運動会だっちゅ〜の!(10年度版)

10月10日は、当園の運動会でした。

毎年、9時15分から3時まであります。 (年少さん以下は、午前中で終わります。)

年長さん(月組)は、最初と最後の体操、障害物リレー、 かけっこ、4色リレー、親子二人三脚、玉入れ、鼓笛隊、

旗のお遊戯(勝利に向かってGO!)と9回も出番がありました。

と言っても、ちゃんと練習をするのは、鼓笛隊と旗のお遊戯ぐらいですけど。

この二つも、長くは練習しません。 いかに練習時間を短くして、 それなりに見栄えの良いものにするかは先生の腕の見せ所です。

今年も総練習の後2日間ほど時間がありましたが、 年長さんも年中さんもお遊戯の練習をあえてしませんでした。

競技などを少しやるだけで、ふだんの生活のように過ごしました。

子どもたちを休ませてやりたいというのと、 「出来るからこれ以上はやらない」(年長さん)そうです。

年中さんは、ただでさえギャング世代ですが、 今年はお調子者もそろっています。

少しふざけだしたので、ここで飢えさせた方が良いと先生が言っていました。

ピークを当日に持っていくのも、先生の腕です。

これが上手くいくと、運動会が終わった後の運動会ごっこを初め、遊びがまるで違います。

練習しすぎると、上手くはなるのですが、後が続きません。

お遊戯などは、子どもたちがのってさえくれれば、 驚くほど短時間で出来てしまいます。

鼓笛隊は、曲も決まっていますので、 前々から少しずつ習っているものに小太鼓やマーチングベルなどを加えるだけです。

お部屋でピアニカなどをやっているのと対して変わらないことをやっていますが、

指揮者がいて、大太鼓、小太鼓、マーチングベルなどが 加わって隊形を変えながら演奏するとと、結構立派に見えます。

他の子どもたちも「年長さんてすごいなー」と尊敬のまなざしで見ています。

旗のお遊戯は、運動会のシメです。 年長さんが、みんなで力を合わせて、ひとつのお遊戯を作り上げます。

「やるときゃやるな、月組(年長)さん!」って感じです。

僕は、いつも屋上か2階からビデオを撮っています。 隊形変化などの全体像が撮りたいからです。

家のビデオでは、きっと自分しか写っていないでしょうが、 みんなで成し遂げたものがどんなものかは、

この「げんきっ子ビデオ」を見て初めて分かるようです。

今年の「勝利に向かってGO!」は、Jリーグの応援歌を二つ使いました。

それぞれの曲の中で、踊りやすい部分をMDで編集して、 間に子どもの応援を入れて一つの曲にしました。

覚えやすいリズムと簡単な旗の振り方なので、基本的な動きはすぐに覚えてしまいました。

あとは隊形変化だけですが、 今年の年長さんの先生たちは、もうひと工夫しました。

信号機の柱の上にサッカーボールの載せて、 そこから万国旗を垂らして、真ん中に置きます。

隊形が回るときに、一緒にその万国旗を引っぱり出して、子どもたちが回します。

ちょっとした工夫ですが、上から見ていると、 子どもたちの動きと万国旗がシンクロしてとっても感動的でした。

お遊戯が終わると、拍手の嵐です。 いつもは悪さばかりしているやつも、なんか凛々しい顔で拍手を受けていました。

花組(年中)さんのお遊戯は「レッドパンチャー」です。

入場門で待っている、子どもたちはもう待ち切れません。 放送で、自分たちの紹介をしている間にも、どんどん前ににじり寄ってきます。

先生たちが、両手を広げて飢えた野獣たちを押さえています。

すっかりレッドパンチャーになった子どもたちは、張り切り回って踊っていました。

そして、この運動会が終わると、子どもたちがなんか変わるんですよね。

みんなで成し遂げた満足感、そして自信みたいなものがクラス全体に漂う気がします。

しかし、みなさんの中には運動会が嫌いだったという方もいるのではないでしょうか。

かけっこでいつもビリでイヤだったとか練習がイヤだったりとか。

でも、これって運動会そのものが悪いのでしょうか? 勝ち負けをつけることがいけないのでしょうか?

