[祝:就職!]('12/11.10)
 

 ショウゴがやっと就職した。
22年の歳月は長いようで短かった。

長男が生まれてうれしさのあまりに買ってしまったスズキのJR50。
子どもにバイクを無理強いするのはイヤだったが、乗ってくれればいいな〜!と思っていた。

案の定、母ちゃんのお腹の中にいた頃からレース場にいた三人の子どもたちは、
人間は、バイクに乗ってジャンプしなければいけない!」と思い込んでいて、
みんなバイクに乗ってくれた。
(ナホだけは、65から80に乗り換える時にやめてしまったが…)

それからは、週末は家族でどこかのモトクロス場か河川敷で過ごしていた。
あの頃のコースは、水道やトイレさえないところも多く
毎週末をどこかの山奥か河川敷でキャンプしているようだった。楽しかったな〜。

父ちゃんも母ちゃんも平日は保育園でいつも忙しく、
職場に向かう車の中で毎朝、家族で朝食を取っていたぐらいだった。
だから、この家族で過ごす週末があったからこそ、一生懸命に働いてこられた気がする。
ホント、ショウゴがJR50に乗って、いつまでも隣の畑をクルクル回っていた頃が昨日のようだぜ。

そんなショウゴが就職した。
そして、独り立ちしようとしている。
就職先は、児童クラブ(学童保育)だ。
それだけでは食えないので、午前中は、保育園でバイトだ。
給料は、両方合わせても手取りで13万ちょっと。
でも、この就職難に「子どもたちと関わる仕事がしたい!」という希望がかない
就職できたのだから良かったと思うぞ。がんばれよ!

ショウゴは、毎月の給料の中から食事代として母ちゃんに2万、
バイクに掛かるお金として父ちゃんに4万円をくれると言う。
それでも手元に7万円も残ると喜んでいる。
まぁ、車も死んだじぃちゃんのお古をもらったし、暇な時はゲームをやっていて
ほとんど引きこもり状態なので、そんなにお金を使うこともないだろう。
しかし、バイクを買い替えるお金や結婚資金も貯めなければいけないぞ。
父ちゃんを見習って無駄遣いせぬように堅実に生きて行ってほしいな。

初めての給料をもらった時は、100円の回転寿司に家族を招待してくれ、
今日は俺のおごりだ、好きなだけ食べていいぞ!」と言ってくれた。
母ちゃんは、涙を流しながら寿司を食べていたぞ。
タカとナホは、もっと高いものを食わせろ!と言っていたぞ。
父ちゃんは食べ過ぎて吐きそうだったぞ。

ショウゴが5歳になる頃には
この子には、もう一生分の親孝行をしてもらったね!」とよく母ちゃんと話していたが、
こんな日がくるとは思っていなかった。
子育てというやつは、素晴らしいものだな。

母ちゃんは、「ショウゴに貰った2万円はとても使えないから」とショウゴのために貯金をするという。
父ちゃんは、今までギリギリでやってきたレース代にあてようと思う。
そうそう、残りは、父ちゃんの新しいバイク代にしようかな?
やっぱり、子育ては素晴らしいものだな。

PS
大学2年生のタカも早く就職しないかな。
ショウゴのようにお金を入れてくれれば、またまた父ちゃんの新しいバイクが買えるかも?
ウッシッシ〜。

そんな父ちゃんの野望を打ち下すように
「俺は臨床心理士になりたいから大学院にいきたい!」と言うタカ。
「私はニュージーランドに留学したい!」と寝ぼけたことを言うナホ。
あんたはオンボロバイクでいいの、なに乗っても同じでしょ!」と言う母ちゃん。
こうして、今日も父ちゃん一家の楽しい一日が過ぎていくのでした。