【17歳の君へ】 (2000/9)

この頃「17歳」が何かと世間を騒がせています。

ほんの一部ですが、凶悪犯罪も犯してます。 (30年ほど前に比べると件数は少ないようですが・・)

不登校やひきこもりといったことも社会問題化しています。

でも、昔からこの年頃って難しいんですよね。 (いわゆる反抗期ってやつです)

体力的には、大人と互角になりますし 知識的にも大人を凌いでいる部分もでてきます。

大人に対する憧れもある代わりに、嫌悪感も存在しています。

そして、この頃「17歳頃」の子たちって結構、大人を客観的に見ていて、

「あんな大人にはなりたくない、あの先生のここはイヤ」だとかはよく言うのです。

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「そんな17歳の君へ」

君たちには大人たちのずるさばかりが目に付くかもしれない。

イヤな部分ばかりが見えるかもしれない。

それなら、そんな大人にはならないような17歳でいてほしい。


「あの先生はえこひいきばかりする、人の悪口ばかり言う」

それなら、どんな人にも平等につき合える、

人の良い面を見つけられる人になるためには、 現在の17歳をどう過ごしたらいいか考えてほしい。


「大人は裏表ばかりで、自分のことしか考えない」

それなら、裏表がなく、 人のことも考えて行動できる人になるためには、 現在の17歳をどうするべきか考えてほしい。

他人の批判が出来るのなら、 それに見合った人に成るべく努力してほしい。


そして、17歳の頃批判していたような大人だけには なってほしくない。

そのためには今をどう過ごすべきかを考えてほしい。

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「みなさんはどんな17歳を過ごしましたか?」

現在は僕たちが17歳の頃を過ごしたような絶対的な価値観も崩壊しています。

学歴も一流企業ももはやそれだけでは安心できるものではありません。

警察・医療機関をはじめとした組織や官僚もボロボロです。

価値観は多様化し、好きなことを見つけることも大変です。

経済の行き詰まり、高齢化と少子化。

漫然とした将来への不安感もあるでしょう。

「夢」を見つけるのも大変な時代です。 (お金やモノに夢を求める時代でもありませんし・・)

でも、バブルの頃の浮かれていた17歳より、君たちの方が厳しいけど 長い目で見ればためになる時代だと思います。

フリーターだって良いでしょう。 (僕もこの職業に就くまでは似たようなものでした)

しかし、その利点や欠点はよく把握しておいて下さい。

依存できる「大樹」がなくなった今こそ、個人の時代なのです。

自分で考え自分で責任を持ってやり、その結果も自分で背負っていく。 そんな時代なのです。


「子どもたちには、どんな17歳になってほしいですか?」

昔、塾で中学生によく言っていたことがあります。

「選択肢をたくさん持っている人間になれ」

これって一歩間違うと「逃げの人生」にも繋がりますが、 視野を広く持って生きて欲しいと願っています。

例えば、到達点があるとしても、 実際の人生においては、道は何通りもあるという事です。

そして、目標は何もひとつだけでなくてもいい。

いろいろと経験していく中で、 その時々のベストを尽くすべくがんばってほしいと願っています。

きっと、その中から自分なりの筋道や目標が見えてくるから。

そして、いつもこの言葉で締めくくりました。

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君たちがこれから歩む人生の中で、何回かは挫折したり、 生きていくのが嫌になったりすることがあるかもしれない。

しかし、人生には、敗者復活戦がいくらでも用意されている。

だけど、それが見える人と見えない人がいる。

受験に失敗したからとか、会社が倒産したからとか、 そんなことだけで人生は決まらない。

人生って、学歴やお金だけで決まるもんじゃない。

自分にとっての「本当の幸せってなんだろう」って、 常に前向きに考えられる人には、

すぐに、次の敗者復活戦が見えてくる。

でも、本当のことを言うと、 人生において敗者はいない。

「敗者」は他人が決めるものではなく、 結局、自分で決めてしまうものだから・・・。

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