[JNCC第3戦(鈴蘭高原)]('13/6.26)
  

2013年5月19日・第3戦-/ワイルドボア鈴蘭/中部東海北陸全国大会/大会案内/

エントリー数:総数 525台・COMP 214台・FUN 284台・キッズ & トライ 27台
エントリー状況:FUNは2時間、COMPも即日定員締切り実施!
大会会場:岐阜県高山市朝日町西洞 鈴蘭高原スキー場・標高 1500m 最高
コース長:COMP 6.8 km・FUN 5.7 km・キッズ & トライ 5.0 km
コースレイアウター:石井正美
コース設営:JNCC
天候:キッズ & トライ/ FUN〜快晴・最高気温:20.0°COMP〜晴から2時間経過後雨・最高気温:18.0°
(*ドライになり埃が酷い場所もあった)
観客:人口がすくない地域だがさすが500台オーバー大会なので多かった。また昨年よりも確実に増えていた。


やって来ました、鈴蘭高原。
今回もショウゴと二人旅だぞ。
この鈴蘭高原は、標高が高いせいか空気も澄んでいて、アルプス山脈も見える良いところ。
コースもゲレンデの多くが下の本部から見渡せるため、豆粒のようになって登って行くバイクがよく見える。
一番の難所は、登りのガレ場。
ゲレンデをいったん下って、助走をつける場所もなく登るので難しいぞ。
(FUNクラスはなし)

お天気は、週刊予報では雨だったが、朝の時点では夕方から崩れるという予報だ。
何とか午後のCOMPクラス終了まで雨が降らないようにショウゴと二人で空にお願いする。

まずは、午前中のFUNクラス。
父ちゃんは、ニューリクルスKTMでの参戦だ。
コース自体は、COMPのような難所はないが、
それでも結構難しいところがチラホラ。
特に、ゲレンデの水切りのための大きな溝がイヤらしいぞ。

スタートは、石もあり、何よりホコリが立つので、出遅れると厄介だ。
第1コーナーまでの距離も短いので、スタートで出られるかどうかが大きい。
JNCCのスタートはAAクラス以外はヘルメットスタート。
(AAクラスだけは、キックスタート)
チェンジを入れたままでもアクセルさえ回さなければ前に進まないリクルスは絶対に有利だが、
父ちゃんのリクルスは、ちょっとアクセルを開けただけでクラッチが繋がってしまう。
本来ならもう少し回転数が上がってから半クラになってほしいのだが、
どうも上手くセッティングができないんだな。

そして、スタート。
旗が振られると同時にアクセルを回す。
スルスルと加速するニューKTM。
なかなか良いスタートがきれたぞ。


第1コーナーでは2位!
すごいぞ、リクルス!!
何個かコーナーを抜けてイヤらしいウッドチップセクション。
ここも無事に通過して例の水切りの溝が登りに三本。

この時点でもまだ2位。
手前の二本の溝は上手く飛べたが、三本目を飛ばずに斜めに入ったものだから転倒。
エンジンが止まってしまい(本来のリクルスならエンジンは止まらないはずだが…)
再スタートした時点でほとんどAクラスベリ、黄色ゼッケンにも抜かれる。

次の下りのイヤらしいウッドチップを抜ければ長い登り。
しかし、すでに砂煙で視界ゼロ。
恐る恐るアクセルを開けていくが、フロントタイヤが石で弾かれる恐怖との戦いだ。
こうなるとモトクロスより危ないぞ、JNCC。
イヤイヤ、これ以外にもモトクロスより危ない場面はたくさん!
みなさん、よくケガをしないですね?

(鈴蘭高原を激走?する父ちゃん。山が綺麗だぜ!)

