お祭りごっこ

11月の第1土曜日にお祭りごっこがありました。

御神輿を担いでお宮さん(神社)にお参りをして、 園に帰ってきてからバザーやお店屋さん、ゲームなどをして楽しみます。

この行事は、園全体がお祭りになってしまうというとっても楽しい行事なのです。

子どもたちは、1週間ぐらい前からゲームの景品にする 手裏剣やキャラクターものを折り紙で作ったり、 ドングリを拾いに公園に行ったりします。

先生たちには、お店屋さんの準備がありますが、 例年あるものを手直しするだけなのでたいした労力ではありません。

一番時間がかかるのは、「小さなおもちゃやさん」のためのおもちゃの仕分けです。

これは各家庭でいらなくなったおもちゃやぬいぐるみを、 1袋5円、10円と値段を付けて、子どもたちに買ってもらいます。

各先生たちは、順番でいろいろなお店に割り振られるのですが、 今年はおもちゃの準備をしている先生に一言、言ってしまいました。

「これ、子どもが買うだに、おもちゃをさばくためじゃないに」

先生たちは、袋にぬいぐるみやおもちゃをたくさん入れて、 1袋50円とか100円とか値札をつけていたのです。

「売れ残ってもいいだに、フリーマーケットに持っていけば 小学校の子が喜んで買ってくれるし、

ぬいぐるみはゲームの景品にすればいいんだし」

先生たちには、大量のおもちゃをどう売り切るかということよりも、 それを買う子どもたちの顔を思い浮かべなが準備をしてほしかったのです。

ひとつひとつ手にとりながら楽しそうに悩んでいる 子どもの姿を思い浮かべてほしかったのです。

自分たちで考えながら工夫をしているのに、 僕があまり口出しをするべきではないと思っていますが、思わず言ってしまいました。

ガチャガチャや多少壊れているようなものでもいいので、

たくさんの中から子どもたちに自分で選んで自分で買う楽しみを 味わってもらいたいのです。

今の子たちは、好きなおもちゃなどもすぐに買ってもらう子もいるのですが、

自分でお金を持って自分で選んで自分で買うというと気合いが入るようです。

乳児さんたちも真剣に選んでいました。

売り子さんが先生なので、 「あっちゃん、かっこいいの選んだね、大事にしてね!」などと声をかけられて、 満足げに抱きしめていました。

その子どもと先生の笑顔を見ながら、 「あの時に、少し違う言い方が出来なかったのかな」と考えてしまいましたが。

親御さんの一番の注目、 バザーの品物を集めて値札などをつけるのは、役員さんたちの仕事です。

各家庭、2品供出してもらっています。 それに加えて、いらなくなったおもちゃを出してくれる方もいます。

「これは100円で売れるね、こっちは50円がいいとこね」と 役員のお母さんたちはわいわいと値札をつけていました。

もちろん売れ残ってしまう品物やおもちゃもありますが、 これらは6月のフリーマーケットで活躍してもらいます。

このお祭りごっこの収益は、父母の会の廃品回収のなどのお金と一緒になって、 保育用品や年度末の記念品などになります。

御神輿の飾り付けや引換券に色を塗ったりして、 その日が近づくにつれてだんだんとみんなの気持ちも盛り上がって来るのが 伝わってきます。

2歳児さんたちが、お便所に行くのに「わっしょい、わっしょい!」 と言いながら事務所の前を通っていきます。

頭にはちまきを着けて遊んでいる年長さんもいます。

2日ぐらい前になると、はっぴがない子に園のはっぴが貸し出されます。

年少さんたちは、運動会でやった「お祭りどんどん!(花祭り)」の時の 自分たちで作ったビニール製のはっぴです。

(このはっぴを見るだけで、運動会の興奮がよみがえるようで、 もうじっとしていられないようでした。)

