●平成28年2月議会 振興環境委員会 質問●
平成28年 3月16日 |
<スポーツ振興による国際交流と地域活性化について> |
Q1 <神戸委員> 私は、先月海外調査としてニュージーランドに行き、日本とニュージーランドのスポーツの関わり方や、2019年に開催されるラグビーワールドカップに向けた取り組みに関する調査のため、「インターナショナルラグビーアカデミー」を訪問してまいりました。 ニュージーランドは、ラグビーを国技としており、前回(昨年)のラグビーワールドカップ2015イングランド大会、前々回の2011年ニュージーランド大会の優勝国であり、ラグビー強豪国です。そのニュージーランドの中でも、最高の施設及びコーチ陣のもと、オークランドラグビーユニオン(協会)が2014年に開設したのが、このアカデミーで、世界各国のユース世代が集まり、日本からも若いラグビー選手たちが留学をし、汗を流していると聞いております。 私の地元春日井市には、全国高校ラグビー大会に、愛知県代表として2年連続で出場している春日丘高校ラグビー部があります。このラグビー部員の中からも、このアカデミーで経験を積み、将来の日本代表として活躍してほしいと大いに願っています。そんな中、帰国後アカデミーからメールが届き、選手・チームのラグビー競技力向上のために運営しており、今後とも良好な関係の構築をお願いしたいという内容でした。思いもかけないメールにうれしさと同時に、このような交流の機会をぜひ生かして、ラグビーワールドカップに向けての盛り上がりに役立てていただきたいと思います。そこで、幾つか、お伺いさせていただきます。 今回、インターナショナルラグビーアカデミーから届いたメールに対して、担当部局はどのように受けとめておられるのか、率直なご感想をまずお聞かせいただきたいと思います。 |
A1 <スポーツ振興課 主幹答弁> 一般的にスポーツ大会が盛り上がるためには、地元のチームが強くなって、勝っていくことが一番であります。そこで、このアカデミーのような選手やコーチを育成する世界的にも著名な組織があることは、地元チームの強化にとって、とても大きな役割を果たすと思います。また、このアカデミーでは、世界中の選手やコーチと関係があるとのことなので、ラグビーを通じた海外との交流の継続・拡大にあたり、中核的な役割を果たすことが期待されています。 こうしたアカデミーの存在は、ラグビー文化が地元にしっかりと根付いている証拠でもあります。2019年にラグビーワールドカップの開催を一過性のものにせず、日本、そしてこの愛知にラグビー文化を根付かせるきっかけとなるよう取り組んでまいります。 |
Q2 <神戸委員> 次に、愛知県のラグビー競技団体の現状はどのようになっているのか、活動状況等も合わせて教えていただきたいと思います。 |
A2 <スポーツ振興課 主幹答弁> ラグビーの競技団体としては、愛知県ラグビーフットボール協会には、幼児から中学生までが参加するラグビースクール、そして中学、高校、大学・高専、社会人、更にはクラブチームが、172チーム加盟しています。この中でも、豊田市を本拠地とした「トヨタ自動車ヴェルブリッツ」と、刈谷市を本拠地とした「豊田自動織機シャトルズ」の2チームが、日本の社会人リーグの最高峰「ジャパンラグビートップリーグ」で、県内ラグビー競技人口6千名の頂点に立って活躍しています。愛知県ラグビーフットボール協会では、これらのチームを統括するとともに、トップリーグを始めとする各競技会の運営や、ラグビーの普及・宣伝についても取り組んでまいります。 |
Q3 <神戸委員> 2019年に開催されるラグビーワールドカップ2019には、世界中から多くの観戦者がこの愛知に集結することが予想されます。ラグビーの観戦だけでなく、当然観光地を訪れてもらって、この愛知県を大いにアピールする絶好の機会だと思います。年々増える外国人旅行者を取り込もうと、全国各地はもちろんのこと、この愛知県も「愛知観光戦略」において、「訪日外客誘致に向けたプロモーションと受入態勢の強化」に力を入れているわけですから、この機会を大いに生かすべきだと考えます。そこで、このチャンスを地域の活性化にどのようにつなげていくのか、そのお考えをお伺いします。 |
