[楽しげな親子の陰で・・]('07/8)

(保育関係者のメーリングリストより)
隊長です。 監査の呪縛?から逃れて連投です。
昨日の午後3時頃、愛知県豊田市の自動車専用道に架かる橋から 8才の女の子がお母さんに突き落とされて亡くなりました。 お母さんもその後飛び降りようとしましたが、近所の人たちに止められたようです。 まだ、詳しいことは変わらないのですが、どうやらお母さんが鬱病だった模様。
この橋は、今年の親子遠足で行ったところなので余計に身にしみて感じられました。
あの時は、楽しげな親子がたくさんいたのに、
今回は、無理心中をしようとしたお母さんと女の子の姿があったんですね。
実は、愛知県は虐待が多くて有名。 世界のトヨタを初め、多くの大企業があり、 貯蓄高も全国有数の県なのに、なぜか虐待で子どもを殺してしまうような事件が多発しています。 ちなみに虐待自体は、保育園に通っていない子の家庭の方が多いようです。 また、保育園に通っている子の場合だと、初期に発見することが出来、 (身体測定を始め、子どもを保育士がじっくり見る機会が多いから) 深刻になる前に対処出来ることが多いと児童相談所の人が言っていました。
そして、今回のような母親が精神を病んでいる事例も増えています。 当園にも昨年度、育児ノイローゼや鬱病で緊急に入園したケースが3件ありました。
うち2件は、昨年度中に家族や医師を含めた何回かの話し合いの末、何とかなりましたが、
1件は、まだまだ安心できる状態にはなっていません。 つい先日にも、お父さんとこれからのことを話し合ったところです。 前回、
>児童クラブに限らず、入園してくる子の中にも >発達障害と診断を受ける子や親にとって育てにくい子、 >気になる子が増えています。 >こういう子たちには、専門知識を持った(保育士を始め)人たちの >早めの援助が欠かせません。
と子どもたちの事を書きましたが、 実は、母親を始めとした親への援助も保育園の大切な責務になっています。 もう家庭でどうにか出来る段階ではないんですね。 これらはある意味特殊な事例ですけど、
一般的な家庭にも、家庭や社会から子育て力がなくなってしまったツケが忍び寄っているのです。
2才児で入園したAくんは、入園まで1日12時間ビデオを見ていました。 お母さんによると子どもが見たがっているから見せていたようです。
もちろん、言語の発達の遅れを始め、発達障害と診断されかねない状態でした。 今年卒園した時には、なんとか他の子との差が小さくなりましたが (それでもやっぱり差はあります) 後1年入園が遅れていたら、おそらくここまで回復することは不可能だったと思います。
1日12時間もビデオを見せていたお母さんでしたが、
本当に早めに保育園に入れてくれて良かったと思います。 (お母さんのためより子ども自身のために・・) このお母さんとは、連絡ノートが交換日記のようになってしまいましたが(笑) 今では、保育園の掲示板の常連さんにもなってくれました。
子育ては、親を中心としつつも社会でするものだと10年ほど前からインターネット上で発言してきましたが、 今でも正しかったと思っています。
当時は、まだ3才育児神話が信じられていて、
子育ては家庭(母親)がするものだと考えていた人が多かったようです。 まぁ、国を挙げて標準家庭が理想だとずっと言ってきたからしょうがないんですけどね・・。 共働きだろうが、専業主婦だろうが、子育ての社会的な援助が必要な時代なんです。
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