園に来ていない弟や妹のための引換券も売りに出されます。

この頃には、テラスにみんなで飾った御神輿が出されて、 雰囲気を盛り上げます。

そして、いよいよ当日です。

子どもたちは、9時頃までに園に来ます。 はっぴにはちまきをして、朝から気合いがはいりまくりです。

じっとしていられずに走り回ったり、 そのあげくに友達とぶつかって泣いているやつもいます。

この無駄な動きこそが子どもなんですね。

ペースなんて考えないで、その場の気持ちだけで行動できる、 そんな姿を見ていると羨ましいやら、見ているこっちが疲れるやらで大変です。

9時15分からお祭りごっこが始まります。

まず、理事長先生のお話があります。 「どっからでもかかってきなさい!」って目で結構真剣に聞いていました。

その場の気持ちだけで行動する子どもたちですが、 楽しいことの前にしなくてはいけないこと、 段取りみたいなものはちゃんと分かっているようで
す。

この辺は侮れません。

子どもに言うことを聞かせるためには叱って身につけさせなくてはいけないと 思い込んでいる方もいますが、子どもは犬や猿ではありません。

状況を判断する能力には驚くのもがあります。 それが楽しいことにつながることであればなおさらです。

子どもって、お約束を守ることやルールを守る事って以外と好きなんですよね。

(もちろん、そればっかりではイヤになってしまいますが)

さちよ先生がかけ声をかけます。「メイショウ・メイショウ!」。

子どもたちが答えます。「ハイ・ハイ・ハイ!」

「レッツ・ゴー、レッツゴ・ゴ・ゴー、オー!」

「バンバンバンンンンンー」 (ここで、あらかじめ屋上に仕掛けておいた爆竹がなります)

やはり、お祭りには花火です。 あの音と火薬のにおいが気合いを入れてくれます。

これは、毎年美奈子先生の役目です。 去年はばっちりタイミングが合いましたが、今年は、2秒ほど早かったです。

まだまだ修行が足りません。(私、花火にはうるさいのです。)

さあ、この花火の音を合図に、御神輿が練り歩き始めます。

このときに門のところで、煙幕を炊きまくるのが僕の役割なのですが、 ビデオを撮りながら煙幕を投げるというのが結構大変でして、

指を火傷して「あっちっち!」と叫んでいたらみなさんに笑われました。 こんな事で喜んでいただければ幸せです。

去年は、発煙筒を派手に炊いたら、近所のおばあさんに火事に間違われて、 職員会議で怒られてしまいました。

御神輿は、年長さんが交代で担ぎますが、他の子たちは自分たちで作った鳴り物 (カップなどに石を入れたものなど)を鳴らして応援します。

親御さんたちも(自由参加ですが多くの方が来てくれました) お手紙で鳴り物を持ってきて下さいとお願いしてありましたので、

ペットボトルからフライパンまでいろいろと工夫をしてくれていました。

「前の晩に子どもと一緒にこれを作るのが楽しんだよな」 と言ってくれた親御さんもいました。ありがたいことです。

お宮さんまでは一般道路を歩くのですが、 この時に活躍してくれるのがお父さんたちなのです。

自発的に交通整理をしたり、子どもたちの世話までしてくれます。

歩道の端を歩いてくれたり、 走ってくる車に頭を下げて徐行してもらったりしている姿を見ると、 「やるときゃやるな、お父さん!」って感じです。

人数が多いので、字別に近くの3つのお宮さんに分かれて行っています。

だいたい往復30分ぐらいの行程ですが、各先生が携帯電話で連絡を取り合って、 同じ時間に園に帰ってきます。

全員が園庭に入るまでに、お母さん方はバザーのチェックを、

子どもたちは狙っているおもちゃやの事やどのお店から回ろうかなどと 笑顔で話し合っていますが、目が真剣です。

そして、お店屋さんが始まります。

自分で色を塗った引換券を首から下げて凄い勢いで散っていきます。

この引換券には、綿菓子・くじ引き・ポップコーン・飴つかみ取り・ ジュース・ヨーヨー風船釣り・

金魚すくいやゲーム (的あてゲーム・スーパーバトル・ボーリング)などがあります。

去年までは、1枚1枚が分かれていたのですが、 落とす子がいるということで(ちゃんと名前は書いてあるのですが) 1枚にまとまってしまいまし
た。

(僕は、前の方がいいと駄々をこねたのですが、職員会議であっさり否決されました。)