A3 <国際観光コンベンション課 主幹答弁> ラグビーワールドカップ開催のチャンスを、地域の活性化に、どのようにつなげていくのか、観光面からお答えいたします。2019年日本大会には、ヨーロッパや南半球などの各国を中心とする海外から、数十万人もの観客が、長期間、日本を訪れると想定されております。観光局の取組としては、今年度は、イングランド大会開催中に、観光局長がイギリスに渡航し、ロンドンの日本国大使館で開催された英国のメディアや旅行会社等との交流会に参加して、本県の観光魅力のPRを行い、本県への旅行商品造成や情報発信を促してきました。帰国後は、随時、現地へ新たな情報を提供するなど、フォローアップに努めております。 また、外国人目線で作成した多言語観光情報ウェブページ「Aichi Now」や、愛知で発見した様々な旬の魅力や食文化などを発信するSNSを開設して、国内外に向け随時発信しています。 来年度は、新たに、CNNのウェブサイトを活用して、本県の魅力を発信するほか、アジア5ヵ国・地域の旅行会社やメディアを招請する「アジア大商談会事業」や、韓国や台湾などで開催する観光説明会の際に、愛知の観光PRと併せて、豊田スタジアムで開催されるラグビーワールドカップについて紹介し、観光客の誘客に努めてまいりたいと考えています。 今後は、2019年日本大会の開催に向け、ますます日本に注目が集まるので、「ラグビーワールドカップ2019 愛知・豊田開催支援委員会」と情報を共有しながら、連携してインバウンド施策を実施してまいりたいと考えております。 |
Q4 <神戸委員> 2015年のラグビーワールドカップは五郎丸選手の活躍で盛り上がりましたが、日本人の体質として熱しやすく冷めやすいという傾向があり、今、またラグビー人気は下降気味ではないでしょうか。さらに、この機会に、県民のラグビーへの関心度をもっと上げていくことが2019年の大会成功に向けて必要だと思いますし、県民の方々が交流を図っていけるような仕組みも必要ではないかと考えております。2019年に向け、交流をどのように図っていくのか、どのように盛り上げていくのかお聞かせください。 |
A4 <スポーツ振興課 主幹答弁> ワールドカップを盛り上げていく取組の一つとして、今年7月の数日間、南半球最高峰のプロリーグ「スーパーラグビー」に参加する南アフリカのチーターズを招聘し「愛知・豊田ラグビーフェスタ2016」を開催します。 このラグビーフェスタでは、7月23日土曜日に豊田スタジアムでのチーターズ対トヨタ自動車ヴェルブリッツ戦の開催とともに、ラグビークリニックなどチーターズの選手と県内の子どもたちとの交流事業なども行う予定としております。多くの県民の方々に本物のラグビーを体感していただき、より身近なものへと感じていただけるようにしてまいりたい。 今後、様々な形でラグビーに親しんでいただき、3年後のワールドカップの際には、大いに盛り上がるよう取り組んでいきます。 |
要望 <神戸委員> 最後に要望させていただきたいと思います。視察から帰国後、インターナショナルラグビーアカデミーのことを、地元の春日丘高校にぜひ紹介したいと考えていたところにメールが届き、先週、学校へ行ってきました。私の個人的な思いとしては、もちろん生徒やコーチがアカデミーに行ってラグビーを学んでほしいのですが、費用のこともあり、急には難しいと思います。まず、その前に2019年の大会でやってくる海外の選手を春日丘高校に招き、例えば試合を見せてもらう、また指導してもらうなど生徒との交流が出来れば、目の前でのプロ選手のプレーに感動し、大きな刺激を受けると考えます。 校長先生に視察の内容や私の思いをお話すると、ぜひ連絡を取りたいとの返事をいただき、私は早速、インターナショナルラグビーアカデミーに春日丘高校と直接連絡を取ってほしいとのメールを送りました。 今、我が国のスポーツ界では、東京オリンピック・パラリンピックに向って、若手選手の育成が叫ばれています。なでしこジャパンがリオ大会出場を逃したのは、ベテランから若手への切り換えがうまくいかなかったのも要因です。 ニュージーランドのラグビー選手はこのアカデミーからたくさん出ています。せっかく向こうから良い関係を樹立したいと言ってくれているわけですから、最初の一歩で始まったこの民間交流を愛知県としても大いにサポートしていただき、日本のラグビー界の底上げと2019年ラグビーワールドカップの成功並びに若手選手の育成にしっかりと力を入れていただくことを心から要望して終わります。 |