[子どもとバイクで遊ぶ方法・・]('14/8.11) 

 天竜川の上流にあるエンデューロコースでの出来事。
ここのコースは、細くて長くでクネクネしていて、石がゴロゴロとあって、
すっかりエンデューロライダーのはずの父ちゃんでもなかなか楽しみを見つけられないのだが(笑)
たまにショウゴやタカと練習に行く。

ただ、川の方に行くと砂地もあって、ここはモトクロスのようにアクセルを開けて遊ぶことが出来るんだな。
それぞれが勝手に走っているとタカが「じぃさん、じぃさん、見てくれ!」と嬉しそうに呼びに来る。
まずは、コーナーを攻めるから見てくれ!という。(それが下の写真↓)


     (タカとショウゴ;本人は、ハンドルが擦るくらい傾けているイメージだそう:笑)

(もちろん、すぐにこうなりました・・:爆)

次は、「もっとスゴイものを見せるから!」と言ったのが下の写真↓


すごいだろ〜とショウゴとタカ:二人ともご満悦!


種を明かせば・・








はい、タイヤが砂に埋もれているからバイクだけでも立っているんです。(笑)

これで、25歳23歳ですから男はいつまでもバカですね〜。
(53歳のあんたが一番のバカよ!by母ちゃん)

はい、こんなバカなことをして父ちゃんたちの休日は過ぎていきます・・。
この頃こそ少なくなってきたが、小さな頃は、よく「見て!見て!」と言ってたよな〜。


 モトクロス場やJNCCでたまに
いいですね、いつまでも子どもとバイクで遊べて・・秘訣はなんですか?」と聞かれることがある。
「いや〜、遊んでいると言うより、もうバカにされているといった方がいいですよ!」と答えることもあるが、
確かに、この年になっても子どもとバイクで遊んでいられるのは自分でも幸せなことだと思う。

今回は、そんなに偉そうに話せることでもないのだが、ちょっとした秘訣をご紹介しよう。
ということで・・。

いつまでも子どもとバイクで遊ぶ方法」の始まり〜始まり〜。

ハイ、「子どもとバイクで遊ぶ方法」ですから、
間違っても「子どもを速くする方法」を期待しないでくださいね。
そんな方法が分かっていたら、
3歳からバイクに乗っているうちの子がIB止まりのはずがないじゃないですか!(笑)

モトクロスに限っての話じゃないですが、どんなスポーツでもそれが好きになることが一番です。
子どもにとっては、モトクロスだろうが野球だろうがサッカーだろうが、始めは遊びなんですね。
それがいつしかスポーツに変化していくだけなんです。

みなさんは、「遊び」の定義ってなんだと思いますか?
保育園の子どもたちを見ていると遊びって「成果を求めないもの」だと思うんですね。

例えば、砂場で遊んでいたとします。
子どもは砂場遊びが大好きですから、立派な遊びですよね。
ただ、ここで大人が登場してその子の作ったものや遊び方を評価しだしたらどうですか?
「ショウちゃんのケーキは5点だけど、タカちゃんのケーキは、少し崩れているから3点!」なんてね。
こうなれば、子どもにとっての楽しい砂場遊びが「遊び」ではなくなり「評価されるもの」に変わってしまいます。

うちの保育園では、ドリル等をやって文字を教えることはありません。
でも、年中さんの頃から文字に興味を持ち始め、
年長さんの頃になるとたくさんの子たちが読めたり書いたり出来るようになります。

子どもたちは、ほっておいても文字に興味を持ちます。
だって、ちょっと大きなお友達や先生・親が、それを楽しそうに読んでいるから。

その興味が出てきた頃に郵便屋さんごっこが始まります。
それを見計らって、先生が年長さんのお部屋にポストを作るんですね。
そこにお手紙を入れると、年長さんが届けてくれるんです。

始めは、訳の分からない文字や絵だったりしますが、
年長さんがお手紙を届けてくれると嬉しくて、ドンドン文字を覚えていきます。

もちろん、先生がドリル等で教えても文字を覚えます。
でも、自分からやりたい!って思った時は、先生から教えられるよりも何倍も覚えてしまいます。
それも遊びながら・・。

ですから、砂場遊びは「遊び」で
郵便屋さんごっこで文字を覚えることが「お勉強」なんて、大人が勝手に思っているだけなんですね。
子どもにとっては、文字を覚えることだって、ピアノだって、バイクだって
成果さえ求められなければ立派な遊びになるんです。
反対に言うと、どんな遊びだって、回りの大人に成果を求められれば、遊びではなくなるんですね。
自分から進んでやるもの」ではなく「やらされるもの」や「評価されるもの」になってしまいます。

困ったことに・・、子どもって無理矢理やらされても怒られながらやらされても上達してしまうんです。
だから、それをやらしている大人は、自分のやり方が正しいと考えてしまうんですね。

一時期、体罰が問題になりましたが、あれも同じです。
殴ったり脅したりしても子どもは上達するんです。
だからそれをやっている本人は自分の間違いに気づかない。
でも、子どもが自分から進んでやろうとしたときの爆発的な上達を知っている人は、
それが正しいやり方だとは思いません。

先ほど書いたように、うちの子たちは、だいたい3歳頃からバイクに乗っています。
父ちゃんや母ちゃんが楽しそうに乗っているものですから、
ほっておいても「乗りたい!」って言い出しました。
まぁ、そう言ってくれることを期待して、ショウゴが生まれたらJR50を買ってしまいましたがね・・(笑)

