イストラ半島


クロアチアの北西にインドに似た形のイストラ半島がある。
場所的には、イタリアに近く、ローマの影響を強く受けている感じがした。
半島のほぼ南端のプーラの競技場を見学し、
西側を少し上がったロヴィニを対岸から見て、
さらに少し北上してポレチェでは世界遺産のエウフラシウス聖堂の見学をした。


プーラに向かう途中(目に留まった二つの風景)
 ひとつは円筒形の石の家がいくつかあったことだ。屋根も円錐形に石で葺いてあって、南イタリアのアルベロベッロを思わせた。(行ったことはないけれど)

 もう一つは、広く焼けている林があったこと。ガイドさんが確かめてくれたところ、自然発火による火事があったとか。損失も大きいとのこと。

プーラの円形劇場
 公園のようなところに、街のミニチュアがあって、そこで概要を聴いた。写真の右半分が旧市街で、城壁に囲まれていた。
 円形劇場は、大きすぎるので、少し離れてあった。

 水が吹き出ているところは、プーラの貴重な水源で、これがあったからプーラが栄えたとのこと。


 通りを抜けて劇場に近づく。なかなか趣のある通りの風景だ。

 
 この手の劇場では、世界で5本の指に入る規模だとか。

 この遺物は、あるときは闘技場に、あるときは市場に、またあるときは劇場にと使われたそうだ。


 この夏は、野外映画会場として利用されていた。立派なスクリーンと、観客席がセットされていた。
 左写真で一部が白くなっているところは、作り直したのかと思ったが、洗いか削りか分からないが、表面をできた頃のようにしたとのこと。

 右写真で、下りの石段の両側には、石でできた観客席があったそうだが、一時廃れたときに、人々が建築資材に失敬してしまったとか。
 とにかく暑くて、説明をほどほどに聞きながら、日陰はないものかと思ったものだった。

 60年記念のイベントのポスターがあちらこちらに貼ってあった。人の顔で数字が描いてあるのがおもしろい。

 右の写真は、少し前、この劇場にネクタイをした時の絵はがき。本当にこの大きさのネクタイを着けたのだとか。さすがネクタイの発祥のクロアチア。
ロヴィニの眺望
 ポレチェへ向かう途中、バスが駐車場のようなところへ入った。港の向こうに島のようなものが見える。それこそが、ロヴィニの街。

 「中に入ってしまうと、どこも似たようなものだから、ここから眺めるのが一番です」とはガイドさんの言。

ポレチェ エウフラシウス大聖堂
 とにかく、ひたすら暑い中を進んだ。道路にまでテーブルが並べられ、バカンスを謳歌する人の姿が見られた。

 少し道路が狭まったところで右を見ると、きらびやかなモザイクが施したゲートがあった。
 そこが、エウフラシス聖堂の入り口だった。
 最初に中庭に出た。
 前方の建物の中央(暗くなったあたり)には、キリスト像があった。

 そして、さらに進み聖堂に入る。金色のモザイクが眼にまぶしい。


 オスマントルコ全盛の頃、この地はヴェネツイアの支配下にあり、イスラムk化を逃れ、この素晴らしい姿を残しているのだという。
 一つ一つの絵には、それぞれの意味があるようだが、細かい説明は覚えていない。

 右側の写真の左から2番目の聖人は、手に教会を持っている。彼こそ、この教会をここまで美しく改装したエウフラシス。


 エウフラシスは、自らの偉業を後世に残そうと、柱の上にもイニシャルを残した。
 教会内部の床に、硝子窓でしたが見えるようになっていた。エウフラシスが直す前の教会のモザイクなどが見える。聖堂の奥にも、さらに外にも、昔の教会の遺構が残されている。

 教会の裏側の石段を上ると、そこは入り江だった。対岸の家並みも楽しめる。
      現地ガイドのアレンさんは、少しの間、とっても狭い道を使った。そして、路地裏にテーブルを並べて昼のひとときを楽しむ人たちの間をも抜けた。

 こんな狭いところをなぜ?
 そう、そこは日が当たらずに涼しいのです。