[全日本近畿大会だ~('13/12.7)
   

 やってきました全日本モトクロス第7戦近畿大会(名阪スポーツランド:9/7.8)!
全日本モトクロスは、中部地方での大会がないので、
中部の子たちにとってはここが、唯一の地元?開催なのだ。
父ちゃんたちもお盆に1回だけ練習に行きましたよ。
(ホントは、もっと行きたかったのに~)

(MFJホームページより)

全日本モトクロス選手権第7戦近畿大会は、奈良県山辺郡山添村にある名阪スポーツランドで開催された。
自然の地形を利用した高低差の大きなサンド路面のコースは、ハイスピードなレイアウトを取り入れていて、
迫力のあるレースが観戦できることでも知られる。

今大会は天候に恵まれず、各クラスの予選が行われた土曜日が曇りで、決勝が開催された日曜日は朝から雨。
それでもコースは、サンド質による水はけの良さに 救われ、大きくコンディションが悪化することはなかった。
この会場は、大阪と名古屋を結ぶ名阪国道沿いにあり、大都市からもアクセスしやすいコースとして 人気。
そのため悪天候にも関わらず、2日間で6,600名もの観客が、現在は年に1度となっている近畿大会を楽しんだ。


 今回も父ちゃんとショウゴの二人旅。
(タカは、やっとモンゴルから帰ってきたと思ったら大学院試験の勉強だそうな・・)

他の大会では絶対に出来ない金曜日の10時45分に名阪スポーツランドに到着。
土曜日・日曜日とあまりお天気が良くないようなので、
ジムカーナコース(車)のアスファルトの上にパドックを設営する。
(ありがたや~)
名阪スポーツランドは、ここがBパドックになっているので、
ほとんどのプライベーターがここに駐車するのだ。
4.5年前程までは、エントリー台数が多かったのでこのBパドックにさえ入れなくて、
そのまた下のCパドック(フリースタイルのランプが置いてあるところ)の片隅に止めていたのに・・。
ちょっと寂しいな~。

今回は、ショウゴのみの参戦なので父ちゃんはお休み。(お金もないし・・)
中部選と違って全日本コースは、スピードも出るし、ジャンプもでかいので
よほど練習していないと、ホント危ない。
ましてや予選ときたら、もうハンパなく危ないのだ!

地方選のIBクラスは、ほとんど予選もないので、20分+1周の決勝のみだ。
それも10~20台くらい?の小さな頃からの顔見知りばかりでのレース。
たまには、我を忘れていきり立っているヤツもいるが、それも少数。
それでもIBクラスなので、やっぱり見ていても面白いのだが、
ライダーとしては、結構安全マージンを考えて、自分のペースを守りながら走っているんだな。
(それでも、あれだけ当たり合っているのだから凄い・・)

これが、全日本になると全然違う。
全日本の予選は、たったの4周!(今回の名阪は、何故か5周)
IB2とIBオープンにダブルエントリーしたとしてもたったの8周だ。
(エントリー費は、ダブルで21,000円!)
そこに地方選では経験したことがないようなフルグリッドやそれに近い台数で走る。
そりゃもう、みんな必死ですわ!

多くの全日本大会IBクラスの予選は、4クラスなので、各組の予選通過は7位まで。
(たまに3クラスの時もあるが、この場合は10位まで予選通過)
固定ゼッケンでも普通のように予選落ちしてしまう世界なのだ。

だから、もう予選の4周ときたら気を抜く暇もない。
まず、第1コーナーがハンパなく凄い!
もし、破天荒なことが大好きな人がいたら迷いなく、この全日本の予選を進めるぞ。
(きっとご満足していただけることでしょう!)