うちの場合、年長さんの場合ですと走るものだけでも、 障害物リレー、かけっこ、4色リレーと3回もあります。

今年は、年長さんに一人、足の運びが上手く出来ない子がいました。

普通に競争すると半周ぐらい差がついてしまいます。

本人も十分それが分かっていますので、照れ隠しにより遅く走るようになってきました。

足に障害などがある場合、 担任と親御さんで子どもの様子を見ながら、 先生が手を引くか、応援に回るかなどを話し合いますが、

この子をどうするかでは、園長先生や僕・担任の間で意見が分かれました。

「たくさんのお客さんの前で走れば、走ること自体が嫌いになってしまわないか、

遅れだしたら先生が手を引いてみては、 やっぱり一人で最後まで頑張った方が」となかなかまとまりませんでした。

お母さんは、あまり関心がないようでした。 ただでさえ遅いのに、ブカブカの靴を履かせてきます。

やはり、その子を一番知っている担任の先生が、 様子を見ながらやっていこうということになりました。

先生なりに何か考えがあるようでした。 結局、当日は一人で走りきりました。

やはり半周ぐらい差がついてしまいましたが、 その子が遅れ出すと、「まみちゃんがんばれ!まみちゃんがんばれ!」と

子どもたちの声援が大きくなりました。 担任の先生をはじめ用具係やテープ係の先生も手を叩きながら応援しています。

まみちゃんは、真っ赤な顔で一生懸命に走っていました。 お客さんも声援してくれています。

そしてゴールの先生のところに今までになかったぐらい思いっきり抱きついてきました。

「えらかったね、がんばったね」と声をかけられているまみちゃんはとっても嬉しそうでした。

うちは、園庭が狭いためゴール後の距離が十分とれないので、 テープの後ろに先生(大抵、クラスで一番若い先生)がいて、

子どもたちを抱きしめて止めてくれます。 そのときの子どもたちの嬉しそうな顔は忘れられません。

一度、「俺が見本を見せてやる!」とワーと行こうとしたら顰蹙をかいました。 (ジョークが通じない人たちです。)

どんなことにも競争はあります。おもちゃの取り合いだって競争です。 勝ち負けから逃れることは出来ません。

しかし、競争って、優劣を付けるためにあるのではなく、 お互いの違いや良さを認めあえる良い機会になるはずです。

回りの大人が、いろいろな切り口で価値観を与えてあげれば 決して劣等感は抱かないと思います。

今年は、一つ残念なことがありました。 運動会の前日の夜にたっくんが転んで腕の骨を折ってしまいました。

夜遅くに、お母さんから「残念ですが明日は休みます」という電話がありました。

当日、子どもたちが集まり出したときに、一人腕を石膏で固めてつっている子が見えました。

たっくんです。どうしても出たいというので、急遽来たようです。

歩くだけでも骨に響くと思うのですが、本人はニコニコして整列していました。

さすがにリレーには出ませんでしたが、 親子二人三脚にはお父さんと嬉しそうにやっていました。

たっくんは、他の子のように運動会が楽しくてたまらないという子ではなく、 実際のところどう思っているのかが分からない子でした。

それが、こんなに楽しみにしていてくれたことがとっても嬉しかったです。 結局、鼓笛隊も一緒に歩いていました。

そういえば、去年も、1週間前に左の手首を折った子がいました。

この子は、鼓笛が大好きだったので、 先生が特注のピアニカを首から下げる道具を作ってあげました。

これをつければ、右手だけで弾くことが出来ます。

試着した日に、家に帰ってからものぐごく喜んで報告してくれたとお母さんが言っていました。

運動会が終わっても大切にしまってあるということだったので、 それなら「かおり作(さく)とか、MADE IN KAORIとか

書いておけば良かったのに」と担任の先生はからかわれていました。

実はもう一つハプニングがありました。

お昼休みが終わる直前に、8月に引っ越しをした浩平が遊びに来ているのを見つけました。

午後一番は、年長さんの4色リレーです。 お母さんとあわただしく話しをしていると、すぐに入場になってしまいました。

月組(年長)さんが、張り切って歩いていきます。 特に、女の子のアンカー4人組は、リレーに人生をかけています。

練習では、一番ビリだった子が必ず悔し涙を流します。 (こういう気持ちも大切だと僕は考えています。)

