第21話 雨の粒の大きさ
   しとしと降る雨、夕立の大粒な雨などと言いますが、その大きさはどれくらいなのでし

  ょうか。

   霧雨    直径0、1−0、2ミリメートル

   小粒の雨  直径0、2−1  ミリメートル

   中粒の雨  直径1 − 2  ミリメートル

   大粒の雨  直径2 − 4  ミリメートル

   夕立の雨  直径4 − 6  ミリメートル

   観測された雨粒の最大は、7、3ミリメートルだそうです。雨粒は落下速度が増すと空

  気の抵抗を受け、ついには分裂してしまいます。そのため巨大な雨粒にはなりません。


第22話 一文倍増
   昔、きっちょむさんと言う人が手柄を立て、殿様から「ほしいものを褒美として与える

  」と言われました。それではと「今日は1文ください。明日になったらその倍の2文くだ

  さい。そのつぎの日はその倍の4文ください。こうして、ひと月ください。」と言いまし

  た。これが1文から始めて倍倍と増やすので「一文倍増」なのです。殿様は「よかろう。

  」と約束したのですが、これがとんでもないことだと後で気がつき大騒ぎをすると言う話

  があります。話を現代に置き換えて1円倍増の計算をしてみましょう。

    日数         金 額          累計金額
   1日目           1円                 1円
   2日目           2円                 3円
   3日目           4円                 7円
   4日目           8円                15円
   5日目          16円                31円

  10日目         512円             1、023円

  15日目      16、384円            32、767円

  20日目     524、288円         1、048、575円

  25日目  16、777、216円        33、554、431円

  30日目 536、870、912円     1、073、741、823円
      


第23話 雨量と降水量
   雨量は名前のように降った雨だけの量です。降った雨が流れず、地中にも浸み込みない

  ものとして何ミリメートルの深さになるかを考えたものです。普通は1日当たりの量です

  が、集中豪雨などのときには、1時間当たりの量で言われたりします。それに対して降水

  量は空から降ってくるもの、雨のほかに雪、あられ、雹、みぞれなどを溶かして水にした

  ときの量を考えたものです。みぞれは雪と雨が一緒に降ってくる場合を言います。こんな

  ときには雨量だけをわけて測定できないので降水量になります。北日本などの雪国と南の

  沖縄などとを比較する場合には、降水量でないと意味がなくなります。


第24話 第六感
 
   「あっ、何かおかしいぞ?」の感を働かせることがあります。そんなとき、第六感が働

  いたと言いますが、なぜ第六感と言うのでしょうか。

   ヒトが外から受ける刺激を感ずる器官として、目(視覚)、耳(聴覚)、鼻(嗅覚)、

  舌(味覚)、皮膚(触覚)の五つ、いわゆる五感があります。全身神経を集中させること

  を「五感を働かせる」と言うのはこのためです。しかし、的中率は別にして予知するとか

  予測するときに脳を働らかせます。これは先の五感がつかさどるものではないので、第六

  番目の感覚として、「第六感」と言ってみたのでしょう。「第六感」のすばらしく働くヒ

  トもいるようですね。みなさんはいかがですか。


第25話 雷と避雷針
 
   雷は雷雲の中に生じた静電気の放電現象であります。このことは承知していても落雷の

  恐怖心はつきものですね。稲妻とともに響きわたる雷鳴が一層の恐ろしさをもたらします。

    雲と雲または雲と地上の間に起きる放電は、何万ボルトという高圧の電気が本来電気を

  通さない空気の中を伝わるために空気を押し広げ雷鳴となります。一瞬とはいえ電圧の高

  い雷、放電時に流れる電流も大変に強いものです。この強い電流が通りにくい部分を通過

  すると発熱をともない火災などを発生します。また、場合によっては接続されている電気

  器具の中を通って破壊することもあります。

   さて、雷の放電を安全に回避するためのものに避雷針があります。「避雷針」のことば

  は「雷を避ける針」の意味になりますが、役目は雷の被害を避けるための装置であって、

  その働きは「雷を誘導して放電させ、その電流を安全に地面に流す」ことにあります。い

  わば避雷針は雷に「おいで」と落雷させるための装置なのです。

   なお、稲妻に遅れて雷鳴が聞こえてきますが、稲妻の光に対して音である雷鳴は空気中

  の伝播が秒速340メートル程度と遅いためです。そのことから雷までのおよその距離を

  計算できます。

   稲妻が走ったら「ひとつ、ふたつ・・・」と雷鳴までの秒数を数えます。

   その秒数に音速の340メートルをかけます。それが、雷までのおよその距離になりま

  す。ただし、稲妻とともに雷鳴が轟くときは、そんな暇がないですね。


第26話 雪のおもさ
   水1立方メートル(縦・横・深さがそれぞれ1メートルの容器に入っている水)の重さ
 
 が1000キログラム、1トンであることは知っていると思います。

   では、雪1立方メートルはどのくらいの重さだと思いますか。

   答えは 約350キログラム です。

   もし1メートルの雪が屋根に積もったとすると畳2枚(1間四方、約4平方メートル)

