[祝:予選突破!]('11/5.2)
 

  2010年(昨年)5月29・30日の全日本選手権第4戦(SUGO大会)は、父ちゃん一家にとって忘れられない大会になった。
この大会のIBクラスの予選は、IB2・IBオープンともに2組しかなかった。
不況の影響とは言え、全日本IBクラスの予選が2組しかないのは寂しいぞ。
(九州勢が、牛の口蹄疫の問題で出場していないってこともあった)
父ちゃんが、バリバリにIBクラスを走っていた頃(7・8年前だが)は、5クラスくらいが普通だった。
(よって予選通過は、6位以内!)
父ちゃんの出場レースが、IB2クラスでE組、IBオープンでD組なんて組み合わせも何回かあった。
合わせて「ED:勃起障害」だな。(「93:ED?」にも書いてあるとおりだ)
もう元気のない父ちゃんには、お似合いだったぜ!

しかし、今回は、まだ全日本第4戦(東北地方では初めての全日本)というのに、IBクラスの予選が2組!
あ〜、もっとモトクロスが盛り上がらないかな・・。
といっても予選が4組も5組もあっては、ショウゴもタカも一生、全日本の決勝を走れないだろう。
このチャンスを何とかモノにして欲しいものだぞ。

そして、IB2クラスの予選がやってきた。(2組なので、ほとんどフルグリッドだった)
タカは、相変わらずのスロースターターであっという間にベリ集団。
でも、ここから少し頑張って18位でゴール。
ショウゴは、スタートで何とか頑張って5,6位で第1コーナーに入っていったが、
目の前で転倒者が出て、それにもたついている間にほとんどベリ。
ショウゴもここから少し頑張って、17位でゴール。

「スタートさえ良ければ予選通過じゃん!」と喜ぶタカに、
「第1コーナーでつまずかなければ絶対いけたのに!」と悔しがるショウゴ。
予選2組(予選通過は15位まで)というのは恐ろしい。
こんなアンポンタン兄弟にまで決勝進出の夢を与えてくれる。

そして、土曜日午後のIBオープン予選。
ついにその時がきた!
タカのスタートは、10位くらい。
タカの予言通りなら予選突破のはずだが、世の中はそんなに甘くない!
みるみるうちに遅れだし、結果は、IB2クラスと同じ18位。
スタートなんて関係ないじゃん(笑)

ショウゴのスタートは、10位くらい。
ここから粘って8位くらいまで順位を上げる。
え?ひょっとして予選初突破??
いやいや、全日本はそんなに甘いもんじゃありませんよ。
ショウゴの後ろには、固定ゼッケン組がウヨウヨ。
全日本の予選は、4周。(といっても全日本のコースは雄大で長〜い!)
あと2周も持つのか?

しかし、ラスト1周になっても10位!
がんばれ、ショウゴ!
SUGOの最終コーナー前のストレートを固定ゼッケン組とショウゴがダンゴ状態になって駆け抜けていく。
最終コーナーをガチガチと当たり合いながら回っていく。
回りと比べても負けていない!
あの「背も小っちゃいが人間も小っちゃい」ショウゴが、たくましく見えるぞ!
大坂を登り、そのままの順位で裏のコースに消えていく。

トップ集団が、裏のコースからジャンプをしてやってくるのが見える。
1台2台3台・・・10・11・12・13、ショウゴだ!
まだ、予選通過内だぞ。
父ちゃんはゴールに向かって走った。年甲斐もなく走った。
その時、ショウゴが13位でゴールした。
ショウゴと目があった。
ショウゴがガッツポーズをする。おもわず父ちゃんもガッツポーズだ!

回りの固定ゼッケン組は、この順位では悔しそうだった。
そんな中で、ガッツポーズをするトンチンカン親子。
あ〜恥ずかしい〜〜〜。
でも、嬉しかったな〜。
観客席でこの様子を見ていたかあちゃんには、二人の間に映画ロッキーのテーマ曲が聞こえた!と言っていたぞ。

全日本のIBクラスに挑戦して4年。
小さいときから一緒に走っていたユウタやヨッシー、タカシやトッチは、今ではIAのトップライダーだ。
リョウスケやリュウジだって、IBのトップライダー。
タッツーやダイキ、タカシやヒサ、タイチや奥村弟に至っては、タカ世代だ。
日曜日は、いつもみんなの応援だった。
決勝を走るライダーが輝いて見えた。

「背も小っちゃいが人間も小っちゃい」ショウゴの取り得は、真面目なところだ。
腐らずに練習してきた成果だな。
やっと、日曜日が忙しくなるぞ。

そして、いよいよ日曜日がやってきたのだった。
もう父ちゃん一家は朝からハイテンション!
といってもIBオープンの決勝は、日曜日の最後のレース。
決勝を走るなんて考えてなかったものだから、新品タイヤだって持って来てない!
練習走行が終わってバイクを洗ってエアクリーナーを変えれば、もう終わり。
他にやることないじゃん!
忙しいはずの日曜日が、意外と暇なことに気づく父ちゃん一家。
(IB2クラスも走れば忙しいのだが・・)

こうなれば、いつものようにみんなの応援だ!
まずは、朝一のIB2クラス。
ダイキやリョウスケ、リュウジにヒサやタカシ、タッツー・ウキョウ等々いつも一緒に走っているライダーが何人もいる。
タッツーやダイキ、リュウジも頑張っていたがやはり関東勢は速かった!

