人の記録」は初期作品として力強さでもって時代の変遷と人々を描ききった文句なしの快作で、4時間という長さを感じさせず、ぐいぐいと引き込まれます。従ってこれら星5つの作と比較して星4つという評価です。
★★★
From: ノビー(NO MAIL) 5月 31日(月)20時43分17秒
う〜ん、理解するのが難しい。それは、ぼくが若いからか、それとも無能だからか、分からない。でも、印象的なシーンはいくつかあった。建物から出て、そこに海が開けている場面。それが、主人公の目線でゆっくりと撮られている。それから、バスの中で、言葉を買う詩人と対している場面。シーンというより、この人物に興味を持ってしまった。結論を言えば、ぼくにはこの題名の意味がいまいちピンとこなかった。ラストで解き明かされてはいるのだが。一度で判断するには難しいというのが率直なところである。
★★★★
From: NSAKA(MAIL) 5月 29日(土)20時28分42秒
私もブラボー。アンゲロがファンタジーを撮った。子供主演の「霧の中」以上にファンタジー。もちろん「国境」「断絶」と言ったお馴染みの主題、気の遠くなる長回しは健在だけど、その全ては眉間にシワなくファンタジーへと向かう。つまり...後半のバス、あれがトトロの「ねこバス」であることを了解しないとこの映画はこれまでのアンゲロプスと大差ないものとなってしまう。そしてアルバニアとの国境のシーン、これまで以上に悪夢的に描かれるが言い方を変えれば、これまでほどリアリズムを追求していない、つまりファンタジーへと向かう。 ファンタジーたるもの夢心地の幻想ばかりでなく、このような悪夢的光景をも内包しなくては本物ではない。エレニ女史の音楽(「ユリシーズ」と似てる)もかつてなくファンタジーでサントラも買い。もう一点どうしても触れねばならないのがフレーム。 1ショット切れ目なしで時空を飛び越えるのはお馴染みだが、今回やたら連発するのが、被写体(人物でも物でも)をフレームのど真ん中に置き、それを真正面から撮る、という一見単純に見えるもののその徹底ぶりは不思議な感動を呼ぶ。中心から中心への長回し、もちろんラスト・シーンはその極めつけです。
★★★★★
From: ハレー彗星(MAIL) 5月 12日(水)23時13分45秒
ブラボー。実は夜勤明けに見に行っただけに、眠いシーンもあったけど一方で、言葉を買う詩人ソロモスのシーン、バスのシーンは誰に対してもアピールするんじゃないかと思います。海辺のあずまや風の建物を通って、カメラが進んでいくところの映像は、個人的にかなり気持ちよく、癒しの効果すら与えてくれました。実はアンゲロプロス映画って「ユリシーズの瞳」以来、まだ二回目なんですが、そんなに作風変わってるわけでもない気がするのに前作より全然良く感じたなあ。というか「ユリシーズ」の内容ほとんど覚えてないよ(汗)
★★★★
From: そういち(NO MAIL) 4月 29日(木)21時07分19秒
一見、ベルイマンの「野いちご」やビィスコンティの「ヴェニスに死す」をミックスしたような作品とも採れるが、さすがアンゲロプロス、今回も彼独自の不変的なスタイルで、素晴らしい作品を見せてくれた。言葉(とその響き)の美しさ。詩的且つ神秘的な映像美術。抑制のきいた俳優陣。そして音楽。その全てが心地よい。(特に、老人と少年の二人がその別れ間際に乗るバスのシーンの素晴らしさは、とても言葉では言い表せない。)それにしてもこの監督、本当に、冬や雪、つまり「白」のイメージがよく似合うし、その表現の仕方が上手い。と言ってもカラフルなイメージではなく、モノトーン的な「白」。綺麗というよりも、どこか切ないような感じ。やっぱりそれは、ギリシャという土地独特の、土着的雰囲気に由来しているのだろうか。ただ断っておくが、間違っても「面白い」映画じゃない。アンゲロプロスを知らずに、カンヌでパルムドール獲ってるからという気軽な気持ちで見に行くと、大変な目にあうでしょう。(現に寝てる人、たくさんいましたから。)それでも、映画に対してエンターテイメント以上のものを求めている人、映画を芸術として、後世に残る文化として捕らえている人には、是非観て欲しいと個人的には思う。(・・・余計なお世か?)