父ちゃんもスタートで間違って?出てしまったりすると、もう大変!
すべてのコーナーだけではなく、ストレートでさえも当たって抜いてくる。
危ないじゃないか!危ないじゃないか!!危ないじゃないか!!!
って騒いでいる間に4周が終わる。
ホント、凄い世界なのだ。

だからショウゴも予選突破してもおかしくないタイムを出してもなかなか通ることが出来なかった。
(やっぱり当たり負けしてしまうんだな・・)
中部選では、ほとんど負けない子が固定ゼッケンになっても全日本コースに行くと勝てなかった。

そんな破天荒な世界の全日本だが、ショウゴによると「当たり方が分かってきた!」そうだ。
「この頃は、肩や肘で当たれるようになってきた!」という話だ。
こんな事は、小さな頃から言っていたのだが、
全日本予選のあのグチャグチャの中でも出来るようになってきたということか?

ということで、今回持ってきたのは、ショウゴの250と450。
二人でバイクをおろし、テントを設営する。
もう手慣れた作業なので、あっという間に終わって、ご就寝~。

夜中に少し雨が降ったようだったが、コースはベストコンディション!
雨を期待していたショウゴは、少しガッカリだが、父ちゃんはウキウキ。
中部のライダーも多いし、何よりお客さんも多い。
やっぱり、良いぜ、全日本!

ショウゴが450に乗って、父ちゃんが250に乗って車検場に向かう。
受付をしようとすれば、やけに中部のコース関係者が多いのに気づく。
車検や進行係は美杉長男と次男だし、ユウタの父ちゃんや橋口さんもいる!
何より、いなべモータースポーツランド関係者が多い!

ひょっとして来年の全日本開催のため?
ちょうど社長がいたので「決まったの?」と聞けば
「いやいや、まだ決まってないけど、準備のためね」と言う。
顔見知りのコース関係者にも聞けば「いや~、まだ分からないですよ」と口が堅い。

そう言えば「全日本を見ておいた方が良いってことで、今日はスタッフとして来たけど、
20年以上全日本を転戦してきたんだけど・・」と愚痴るヤツもいたぞ(笑)
まるで全日本選手権中部大会!の前哨戦のようで、朝からテンション上がりまくりだった。

(DART SPORTSより)
スタッフの仕事もせずにイケテル姉ちゃんをナンパする美杉次男!(笑)
ホントは、知り合いの人と話していたらカメラを向けられた模様。
では、なぜ上半身裸でポーズを決めているのだ?


まずは、IB2の予選。
ショウゴが出る、B組には、タカの同級生のタクミ(64番:昨年は固定ゼッケンだった)と
フジワカ(36番)やアキツキくんもいるぞ。

そして、スタート。
ショウゴのスタートは、まずまずだったが、スタート直後のワダチでリアが振られて、
15・6位で第1コーナーに突っ込む。
第1コーナーをアウトから回り、数台を抜いて第2コーナーでインに入る。
グチャグチャしている間にスルスルっと前に出て、10位ぐらいで下りのストレートに消えていく。

ピットクルーが入れる第1コーナーイン側のサインエリアからでは、下のコースがまるで見えない。
トップがステップアップジャンプを飛びながらフープスの方に向かうのが見える。
1台、2台・・、なかなかショウゴが来ない。やっと12台目にショウゴが見えた。
う~ん、ここから7位まで上がるのは苦しいぞ・・。
ガンバレ、ショウゴ!

一時期は、10位まで上がったが、結局11位でゴール(Best Time 1分51秒984)
1位は、ゼッケン46番(Best Time 01:47.732)、2位が6番(01:49.079)、
3位が47番(01:49.642)で4位から16位のフジワカまでの
ほとんどのライダーのベストタイムが1分50~51秒台という接戦だった。
(タクミは、14位)
ということで、中部勢4人は仲良く予選落ち。

IBオープンは、A組。
ここには、東北の横澤くん(弟:69番)や中部のタカギくん(87番)がいる。
苦手の250でもそこそこのタイムが出せたので、450に期待が掛かる。
コースもだいぶ荒れてきたので、重たい450には不利だが、
スタートで出られればおそらく逃げ切ることは出来るだろう。
ショウゴの細い目にもメラメラと炎が見えるぞ。

そして、スタート。
出た!と思った瞬間、隣の子も素晴らしいスタート。
二台のハンドルが当たり、ショウゴが失速。
第1コーナーは、中盤より後ろか?
もうグチャグチャでどこにいるか分からないまま集団でコース奥に消えていく。

トップがステップアップジャンプを飛ぶのが見える。
1台、2台・・10台目でショウゴ!
こりゃ、いけるかも?

