206:人生考えた〜!('14/5.20:祝53歳!)   

 今シーズンのキックオフは、3月9日のJNCC第1戦。
ショウゴ(Comp)とタカ(Fun)が3位で、父ちゃんが13位というまずまず?の成績で終えることが出来た。
続いて3月23日は中部モトクロス選手権の第2戦(オフロードランド美杉)。
う〜ん、忙しくなってきたぞ!(仕事も修羅場だったが・・)

ここ数年、中部選へのエントリーも少なくなってしまったが、
この美杉は、コースも良いし、何より美杉の愉快な三兄弟に会えるのも楽しみのひとつ。
毎回、三兄弟を始めとしたスタッフが一生懸命にレース運営に携わってくれる。
おかげで参加者も気持ちよくレースが出来るんだな。
ありがたや、ありがたや・・。

しかし、このオフロードランド美杉は、中部選手権といってもほとんど奈良に近く、
久居インターからも結構距離があるところ。
おまけに帰りには毎回のように亀山や四日市付近で渋滞に巻き込まれる。
そのせいか?愛知県東部や静岡方面のライダーのエントリーが少なく、総エントリー数もやはり少ない。

特にIBクラスは、そもそもの資格者数が少ないので、少しでも活気づけよう?と
今回は、父ちゃんもショウゴの’12CRF250RでIB2にエントリーするという快挙だぞ??
(父ちゃんが走ると“お笑いモトクロス”になるんじゃない?by 母ちゃん)
え?それではショウゴは??というと、’09CRF450RでIBオープンのみのエントリーですよ。
(何か問題でも?)

いつも450で練習しているショウゴは、不器用なので毎回のように250への乗り換えが上手くできない。
(’12CRF250Rは、全日本と中部選にしか使っていない)
だから今までは、中部選に限って、IB2もIBオープンにも250で出ていた。
(全日本は、IBが250でオープンが450)
この頃、やっとそこそこ250でも乗れるようになってきたが、
やっぱり乗り慣れている450の方が走りやすいという話だ。

ということで、今年のショウゴは、全日本も中部選も450一本でいく!と言うことになり、
それならば、この父ちゃんがショウゴの’12CRF250Rで出てやろう!ということになったんだな。
めでたし・めでたし・・(何がめでたいの?by 母ちゃん)

父ちゃんは、今年初めてのエントリーなので、ゼッケンさえ決まっていない。
ショウゴの250に付いているゼッケンは、34番
あんな背もちっちゃいが人間もちっちゃい!ショウゴでも、今シーズンは固定ゼッケン!!
(昨年の藤沢でまぐれでポイントを取った!)
いちいちゼッケンを張り替えるのは面倒なので、
美杉三男に電話して、「134番ってもらえる?」と聞けば、「三桁はダメなんですよ〜」という返事。
それじゃ、34番を生かせる番号で空いているゼッケンを聞けば、「84番なんてどうですか?」と教えてくれる。
84番なら3の空いている隙間を上手く埋めるだけで、綺麗な8になるだろう。
ありがとう、美杉三男!

ということで、レース当日にエントリー表を見れば、やっぱりIBクラスのエントリーは10人だけ。
もちろん10人中3人は、父ちゃんとショウゴとタカ。
父ちゃん一家が、中部選IBクラスの一大勢力じゃん!
しかも、10人中5人が、全日本の固定ゼッケン組で、残りだってバカッ速いルーキーたち。
走る屍(しかばね)!と恐れられている父ちゃんは別格として、24歳のショウゴでさえ長老クラス。

エントリー表を見ながら、ただただ口をあんぐりと開ける父ちゃん。
「勝てそうな人がいない・・」とうなだれるタカに
「俺と一緒に走っていた人たちはどこに行ったんだ〜」と嘆くIB8年目の長老ショウゴ。

朝の練習走行が始まれば、その現実を思い知らされる。
久々のモトクロッサーで走る整備されたモトクロスコースは、気持ちいい!の一言。
(大きな石なんてコース上にありません!ガレもありません!!)
昔は、ちょっとした石がコース上に転がっているだけで気になっていたが、
JNCCに出るようになったら、石や岩の概念が変わりましたよ!

フープスだって気持ちよくクリアー。
綺麗なコーナーは、思いっきり寝かせながら突っ込める。
バンクでは、ガバッ!とアクセル開けて、砂煙を思いっきり噴き上げる!
う〜ん、いい!いいぞ〜!

