叱ること

先生はどうしても子どもたちを叱らなければいけないときがありますよね。

では、どのようなときに叱らなければいけないのでしょうか?

第一には、自分や相手の安全に関わることや人に迷惑をかけた時、 人の心を傷つけるようなことをしたときでしょう。

このようなことをしている時は、 たとえ子ども自身が軽い気持ちでやっていてもちゃんと叱るべきです。

ただ、この場合でも、どの程度から叱るべきかというのは、 先生本人の資質に関わってきます。

怪我を恐れるあまりにいつも先生が目を光らせていては、 子どもたちものびのび遊ぶことは出来ません。

このような場合以外にも 自分(先生)の思いどおりに動いてくれない時に叱ることもあるでしょう。

しかし、子どもがどうしてそのような行動をとるのかを よく考えた上で叱らないと子ども自身がどうして叱られたのか

分からなかったりする場合も多くあります。

(実際、中学生に聞いてみたら叱られた理由が 分からないときがあったと言っていました。)

先生によっても叱り方は違います。

子どもを自分の思うように動かしたいのであれば簡単です。 怖い先生になればいいわけです。

ただこの場合、先生の言うことを良く聞く子にはなりますが、

子ども自身は、行為自体の良い悪いではなく、 先生に叱られるか叱られないかで判断するようになります。

これはお母さんたちにも当てはまることです。

又、叱る基準がはっきりしなくて気分で叱る場合も 子どもは先生(お母さん)の顔色で判断するようになります。

どんな叱り方であれ、子ども自身がどうして叱られたのか、 どういう事が悪いことなのかをしっかり納得できるように叱るべきです。

先生に叱られたから止めるのではなく、 どうして叱られたのか、これからはどうするのかを納得してもらうことが大事です。

そして、叱ることとともに大切なことがあります。

それは、誉めることです。

叱られた子が、同じような場面で進歩が見られたらしっかり誉めてあげることです。

保育の確かな先生は、決して叱りっぱなしにはしません。 この叱った後のフォローが以外と大切です。

大人であれ子どもであれ叱られるよりは、誉められる方がいいに決まっています。

自信をつけてもらうためには、叱るだけではだめです。

又、よく叱られる子は、家でも園でも叱られ慣れてしまっていて、 少しぐらい先生に叱られたって「へ」とも思いません。

お母さんやお父さんの方が何倍も怖いよと言っている子もいます。

このような子は、叱るよりむしろ誉めて誉めて誉め殺すくらいが良いようです。

実際当園でも、悪さばかりしている子がいて、先生たちも最初は叱っていましたが、 効果がないのでこの頃は誉めまくっています。

あまりに露骨な誉め方に、 これでは本人が馬鹿にされていると勘違いしないかと心配になりますが、

今まであまり誉められたことがないのか、すっかりその気になってがんばっています。 かわいいやつです。

叱ることは、確かに大切です。

でも、その何倍も誉めることは大切です。