その後も抜いたり抜かれたりを繰り返して、最終ラップに8位で突入。
目の前は、12番だ!12番を抜けば予選突破だぞ~、いけ~ショウゴ~~!
しかし、父ちゃんの祈りもむなしく、そのままゴール。
ショウゴは、ヘルメットも脱がずにその後の予選結果を待つ。

予選が4組だと7位までは予選突破で、残りの二枠は1位のタイム(5周)が速い組の8番目の子が二人入る。
ショウゴのA組の1位、ゼッケン46番の子が8分51秒031、
B組の1位、ゼッケン3番が9分03秒755(8位は、フジワカ)。
残りのC・D組のどちらかのトップタイムがA組の8分51秒031より遅ければ予選通過だ。

C組には、サンタナが出る。
昨年IBに上がったサンタナは、交通事故や怪我さえなければ間違いなくIAに上がっていた中部の逸材だ。
すぐにトップに立って後は流してくれないかな~」と祈るショウゴだが、8分50秒313のトップでゴール。
「どうしてあと1秒くらい遅く走れないんだ~!」と嘆くショウゴ。

(DART SPORTSより)
(中部の逸材サンタナ、来シーズンは、いよいよIAだ、がんばれ!)

D組には、あの出原くんが出る。当然のように1位でタイムは、8分48秒566。
ショウゴのささやかな夢は破れて、第1リザーブライダーがショウゴで、第2リザーブライダーは、フジワカで決定。
「あんな速い人がIBなんておかしいじゃないか!」と愚痴るショウゴ。
人間、苦境になると性格が出る。
やっぱり、背もちっちゃいが人間もちっちゃいぜ!

(DART SPORTSより)
(やっぱり、元ワークスは凄い!来シーズンは、IAに返り咲くのか?)

IBオープンのショウゴが出したベストラップが、1分52秒354。
他の3クラスなら4・5番手のタイムだっただけに惜しまれるぞ。
しかし、まだあきらめたわけではない。

IBオープン決勝は、日曜日の決勝最後のレースなので何が起こるか分からない。
実際、2年前の藤沢でも第1リザーブになったのだが、
この時は、朝一のIB2クラス決勝でジンペイ(今はIA)が吹っ飛んでIBオープンをキャンセル。
その上、もうひとりが時間までにスタートエリアに来れなくて第2リザーブまでも決勝を走れたんだな。

明日の準備をしようにも決勝用のタイヤも持ってきていないし、
そそくさとパドックを片づけて、針インターの針テラスへゴー!
ここは、名阪スポーツランドから5分くらいでいけるところで温泉もあるところ。
他の全日本関係者が来る前にお風呂に入らないとえらいことになるぞ!ということで、
他のチームが、明日の準備をしているところを横目に見ながら急いでお風呂に向かう。

お風呂に浸かれば天国天国。
「予選しか走っていないけど疲れた~!」とショウゴ。
そうなんだよな、全日本てそうゆうところなんだよな~。
朝の練習走行と予選だけでも疲れてしまうんだ。

お湯に浸かって気持ちも楽になったのかショウゴが言う。
「誰かIB2の決勝で吹っ飛んでくれないかな?」
人間、気持ちがゆるむと本音も出る。
やっぱり、背もちっちゃいが人間もちっちゃいぜ!