美奈子先生がマイクを持って、各お店を回りながら 空いているところや様子を実況中継して盛り上げていきます。

それでは、各お店の報告です。

まず綿菓子屋さんです。

僕の友達が綿菓子を製造しているので、そこで安く仕入れてきます。

3種類の絵柄があるので(友達の嫁さんが子どもとデザインしたそうです) 好きなやつを選べます。

隣の保育園さんには機械があって、「貸してあげる」と言われているのですが、 人数的にその場で作るのは無理なので小袋に入っているやつを
買ってきます。

子どもたちは、落とさないようにスーパーの袋を持ってお店を回ります。

飴つかみ取りは、子どもたちがきれいに折り紙などを張り付けた穴のあいた箱が3個、 用意してあります。

もちろん中には飴などがびっしり入っています。 (大量の飴を、いかに安く買ってくるかは僕の腕の見せ所です)

これに人生をかけている子もいるのです。 入れた手に全神経を集中して凄い顔で引き上げています。

これが、乳児さんたちだとかわいいもので2,3個いったところですが (少ないとおまけがありますが)

年長さんぐらいになると13,4個も取る強者がいます。

これでは、大赤字なので、あまり多くとれないように 去年はでかいゼリーを入れたら不評でした。

今年は買ってこないでと職員会議でクギを差されました。

ポップコーンは、給食の先生が二人で作りながら売ります。 機械は、馴染みの業者さんからタダで借りてきて豆だけを買ってきます。

バターを少し入れるのがミソだそうです。

くじ引きは、アクセサリー・ヨーヨー・スーパーボールのくじ引きを、 超安いお店で買ってきます。

何でも手作りだと準備が大変なので、安く揃うものは割り切って買っちゃいます。

行事3原則

@ 子どもが楽しめる(1番大切)

A ご家族が楽しめる(以外と簡単)

B 先生が楽しめる(1番難しい) を守りながら、みんなで楽しめる接点を考えながらやっています。

なんと言っても1番人気は「小さなおもちゃやさん」です。

うちの子どもたちもこれに命を懸けていまして、真っ先に飛んでいきます。

「これで好きなものを買いな」と10円玉を10枚づつ渡すと、 これ以上はない笑顔で「父ちゃん、ありがとう」とメチャ感謝されます。

(こいつらには、もう一生分の親孝行をしてもらったと思っていますが、 中学ぐらいまでは遊んでもらいたいです。)

家にはたくさんのおもちゃがあるくせに、自分で選んで、 自分でお金を払って(5円10円なのですが)買ったものは、 多少壊れていようが汚れて
いようが宝物になるようです。

去年は、壊れかけているデカイ合体ロボを買ってきて盛り上がっていました。

一昨年は、コッソリ出しておいたおもちゃをまさか自分たちが使わなくなった おもちゃとは知らずに

とても嬉しそうに買ってきて「良いものが買えた」 と喜んでいました。

家にあったときには、目もくれないくせにいい加減な奴らです。

ヨーヨー風船は、乳児の先生たちが1週間ほど前からお昼寝中などに作ります。

これがまた、上手いんですよ、作るのが。

一月や二月は平気で持ちます。 釣り竿の先についたフックで引っかけて釣ります。(一人1個もらえます)

2階のお遊戯室にはゲームが二つあります。

* 的当てピカチュー・・お遊戯会のバックに作ったついたてのピカチューと ヤドランにお手玉をぶつけて箱に入ったら、

先生が太鼓を叩いて祝福してくれます。

賞品は、年長・年中さんが折り紙で作った手裏剣とキャラクターものです。 手裏剣は、余ってしまったので作品展のお星様になりました。

* スーパーバトル・・今年の運動会にやった例の年中さんのヤツです.

その後に、乳児さんから年長さんまで、ごっこあそびなどで盛り上がっていたのです。

戦車(段ボールのわっか)はそのまま使えたのですが、問題は悪者たちです。

化け猫ヒロコや女王蜂ムラカミを配置しておくわけにはいきません。

みんなそれぞれのお店屋さんで頑張っています。

それで、ビニール製で下におもりが入っている転んでもすぐに起きるおもちゃを 3個買ってきて

(安くていいものがあったんです)それを手直しして悪者にしました。

ここでちょっと画期的な工夫があったのです。

段ボールの戦車に入って進んでいくと前が見えません。

運動会の時には、親切な悪者たちが声を掛けて止まる位置などを言ってくれましたが、 今回のビニールの悪者は何もしてくれません。

そこで、親御さんがタンバリンを持って誘導してはどうかと言うことになったのです。

これがよかったんですよ。 とっても楽しそうに一緒になってゲームをやってくれました。

今までは、子どもがやるのを応援するって感じだったんですが、 あの嬉しそうな顔を見たら、他のゲームもこれでいこうと即決しちゃいました。

先生たちもよく考えてくれました。 (景品は、年少さんたちが拾ってきたドングリです)