歩いていく中に一人、体操着ではなく普通の格好をした子が青い帽子をかぶっています。

そうです、浩平です。 浩平を見つけた先生が咄嗟に、たっくんの代わりに入れたようです。

回りの子も「浩平がいる、浩平だ」と興奮しています。 いよいよリレーが始まりました。

浩平がバトンをもらうと声援が一段とあがりました。 「浩平―!浩平―!」絶叫しているやつもいます。

「浩平が走っとる、浩平だ、浩平が走っとるぞー!」今、やっと気づいた子もいます。

ものすごい声援の中、浩平は、ものすごい顔でバトンを次の子に渡しました。

このリレー中には、もう一度大声援がわき上がりました。

「ワー!」 何事が起こったかと見ると、 砂煙の中に黄色い帽子をかぶったのりこ先生が転げ回っていました。

4チームのリレーなので、人数配分が上手く出来ないところに先生たちが入ります。

のりこ先生は、まみちゃんの後で、遅れた分を取り返すという大切な任務がありました。

「まみちゃん、私に任せて!」凄い勢いで飛び出したのりこ先生は 凄い勢いで転んでしまいました。

結局、黄色チームはベリになってしまいました。 4チームが次々にバンザイをします。

「黄色!」「バンザーイ」。

バンザイをしているときに、 のりこ先生は「すみません、すみません」と子どもたちに謝っていました。

子どもたちもお客さんも大爆笑でした。

「いいものを見せてもらった、今年のMVPは、のりこ先生で決まりだな」と 僕は笛を吹きながら確信しました。

ただ、影のMVPは、月組(年長)さんの先生だなと思っています。 よく咄嗟の判断で、浩平をリレーに入れたと思います。

園長先生には、事後連絡になってしまいましたが、 どれほどあのリレーが思い出深いものになったかは、

あの浩平の顔と子どもたちの声援が物語っています。 (次の職員会議で思いっきり誉めてあげたいな。)