乗れるようになったら「見てて!・見てて!」と言いながら、いつまでも庭をJR50でぐるぐる回っていました。
父ちゃんも嬉しくて、庭から繋がっているじいちゃんの畑にジャンプ台まで作って一緒に遊んでいました。
楽しかったな〜。(その頃の写真です

この「見てて!・見てて!」という子どもの気持ちこそが大切で、
この気持ちに「どう親や大人が対処出来るか?」によって、その後が変わってくるんですね。
実は、この「見てて!・見てて!」という気持ちは、生後半年ぐらいから始まり、
特に2歳ぐらいまでの時期を社会的参照(ソーシャル・レファレンシング)と呼ばれています。

生後6ヶ月頃〜2歳頃までのお子さんをお持ちの方は、よく分かると思うのですが、
この時期の子どもは、遊んでいてもふと後ろを振り返って親や先生を捜します。
もちろん、自分を大切に思っている人が見守ってくれているという安心感を得ることもあるのですが、
どうすればいいか?を教えてくれる視線や表情を求めていることもあります。
要するに自分がやっていること、やろうとしていることをどのように思っているかを確認しているんです。

「お友達のおもちゃを取ってしまった!」すぐに親や先生の視線や表情を確認します。
「ダメだよ・・」という視線を送ったり、怒った表情をすれば、自分の行為がどのようなものかを認識します。
「でんぐるまが出来た!」すぐに親や先生の視線や表情を確認します。
「やった〜!」という視線を送ったり、満面の笑みだったりすれば、自信に繋がります。

特に生後6ヶ月頃〜2歳頃までは、
社会的ルールの遵守や非行や犯罪を予防したり自己肯定感を持つ基盤が出来る時期と言われています。

もちろん、この時期以降にも態度こそ変わっていきますが
見てて!・見てて!」という時期が続きます。

この気持ちに応えて上げることこそが大切なんだな〜。
そう、見てあげるだけで良いんですね。
しかし、時に親や大人は見ているとついつい一言、言いたくなります。
「こうした方が速くなる、あんな乗り方ではダメだ!」

子どもにとっては、遊びで乗っているはずのバイクですので、
いろいろな場面を見ていて欲しいのですが、評価されたり説教されたりすれば、すでに遊びではありません。
「勉強」だったり、「やらされるもの」へと変貌していきます。

もちろん、そういう時期も来ます。
しかし、父ちゃんは少なくともジュニアくらいまでは、遊びで良いと感じています。
黙って見ていれば、子どもの方から「ここはどうだった?」「あそこはどうしたらいい?」と聞いてきます。
その時に、ちゃんと応えて上げればいいのです。
(そのためにも見ていて上げることが必要なのです)

保育業界には、子育てのあり方として
「抱きしめて・聴いて・見守って・祈る」という格言があると前回書きましたが、
ここでいう「聴く」もそうなんです。

親は、保育園や学校の様子が知りたくて子どもが言う前に
「今日は、何やった?」「どうだった?」と聞いてしまいます。
時に問い詰めてしまいます。
すると、子どもは言いたくなくなってしまうんですね。
または、適当なことや親が喜ぶことしか言わなくなってしまいます。

放任でもダメなんです。言い過ぎたり手を出しすぎたりしてもダメなんです。
ちゃんと見ていてあげて、子どもが聞いてきたときにちゃんと応えてあげる。
この関係が上手くいくと子どもも伸びるし、親も楽だし、
何より、子どもがバイクを嫌いにならなくてすみます。

もともと遊びで乗り始めたバイクです。
この時期にドンドン好きになってもらいましょう。
好きになってしまえば、その後の評価や厳しい練習にも耐えることが出来ます。
だって、バイクが大好きなんですから!

好き!という強い気持ちがあるからこそ、
厳しい練習にも様々な評価やプレッシャーにも耐えられるんですよ。
好き!という強い気持ちがあるからこそ、
本人はそんな状態でも「好きだから・・」と思えるんですね。


(楽しそうに話し込む221タカ・05ショウゴ・77リョウスケ:なんの話をしているのやら?)

(コースで会えば、いつもこんな感じで遊んでいます:いなべモータースポーツランドにて)

子どもがいつまでバイクで遊べるか?
子どもとバイクで遊ぶ方法」は、これに掛かっていると思います。
はい、うちの場合だと今でもバイクで遊んでいます。
おかげでバイクのことは大好きですが、結果が伴っていません。(笑)
しょうがないですよね。
オヤジがこんな考えなのですから・・。

でも、もし本物の才能があれば、バイクに乗る環境さえあれば自ずと結果が付いてくると考えています。
だって、トッチやユウタやヨッシー、タカシやリョウスケの80の頃の走りを見たら、
「もう、うちの子は楽しもう〜!」って気になりますよ(笑)

ひとつ言い訳をしておくと、父ちゃんの場合は、自分がバイクに乗るのが楽しくて、
「あまり子どもたちをちゃんと見てあげられなかったな〜」という反省がありますね。
ショウゴやタカも、もう少しちゃんと見てあげていたらもう少しは速くなっていたかもしれませんが、
それよりも自分が速くなることの方が大切だったんですからしょうがありません。(笑)
それに、今よりも少し速い程度ならIAにもなれませんし、万が一なっても通用はしません。
IAなんて天才の集まりで、その天才が死ぬほど努力しているんですから・・。

おかげで今でも子どもたちと楽しくバイクに乗っています。
お盆も仕事ですが、明日はイナベに子どもたちといつものように練習に行ってきま〜す。
楽しみ、楽しみ・・。