トロイの遺跡

 「トロイ」と言えば、「トロイの木馬」「シュリーマン」、そして映画「トロイ」などを思い浮かべる。その中でも、一番イメージしやすいのは、「トロイの木馬」だろう。
 木馬の中に入れる。中に潜んでいた兵士の気持ちを味わうことができるだろうか。そんな思いを秘めて訪れたのだった。


トロイまでの道
 チャナッカレのホテルの前の道路は、舗装はされているものの、工事の途中のような雰囲気だった。それが、トロイに近づくにつれて怪しくなった。舗装はされている。しかし、これこそワインディングロードというやつなのだろう。
 道路の中央がブロックで2車線に分離されるようになると、ほどなくバーが進路を遮断した。そこにチケット売り場があった。
 そこから少し進むと、砂埃の舞う駐車場に到着した。
遺跡の見学が始まる
 トロイには、9回街が造られたそうで、第1市(紀元前3000年〜2500年)から第9市(ローマ時代)までの遺跡が残っている。前の都市が壊れた上に次の都市を造るといった感じだ。
 概観の説明を聞いてから、実際の遺跡を見学した。
  穀物の保存などに使われたという壺や土管があった。
 かつての石垣が再現されている。
 昔の都市で使われていた石だ。
「石垣にさわってみてください。歴史を感じませんか」

 「ILIOS WILUSA」と、大理石で造られた表示があった。
 今は、向こう側に畑が広がっているが、かつては海だった。映画のトロイでも、城は海に面したところにあった。
 トロイの城壁は堅固で、攻め込むことができないと言われるほどだったそうだ。


 T,U,Vなど、どの時代のものかが分かるように、表示がしてあった。ころがっている石ころのどれもが、歴史的なものなのだ。
 上の赤茶けたブロックは、第1市のものだそうだ。大きなテントで保護されている。

 左のくぼみは、シュリーマンがプリアモスの財宝を発掘したといわれる第2市の跡。トロイ遺跡を発見したということで有名なシュリーマンだが、彼の目的は、この財宝を奪うことだけだったと、悪く言う人もいるそうだ。
 「木馬が運び込まれたのでは?」とされる東の城門の跡。
 上は、第5市の時代の神殿の基礎の部分。ユミットさんが説明しているところには、当時の様子が絵に表してある。
 オデオン(小劇場)の観覧席。ここでは、いったいどんな催しがあったのだろうか。
 昔、使われていた石がごろごろしている。遺跡は今も発掘を続けられており、これから先、よりわかりやすく、より往時を想像しやすく整備されていくことだろう。

 下左は、下右の図の建物の入り口の部分だとか。ここを木馬が通ったという説もあるとか。絵の方では、人が小さく描いてあるが、実物は、とても木馬が通れるほど大きくは見えないのだが。
お楽しみの木馬
 一度は入ってみたいと、階段を上った。中は2層になっていて、2度階段を上らないといけない。どんどん人が入ってくるので、なかなか上には行けないし、なかなか下りることもできない。

 遺跡を見た跡では、いつ作られたのか知らないけれど、作り物のこの木馬は、おもちゃのようにしか見えなかった。本物の木馬も、こんな感じだったのだろうか。