結局、浩平は、最後の体操まで出て、おみやげをもらって帰っていきました。

「お祭りごっこも、作品展もお遊戯会もあるからな」と僕が言うと 嬉しそうに手を振って帰っていきました。

僕は、子どもだけでなく一人一人の先生も生き生きしている園が好きです。

一人一人の先生が自分で考え、自分の目指す保育をしようとしている姿が好きです。

園としても、一丸となって目指すものがあるとは思いますが、 その中にも許容範囲の広さがある園が好きです。

今年も砂ぼこりが立たないように水を撒くのが、僕と入って2年目の先生の役です。

しかし、毎年あえていつ撒くとかの話し合いはしません。

若い先生に、競技の内容と準備の具合を考え、いつどのくらい撒くか考えてほしいからです。

準備物の出し入れも若い先生たちの役割です。

誰がラインを引き、誰が旗を用意し、 どうしたら無駄なく早く出来るのかは先生たちの腕の見せ所です。

先生一人一人の動きを親御さんはちゃんと見ています。 自分の子しか目に入らないわけではありません。

前日の打ち合わせの時に、僕はいつも言うことがあります。 「私を見て!」という気持ちを持つようにと。

「私のライン引きを見て、私の水撒きを見て、旗の並べ方を見て! こんなふうに工夫したのよ!」。 そんなふうに考えてほしいからです。

もちろん主役は子どもたちですが、先生一人一人も影の主役なのですから。

この最終打ち合わせは、先生たちの気迫が伝わってきます。 みんな、自分の役割の最終チェックをします。

子どもたちは大丈夫なのです。もう、楽しんでやって貰えればいいのです。

後は、その子どもたちのどんな動きにも対応できる先生の判断力が求められるだけです。

「私、太鼓が心配だわ」。年少さんのお遊戯で一緒に和太鼓を叩く先生が言いました。

「旗が上手く開くかしら」。年長さんの先生が真剣な眼差しで言っています。 総練習の時に、風で絡んでしまい上手く開けませんでした。

「中島先生は、何にかけているの?」誰かが僕にフリました。 「俺はかき氷!」。

一瞬、白けた雰囲気を僕は見逃しませんでした。 別にウケをねらったわけではありません。

かき氷は5,6年前より僕が中心となってはじめたものです。 お昼休みに、一杯50円で売っています。

いくら運動会と言っても、そういうお祭りみたいな雰囲気が好きなのです。

O―157が騒がれて、おでんが中止になってもやりぬいたほど思い入れがあります。

近くの氷屋さんから機械を借りてきて、氷と蜜を買って毎年300杯近く売ります。

お昼休みは、すっかりかき氷の親父モードになっていて 「安いよー。おいしいよー」と売りまくります。

わずかな利益は、お母さんたちのバザーの一部になります。

午前中最後の鼓笛隊の最中に準備を始めて叱られたこともありました。 途中で機械が壊れて直すのに四苦八苦したこともありました。

氷が足りなくなって、急いで買いに行ったこともありました。

そして、運動会のお知らせの手紙の一番下に、いつも一行、書かせてもらっています。

「去年の不手際お許しください」とか 「修行して出直して参りました」とか、今年のかき氷にかける意気込みを書いています。

今回は「気合いを入れて売らせていただきます」でした。

しかし、僕の出番はかき氷と水撒きだけではありません。 年長児の障害物リレー、4色リレー、お父さん「ファイト一発!」、

職員の「競争だっちゅう〜の」

(もちろん、最後に、バンザ〜イだっちゅう〜の!とおきまりのポーズをします。 お父さんが大喜びをしてくれたので2回、やりました) と

各学年のお遊戯をビデオに撮ることです。

そして、すべてを任せて貰っているのが、 花組(年中)さんの「今年もやるぞ、スーパーバトル!」です。

これは、僕が企画段階からやっていますので、 年中児らしく、はっきり言って「お笑い」を目指しています。

去年は、ビビンバ中島(遙か彼方の焼き肉星からやってきた悪者、 デストロイヤーのような覆面に黒いマント、

その下は黒いパンストに赤いパンツだけ)、

ジェイソンのりこ (ご存じ13日の金曜日、アイスホッケーのキーパーのお面とナイフの手袋)、

プリティー時子(去年定年退職した主任先生、金髪に変なめがね)がやってきて、

花組さんのおもちゃを取ってしまい、そのおもちゃの争奪戦をやるというものでした。

この競技は練習も何もあったもんじゃありません。 子どもたちは思う存分悪者をやっつけて、おもちゃを取り返せばいいだけです。

ただ、ジェイソンのりこには、マジでビビッていたやつがいましたが。

私の役割は、「どっからでもかかってきなさーい!」と言ってマントを投げ捨て、 この肉体美で一瞬の「お笑い」がとれればいいのです。

これは、本番しかやらなかったので、先生たちを始めみなさんに喜んでいただきました。

子どもたちより先生が目立っては絶対ダメという人もいますが、 先生たちも楽しんでやっているというのがあってもいいと僕は思っています。

今年は、雨の日などにやっているスポーツチャンバラを下地にしました。

私と子どもたちがスポーツチャンバラをやっていると、 魔法使いのりこ率いる4人の悪者が乱入してきます。

子どもたちも果敢に戦いますが、歯が立ちません。 そこで戦車部隊の出撃になります。

僕は、子どもたちと悪者が戦っている20秒くらいの間に悪の隊長に変身します。

「戦車部隊、出動!」。 かけ声とともに子どもたちは段ボールで作った「わっか」に入ります。

この準備が出来るまでの1分間のトークタイムが今年の私のすべてです。

この時に、笑いがとれるかどうかにかかっています。(僕だけですが)