「でも、吹っ飛んで怪我しちゃうとかわいそうだから、バイクが壊れるってのはどうだ?」
人がいいショウゴが言う。
「決勝を走るようなヤツらは、どんなことをしてもIBオープンまでに直してくるぞ」と父ちゃん。
「それじゃ、ジイガタケのリョウスケみたいに急に腹が痛くなるのはどうだ?」
そんなヤツもそうはいないだろう・・
「それじゃ、藤沢みたいに集合時間に遅れてくるヤツがいるかも?」

もう、自分の力だけではどうにもならないショウゴは、人の不幸ばかりを祈る・・。
「そんな人の不幸ばかりを祈るヤツは、自分に不幸が降りかかってくるぞ」と言えば、
「そうだよな~」と複雑な表情で水風呂に突入する。

水風呂に入って吹っ切れたのか?その後は、すっきりとした表情のショウゴ。
針テラス近くの“餃子の王将”でラーメンとチャーハンを腹一杯食べ、
その隣のコンビニでデザートと朝食を買って、明日に備える。

日曜日は朝から雨。
朝早くからIBクラスの練習に飛び出していくショウゴ。
重たい450でも頑張って走っている。
その走りを見ていると、決勝さえ走れればポイントゲットも夢ではない気がしたぞ。

午後になってようやく雨も上がってきた。
パドックでは、IBオープン決勝に向けて、準備が始まりだした。
フジワカの父ちゃんも一所懸命にバイクをいじっている。
お~、第2リザーブライダーでさえ、あきらめていないぞ!
ショウゴを見れば、ストレッチをやっている。
「お~、ショウゴもやる気満々だ!」
やっぱり全日本は良いな!と父ちゃんのテンションも上がってきた。

IBオープン決勝に出場するライダーがパドックを出て行く。
父ちゃんも僅かな工具とサインボードを手に走る。
スタートエリアに着けば、すでにすべてのライダーが番号順に並んでいた。
その後ろに並ぶリザーブライダーのショウゴとフジワカ。

ショウゴが一生懸命に台数を数えている。
「ダメだ、30台いる!」
「まだ、分からないぞ。お前が初ポイントを取ったSUGOの決勝では、
サイティングラップ(下見の1周)で帰って来られなかった子もいたしな・・」

そんな僅かな望みを夢見ていると
それじゃ、リザーブライダーは帰って!」とスタッフが言う。
「あれ、リザーブってサイティングラップも走れなかったっけ?」とフジワカに聞くショウゴ。
「今年から、そうなったみたいですよ」とフジワカ。

「同じ8位なのに・・、二列目スタートでもいいから走らせて欲しいよな・・」
「ホント、むなしいですね・・」
「リザーブライダーってこんなに悔しかったんだ・・」
他のライダーたちが、サイティングラップに向かう中、バイクを押しながら帰って行く二人。
これから、もし全日本でリザーブライダーを見たら暖かい目で見てやってください・・。

決勝レースが始まってもレースを見る気にもなれずに黙々と片づけをする父ちゃんとショウゴ。
スピーカーから「1位が出原でそれを追うサンタナ!」と聞こえてきた。
じぃさま、練習しようぜ、SUGOに練習行けるか?
「そうだな、保育園って後半になると行事が多いからな~、ちょっと難しいかも・・」

悔しさばかりが残った今回の全日本だったが、“悔しさ”こそが人を成長させることもあるからな。
また、頑張ろうな!

PS1
そのころタカは、自分の部屋で猫を抱きながらグ~タラしていた気がする・・。
いいのかタカ?

PS2
この様子を家族でやっているLINEで報告していたら、母ちゃんから返事が来た。
「リザーブライダーに立てただけでもスゴイこと、
その立場にさえ立てない子たちだってたくさん居るんだから・・。
決勝で走っている子たちの裏では、いろいろなドラマがあるのよ!」

そうなんだよな~。
たまには、こういう視点でもモトクロスを見てあげてください。
きっと新たな発見があると思いますよ。