1970年代
ぼくの採点表

by Juzaburo Futaba


映画雑誌「スクリーン」に掲載していた映画評論家:双葉十三郎氏の短評を紹介します.
評価基準は下記の通りですが,ここではダンゼン優秀な★★★★以上のものだけ抜粋しました.

★★★★以上   ダンゼン優秀
★★★☆☆☆ 上出来の部類
★★★☆☆ 見ておいていい作品
★★★☆
★★★ まア水準程度
★★☆☆☆ 水準以下だが多少の興味あり
★★☆☆ 篤志家だけどうぞ


1940年代・1950年代 | 1960年代 | 1980年代 | 1990年代


ア行
愛と喝采の日々 ★★★★ シャーリーにはスーパー・オスカーを進呈したくなったデス。
アデルの恋の物語 ★★★★ トリュフォーさん、来日して道成寺を監督してください。
アメリカの夜 ★★★★ フェリーニの「8 1/2」よりずっとわかりいいですよ。
ある愛の詩 ★★★★ 風が吹けば桶屋が儲かり、ヒロインが死ねば映画屋が儲かる。
アルフレード・アルフレード ★★★★ キミ、面白がってばかりいられないぜ。これから結婚するんだろ。
アレンジメント ★★★★ 彼女とダグラス氏のおかげで原作読むよりラクに見られました。
いちご白書 ★★★★ 学園紛争もフレッシュ感覚でやれば成功するのだ。
イノセント ★★★★ こちとら庶民には貴族のプライドなんかないからシアワセだぜ。
インテリア ★★★★ アレンさん、監督だけのほうが優秀だな。
栄光のル・マン ★★★★ マックィーンて、やっぱりカッいいなあ。
王女メディア ★★★★ 異様にして凄絶なパゾリーニ古典の世界。
狼たちの午後 ★★★★ ホモたちの午後でもありますなァ。
男の出発 ★★★★ 可愛い子には旅をさせろ、でした。


カ行
海外特派員 ★★★★ ヒッチ・ヒッチ・フレー!!
家族の肖像 ★★★★ 時代変われば悩みは果てない。
華麗なるヒコーキ野郎 ★★★★ これぞ男のロマンティズム!
がんばれ!ベアーズ ★★★★ プロ野球よりカンゲキ的ですゾ。
木靴の樹木 ★★★★ 木靴の音は苦しみと悲しみとささやかなよろこびをこめて、カンヌカンヌとひびきけり。
奇跡 ★★★★ 上映館にも奇蹟が起こってほしいです。
グッバイガール ★★★★ これがホンモノの都会派コメディの味です。
激突! ★★★★ マイカーなければ憂いなし。
告白 ★★★★ 現代日本のボクたちシアワセだなあ。
これからの人生 ★★★★ シニョレ女史、肥っても鯛ですナ。


サ行
叫びとささやき ★★★★☆ 真紅の帳に信者が思わずぬかずくベルイマン神殿。
さすらいのカウボーイ ★★★★ 正当派西部劇ファンも、これだけ出来てりゃいチャモンつけられんじゃろ。
ザッツ・エンターテイメント ★★★★☆☆ ハリウッド黄金時代の大いなる遺産。
ザッツ・エンターテイメントPART2 ★★★★ 夢去りぬ。
サテリコン ★★★★ 西欧の古典的遺産を湯水のごとく費ったゼイタク映画。
さらば愛しき女よ ★★★★ ハードボイルド・ファンもにんまりソフトボイルド化するでしょう。
死刑台のメロディ ★★★★ バエズの歌で★一つぐらい稼いでおります。
シャーロック・ホームズの素敵な挑戦 ★★★★ これぞホームズ料理の醍醐味!
ジャッカルの日 ★★★★ まさに息づまるシーソー・ゲームでした。
ジュニア・ボナー 華麗なる挑戦 ★★★★ 青春の夢もはかなきロデオかな。
ジュリア ★★★★ ヘルマン女史が「ラインの監視」を書いたキモチがよくわかる。
ジョニーは戦場へ行った ★★★★☆ これぞ究極の反戦映画。
スケアクロウ ★★★★ ホモでない男同士の友情っていいなア。
スティング ★★★★☆☆ 話術のうまさに脱帽!ヒル監督、前歴は詐欺師だったのかな?
素晴らしき戦争 ★★★★☆ 素晴らしき反戦ミュージカル!
スローターハウス5 ★★★★ 時間旅行志願者に絶好の教材。


