@「放送教育」ってなに?

ひとことで言えば、子どもたちが生活やあそびをより充実させる上での一つの環境。つまり、すばらしい番組を見て、感動した子どもたちが意欲的に、そして自発的に行動できるよう援助していくこと。そこで私たちが一番大切にしていることは、感動し、心ゆれ動かす子どもたちの思いを暖かく受けとめ”共感”する事です。そのためには、子ども一人一人の心の動きを知り、読みとり、理解できなくてはなりません。信頼関係も強くなくては、子どもは心を見せてはくれません。
でも、こういったことは、何も放送教育に限らず、保育全体で大切なことだと思います。
スイッチのタイミング、部屋の明るさ等、技術的なことはきっちりマスターした上で、精神的なところでは、他の保育と変わらず、子どもに寄り添い共感してあげる存在として、援助し自発性を導き、生活やあそびが益々充実していくことを願ってやみません。決して、知識や記憶力を競い合うのではなく、子どもたちが育つうえで、欠かせないもの(信条・意欲)などの一人一人の内面の育ちを大切にしようとするものです。

Aなぜ、一斉視聴する必要があるの?・・(みんなで見る楽しさを・・)

給食だって一人で食べるより、みんなで食べた方がおいしく感じられるでしょう。放送もテレビ対一人の関係だけではつまらないし、感動も少ないと思います。私たち大人だって、たとえば好きな映画とかを見るときに気の合う人と一緒に見たいとか思ったりしますよね。それと同じで、園では大好きな友だちや先生と、家庭では心安らぐ家族で見るテレビの楽しさが味わえれば、テレビを仲介として人と人との心の交流が出来ていくと思います。兄弟で見るテレビ、お母さんと見たいテレビ、お父さんとそしておじいちゃんやおばあちゃんとテレビを見ることでさらに楽しさが深まることでしょう。園でもみんなで楽しく見ることによって得られる共通体験を基に、イメージ交流によってさらにお互いの気持ちを交流しあい、その中で生まれる共感などを大切にしていきたいと思っています。子どもは本来、テレビが大好きなものです。この友だちや先生と見る15分間が共通体験となり、生活や遊びもより充実し発展していくと思います。しかし、最初から無理に見せるのではなく、徐々にみんなで見る楽しさを味わうようにしています。

Bテレビを見ることは、幼児期にもっとも大事にしたい直接体験でなく、五感も働かないのではないのでしょうか?

たとえば、見せっぱなし聞かせっぱなしの家で見るのと同じようにおもしろおかしく、好きな時間に好きなものだけを見るような見せ方では、当然五感は働きませんし直接体験も勿論ありません。テレビと子どもだけの関係でなく、友だちや先生との共通体験を基に、イメージ交流(番組を見て、感じたことや思ったことを交流しあいます)や遊びを通して、自分の思いを表現したり、みんなとの共感や違う思いを体験しあうことで、信条や意欲などが育てられると思います。
では、直接体験、たとえば虫を捕まえてきて飼ったりすれば、その虫や生き物に対する優しさやいたわりが育つでしょうか。お子さんをお持ちになった方なら分かると思いますが、子どもはよく虫をおもちゃとしてしかあつかわなっかたり、すぐに飽きて死なせてしまったりします。捕まえたり戦わせたりすることには興味を持ちますが、なかなかその虫自体に同じ生きているものとしての愛情などが育ちません。しかし、「しぜんとあそぼ」などを園で継続視聴することで虫が生まれてからどんなに苦労して生きていかなければならないか。赤ちゃんの時に他の虫に食べられたり、そして大きくなってからは、生きていくために他の虫を食べて行かなくてはならない自然の厳しさなどをみんなで見て交流しあうことで、その虫に対する知識だけでない、愛情や感動が生まれてきました。

Cテレビから与えられてばかりで受け身の人間になりませんか?

テレビと子どもだけの関係ならば、そうとられても仕方ありません。しかし、番組を通して子どもたちや先生が共通体験をし、そこから生まれる共感や違う思いを表出しあい関わり合うことで、子ども自身が主体的にいろいろな表現方法で思いを出すようになります。もちろん子どもが素直にいろんな表現ができるような保育者との信頼関係、保育室の環境などが大切なのは言うまでもありません。

D園ではどのような番組を見ていますか?

明照保育園では、園全体で話し合って各年齢児に見る番組を統一しています。
継続視聴番組・・5歳児「しぜんとあそぼ」
        4歳児「つくってあそぼ」
        3歳児「こどもにんぎょう劇場」
        2歳児(継続児)「しぜんとあそぼ」
        2歳児(新入児)「おかあさんといっしょ」
        0.1歳児「いないいないばあ」
随時視聴番組・・各学年担任の判断で「お話でてこい」「しぜんとあそぼ」「つくってあそぼ」「こどもにんぎょう劇場」などを見ています。

その他ご質問などがございましたら、meisyou@tcp-ip.or.jpまでどうぞ。