格好は、去年の覆面に赤パンツをズボンの上からはきパンチパーマのカツラを つけているだけです。

はっきり言って、格好でお笑いを取る気はありません。 今年はトークが勝負なのです。

魔法使いのりこ:「こりゃたいへんだ、隊長を呼ぼう、隊長―!」

隊長:「なんだ、なんだ、どうした!また、花組の奴らか、 去年はよくも俺の兄ちゃんのビビンバ中島をやっつけてくれたな、

かたきをとってやるぜ!」

ここで、大爆笑が起きてしまいました。 (ちがう、ちがうんだー)私は心の中で叫びました。

(こんな格好で喜んでもらっちゃ困るんだ、今年はトークなんだ)。

焦りが生まれました。 しかし、気を取り直していよいよ確信のトークに入りました。

「おまえら、花組には言いたいことがある!、白井よっと、こっちにおいで」

(よっとには、始まる前にこっそり打ち合わせをしておきました。)

しかし、いつもはあんなにお調子者のよっとが出てきません。 この格好にビビッたのか、出てくる様子はありません。

「せっかく、織田無道に似ているって紹介してやろうと思ったのに」 (メチャ似ているのです) ドッと笑いが起こりました。

(なんて優しいお客さんなんだ。) 先生たちが素早く戦車を並べ始めました。もう時間がありません。

とっておきのやつを出すしかありません。

「花組の先生にも言いたいことがある!」

「胸がでかいって、いい気になってんじゃねえぜ!」

(3人ともでかいんです、先生たちの間でも有名な話しです)

「雪組(2歳児)さんなんてな」 ここで、雪組さんの先生たちが大笑いをし始めました。

(先を読まれたか)と思いましたが気を取り直して

「雪組さんなんてな、足がどでかいんだぞ、参ったか!」 (170cmぐらいの子が4人もいます)

「この前、台風の時に、上靴を片づけて、俺はびっくりしたぜ!」 笑いの渦が巻き起こりました。

これで、私の任務は終わったという安心感が広がりました。 後は、子どもたちが主役です。

思う存分悪者をやっつけて、楽しんで貰えれば本望です。

子どもたちが戦車(段ボールのわっか)でやってきて、 いったん出てスポンジバットで悪者をやっつけて、また戦車に乗って帰ります。

園庭が狭いので、今までは4チームが横に並んでやっていましたが、 今年からは、6チームに増やしました。(他の競技もそうしました)