長いゲレンデをクネクネと登って行けば、今度はクネクネと降りてくる。
こういう場面では、エンジンブレーキが利かない2サイクルは圧倒的に不利だ。
ちょっと重たいくてエンジンを掛けるのも大変だったけど4サイクル(CRF250)が懐かしい。

いけない、いけない。
もう俺は、このニューKTMと頑張ろうと決めたではないか!
この総額100万円近いバイクと共に歩んで行こうと決心したではないか!
リクルスのおかげで、こんな上り下りが多いコースでもクラッチを使う回数こそ減ったが、
今度は、リヤブレーキを踏む右脚が疲れてくる。
最後の方は、右足がつってきてしまった。
(エンジンブレーキがきく、2サイクルってないですかね?)
それでもAクラスの人と抜いたり抜かれたりしているうちに、
少しずつコースも攻められるようになってきたぞ。

そして、クラス10位でゴール。
まぁ、今の父ちゃんの実力ならこんなもんでしょう!
やはり5位以内を走る人たちとはスピードが全然違うな~。
こりゃ、まだまだ修行が必要だな。

走る準備をしているショウゴにコース状況を教えようとすれば
オレ、今日のコースはそんなに難しいと思わないからいいや」と言う。
「それにガレの登りはじぃさまたちは走っていないし・・・、
それよりも分かってきたことがある、スタートで出遅れても、
今年のメンバーならノリくん(IA)さえ来なければ、コーナーが三つあれば、トップに立てる気がする!
おー、背もちっちゃくて人間もちっちゃいが態度が大きくなったぞ。

でも、実はレースではこういう自信が必要なんだな。
モトクロスでは、明らかに自信をなくしていたショウゴ。
全日本モトクロスの予選で5ヒート連続予選を突破したキッカケは、SUGOでの初ポイントゲットだった。
自信が自信を呼び、スタートも出られるようになった。
しかし、名阪のIBオープンで
450でスタートバーに突き刺さったのをキッカケにしてスタートが苦手になり、その後は予選落ちの嵐。
毎回予選落ちでは、負け癖がついてしまうんだな。

日曜日は、いつもみんなの応援だった。
(全日本モトクロスは、土曜日が予選で日曜日が決勝)
レース前のサイティングラップでコースを下見するIBライダーが眩しかった。
タカと一緒に「ガンバレー」と応援していたが、きっと悔しい気持ちもあったと思うぞ。

そんなショウゴが、少しずつ自信を取り戻してきている。
「確かにガレとウッズは、まだまだダメだけど、それ以外だったら行ける気がする!」とショウゴ。
おー、ニューショウゴの復活だー!
この鈴蘭高原でひと暴れしようぜ!

この「歩くお笑いモトクロス野郎!」と呼ばれている父ちゃんだって、
根拠のない自信だけで人生を歩んできたんだぞ。

そして、COMPクラスのスタート。
いつものようにスタートで出遅れるが、ここは第1コーナーまでの距離が短く挽回ができない。
7・8番手で第1コーナーを曲がって行くのが見える。
そして、第2、3コーナーで次々と前のライダーを抜いてトップに立つ!
おー、ショウゴが調子乗っている!

(左から4台目がショウゴ、すでに出遅れる)   (奥にちっちゃく写っているのがショウゴ)

そのまま後ろを引き離して登りのSHOW TIME区間に向かおうとした時にコーステープが切れていたところでコースミス。
ひとり、コースの外に向かう。
みんなが違う方へ向かうので慌ててUターン。
うーん、惜しい!。
自信はついたが、頭がついてこないぞ!

せっかくトップに立ったのに4位まで落ちる。
そのまま長い登りに!
砂煙でショウゴの姿も確認できない。
一度登ったゲレンデを降りて、いよいよ難所のガレの登り。

トップは前橋くんか?
次に続く赤いバイクは?ショウゴだ!
この登りで前橋くんを抜いてトップに立つ。
米粒のように小さく見えるショウゴが2位を引き離しながら山の向こうに消えて行く。

