チャナッカレへ



8月7日(日) 午後 
(都市名) イスタンブール〜チャナッカレ (交通機関) 船 (スケジュール)チャナッカレへ
 ※チャナッカレへの移動は、天候により陸路となることがあります。

 このように日程表に書かれていた。地図を見ると、イスタンブールからチャナッカレ方面に向けて、幾筋もの航路がある。けっこう長い船旅を楽しめる、と思いこんでいた。
 昼食では、旅行に出たときの常と、地元のビールを飲んだ。そのうちに船に乗るんだからトイレは大丈夫、と安心していた。
 30分走ったあたりには、船がでそうな地形が見あたらない。まだしばらくはいいかと我慢する。1時間たっても、それらしいところに着かない。
 さらに30分ほど走ったあたりで、「一度トイレ休憩をしようと思うのですが、ドライブインが混んでいたので入れなかったので、もう少し走ります。」とガイドさんから説明があった。

 それから20分ほどして、やっとトイレ休憩になった。

 行程は、下の地図の1から2まで陸路で、2から3までをフェリーで渡るというものだった。上の行程表の「船」「天候によっては」ということばは、私に大きな期待を持たせる字句であった。


一路チャナッカレへ
 「みなさん、左に見えるのがマルマラ海です。」
とユミットさんから説明されるが、その頃はどこのことか見当がつかなかった。
 今じっくり地図を見れば、なるほどと思う。光が海面に反射してまぶしい。
 イスタンブールの中心から車で20分、30分と走っても、丘陵地にたくさんの建物が並んでいる。きれいだが、走っている車内からは、うまく撮れない。
 そろそろ見夏に着くかと思って、入り江が見えると写真を撮っていた。
 海岸線を走ると、浜辺にはキャンピングカーやテントが見え、別荘地の集まったようなところがいくつも並んでいた。
 こんなにたくさんの建物があって、いったいだれが使うんだろうかと思われるほどだったが、このあたりは、ヨーロッパの人にとって、絶好のリゾート地なのだろう。
 途中での休憩を挟んで4時間ほど走ると、向こう岸が見えてきた。このあたりがダーダネルス海峡と呼ばれるところだ。大きな貨物船が行き交っている。
 しばらくして、バスが進まなくなった。 「今日は日曜日なので込んでいます。6時半のフェリーに乗れればいいんですが。私たちは、ここからフェリー乗り場まで歩きましょう。」
と、ユミットさんはバスを降りて歩き出した。
 ずっと車が連なっている。
 エジェアバトのフェリー乗り場を出たのは、7時を回っていた。サマータイムなので日本との時差は6時間。こんな時間に、フェリーにやっと乗り込めたのです。

 待ち時間が1時間以上あったが、波止場の喫茶店でチャイを飲んだり、漁師さんの魚捕り風景を見てゆったりと過ごした。舟でぐるりを回りながら網を仕掛け、海面をオールでたたいてぼうようにしていたが、海草以外は何も網にかかっていなかった。
 フェリーが折り返し運転をしていたので、取り残されることなくほっとした。
 それにしても、車が出入りに使うゲートは45度の傾きで、車止めを使うこともない。30分ほどの行程なので、これでいいのかも知れない。

 チャナッカレに着く頃には、日も暮れかかってきた。
 バスが船を離れるとき、チャナッカレから対岸へ渡るフェリーに乗ろうと、たくさんの車が列を作っていた。かき入れ時の日曜日ということで、まだまだ船は働くのだろう。

 チャナッカレ郊外のコリンホテルに着いたのは8時頃。部屋からは、プールとダーダネルス海峡が見えた。