整列が少し窮屈になりますが、その分一人一人がやる時間を長くできます。

子どもたちが戦車に乗っている間に、悪者紹介があります。 任務を果たした、私はもうリラックスモードです。

「鬼っ子かおりん!」かおり先生が鬼の格好で手を振って答えています。

「スターにしきの、ちえこ!」ちえこ先生もにしきのあきらばりの派手な衣装で踊っています。

「女王蜂むらかみー!」むらかみ先生が蜂の格好で回っています。

ここで私は、もしかのためと思って、取っておいたネタを出すことにしました。

これは、2年前の忘年会の時に酔ったむらかみ先生から仕入れたとっておきのものでした。

「むらかみ先生はなー、典子っていうから家では、旦那さんにノリって呼ばれてんだぞー。

その旦那さんがいつも言っているんだぞ、(ノリのしあわせが僕のしあわせだって!) どうだまいったかー!」

心地よい笑い声を背に、紹介が続きました。

「魔法使いのりこ!」 「去年はジェイソンのりこだったんだが、 あまりにビビルから、今年は魔法使いになってもらった」

「最後は、化け猫ひろこー!」

「この衣装は、娘さんが作ったんだぞー、娘さんは、コスプレやってんだ。

家では、セーラームーンの格好をしているんだぞー、すごいだろー!」

その間に、子どもたちが嬉しそうに戦っては戦車に乗って帰っていきました。

「今年もやられたか、逃げるぞー」「えーん!」 大笑いの中を私たちは、逃げ帰りました。

花組さんは、勝ち誇った顔で胸を張って退場していきました。 すぐにその気になってくれるかわいい奴らです。

星組(3歳児)さんは、お遊戯に「花まつり」を先生の和太鼓と一緒に踊りました。

雪組(2歳児)さんは、「ピカチューとあそぼ」 赤組(0,1歳児)は「いないいないばあ」を踊りました。

みんな、大勢のお客さんがいるのにも関わらず、上手に踊っていました。

でも、中にはお地蔵さんのようになっている子もいましたが、

ちゃんと練習風景をビデオに撮ってあるので、お部屋の時との違いも面白いかもしれません。

そのほかにも、いろいろな競技があって、本当に頑張っちゃったね。

最後の体操が終わると、一人一人、先生たちにおみやげやペンダントをかけて貰います。

この時の子どもたちの顔がいい顔をしているんですよね。 「あんな顔が出来る子どもって、すごいなー」といつも思います。

3時半頃から片づけが始まります。

そして5時頃から、反省会と称した会が、役員さんと共に始まりました。

役員さんも先生も少し疲れ気味ですが、飲んで食って運動会のことに話が弾みました。

飲み干した缶ビールの空き缶を天井まで積む競争が、役員チームと先生チームで始まりました。

途中で倒れては、大笑いをしています。 飲まない私には、なにが面白いのか分かりませんが、本人たちにはたいそう面白いようです。

ある先生が騒ぎ出しました。

「どうせ私は、胸が小さくて足がでかいわよ」 (俺はそんなことまで言ってないぞ!)

「この膨らみだって、ほとんどがブラの厚さよ!」 (そんなことまで言わなくよい)

酔っぱらいは困ったもんだと思いながら、 (すみません、うちの先生たち、この手の話題が好きなんです。)

いよいよかき氷パーティーになります。 (イチゴにメロン、ブルーハワイに宇治やセンジなどがあります。)

これは、勝手に私が余った氷で始めるのですが、酔っぱらいたちはたいそう喜んでくれます。

かき氷屋の親父に戻り、手際よく氷をかいていると、 「もっと蜜をかけてくれだの、

センジの上にイチゴをかけろだの」の注文が多くなり、 最後には、自分でやりだし「七色の氷だー」と喜んでいます。

茶色になったかき氷を食べながら、 子どもたちにとっても役員さんや先生たちのとっても長くて短かった一日が終わりました。

その時、急に指に痛みが走りました。

そのカップの形に痙攣している指を見つめながら 「今年の俺の一番はやっぱりかき氷だったな」とつぶやきました。

心地よい疲れに包まれながら、 駐車場に行くとむらかみ先生の旦那さんが、暗闇の中、忠犬ハチ公のようにノリを待っていました。

休みが開けると、早速運動会の絵を描きました。 それぞれ、一番印象に残っている場面をあれこれ言いながら書いていました。

そして、運動会ごっこもやります。 赤組さんのお遊戯を年長さんが一緒に踊ったり、

年中さんの輪に雪組さんが入ったりして踊りまくったり、競技をやったりします。

2歳児でも障害物リレーなどに参加する子もいます。

その楽しそうに走ったり踊ったりしている姿を見ると 「子どもって、やっぱり踊ることや歌うこと、競争することが好きなんだなー」と

あらためて思いました。

昨日、園児のお父さんが先生たちの「だっちゅ〜の!」ポーズを写真にとって引き伸ばし、 立派な額に入れて持ってきてくれました。

「これなら、お蔵入りは出来ないでしょう」とお父さんは笑って言いました。

「なんてナイスなアイデアなんだ」私は感心し、廊下に飾ることにしました。 先生たちも大喜びで見ていました。

もし、お近くに来ることがありましたら、見てやって下さい。