園で育つもの

幼稚園や保育園って、子どもだけが育つ場所でしょうか?

先生たちなら、即座に「それだけじゃない!」と思いますよね。 先生自身も人間的に成長しますよね。

子どもに教えられることも多いと感じている先生もいるのではないでしょうか。

実際、子どもたちと毎日関わっていいると、そのすごさに圧倒されます。

昨日できなかったことが今日は簡単に出来てしまう、

どうしてこんな事をするのかと思っていると、思わぬ理由があったり、 どうして理解してくれないのと瞳で訴えられたり、

忙しさで見落としそうになりながらも子どもたちはいつも全身で先生にぶつかってきますよね。

「こんな事も分からないの?こうすれば先生どうするかな!どうしたら、僕の方を見てくれるの?」と 試されていると感じることもありますよね。

そんな中で、悩み悔やんで迷いながらも、 笑顔に助けられながら保育を頑張っていると思います。

そんな状況にいれば、先生自身が成長しないはずがないですよね、 年より若く見えるのも当たり前ですよね。

「私は子どもたちに元気を毎日もらっている」って先生もいました。

それともう一つあります。

保育園に勤めて良かったと思うことは、 子どもたちの育ちを楽しむことはもちろんですが、

多くの親御さんたちと知り合え、そしてその成長も見られることです。

今年も入園式には、きれいに着飾った、お母さんやお父さん ,子どもたちがいっぱいお見えになりました。

園の門の正面に車を止めて交通のジャマになったり、 子どもが出したおもちゃをそのままほったらかしにしてしまったり、

自分の子どもしか目に入っていない親御さんもいます。

ここ何年かその割合が多くなってはいますが、僕は全然心配はしていません。

この前卒園した子たちの親御さんもそうでした。 でも、そんなことは今では少しもありません。

最後のお遊戯会では、違う学年の子たちにも声援を送ってくれました。

先生が片づけ忘れた遊具をそっと元の場所に置いてくれる人もいました。

卒園式を見るといつも思うことがあります。

入園式より卒園式のほうがお母さん方がきれいになっているのです。

化粧の仕方が上手くなったとか、僕が熟女好みとかではありません。

単なる勘違いでもありません。 これは3年〜6年前の「げんきっ子ビデオ」を見ても明らかです。

きれいになっているのです。表情が良くなっているのです。

きっと子どもと経験したこの何年かが、お母さん方を人間的に成長させ、 それが表面にまであふれ出していると思うのです。

このような、親御さんと子どもたちの成長を間近に見ていけるのが保育者の最大の喜びです。