マイ・ネーム・イズ・ジョー

満 足 度
50.0%
回答者数5


★★★★
From: そういち(MAIL) 9月 26日(日)18時43分09秒
もう2ヶ月以上も前に観た作品ですが・・・。前2作、「大地と自由」「カルーラの歌」で自らの視点とメッセージを「外」に向けていたK・ローチが、久しぶりに彼のバックボーンである英国の小都市、小市民的世界に、戻ってきてくれた。しかもそこで展開される彼独自のアイデンティティーは、いささかの揺るぎも迷いもない。「ケス」と「レディーバード・レディーバード」を英国映画史上最高の作品と考えている自分にとっては、その事実だけでも嬉しい。英国は貧富の差が非常に激しい国。労働者階級に生まれてしまったら、そこから這い上がるには、映画スターになるかサッカー選手に成るぐらいしか道はない、というのを聞いた事があります。そんな中で、K・ローチは常に一貫してそうした労働者階級の現実、(失業、麻薬、そこから派生される暴力といった)彼等が直面している問題を冷静に直視し、且つそこで生きる人々を暖かく描いてきた作家である。一見こうして書くと、彼を社会派監督の様に捉えがちだが、確かにそうした一面はあるにせよ、(それでも環境改善、社会改革などを声高に叫ぶような陳腐な手段は決して使わない。彼はただその現実を日常風景の一つとして、私達に提示するだけなのである。)彼が本当に描きたいのは、こうした現実に翻弄されながらもそれでも精一杯生きようとする人々の姿である、という事に気づくだろう。(サッカーボールを懸命に追う彼等の生き生きとした姿、冗談を言い合ったり、いたずらをする時の、あの屈託の無い笑顔を見れば、それは瞭然である。)ただあまりにも彼等を取り巻く環境が苛酷であり、そしてそれを捉える彼の視点が非常に冷静(余計なロマンチシズムを挟み込まず、厳しく現実を直視する、と言いかえる事も出来るでしょう)な為、つい私達はそうした点に目を奪われ、彼の作品から何とも言えぬ「重さ」を感じてしまうのである。Poohさんが指摘している様に確かにこの映画は「人間の弱さ」をまざまざと見せ付けます。しかし、あそこで主人公の甥が死なず、ジョーも酒を断ち、万事無事解決、ハッピーエンドという展開になってしまったら、それこそハリウッド(御都合主義)になってしまう。その様に描く事は、彼等が住む世界を否定する事に繋がるのではないだろうか。現実は映画のように甘くは無い。現実を直視し続けるK・ローチにとって、映画と現実を切り離す行為は彼自身のアイデンティティーの喪失を意味する。(とあるインタビューで彼は「ロマンチックな作品なんて、絶対言わせない」と言ったそうだが、こうした点を踏まえると、この言葉にはこれ以上にはない力強いメッセージが込められている。)ただ、そんな中でも救いの手、優しい視点を、あえて主人公達に差し伸べる事で、精一杯生きようとする彼等に、最大限の愛と敬意を表するのである。(余談だが、この、労働者階級の人達の現実を直視すると同時に、彼等を暖かく見守るという点から、僕は山田洋次との少なからぬ類似点を見ます。)一度は別れた男女が再び手を握りあって坂道を下っていくラストは、彼なりの最大限の「励まし」であり、二人に託した「明日への希望」なのである。正直に言えばこの作品は、K・ローチの最高傑作ではない。(未見の人は「ケス」と「レディーバード・レディーバード」を是非観て欲しい。特に「レディーバード・レディーバード」なんて・・・・・、めちゃくちゃ重いっす。重いのが嫌な人は「レイニングストーンズ」がお勧めです。)だが、彼は英国史上最高の監督の一人であるという個人的な考えは、揺らぐどころか更に強くなった次第でした。最後に、この作品で氾濫する酒と麻薬という観点から、この作品を「トレインスッポティングへのローチからの回答」と評した大場正明氏の論文は、非常に納得できる物でした、という事を付け加えておきます。
★★
From: Pooh(NO MAIL) 9月 24日(金)11時21分52秒
暖かく励ましてくれるような映画だというようなイメージを持って観に行った私にとってはちょっと期待はずれ。人間の弱さを見せつけられたような感じがして淋しくなってしまいました。でも、そんな気分に浸りたいときには良いかもしれません。
★★★
From: (NO MAIL) 9月 14日(火)01時10分44秒
ラストはどうなんでしょうねぇ…。いい映画なんですけど、ラストがああだと映画全体の印象がマイナスになってしまいますね。
★★★
From: KOU@神楽坂(MAIL) 9月 13日(月)09時58分46秒
イギリス人でも、ブラジル代表のユニフォームに袖を通してみたくなるものなのでしょうか? サッカーファンの素朴な疑問でした。
★★★
From: すずまき(NO MAIL) 9月 12日(日)22時01分40秒
ケン・ローチって割合、好きなんですが、最後があまり、好きになれませんでした。