小学校2年生になった隊長は、♪もうどおにもとまらない!♪(山本リンダ)だった。
(ちなみに、小学校始まって以来の神童と言われた友だちのトシくんは、山本リンダのものまねが上手かった!)
当時の隊長のマイブームはカミソリだった。(安全カミソリではなく、床屋さんで使うようなヤツだ)
(その頃の家庭には、カミソリが結構転がっていたのだった)
カミソリの切れ味に、もう魅せられてしまっていたのだ。
紙や葉っぱを切っては、その切れ味に酔いしれていた。
どうしてこんなに切れるのか?鈍く輝く刃を眺めては、不思議に思っていた。
そして、ついに思い立った。
やはり、実際に触ってみるしかない!
思い立ったらどうしようもないのが隊長だ。♪もうどおにもとまらない!♪なのだ。
よ〜し、実験だー!
さっそく、自分の指で実験してみた。
しかし、ホッチキスの件もあるし、やはり慎重にならざる得ない隊長であった。
(人間は、痛い思いをしながら成長していくものなのだ)
慎重に慎重に慎重にカミソリの刃を親指の腹に当ててみた。
ゆっくりと押してみた。切れてない。
もう少し力を入れてみた。切れてないぞ。
グッと力を入れてみた。切れてな〜い。
そして、どうしても横に滑らせてみたくなった。
しかし、数々の経験が何かを隊長に教えていた。
危ないという気持ちと、何事もやってみなければ分からないという冒険心。
カミソリを親指に当てたまま、隊長はゴクリとツバを飲み込んだ。
何者かに背中を押されたような気がして、ちょっとだけ横にずらしてみた。
サク!
あれ?あれれれれ?????
見ると親指に筋が入っている。そして、その筋がぱくっと開き血が吹き出てきた。
アチャチャチャチャーーーーーーーーー!!!
急いで親指を口に入れてバンドエイドを探しに行った。
バンドエイドで止めても血がにじんでドクドクする親指だったのだ。
隊長は、またひとつ大人になった。
カミソリというものは、押しても切れないが、動かすと凄い切れ味を出すものだということを!
そして、今でもカミソリを見るとなぜか血の味を思い出すんだよなぁ〜。
PS
小学校始まって以来の神童と言われたトシくんは、中学の時にゲームセンターのピンボールにはまってしまった。
そして、毎日のようにゲームセンターに通い、そのあげくにムームーおじさんに泣かされてしまったのだ。
その姿には、小学校の時の面影はなかった。(この話は改めてまた書きます)
今では、5人の子持ち(通称:津田の種馬)になった元神童トシくんだが、やっぱり彼のピークは小学校だったな〜。