1960年代
ぼくの採点表

by Juzaburo Futaba


映画雑誌「スクリーン」に掲載していた映画評論家:双葉十三郎氏の短評を紹介します.
評価基準は下記の通りですが,ここではダンゼン優秀な★★★★以上のものだけ抜粋しました.

★★★★以上   ダンゼン優秀
★★★☆☆☆ 上出来の部類
★★★☆☆ 見ておいていい作品
★★★☆
★★★ まア水準程度
★★☆☆☆ 水準以下だが多少の興味あり
★★☆☆ 篤志家だけどうぞ


1940年代・1950年代 | 1970年代 | 1980年代 | 1990年代


ア行
アパートの鍵貸します ★★★★ サラリーマン諸君、BG諸嬢、必見の名画であります。
アポロンの地獄 ★★★★ ロケも地獄的魅力じゃよ。
甘い生活 ★★★★☆ 甘い生活は辛いのだ。
アラビアのロレンス ★★★★☆ ルドルフ・ヴァレンチノの美男シークが出てこないのが物足りない-オールド・ファン
アルジェの戦い ★★★★☆ どこかの労働者・学生諸君、いくらでも場面がすばらしいからってまねしないでね。
イエロー・サブマリン ★★★★ ディズニーさんも降参するでしょう。
怒りの葡萄 ★★★★ -
いつも2人で ★★★★ オードリーのファッション・ショウでもあるのデス。
異邦人 ★★★★ 原作は一時間四十四分じゃ読めないよ。
ウエスト・サイド物語 ★★★★☆ -
エレクトラ ★★★★ 本場モノはやっぱりホントの味だなア。
おかしな二人 ★★★★ 台所に入るのが好きな亭主族は身にしみるなア。
大人は判ってくれない ★★★★ -
俺たちの明日はない ★★★★ 俺たちに明日はある-ニューシネマ派。


カ行
かくも長き不在 ★★★★ たしかにこんな味のいい映画、長らく不在でした。
家族日誌 ★★★★ マストロヤンニは笑わせない好演も出来るのです。
カラマーゾフの兄弟 ★★★★ 読むよりラクな本場本格版。
華麗なる賭け ★★★★ ポケットが淋しい客席のワレワレもゼイタク泥棒気分になれます。
暗くなるまで待って ★★★★ 早く見たくて、暗くなるまで待っていられないデス。
グラン・プリ ★★★★ 映画というより自動車のショウ(笑)ですな。
黒いオルフェ ★★★★ ほかの映画のカーニヴァルなんかメじゃないよ。
恋人帰れ!わが胸に ★★★★ マッソーにしてやられたレモンの涙。
荒野の七人 ★★★★ -
黒衣の花嫁 ★★★★ さすがトリュフォー監督はヒッチコック先生のファンだなア。
幸福 ★★★★ 幸福は過ぎゆく影。


サ行
シェルブールの雨傘 ★★★★☆ ぼくもお土産に一本どころか二本も三本も買って帰りたくなったデス。
質屋 ★★★★ 襟を正して質屋のノレンをくぐろう。
市民ケーン ★★★★ ウェルズ氏、どうやら最初が最高だったようです。
シャレード ★★★★ -
将軍たちの夜 ★★★★ 女よりヒトラーを殺せば戦争は早く片付いたのに。
処女の泉 ★★★★☆ 大きな樹が一本あるロング・ショットのすばらしさ!
ジョンとメリー ★★★★ うまい映画です。うれしい映画です。ぼくの好きな映画です。
スイート・チャリティ ★★★★ ミュージカルです。ウレシイです。
素晴らしい風船旅行 ★★★★ -
スペンサーの山 ★★★★ 悲劇があってもウェットにならないのが、アメリカ的ヒューマニズムのいいところです。
007/ロシアより愛をこめて ★★★★ -
戦艦ポチョムキン ★★★★☆ キミも映画ファンならこれを見とかなきゃハバがきかんよ。
戦争は終った ★★★★☆ わかりやすいのでうれしくなって、つい採点もふえすぎちゃった


