ダイヤルアップIP接続講座
第11回東海スクールネット研究会
1996.7.27 東海スクールネット研究会 於:三重県立菰野高等学校
同朋学園本部事務局経理課 河邊憲二
Windows95によるダイヤルアップIP接続の設定の仕方を解説します。最近販売されているパソコンには、あらかじめ簡単にセットアップできるソフトやプロバイダーへ接続できるようになっているものもありますが、ここでは一般的な環境での設定について解説します。
また、Windows3.1用の16bitソフトでもWINDOWS95でインターネット接続が可能なものもありますが、ここでは標準で装備されているソフトウェアを使うものとします。電子メールについては使うソフトウェアによって設定も異なりますのでここでは解説しません。
なおここで説明に使っているWindows画面は、Microsoft社の日本語版Windows95の画面から引用しました。
- 必要な準備
まずパソコンにモデムを接続します。モデムのLINE側に電話回線のモジュラコネクタをつなぎます。プロバイダーに入るか接続先の管理者からアクセスポイントの電話番号、アカウント、パスワード、ドメイン名、DNSサーバのIPアドレスを取得しておきます。電子メールを利用する場合はさらに自分のメールアドレスと電子メールサーバのIPアドレスが必要です。
以上の準備ができていたらあとは必要な設定をするだけでインターネットに接続できます。
- Windows95のセットアップ環境の確認
最近はプレインストールでWindows95がセットアップされているものがあります。さらにPLUS!もインストールされていたり、特定のプロバイダーへすぐ接続できるように設定までしてあるパソコンもあります。そこで自分のパソコンがどこまで設定してあるか確認する必要があります。
まず、マイコンピュータを開いたときに左のようにダイヤルアップネットワークのアイコンがあるか確かめて下さい。もしあればたいていは接続に必要なアプリケーションとプロトコルの追加がすでにしてあります。
ダイヤルアップネットワークのアイコンがない場合は、Windowsファイルの中の通信の詳細にあるダイヤルアップネットワークを追加インストールします。
ここでは左のようになっているものとして先へ進みます。ダイヤルアップネットワークを開きます。
ここで左のような新しい接続のアイコン以外に別の接続用アイコンが登録されている場合は、あらかじめどこかのプロバイダーへ接続できるように設定がしてある可能性があります。説明書等で内容を確認して下さい。ここでは新しい接続をクリックし別の新しい接続の設定をします。
- 新しい接続の設定
新しい接続を選ぶと接続に必要なモデムの設定をするために、下のようなモデムウィザードのダイアログボックスが表示されます。はじめにモデムの検出をします。
指示にしたがって操作を進めて下さい。モデムが正常にセットアップされたら完了をクリックし、新しい接続の設定を続けます。
接続名のところを書き換えてプロバイダー名などを入れます。ここでは『接続』という名前にします。モデムが複数ある場合は、接続に使用するモデムを選択します。次へをクリックすると下の画面になります。
ダイヤルアップ先のアクセスポイントの電話番号を設定します。国番号は『日本』を選びます。次へをクリックすると下の画面になります。
ここで完了をクリックすると、『接続』という名前でダイヤルアップネットワークのフォルダに新しいアイコンが作成されます。
ハードウェアの検出によりドライバの設定を変更したので、Windows95を再起動して、設定を有効にします。
- TCP/IPの設定
次はネットワーク関係の設定です。ダイヤルアップとはいっても接続している間は、プロバイダーを通じてインターネットのコンピュータ網の一部を形成しているわけなので、ネットワーク関係の設定をしておく必要があります。
TCP/IPの設定をするため、ディスクトップのマイコンピュータから再びダイヤルアップネットワークのフォルダを開けます。3で作った『接続』アイコンがあります。
これを選択してファイルメニューを開けプロパティをクリックします。
電話番号の入力と接続の方法は3で設定済みです。もし変更が必要になったときはここで設定を変更します。