乳児さんの2階のテラスの遊び場はボーリングゲームです。

これは3年ほど前に、園で使わなくなった3組のボーリングのピンを まちこ先生たちが、手直しして始めたものです。

段ボールでレーンを作って、そこに子どもたちが2回ボールを投げて遊びます。

ピンが倒れる度に先生が拍手をして盛り上げてくれますが、 次の子が待っているのですぐにピンを直さなければなりません。

まちこ先生たちは11月だというのに汗をいっぱいかいて頑張っていました。

そして、去年「ピンの後ろに釣り糸をつけて引っ張ると ピョンって立つようにしたらどう?」という提案があり、

やってみたら大好評で、ピンが立つたびに歓声が上がりました。

今年は、若い子たちの担当だったのですが、 投げたボールを子どものところまで持っていくのではなく、

レーンの横に角度をつけたレールを作って、ボールが自然に戻るようにしていました。

段ボールのレーンもきれいに色づけされて、 3年間の先生たちの工夫で楽しいゲームに成長しました。

(景品は、ぬいぐるみ・色鉛筆・近くの本屋さんでもらった絵本のおまけから選べます)

あっちこっち走り回ってのどが渇いたらジュースやさんです。 ここには休憩所もあっていすや机も用意されています。

ジュースを飲んだり綿菓子やポップコーンを頬張って一息つきます。

家族が来られない子たちや役員さんの子どもなどは 3人の子ども係の先生たちと回ります。

遠くのおじいちゃんやおばあちゃんが来てくれることもあるようですし (毎年、楽しみにしているそうです)以外と人数は少ないのですが。

どんな行事にも「お笑い」がほしい。これは僕の願いでもあります。

お祭りごっこの「お笑い」はズバリ、迷子コーナーです。

いつも生活している園なので、別にたいした問題ではありませんが、

キョロキョロしている子を見つけるとすかさず連れてきて迷子に仕立て上げます。

「こうすけ君のお母さん、こうちゃんが迷子コーナーで待っています。 母ちゃん早くこいっていっていま〜す」。

ここでこうちゃんにマイクを向けると 「俺が迷子じゃないわい、母ちゃんが迷子だい!」と的確なコメントを言ってくれます。

笑い声の中をお母さんが真っ赤な顔で走ってきました。

これが乳児さんで泣いていてくれるとグッと盛り上がります。

「白い洋服に赤いスカートの2歳の女の子が泣いています。

自分で、ゆみちゃん、先生はたかこ先生って言っています」と やるとお母さんがバザーを山と持ってやってきます。

子どもよりバザーを取ってしまった自分に少し反省をしながら 仲良く人混みの中に消えていきました。

バザーの役員さんたちが最後の呼び込みを始めました。 もちろんマイクを握っているのはユカチン(副会長さん)です。

最初の先生たちとの顔合わせで「ユカチンって呼んでね」と言った時は、 その変わった格好もあって(ミュージシャンなんです)、

園長先生の目が点になってしまいました。 でも、その人柄の良さを先生たちは知っていますので、すぐに安心していましたが。

「私はユカチン、マイクを持ったら離しません、一曲歌ってしまいましょうか、 でもその前に最後の値引きだよー、集まって集まって!」

ユカチン、絶好調でした。

11時15分になると金魚すくいが始まります。 本物の金魚なので、出来るだけ弱らせたくなく帰る前にすくってもらっています。

本物の金魚は小さな網で一人2匹すくいます。 おもちゃの金魚は何回でもすくえます。

生き物なのですくう楽しみだけでなく育てる楽しみも感じてほしいと思っています。

そのために水草や浮き草もを大量に用意して自由に持ち帰ってもらっています。 この栽培は僕の役目ですが、以外と簡単です。

「金魚博士より」と言うことで育てるコツや注意などもパネルで説明します。

家で飼えない子は、それようの金魚を入れる水槽に入れます。 これらの金魚は園で育てます。

当園は亀が18匹いますが(うち2匹は園で生まれました) 金魚も半端ではありません。

各クラスや生き物コーナーには何年も前の金魚たちが巨大化して暮らしています。

(ある見学に来た先生の言葉を借りれば、 「まるで放射能を浴びたような金魚」だそうです)