タ行
ダーティハリー ★★★★ ドンと当てたよハリーさん。
大樹のうた ★★★★ インドにもカレーにまさる名物ができました。
旅芸人の記録 ★★★★ お尻が痛くならないイスでじっくり見よう。
タワーリング・インフェルノ ★★★★☆ お話にふさわしく、燃え尽きそうなスターたちも揃えました。
テオレマ ★★★★ こちらも神がかりになったみたい。
トリュフォーの思春期 ★★★★ どうしてこんな日本題名がつくのでしょう。
トロイアの女 ★★★★ 映画ファン・クラブより新劇ファン・クラブが推薦してくれそうです。


ナ行・ハ行
ナイル殺人事件 ★★★★ もうエジプト旅行はしないですむな。
裸足のイサドラ ★★★★ 実物のイサドラより優秀であります。
ハリーとトント ★★★★ 老いてはネコに従え、じゃね。
バリー・リンドン ★★★★ 凝っては思案に能わず、てえ部分もありますがね。
バルカン超特急 ★★★★ 古くてもやっぱりご機嫌ヒッチコック。
バルタザーどこへ行く ★★★★ 人間万事塞翁が馬。
白夜('71) ★★★★ 夜のセーヌがすばらしいのは観光日本人種が見えないおかげでしょう。
ファミリー・プロット ★★★★ 面白い映画はこうやってつくるんですゾ。
フェリーニのアマルコルド ★★★★☆ フェリーニ監督の本音はノスタルジアにあるのかも。
フェリーニの道化師 ★★★★ サーカスの郷愁ここに尽きる。
冬の光 ★★★★ 面白かろうが面白くなかろうが、ベルイマン映画の神髄です。
冬のライオン ★★★★ 子供のころから歴史と地理は大好きだったものな。
ブラザー・サン・シスター・ムーン ★★★★ 現代日本に渡来して自然保護運動のリーダーになってほしかったデス。
ブラック・サンデー ★★★★ 見たかったファンには暗い日曜日になってしまった。
プリティ・ベイビー ★★★★ 最上級のコニャックを味わうが如し。
ブルジョワジーの秘かな愉しみ ★★★★ わからんようでよくわかる風俗心理劇ですな。
フレンジー ★★★★ ヒッチコック老先生に乾杯!
ペーパー・ムーン ★★★★ 題名の唄を口ずさみながら家路につきたくなります。
ベニスに死す ★★★★ ただもうじっくりと見させていただきました。
ボクサー ★★★★ あれまあボクサーは黒人ばかりと思ってたのにねえ。
ポセイドン・アドベンチャー ★★★★ 逆立ちして観たかった。


マ行・ヤ行・ラ行・ワ行
マクベス ★★★★ 古い材料でも料理次第で、ぐんとおいしくいただけます。
魔術師 ★★★★☆ 世紀の魔術ショウ・ベルイマン一座いよいよ来演!
野性の少年 ★★★★ 美談に仕立ててないから感動が大きいです。
屋根の上のバイオリン弾き ★★★★ 帝劇の舞台よりだいぶホンモノでした。
ヤング・フランケンシュタイン ★★★★ 原作者シェリー夫人はニガ笑い。
ラスト・ショー ★★★★ ベスト・ショー。
ラムの大通り ★★★★ オールド・ファンはラム酒でホロ酔い機嫌。
リア王 ★★★★ 何故ソ連には優秀なシェイクスピア映画が多いのか、それが疑問じゃ。
リトル・ロマンス ★★★★ こちらは監督の名人芸にためいきが出ます。
レニー・ブルース ★★★★ 芸が身を食う。
ロッキー ★★★★ アメリカ映画バンザイ!
私のように美しい娘 ★★★★ ヒッチコックの「ハリーの災難」以来の「スタニスラスの災難」でした。


1940年代・1950年代 | 1960年代 | 1980年代 | 1990年代


「西洋シネマ大系 ぼくの採点表W」 トパーズプレス社 より転載



資料提供:
「西洋シネマ大系 ぼくの採点表V 1970年代(トパーズプレス)」