隊長は、45才になった今でも、人のいうことを聞かない。
自分で納得さえすれば、ハイハイと良い子になるのだが、納得できないことは、どうしても出来ない。
自分で試してみてこそ初めて納得できる性格なのだ。
どうしてこんな性格になってしまったのか?ちょっとしたらあの頃にした数々の実験が影響しているのかも知れない。
今回は、その数々の実験の話なのだ。
隊長が年長さんの頃、コンセントの穴を見ていて不思議に思った。
「どうしてあんな2個の穴に二本の棒のようなものを差すと電気がつくのか?」と。
いくら考えても分からなかったが、きっと何かが流れてるだろうという仮説を立てた。
こうなったら実験するしかない!
隊長は、周りに人がいないのを確認するとコンセントの棒の間に小さな小指を入れてそのままコンセントの穴に差してみることにした。
きっと、何かが流れていれば、この指が感じるはずだ。
そして、エイヤ!という掛け声と共に差してみた。
「ビリビリビリ・ビ・ビ・ビ・ビ・・・!!!」
凄い衝撃が隊長を襲った。
急いで指を抜こうにも体が思い通りに動かなかった。
コンセントに挟まれている指から肘にかけて青い光のようなものが登ってくるように見えた。
その光が肘の上に来た時、気を失いかけてバタッと後ろに倒れて、一緒に指も外れたのだった。
「あ〜ビックリした!」
頭がズキズキしたが、自分の仮説の正しさに満足していた。
やっぱり何か流れていたんだ!俺は天才だ!!
隊長が、電気の存在を身にしみて分かった瞬間だったのだ。