  の広さにつきおよそ1、4トンになります。これは大人約20人分の重さになります。さ

  らさら、さくさくしている雪ですが、大変な重さになるのです。雪国では屋根の雪下ろし

  が大切な仕事であることがわかりますね。


第27話 鉛筆にあるHとB
    鉛筆にはHB、4B、2Hなどの記号がついています。2H、3H、4HとHについた

  数が大きくなるにつれて硬くて筆跡がうすくなることはみなさんも知っていることです。

   また反対に2B、3B、4BとBについた数が大きくなると柔らかくて、筆跡が濃くな

  ります。

   鉛筆の芯の原料は黒鉛と粘土です。黒鉛は炭やすすと同じ炭素です。この黒鉛の割合を

  増やせば柔らかく濃い鉛筆になります。逆に粘土を増やせば硬くうすい鉛筆になります。

   HおよびBは、それぞれ hard (硬さ)と black(黒さ)の頭文字をとったものなので

  す。

    HBは標準と言うことになります。この場合黒鉛70パーセント、粘土30パーセントだ

  そうです。そして、Bは6Bまで、Hは9Hまであります。なお、Fという記号のものも

  あります。これは、堅固なという英語 Firm の頭文字をとったものでHとHBの中間の性

  質を持っています。

    小学校ではどんなものが電気を通すかを調べる理科実験がありますが、当然ですが黒鉛

  (炭素)の含有量であるBの数値が多い鉛筆ほど電流がたくさん流れます。


第28話 地球温暖化防止と海洋汚染防止
    地球温暖化の大きな原因として二酸化炭素の増加が問題になっています。熱エネルギー

  源として大量に消費される石油、石炭などの化石燃料による二酸化炭素の排出量を少なく

  することが、現在の大きな課題になっています。二酸化炭素を酸素に変えてくれるのが緑

  色植物であることはみなさんの知るところであります。しかし、現在はその大切な緑色植

  物、森林資源までが失われようとしています。

   さてあまり知られていませんが二酸化炭素の減少に貝殻を持った貝の仲間やえび、かに

  などの甲殻類やサンゴなどが一役買っているのです。

   例えば、貝殻の主成分は二酸化炭素を取り込んだ炭酸カルシウムです。炭酸カルシウム

  中の二酸化炭素の割合は44パーセントになります。これらの生物が水に溶けた二酸化炭

  素をせっせと固定しているのです。もし、海洋が汚染されて、これらの生物に異変が起き

  ると二酸化炭素の減少に影響がでます。地球の様々な環境を人間の都合で著しく変化させ

  ることは人間にとっても大きなマイナスのことであることを知らねばなりません。


第29話 ジャガイモとサツマイモ
   どちらも芋ではありますが、つぎの点で違うところがあります。ジャガイモの産地は北

  海道など気温の低い地方であるのに対してサツマイモは南方系であります。

   どちらも光合成で葉にできたデンプンの貯蔵庫であります。

   さて、それぞれの芋は根なのでしょうか、茎なのでしょうか。ジャガイモの芋は茎の仲

  間であり、一方サツマイモのそれは根に当たるのです。このことはそれぞれの植え付けを

  思い出してください。

   サツマイモは葉のついた茎を植えます。この茎から出る根がデンプンを貯蔵する部分に

  なります。一方ジャガイモは芋を切って植えます。ジャガイモの芋をよく観察すると、と

  ころどころに芽の出る窪んだ部分があります。芽は茎から出ます。どとらも芋ですが、サ

  ツマイモは根、ジャガイモは茎が貯蔵庫になっているのです。


第30話 ただ今の気温は(n+8)×5÷9 ℃
    秋の夜長になると、さまざまな虫たちのにぎやかな合唱が聞こえてきます。

   ところで虫の音は気温によっていろいろと左右されます。秋が深まって気温が低下して

  くると顕著に不活発となります。さて、どこにでもいるコオロギについて気温と一定時間

  になく回数をくわしく研究した科学者がいます。J・P・ヴァンクリーブと言う人ですが

  つぎのような計算式をつくりました。

   まず、コオロギが15秒間になく平均回数を調べます。その数に8をたします。さらに

  その数を5倍します。それを9で割ると気温が求められるという式です。

    式で表わすと

     ただ今の気温=(n+8)×5÷9

     nはコオロギが15秒間になく平回数

   謎めいた式ですが、ストップウォッチを用意して測定し、実際の気温と比較してみてはどうで

  しょうか。

   子どもたちの観察課題にしたら面白そうですね。コオロギの他にスズムシやクツワムシなどで

  も式を発見できるかも知れませんね。

    ちなみに逆計算をしてみたデータを付記しておきます。いずれも15秒間の回数です。

   気温15℃では19回、20℃では28回、25℃では 37回ということになります。