タ行
第七の封印 ★★★★☆ 映画に登場した最高の死神。
大脱走 ★★★★ ゴキゲンな脱走ゲーム。
太陽がいっぱい ★★★★☆ -
太陽は光り輝く ★★★★ フォードは西部劇だけじゃないんだゾ。
大列車作戦 ★★★★ ワレワレ観客もひっぱりまわされたデス。
チップス先生さようなら ★★★★ 帰りのタクシーでチップをはずみたくなるほどいい気分。
チャップリンの独裁者 ★★★★ -
沈黙 ★★★★ 姉妹は他人のはじまり、なんだなァ。
突然炎のごとく ★★★★☆☆ これぞ<映像による文学>の傑作。
★★★★ -


ナ行
ナバロンの要塞 ★★★★ -
尼僧ヨアンナ ★★★★ 尼僧院映画の最高作と折紙をつけたい。
日曜はダメよ ★★★★ ギリシャ万歳!ブラボー!メリナ!
野いちご ★★★★☆☆ 野いちごを食べて人生の苦さを知る。


ハ行
バージニア・ウルフなんかこわくない ★★★★☆ こわいのウルフよりお客の入り。なにしろハリウッド近年の芸術的優秀作品じゃからね。
博士の異常な愛情 ★★★★ -
伯爵夫人 ★★★★ 古めかしいというけれど、こんな味、ホカの監督に出せますか。
ハスラー ★★★★ -
8 1/2 ★★★★☆ フェリーニの華麗な私小説。
パリは燃えているか ★★★★ 観光客の皆さん、燃えなくてよかったですネ。
ふたり('65) ★★★★ 映画はでかくて長いばかりが能じゃないという格言を証明する模範的な一篇。
ふたりだけの窓 ★★★★ いまは亡き小津安二郎監督に見せたいな。
ブリッド ★★★★ イエーツ監督の采配よろしくマックィーンと坂道が大量得点を生みだした、てなもんだな。
砲艦サンパブロ ★★★★ アメリカ映画の宣教師はいつもイライラさせるのです。
冒険者たち ★★★★☆ 青春老いやすく夢なりがたし。ただ、残るは想い出のみ。
墓石と決闘 ★★★★ 久しぶりに本格ホンモノ西部劇を見せてもらえました。


マ行
マイ・フェア・レディ ★★★★ 土台となった原作「ピグマリオン」の原作者ショウも地下で御満足でショウ。
真夜中のカーボーイ ★★★★ イメージダウンされると困るんですがねえ-観光会社N・Y係。
もしも…… ★★★★ 日本のゲバ棒なんて飴ん棒みたいなもんサ。
モダン・ミリー ★★★★ ジャズ踊りってリキュールで更けて、と唄った時代なつかしや。


ヤ・ラ・ワ行
野望の系列 ★★★★ 政治家なんかならないでよかったなア。
夜霧の恋人たち ★★★★ 夜霧なんかないけど、ステキなトリュフォー・タッチがあるよ。
ラインの仮橋 ★★★★ ドイツにも呑気な捕虜生活があったおかげで、この映画ができました。
ラブド・ワン ★★★★ こんな豪華墓地に入る前にマイホームに入りたい-ジャパニーズ・サラリーマン。
ロシュフォールの恋人たち ★★★★☆ フランス・ミュージカルここにあり!
ロミオとジュリエット('68) ★★★★ オジさまオバさまのロミオとジュリエットなんてもうカビが生えた感じになるよ。
わが命つきるとも ★★★★ いい芝居を観たなァ、って気分です。


1940年代・1950年代 | 1970年代 | 1980年代 | 1990年代


「西洋シネマ大系 ぼくの採点表W」 トパーズプレス社 より転載



資料提供:
「西洋シネマ大系 ぼくの採点表U 1960年代(トパーズプレス)」