TCP/IPの設定はこの接続の方法のサーバーの種類でおこないます。これをクリックして下さい。
ダイヤルアップではPPP接続がほとんどです。サーバーの種類では『PPP,Windows95,WindowsNT3.5,インターネット』を選択します。
詳細オプションは左のようにしておきます。使用できるネットワークプロトコルはTCP/IPのみにチェックを入れます。
次にTCP/IP設定のボタンをクリックします。
通常ダイヤルアップIP接続では、プロバイダー側で接続に必要なIPアドレスを自動的に割り当てるようになっているので、ラジオボタンはサーバーが割り当てたIPアドレスをオンにします。
ネームサーバーアドレスのラジオボタンはネームサーバーアドレスを指定をオンにします。その下のプライマリDNSの欄にはプロバイダーから指定されたDNSアドレスの値を入力します。プロバイダーによっては複数のDNSが使えるところもあります。その場合はセカンダリDNSも入力します。
その下のWINSはWindowsNTなどのネットワークサーバーで使う場合の設定で、ここではすべて0のままにしておきます。その下のチェックボックスはデフォルトのままでよいでしょう。
以上でTCP/IP設定は終了です。OKをクリックしてプロパティを閉じます。
- 接続のテスト
ここまでの設定で、ダイヤルアップの接続ができるようになりました。残った設定と接続のテストをするため、ダイヤルアップネットワークのフォルダを開けて、作成した『接続』アイコンをダブルクリックします。
ここでユーザー名とパスワードを入力します。このときユーザー名は自分の接続用アカウントを入力します。Windows95の起動のときにユーザー名とパスワードを入力するように設定がしてあると、ユーザー名が一致していない場合には、ここのパスワードの保存ができません。
職場などで接続先の電話番号が変わる場合は変更してから接続をクリックします。
接続をクリックすると左のようになってダイヤルを始めます。接続が成功すれば接続時間のカウントが始まります。
あとはブラウザを起動してWWWを見ることができます。回線を切断するときはブラウザを閉じてから、切断をクリックします。
- ネットワークプロトコルの設定
ここまでの設定ではネットワークプロトコルの設定が完了していることが前提となっていました。もし、ネットワークプロトコルの設定がしてないようならマイコンピュータからコントロールパネルを開けて設定をします。
コントロールパネルからネットワークのアイコンをクリックします。
さらに追加ボタンをクリックします。左の画面ではすでにTCP/IP->ダイヤルアップアダプタがありますので追加する必要はないのですが、これがない場合は追加が必要です。
ネットワーク構成ファイルの追加で『プロトコル』を選択しさらに追加ボタンをクリックします。
製造元は『Microsoft』、ネットワークプロトコルは『TCP/IP』を選択してOKをクリックします。これでTCP/IPプロトコルが使えるようになります。
購入したパソコンにあらかじめどこかのプロバイダーへ接続するアイコンがある場合は、たいていこのプロトコルの設定はすでにしてあることがありますので確かめて下さい。上のようにネットワークでTCP/IP->ダイヤルアップアダプタがあれば設定されているということです。
- 接続がうまくできない場合
多くの場合ネームサーバーアドレスDNSの番号違いが原因です。プロバイダーによってはインフラの拡張などで変更になっていることもあります。プロバイダーのサポートメールを確認して下さい。
次によくあるのが電話番号違い。これもプロバイダー側で変更されている場合があります。注意しましょう。
また、職場などからゼロ発信でダイヤルする場合、モデムのATコマンドの追加変更設定が必要な場合があります。ゼロ発信でダイヤルするとすぐに切断される場合には、このケースがあります。
他に回線が混雑していてつながらない場合、つながってからログオンしたあと切断される場合は、しばらく待って再度接続を試みます。何度やってもだめなときは、各設定を再確認しそれでも接続できなければプロバイダーに確認してみましょう。

K.KAWABE <kawabe@doho.ac.jp>
Created: Jul.13,1996,
Updated: Jul.14,1996