こいつらは、毎年卵を生みますので上手く育ったものもすくってもらっています。

一通りの券とおみやげ券は最初に配りますが 何回かやりたい子はチケットを買ってもらっています。

(綿菓子20円・くじ引き30円・ポップコーン30円・飴つかみ取り50円・ ヨーヨー風船つり20円・ジュース50円・各種ゲーム10円)

今年のチケット売場はちえこ先生とみき先生の担当です。

かわいく、ミッキーとミニーに変身してチケットを売っていました。

5,6年前までははっぴ姿で売っていたのですが、 ゆうこ先生がライオンの格好(似合っていた)で売り出した後は、

えつこ先生のゴジラ(かわいかった)、まちこ先生のセーラームーン(少し怖かった)、

ともこ先生のピカチュー(人気者だった)などと続いています。

おかげで券を売るだけでなく、記念撮影やお帰りにおみやげのパンを配って 握手したりするのも仕事になってきました。

11時半頃になると乳児さんなどからぽつりぽつりと帰り始めます。

(終わりは一応12時って事になっています)

袋いっぱいにおもちゃや景品を入れてニコニコしながら「さようなら」 と言ってくれます。

ゆうまちゃんが「これ、俺の宝物にするじゃん」と言いながら帰っていきます。

(子どもって、こういうことをさらっと言ってくれるのですよね)

この笑顔を見れば、先生たちの疲れも吹っ飛んでしまいます。 来年はもっと楽しくしたいと張り切っちゃいます。

集団生活は楽しいことばかりではありませんが、 この幼児期にこそ、こんなふうにみんなで気持ちを一つにして楽しむこと、

みんなでやる楽しさみたいなものを経験してほしいと思っています。

自己が確立するようになる頃(中学生くらいかな?)には、 無理に集団に会わせる必要はないのではないでしょうか。

(もちろん、いて楽しい、気持ちの良い集団なら問題はないのです。

ストレスばかり貯まるような集団では、そのはけ口としていじめに走ったり、 影で悪さをするようになるのです)

でも、それまでには、集団の良さ、群れる楽しさ、 そしてルールや規則正しい生活習慣をしっかり身につけてほしいのです。

現在は、そのへんが反対になっている事が多いように思えるのです。

一番、群れなければいけないときに、群れる経験もせずに、 その後に学校や組織・集団に合わせようとする。

生活習慣やルールが一番身に付きやすい時にお勉強に奔ってしまい、 一番自己主張をしたいときに制服だ、校則だと締め付ける。

子どもが一番関わってほしい時期に、 本気で関わり合える機会ををやり過ごしてしまい、

関わってほしくないときに「勉強だ、進路だ」とうるさいくらいに言われる。

(子どもと一緒にいる時間自体の問題ではありません、つき合い方の問題なのです)

中学生くらいまでに、子どもとの信頼関係を築くことが出来れば、 その後は子どもを信じるしかないのです。

後は、子どもが一人で考え、悩み、そして決定していくことで 一人立ちしていく準備を始めるのではないでしょうか。

(もちろん、この時期にも親の助けが必要なことは多くありますが)

12時ぐらいになると残っている子たちも段々と少なくなってきます。

まだ、真剣におもちゃを選んでいる子もいますが、 このころになると役員さんや先生たちも交代でお店を回ったり買い物をします。

先生たちや役員さんにも裏方だけでなく行事そのものを楽しんでほしいからです。

いちご狩りや焼き芋パーティーなどでも、子どもたちの世話をするだけでなく、 一緒になってパクパクおいしそうに食べてほしいのです。

子どもと同じ事をする、ただそれだけですが、 その中には何か大切なものが隠されているような気がします。