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草花は子孫繁栄のために種子をさまざまな方法でできるだけ広い範囲に散らす仕組みを持っています。そ の一つの方法としてアリを巧みに利用している草花があります。アリによって種子を拡散散布させる植物 を「アリ散布植物」と言います。ではどのような仕組みでアリに種子を運ばせているのでしょうか。画像 はケシ科のクサノオウの種子です。種子からはみだして見える白い部分がアリの好む物質でエライオソー ム、別名種枕(しゅちん)、カルングルなどとも言われます。エライオソームはオレイン酸などの脂肪酸、 グルタミン酸などのアミノ酸、ショ糖などの糖を含んだ物質でアリを誘引し巣に運ばせます。アリの巣に 運ばれた種子はエライオソームだけがアリの餌になり種子そのものは不要なものとして巣の外に捨てられ ます。まさに種子のねらい通りになっているのです。植物の巧みな智恵に驚かされます。こうした仕組み を備えた種子の草花は200種ほどあるそうです。その例です。 スミレ科 スミレ、ツボスミレ、タチツボスミレ、アオイスミレ ユリ科 カタクリ、アマナ ケシ科 クサノオウ、タケニグサ、ムラサキケマン、キケマン、ヤマブキソウ、ジロボウエンゴサク キンポウゲ科 フクジュソウ、ニリンソウ アオイ科 イワタカンアオイ、ヒメカンアオイ シソ科 ホトケノザ、ヒメオドリコソウ カタバミ科 カタバミ これらの種子ができる頃に是非観察をしてみてください。観察にはルーペを忘れないように・・。 |
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