いい映画をたくさん観よう

「いい映画」とは何か?

but , What is the good film ? and do you know how to find it ?


 「いい映画」とは一体何だろう.なぜ人の薦める映画はイマイチなものが多いのか.映画評論家が絶賛している映画でもつまらないものがあるのはなぜか.だいたい,「いい映画」なんて人によって好みが違うのに,誰が名画を決めてるんだ?そんなこんなで,どうも納得いかない人もいるでしょう.ここでは,そんなことについてちょっと考え,「いい映画」をたくさん観るコツを掴んでみよう.


●一般観客にとっての「いい映画」とは?

 まず,右の図を見ていただきたい.X軸に「完成度」,Y軸に「感性・理性との相性」がとってある(ここでは「理性=価値観」を同義語として扱うこととする).「私は面白くなかったけど,観た方がいいよ」という映画は,おそらく「」のエリアに該当している映画だろう.映画を薦める相手がどんな性格かよく分からない場合は,とりあえずY軸より右に分布する完成度の高い映画を勧めるとよいだろう.

 相手の性格が自分と合致する部分がある場合は,X軸より上に分布する映画を勧めることもできるだろう.完図「いい映画」成度が低い「」に位置する映画でも,「感性・理性との相性」がよければ,喜んでもらえるに違いない.「私は面白かったけど,人には勧められない」といった映画は,「」のエリアに該当する映画でとなる.

 一番望ましいのは,「」のエリアに属する「いい映画」を勧めること,または勧められることだ.しかし,相手の性格がよく分からない場合,「」のエリアの映画を勧めても感動されないこともある.それは,Y軸の「感性・理性との相性」は,非常に個人的な尺度だからである.相手と自分がどの部分で趣味や価値観を共有しているかが分からないと,「感性・理性との相性」の尺度は当てはまらなくなる.この中で,Y軸の「感性・理性との相性」という尺度が非常に一般的なものは,多くの人を魅了し大ヒットする.逆に特殊なものはカルトとして評価される.

 非常に不幸なのは,多くの人が「」のエリアと判断する映画だ.商業映画にも年に数本,これに該当する映画が現れる.過ってこれらの映画に出会ってしまった人は,ご愁傷様としか言いようがない.同じ思いをする人が一人でも少なくなるように,このサイトのLET'S TALK ABOUT FILMS!の「最低映画」の掲示板で宣伝して欲しいです.
 ただ,自分にとって「」エリアに属する映画だと思っていても,その映画を認める人を中傷しないように気をつけていきたい.あくまでY軸の「感性・理性との相性」は,極めて主観的な尺度なので,その辺りの考慮が必要だと思うのです.LET'S TALK ABOUT FILMS!を覗いていただければよく分かるんだけど,同じ映画に対しても感じ方は千差万別なんですね.
 また,「」のエリアの映画を絶賛する人に「いい映画」を薦められても共感できない場合が多いだろう.当然,完成度の高くない映画というのは,他人に受け入れないことが多いのだから.

 ここまでの話を簡単に書くと・・・
@「いい映画」を人に勧めるには,まず,その作品が完成度が高いかどうか考える.
A次に,どうして自分が「いい」と思ったのか,自分の性格(感性・価値観)と照らし合わせて考え,その条件を共有できる人に勧める.例えば,「ノスタルジーに浸りがちな人にお勧めな映画」といった感じで薦める訳です.要は「いい映画」を薦めるときは,どんなタイプの人に勧めるかを明確にするということですね.


●映画にとってのいい映画とは?

 ここまでは,一般観客の捉える「いい映画」について書いてみたが,もっと厳密に「いい映画」について語ると,先述したXY軸に「独創性」というZ軸を加えなくて工場の出口はならない.例え,「」のエリアに属する映画でも,それらがいわゆるパクリや焼き直しの映画だったら,観客は飽きてしまうだろうし,そんな映画ばかりが制作されていたのでは映画は進歩しないだろう.グリフィスが平行編集をつくり出さなかったり,エイゼンシュタインがモンタージュ技法を編み出さず,いつまでもリュミエールの「工場の出口(写真左)」「列車の到着」のような撮り放しの映画ばかりだったら,「」のエリアに属する映画でも,やがては「いい映画」でなくなる.

 映画表現を進歩させる「今までに観たことがない」新しいオリジナルな映画は,観客を刺激し新たな楽しみを与えてくれる.「」のエリアに属する映画で,斬新なもの.これこそが最高級の「いい映画」と言えるだろう.しかしながら,こうした映画は映画表現を進歩させる重要な役目を果たすにもかかわらず,前衛的過ぎると戦艦ポチョムキン,一般観客には受けずコケてしまう.映画産業として成立しないことが多いのだ.よっぽど映画通か,映画評論家でない限り,その映画の「独創性」を理解できず,その「独創性」が分からないと面白味に欠け,結局,つまらない映画ということになってしまう.

