[祝:優勝!]('10/9.4)
 

 4月3・4日、今シーズンの全日本(近畿大会)が始まった!
受験も終わりやっとバイクに乗り始めたタカは、ビビってエントリー出来なかった。
父ちゃんは、「まだまだ生きていますよ〜〜〜」と年寄りライダーたちに伝えるためにもエントリー。
タカとは、根性が違うな!
IB4年目のショウゴは、「今年こそは予選突破!」と燃えている。
昨年の全日本第8戦(名阪)の予選では、ホールショットを取って2周目までは1位だったが、
こりゃ初予選突破か?と期待したところで転倒!って事もあったショウゴ。
スタートさえ出遅れなければ、いける?と本人も思い始めていた頃だった。

今年の全日本は、一日半に短縮され、土曜日の午前中は受付と車検だけになった。
ライダー側の負担軽減や大会運営の経費削減効果を狙ってのことのようだが、
全日本が縮小されるようで、ちょっと寂しい・・。
でも、IBクラスの受付が9時過ぎになったので、いつもより朝がのんびり出来てちょっと嬉しい父ちゃんだった。

だって、全日本では、いつも土曜日の明け方に着いていたので、
受付・車検が終わってコースの下見をすれば、もう力が残っていない!って感じだったからだ。
レースが始まる前にすでに負けているって感じだった。
だったら、前日からコースに入って準備万端なら勝負になるのか?と問われれば、
「そんな野暮なことは、聞くもんじゃありませんよ!」とうろたえる父ちゃんであった。

受付に向かいながらコースを見れば、土曜日の明け方に降った雨で表面はグチャグチャだが、
山砂の土質とスタッフのコース整備のおかげで結構走れそうだった。
しかし、コース脇には、グチャグチャの泥が溜まっているところもあり、
特にフープスのコース脇は、やばいぞ!と一目見ただけで分かった。

今日の勝負所のフープスの攻略方を考えていたとき、レディースの練習が始まった。
レディースといってもハルナちゃんやサヤちゃんを始めヘタなIBライダーより速いライダーも多い。
この前ここに練習に来た時も美杉の秘蔵っ子のヨウコちゃんが
道路脇のでかい2連(コカコーラビッグジャンプ)を綺麗に飛んでいた。
(今回は、でかいテーブルトップになっていた)
もちろん、父ちゃんは飛べないし、ショウゴだって少し轍が出来ただけでビビって飛べないジャンプをだ・・。
そこを85ccに乗った女の子が綺麗に飛んでいく。大きくなったな〜ヨウコちゃん。

実は、ヨウコちゃんは、ナホと同い年。
65の頃はいつも一緒にレースに出ていた。
まだレース経験が少ないお父さんにカタコトの日本語でよく相談も受けていた。
「ヨウコちゃん、ジャンプ、怖いっていうのよ、どうしよ?」
「大丈夫ですよ、子どもは背が大きくなれば、その分テクニックもうまくなったと同じですから、
焦る必要はありませんよ」なんて調子こいて答えていた。

そのヨウコちゃんが今では全日本のトップライダーに仲間入りしようとしている。
一緒に走っていたナホは、もうバイクを止めている。
この差は何なんだろう?
父ちゃんこそ、ヨウコちゃんのお父さんに教えを請いたいぐらいだ。
「IB4年目の長男、ラムソンジャンプ、怖いっていうのよ、どうしよ?」

レディースの子たちが、練習走行で目の前のフープスを振られながら走っていく。
やはり、タイヤ径の小さな85では、このコースコンディションでは難しいようだ。
そこにゼッケン6番のヨウコちゃんがやってきた。
よし!なかなかうまくクリアーしているぞ!と思った瞬間、轍にハンドルを取られてコース脇の泥沼に落ちた。

「ヨウコちゃん!」
父ちゃんは、車検用のバイクをタカに預けるとコースに飛び出した。
すぐにブーツがほとんど埋まって転びそうになる父ちゃん。
父ちゃんが着く頃には、もう一人の人が助けに入ってくれていた。
バイクは、すでにタイヤ半分以上が埋まってしまっていた。

その人が前輪を、父ちゃんが後輪を持って「ウラリャリャ〜」と何とかコースに戻した。
ヨウコちゃんは、何回も「ありがとうございます!」とお礼を言っていた。
すっかりヨウコちゃんの父親のような気持ちになってしまった父ちゃんは、
「ヨウコちゃん、頑張って!」と声を掛けた。
ヨウコちゃんは、しっかりとした声で「はい!」って答えてくれたぞ。
良い子に育ったな〜。
ナホなんて「この屁こきじじぃ!」って、父ちゃんの尻を蹴り上げているぞ。
この差は何なんだろう?

その後、順調に練習走行をこなしたヨウコちゃんは、なんと決勝レースで初優勝してしまった!
15歳で全日本優勝なんて凄いぞ!
ホント、名実共にレディースのトップライダーになったんだな〜。

「回りの人たちがとっても喜んでくれたのが嬉しかった!」とその時のコメントが雑誌に載っていた。
ヨウコちゃんらしいと思ったぞ。
保育園の子どもたちを見ていてもそうなのだが、
子どもっていつも回りの人たちがどう思っているのか?を本能的に感じ取っているのだ。

みなさんは、子どもたちが幸せに感じる時ってどんなときだと思いますか?
回りの大人たちは、その子のためと思ってあれこれするのだが、
結構、子どもたちは単純なことで幸せを感じているのではないか?とたくさんの園児たちを見ていて思う。
それは、特別なことをやってもらった時ではなく、
お父さんやお母さん、そして家族が笑っている時なのだ。
みなさんも気をつけて子どもたちの表情を見てください。
きっと、家族が笑っている時には、子どもたちも笑っていたり幸せな表情をしていますから・・。
子どもにとっては、お金持ちだとか貧乏なんて事よりも、家族の笑顔が一番の幸せなんですよ!

初優勝を喜ぶ美杉のゆかいな三兄弟と仲間たち。
(黒光りした次男の顔が半分隠れてしまったのが残念!)
ヨウコちゃん、おめでとう!