![]() |
茎の養分も無駄にするな ヒガンバナの花が咲いた後、やがて花がしおれます。茎もしおれます。??種はどうなっているのでしょ うか。ヒガンバナは3倍体なので種はできないのだそうです。その代り球根で殖えることはみなさんご存 知のことだと思います。さて、種ができる場合(中国には種のできる2倍体のヒガンバナがある)は種が 成熟するまで茎は枯れません。これは種への養分補給上当然なことです。ただヒガンバナの場合は葉が出 ていませんから茎が光合成をした養分あるいは球根の養分が補給されるはずです。ところで種のできない ヒガンバナには球根の養分はもちろんのこと茎が光合成でつくった養分も不要です。そこで茎にできた養 分を余すことなく有効利用をするためにその養分を球根に吸収するのです。葉が出てから光合成によって 養分はつくられるのですが光の獲得条件の悪い冬のこと、また開花のために費やした球根の養分をとりも どすためのヒガンバナの智恵なのかと思います。茎の養分をとりもどしているか否かは、つぎの実験で確 かめられるようです。花が終りになったヒガンバナの4−5本を茎の根元で切り取ります。これを花瓶に 生けます。このヒガンバナと切り取らなかった野外のヒガンバナとのその後のしおれ具合をしばらの間比 較観察します。野外のものは茎の養分が球根にもどるので早くしおれてきます。なお、花瓶のものは水の 取り替えをし、環境条件を揃えるために屋外に置く方がよいでしょう。 埋められても掘り起こされても・・ ヒガンバナは土砂流失による埋没や露出に対して大変に強いそうです。球根の埋没については10p位の 土壌が新たにかぶさっても球根を簡単に上方に移動させてしまうそうです。また、地上に露出した場合で も根が球根を引っ張り込むように作用してやがて土の中にもぐってしまうそうです。農作業や洪水による 環境の変化、影響に対してたくましく生き延びる力を備えていると言えます。 |