おさんぽ(2004/12) 

 2歳児さんクラスの出来事です。

新入園児のひーちゃんは、当初から泣くこともなくすんなりと保育園に慣れたようでしたが、

6月頃からぐずることが多くなりました。

毎朝、お母さんと別れる時にメソメソして姿が見えなくなると「ママーママー」と大泣きです。

4月当初とは違い、みんなが笑顔の中で登園できるようになった頃なのでお母さんも困惑気味でした。

ある日、2歳児さんに顔を出すと先生に抱かれて泣いているひーちゃんがいました。

「ひーちゃん、今日も泣いているの?」と尋ねると

「4月に我慢した分、今泣いてんだよね〜」と先生がひーちゃんの顔を見ながら答えました。

ちょっとでも気晴らしになればと思って「ひーちゃん、先生とお散歩するか?」と聞けば泣きながらコクンと頷きます。

さあ、二人で園内探検です。

「ここは大きなお兄さんお姉さんのお部屋だよ、一緒に遊んでくれるからね」ひーちゃんは泣きながら頷きます。

赤組さん(0,1歳児)のお部屋に来た時です。

「ここは、赤ちゃんのお部屋だよ」まだハイハイしている子やちょこちょこと歩き始めた子たちが遊んでいる姿をじっと見ています。

「ひーちゃんじゃん、ちょっと遊んでいけば?」と先生たちに言われればまたまた泣きながら頷きます。

「この子たちもこの前までお母さ〜んって泣いていたのよ」笑顔で遊んでいる赤ちゃんたちを指さしながら先生が答えます。

一人っ子のひーちゃんには、赤ちゃんたちが珍しいようです。結局お昼近くまで一緒に遊んでいました。

転んで泣いている赤ちゃんに「いいこ・いいこ」もしてあげたようです。

次の日からです。突然、「ひーちゃん、頑張る」と泣きながらも言うようになりました。

発達が少し遅れているひーちゃんは、他の子たちが出来ることが出来なかったり先生にやってもらうことが多くなっていました。

そのことをお母さん自身も気にし始めた頃でした。

4月に頑張りすぎてしまったかもしれません。先生たちもこれからの関わり方を模索している時でした。

そして、何回か赤組さんに遊びにいく中で笑顔で当園出来るようになりました。

でも、ひーちゃん、頑張り過ぎなくても良いんだよ、出来ないことがあっても良いんだよ、

もし、泣きたくなったらまた先生とお散歩しようね!