AAライダーが長い下りをクネクネと降りてくる。
そして、ショウゴがAAクラスのライダーに混じって現れた。
電光掲示板を見れば総合で15位だ!
2周目は、AAライダーとバトルしながらゲレンデを登って行く。
Aクラスとは違うのでそうやすやすと抜かせてくれないが、それでも着実に順位をあげて行く。
1時間を回った頃には総合で10位、目の前には生きる伝説レジェンド石井選手とイシドヤくん。

ショウゴいけー!
ショウゴの細い目がこちらをチラッと見て頷く。
興奮する父ちゃんとは違い、思ったよりも冷静なショウゴ。
その後もこの二人と抜いたり抜かれたりを繰り返して1時間半で給油。
まだ、2位の前橋くんには2分くらいの差があるはずだ。

急いでポリタンクで給油。
ラジエター液も補給。
二人でアタフタやっているのでバイクが倒れそうになる。
見かねた近くのオヤジがバイクを持ってくれる。(ありがとうございます!)
オイルも補給してGO!
これでもうピットにくることはないだろう。
1分くらいしてから2位の前橋くんが通過する。
このまま逃げ切れるか?

気がつけば空が暗い。
雨がポツリポツリと降ってきた。
ヤバイ、ヤバイぞー。
ショウゴのタイヤは、モトクロスタイヤ、それも空気圧は、パンクを恐れて1.0!
モトクロスより高いじゃん!

JNCCを走ったことがある人は分かると思うが、
結構、尖った石とか硬いギャップがあるんですね。
エンデューロライダーは、そういうところを上手く石やギャップにヒットさせないように走って行くが、
モトクロスライダーは、アクセルを開けれるところは開ける!
それがモトクロスライダーってものだ。
ムースタイヤなんてスグレモノもあるようだが、そんなものは見たことも触ったこともないぞ。

ということで、モトクロスタイヤに空気圧が1.0のショウゴには苦しい状況になってきた。
雨は、止むどころかドンドン激しくなってくる。
そして、動物園のクマのようにソワソワと動き回っている父ちゃんの目の前に現れたのは、前橋くんだった!

やっぱり抜かれたか!
1分ほど離されてショウゴ。
まだまだ、いけるぞ、がんばれー。
しかし、その後は、周回ごとに順位を落として結局Aクラス7位でフィニッシュ。

「惜しかったな!」とショウゴに声を掛ければ
「石が濡れてきたら全然グリップしなくて…
でも、今までだったら登れないところも何とか登ってこれたからいいや
と意外とサバサバ。

初優勝は、逃がしてしまったけど、得るものもあったということでしょう。
あと、エントリー出来そうなのは、ジジガタケ(ホントは爺ガ岳)ぐらいか?
その前に全日本モトクロスのSUGOもあるぞ。

レースが続くのは嬉しいが果たしてお金が続くか?
何故か、今年はお金が厳しいぞ!
どうしてなんだ?不思議だぞ??

(9周目から見事に落ちていったラップ表)

(DART SPORTSより)
(誰もが、AAライダーのイシドヤくんにラップされるショウゴ!と思った写真、
ショウゴだけは、登りのガレでイシドヤくんを抜いた時だと言い張る!)

PS
今回のレースで、今までのようなモトクロス的な車両や走りでは、通用しないことが分かった。
2010型CRF250Rのインジェクションのセッティングだって、全日本コースに合わせたレスポンス重視のままだし。
その上、モトクロスタイヤに空気圧が1.0、これじゃ雨が降ったら勝てませんよ(笑)

ショウゴに「マシンをエンデューロ向きにセッティングした方がいいのでは?」
と聞いてみたが、
「俺は、モトクロスライダーだから、モトクロスコース的なところを気持ちよく走れた方がいい」という返事。
あれ?お前はモトクロスから逃げてきた負け犬エンデューロライダーではなかったのか?

でも、まだモトクロスライダーの心が残っているのがちょっと嬉しいぜ。
次の全日本モトクロス(SUGO)は、タカと一緒に頑張ろうぜ!
(そういえば、タカって、この頃バイクに乗っていたか?)