 昔の映画を観ていない今の観客にとっては,昔の映画の焼き直しの作品を観ても新しいと感じるだろうし,逆に,公開当時は新しかった昔の映画を観ても古いと感じるだろう.例えば,モンタージュ技法を世に知らしめた「戦艦ポチョムキン(写真右)」は,当時リアルタイムで観た人には衝撃的だったに違いないが,今の観客が観ても退屈するかも知れない.

 いずれにしても新しい映画が闇に葬り去られてしまうと,映画表現は進歩してはいかない.言い換えれば,映画芸術は他の芸術にいつまでも追いついていけない.


●映画評論家はどうして必要なのか

 映画を進歩させるには,その「独創性」を見極めてくれる人が必要なのだ.それが評論家の仕事の一つだ(評論家がこうした役目を果たすのは映画に限らず,音楽・文学・美術などどの分野においても同じことだろうが)ブレードランナー.彼らには,まず映画について深い理解が必要だ.「映画は何処から来て,何処へ向かっているのか」といった,映画に対する認識が必要だ.それには,ジャンル,古今東西,新旧を問わず,幅広く多くの映画を観る必要もあるだろう.また,他の表現活動を始め,世の中のあらゆることに対して幅広い造詣が必要だ.こうした比較によって,映画に対する外からの認識も必要になる.もちろん,知識だけでなく経験も豊富でなくてはならないだろう.そうした活動を通して,様々なことに対する自分なりの考えを持っていなくてはならないだろう.こうした鍛錬から趣味が洗練されて「鑑賞眼」が身に付き,一般観客が見落としてしまうような「独創性」「素晴らしさ」に気づくことができるのだ.目新し過ぎて一般観客に受け入れない映画でも,評論家が支持し続けることで,それが一般化してくるのだと.

 評論家が絶賛する映画がつまらないことがあるのは,この「鑑賞眼」の有無による違いからであることもあるだろう.例えば,絵画の「鑑賞眼」がない人が,ピカソの作品の良さがわかないのと同じことだろうし,食通じゃない人が三ツ星のレストランで食事をしても,その料理のおいしさが分からないのと同じだろう(もちろん分かることもあると思いますが).
 評論家が作品の「独創性」についていけない場合,その作品が評価されるのに時間がかかることもある.「ブレードランナー(写真)」などは,公開当時,評論家にもあまり受けが良くなかったが,歳月を追うごとに評価は高まっていった.これも,それらの映画を支持する評論家・映画通の存在があったからこそだと思う.逆に,ついには評論家たちにも評価されずに消えていってしまった新しい映画も数多くあるに違いない.いずれにしても,「いい映画」を見つけるためにも,映画評論家は重要な存在であることに間違いはない.


●映画評論家は何処に

 しかし,最近の自称映画評論家は,一般観客が見落としてしまうような名画を救う力を持っているのだろうか.私がなぜこんな疑問を感じているかというと,彼らが単に自分の感性・価値観との相違だけでものを言っているような気がすることがあるからだ.冒頭に載せた図で言うなら,「」のエリアの映画を絶賛しているような感じだ.特に,「デカプリオ様」「ブラピ様」とか言って騒いでいる文章を読んだり,明らかにサイレント時代の焼き直しやパクリをしている作品を新しい映画と言って絶賛しているのを見たりすると,彼らに「鑑賞眼」があるのか疑惑の念を抱かざるを得ない.

 話が逸れてしまったが,「いい映画をたくさん観る」には,@自分の趣味と合う.A個人的な趣味だけでなく完成度の高い映画を勧めてくれる.B「鑑賞眼」を持っている.この三つ条件を満たした評論家や映画通を見つけ,彼らの批評に耳を傾けることだろう.え?そんな人を見つけるのが難しいって.それに,そもそもそんな人がいるかって?う〜ん.とても難しい問題ですが,映画批評家は山ほどいるし,映画の感想を書いているホームページも星の数ほどあるのだから,その気になれば見つかるのではないでしょうか.それが面倒な人は,地道に自分の目で確かめていくしかないでしょうけど.


●「100% CINEMATIC JUICE」でいい映画は見つかるか

 残念ながら私には「鑑賞眼」が欠けています.ですから,このサイトでお手伝いできることは,映画の感想から,私の趣味を理解していただき,共有できる趣味を見つけてもらう.そして,その趣味で勧めている映画を観ていただくということになります.ちなみに,冒頭の図と私の映画の感想ページLET'S READ THE FILMS!でつけている評価マークとの相関関係は以下の通りなっていますので,「いい映画」探しの目安として参照にしていただきたいと思います.

」エリアの映画
」「」エリアの映画 
」エリアの映画


 私の趣味と合うところが微塵もない方は,LET'S TALK THE FILMS!の掲示板の常連さんの中から趣味の合う方を探していただきたい.このサイトを始めて一層,「いい映画」を人に勧めることの難しさを痛感しています.訪問者の方々が,1本でも多く「いい映画」に出会えることを祈っています.