恐ろしい〜(2007/4)  

う〜ん、おそろしい〜、恐ろしい光景を見たぞ〜〜。

時は、'06年6月4日。場所は、天竜川。

この日は、天竜川で県大会があったのだ。実は、父ちゃん一家は県大会には出たことがない。

中部戦だけでもなかなか回れない上に、県大会は、ポイントだって半分。

たが、この年は、後何戦中部戦に出られるかどうか分からない状況だったので無理をして出場したのだ。

もちろん心配なのは、ショウゴの昇格。中部戦が5戦終わったのにポイントが81。
(ちなみにIB昇格に必要なポイントは、200ポイント?)

あれだけ転んだ上に、出てないレースもあったからこんなもんだろう。

しかも、この日は、PTAの資源回収の日だったんだ。

普通に考えればとても出られるような状態ではなかったのだが、

天竜川は一番近い会場(1時間半で着く)なので、母ちゃんにも車で来てもらっていたのだ。

夜のうちにバイクを降ろして走るだけの状態にした上で、朝の4時に起きて母ちゃんの車で豊橋に向かえば、6時には余裕で間に合う。

資源回収自体は、8時から始まるのだが、準備の都合があるのでPTA会長が朝の6時に空を見上げながら「やるかやらないか」の決定をするそうだ。

「会長でなくても副会長が判断しても良いじゃない?」と他の役員に聞けば「それではダメだ」と言う。

「それじゃ天竜川で判断しても良い?」と聞けば「会長が、資源回収をやる場所で腕を組みながら空を見上げて決定するという掟がある」と真顔で言う有様。

う〜ん、恐るべしPTA。

掟通りに6時に腕組みをして空を見上げて「よし!」と頷き、業者に連絡をすれば、後は8時までやることがないので車で休憩。

いくら母ちゃんが付いていると言っても心配だったので電話をしてみれば「ちゃんと自分たちで受付して車検もやった」という返事だ。

「たまには、こういう経験も良いかな〜」と思いつつもやっぱり心配な父ちゃんであった。

一刻も早く天竜川に行きたかったので、張り切って次から次へと新聞紙をトラックに放り投げれば、「会長さん、すご〜い!」というお母さんたちの黄色い声援が。

「まだまだ素人さん相手だったらいけるぜ!」と自信を深める父ちゃんであった。

母ちゃんに電話をすれば「NA2では、第1コーナーで転倒したが、それから追い上げて何とか一位でゴール出来た」ようだ。

参加台数も少なく、トップレベルの子がいないのだから、このぐらいはやってもらはないといかん。

資源回収がやっと終わり、父ちゃんが、天竜川に駆けつけられたのは、NAオープンが始まる寸前だった。

聞けば、NAもIBも台数が少ないから混走と言うではないか。

こうなれば、NAで勝つことよりもIBにも勝ってもらわねばならぬ。だって、IBだってトップクラスどころか中堅どころだってあまりいない有様だ。

時間差スタートなので、実際にIBクラスと接戦をするわけではないが、やはりIBのトップの子との差は、徐々に広がっていった。

まだまだだな、ショウゴよ。こんな事では、IBに上がってからが大変だぞ。

父ちゃんがいるIBクラスは、そんな厳しいところなのだ。

で、やっとこの段階に来て何やらいつもと違う雰囲気に気づいた。

この県大会は、関東で盛り上がっているキッズスーパークロスと併催だったんだ。

だからやたらとキッズが多いし、トランスポーターもいつもの中部戦より立派なヤツが多い。

何より、オヤジたちの雰囲気もIAライダーのオヤジたちのようだ。

久々に見た50ccのレースだって、いつの間にか4サイクルばかりだし、速さもハンパじゃない。

50は、昔から遊びだと割り切っていた父ちゃんなので、「へ〜」としか思わなかったが、

どこでアクセルを戻しているのか分からないその走りには、父ちゃんにでさえ、光るものが感じられた。

しかし、その後にもっと恐ろしい光景を見た。

さっきの50で3位以内に入ったバイクをオヤジたちがすごい勢いでバラバラに分解していたのだ!

確かに、50のレースには、昔からいろいろある。

あるところでは上位入賞者が改造違反で全員失格になったとか、オヤジたちのクレーム合戦になっているとか・・。

エンジンどころか、マフラーまで慣れた手つきで分解しているオヤジたちを横目で見ながら、

「あんなに分解したら父ちゃんでは、二度と組み立てられないな〜」と感心するしかなかった。

でも、こんなにまでする50のレースって何?

父ちゃんには、とてもこんな事は出来ないな〜と思いながらふと気が付いた。

あ、そうだ!自慢じゃないがうちの三人の子どもたちは、50の時に一回も表彰台に上がったことがなかったんだ!!

あ〜、安心した。