初の試みのIA:SHOOT OUT!もなかなか面白かったぞ!
そして、やっとIBオープンの決勝。
スタート位置に入るのは、予選13位なので、26番目。
スターティンググリッドもほとんど残ってない中を、アウト寄りを取る。
いつも見慣れているはずのオヤジたちもこの全日本の決勝で見ると大きく見えるぞ。
「やっと来ましたね」とリョウスケの父ちゃんが声を掛けてくれる。
「予選の走りを見ているとポイントも取れそうですね!」とヒサの父ちゃん。
美杉でお世話になったアッキーもショウゴに声を掛けてくれた。

そんな中、一人緊張する父ちゃん。
もう動きがロボットのようだぞ。
そういえば、父ちゃんの走りは、秘技ラジコン走り!(バイクと体がラジコンのおもちゃのように一体化している!)
と恐れられている。
そんな走りを生まれたときから見ている我が息子たちもラジコン1号ラジコン2号だ。

「背も小っちゃいが気も小っちゃい」ショウゴも緊張しているだろうと思えば、いつもの通りだった。
まぁ、物心ついた頃からレースやってんだから、当たり前か!

サイティングラップ(決勝レース前にコースを1周する)が始まってスタート位置を踏み固めていると
放送で誰かのバイクがコースの奥で止まっているという。
サイティングラップで帰ってこられないことがあるんだ!と驚いていれば2台もいるという。
それもショウゴより明らかに速い子たちだった。
こういう時のためにリザーブライダーがいるんだな。

そして、IBオープン決勝がスタートした。
スタートと同時に出遅れるショウゴ。
やっぱり決勝を走る子たちは、マジで速いぜ!
20位くらいで第1コーナーを回れば、トップ集団はすでに大坂を駆け上がっていく。
ガチガチに当たりあっているのがここからでも分かる。あちこちのコーナーで転倒者が出ている。
フープスをトップ集団が抜けていく。
はえ〜〜〜。

やっとショウゴがフープスに来た!
15位くらいか?
フープスから最終コーナーまでで2台に抜かれる。
しかし、ダブルヘアピンでは、また抜き返しているぞ。
コース裏へのジャンプでまたまた抜かれる。

10分くらいが経った。
17・18位ぐらいだと思うが、確信が持てない。
ショウゴの2台前には、ヒサがいる。
隣でサインボードを出しているヒサの父ちゃんに「ヒサは、今何位?」と聞けば、
「分からん、うちはいつもこうだ!」と笑いながらサインボードを見せてくれる。
そこには、「全開!」の一文字。
順位もタイムも書いてないじゃん!

ヒサの父ちゃんに聞いたオレが悪かった!
回りのオヤジたちのサインボード見ているとやっぱり17・18位くらいだ。
このままいけばポイントゲットだぜ!
(決勝は、20位までポイントがつく)
ここからがやけに長かった。

トップは、タケナカくん、その後にダイキとタッツー、リョウスケが続く。
なかなか「L1」(ラスト1周)のボードが出ない。
心臓が爆発しそうだぞ。
ショウゴは、その間にも何台かに抜かれている。

やっと「L1」のボードが出た。
ショウゴは、19か20位くらいか?
そのまま裏のコースに消えていく。
放送で「ヨーロピアンコーナーでイナガキ転倒!」と叫んでいる。
タッツー、もったいないぜ。
でも、そこまで責めるのがタッツーの良い所だな。

1位は、タケナカくん、2位にダイキ、3位にはリョウスケが入ったぞ。
リョウスケは、初表彰台だ!がんばったな。
ショウゴが真っ赤な顔をして最終ストレートを駆け抜けていく。
結果は、19位だった。
予選を初めて通っただけでも奇跡だったが、ポイントまで取ってしまったぞ。
来年は、憧れの固定ゼッケンだ。
(全日本の決勝でポイントを取ると全国統一の固定ゼッケンがもらえる)

思い起こせば、サイティングラップで速い子が脱落。
その後も上位陣がドンドン転んでくれた。
ラスト1周では、タッツーまで転倒。
九州勢の速い子たちもいなかった。
まるでショウゴに神様が降臨したようだった。

真っ赤な顔でフラフラしながらゴールしたショウゴに言った。
「19位だぞ、来年は固定ゼッケンだ!」
こくりと頷くショウゴ。
「今日は、一生分の運を使い果たしたな。
これからのお前にはもう良いことないぞ、また地道に練習しような!」
「ショウゴ、やったじゃん!」
受験で一生分の運を使い果たしたタカが駆け寄ってきた。

表彰台では、リョウスケがインタビューを受けていた。
「6年間、IBやっていて、やっと表彰台に乗れました。
応援してくれたみなさん、ありがとうございました。」
その訥々(とつとつ)とした話し方は、リョウスケらしかった。
「リョウく〜ん、えらかったね〜〜〜」
いつの間にか現れた母ちゃんが隣で泣いている。

そんなこんなで素晴らしい東北の旅が終わったのだった。
   
 '10全日本SUGO大会のショウゴ
ついにポイントゲット!
  '10全日本SUGO大会のタカ、いつになったら
幻のロケットスタート(笑)があるのか?