[じぃ]('08/5)
‘08年も5月になってやっと少し余裕が出来たので久々の更新だ〜。
といっても年を取ってくると、保育業界でもいろいろな大役が回ってきてしまいすっかりお疲れモード。
トホホ・・
で、今回もやっぱり不幸自慢だ。
「他人の不幸はおもしろいですね〜」という暖かい?メールももらったぞ。
何回かアバラを折ったことがあるが、やはり鎖骨は痛さが違った。
アバラは、クシャミをしたり、笑うと死ぬほど痛いが、日常生活では、たいしたことがない。
すでにあちこち小さな骨折をしているショウゴによると、「骨折箇所が頭に近づくほど痛くなるという法則がある!」そうだ。
ホントか?しかし、寝るときにこの法則をいやと言うほど思い知らされたのだった。
まず、横になるのでさえ大変。「いててってて!」と横になればもう動けない。
鎖骨に加えてアバラも背中側と胸側にヒビが入っているので、どんな格好をしても痛い。
一度横になったくらいなら二度と起きあがれないくらいだ。
オシッコがしたくなっても「う〜んう〜ん」と唸るのがやっとの有様。
「誰か助けてくれ〜」と言えば、誰かが手を貸してくれるのだが、
姿勢を変えるだけで激痛が走り、またまた「う〜んう〜ん」。
初めはあれほど罵っていた母ちゃんもあまりに哀れだと思ったのか、この頃はちょっと優しいかった。
ちょっと不気味だが、ちょっと嬉しかった。
「やがてくる父ちゃんの介護の練習だと思えばいいのよ」と明るく答える母ちゃんに「いい嫁さんをもらったな〜」と思ったぞ。
そんな夫婦愛を横目に子どもたちは、「まるでボケ老人だな」と馬鹿にする有様。
何をするにも老人のようにゆっくり動く父ちゃんを見てついに「じぃさま」と呼び出した。
「う〜んう〜ん」と唸っていれば「じぃさま、どうした?」と優しくしてくれる。
「いい子どもに育ったな〜」。
そして、父ちゃんの呼び名もいつしか“父ちゃん”から“アキ”、そして“じぃさま”になっていった。
まぁいいではないか、母ちゃんは優しくなったし、子どもたちも助けてくれる。
お父様、父上、○○さま、なんて子どもに呼ばれているオヤジはそうはいないだろう。
好きに呼ぶがいい!父ちゃんは幸せだぞ〜〜〜!
ただ、あまりに悪さをしたり、ボケたりしているとこれが“じぃ”“ボケじぃ”に変化する。
この“じぃさま、じぃ、ボケじぃ”の変化を父ちゃん一家では、“じぃの三段活用”と呼んでいる。
お風呂に入るときも大変だ。
まず例の鎖骨バンドを外さなければならない。
とても一人で出来るものではないから、母ちゃんの手を借りなければならない。
頭だって、背中だって右手だけでは洗えない。
母ちゃんは優しく洗ってくれるが、アソコは洗ってくれなかった。
チェ!
風呂から出て「母ちゃん、バンドを着けてくれ」というと嬉しそうにバンドを締めてくれる。
しかし、どうも医者が付けてくれた印よりもきつく締めている気がする。
「いててってえええ〜」と呻く父ちゃんを見てもどうも嬉しそうだ。
父ちゃんが少しでも口答えなんかしようものならますますニコニコしながら締め上げる。
「父ちゃんの骨が早くくっついて欲しいからよ」という母ちゃんだが、
どうもストレスのはけ口を父ちゃんの鎖骨バンドで晴らしているような気が・・。
まるで“にしおか すみこ”の女王様のように見えるときもあるぞ。
ナホにいたっては、「カメにしてやる!」とこれまた嬉しそうに鎖骨バンドを締め上げる。
父ちゃん一家では、夜な夜な楽しそうな笑い声と父ちゃんのうめき声が響いていたのだった。
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