そんな気持ちよくコースを攻める父ちゃんをみんながスゴイ勢いで抜いていく!
右から左から・・アウトからインから・・コース上ならどこからでも抜いていく。
まるでオオカミの群れに迷い込んだ子羊のような父ちゃん。
ただただ、「速や〜〜〜!」と感心して終わった練習走行だった。

パドックには「ついていける人がいない・・」と落ち込むタカに
「みんな速いけど何とかついて行けた!やっぱり450はいいや!!」とはしゃぐショウゴ。
美杉のお山がキレイ!という現実逃避をしている父ちゃんがいた。

そして、朝のブリーフィング(昔は、ライダーズミーティング)。
美杉長男が、開口一番、「この美杉にもついにコンビニが出来ました!」と嬉しそうに言う。
お〜!」とどよめきが起こる。(夜中に来たので気づかなかったが、,木材置き場近くに出来たという話だ)
その後、いろいろとレースの注意事項等を教えてくれる。

最後に、映画のロケがこの美杉村周辺でもあってこのコースもロケ地のひとつになった!という話が出た。
お〜!
またまた、どよめく参加者一同。
そこに置いてある「三重県林業組合(架空の組合名)」とステッカーが貼ってあるうちの車も映画で使ったんですよ!
聞けば、長澤まさみちゃんや伊藤英明さんも来ていたとか!
お〜トレビアン!
エントリー数が少なくてちょっと寂しかったけど、一気に盛り上がったブリーフィグだったぞ。

(映画で使った軽自動車。冒頭で出てきます)

『WOOD JOB!(ウッジョブ) 神去なあなあ日常』という映画です。(絶賛上映中!)
(HPよりhttp://www.woodjob.jp/)

【解説】: 『ウォーターボーイズ』など数々のヒット作を送り出してきた矢口史靖監督が、
人気作家・三浦しをんのベストセラー小説「神去なあなあ日常」を映画化した青春ドラマ。
あるきっかけで山奥の村で林業に従事することになった都会育ちの若者が、
先輩の厳しい指導や危険と隣り合わせの過酷な林業の現場に悪戦苦闘しながら、
村人たちや自然と触れ合い成長していく姿を描く。
『ヒミズ』などの染谷将太をはじめ、長澤まさみ、伊藤英明、ベテラン柄本明らが共演する。

【あらすじ】: 大学受験に失敗し高校卒業後の進路も決まっていない勇気(染谷将太)は、
軽い気持ちで1年間の林業研修プログラムに参加することに。
向かった先は、携帯電 話が圏外になるほどの山奥のド田舎。
粗野な先輩ヨキ(伊藤英明)のしごき、虫やヘビの出現、過酷な林業の現場に耐え切れず、逃げようとする勇気だったが…。



Kの「清流の里 ぬくみ」のすぐ隣が「オフロードランド美杉」。
このコテージには、子どもたちがまだ小さかった頃、何回かお世話になった。
(とっても良いところなので、みなさんも是非行ってみてください)
映画では、クライマックスの祭りで体を水で清める場面が、ぬくみの檜風呂を使っている。

長澤まさみ演じるナオキが勤めている小学校のロケ地がD。
ここは、ショウゴやタカがジュニアクラスだった頃にモトクロス合宿で使ったところだ。
一緒に参加していたのは、美杉の秘蔵っ子IAタカシや昨年IAになったヒサもいた。
コーチ陣は、美杉三男や北海道に帰ったアッキーとなやっち・だいちゃんのダンロップコンビ等々
(当時はみんな現役IA)という豪華なメンバーだった。

映画の冒頭で車に撥ねられた鹿が出てくるが、夜中にコースに向かっているとホントよく鹿に遭遇する。
映画のように鹿をひいたことこそないが(笑)、子鹿がいる10匹ぐらいの群れが道路を塞いでいたこともあった。
その時、ひときわ大きな体の雄鹿(リーダー?)が止まっている父ちゃんたちの車を敵とでも思ったのか急に体当たり。
映画の伊藤英明の車のようにバンパーがへこんで外れてしまったことがあった。
鹿というとおとなしいイメージが強かったのでビックリしたぞ。

その他にも夜中にコースに向かって走っていたところに、鹿が飛び出してきて急ブレーキ。
寝ていた母ちゃんがベットから転がり落ちたこともあった。
てっきり怒られると思ったら「父ちゃん、落ちちゃった・・」と寝ぼけた母ちゃんは、可愛かったぞ。


この「WOOD JOB!(ウッジョブ)」は、主人公の勇気(染谷将太)が林業を通して成長する姿が、
美杉の美しい自然の中で上手く描かれている。
ところどころに挿入されている綺麗な山を見ただけで
美杉の山だ〜!」とオフロードランド美杉に来ている人はみんな思うはず!
先日、家族五人でこの映画を見たときも全員が美杉の山だ〜!と思わずささやいたぞ。(笑)


日光に当たりながら気持ちよく美杉の山々を見ていれば「じぃさま、俺はもう行くぞ!」とタカ。
「俺は、もう少し日なたぼっこをしているから・・」と父ちゃん。(若いもんは、せっかちだの〜)
遅れていけば、ちょうどスタート位置のクジを引いていた。
30台分のグリッドがあるなかで10台しかいないので、「何番でもいいや〜」と気軽に引けば2番!
こんなところで運を使い果たしたくない!と思いながら、みんなと離れたイン側を取る。

7番クジを引いたタカが、二つ空けたグリッドにつく。
こりゃ、タカには負けられんわ!と気合いが入る父ちゃん。
みんなが速いのは、練習走行でよ〜く分かった。
こうなれば、狙いはタカひとり。
何とかスタートでタカの前に出て、タカが後ろでアタフタしている間に逃げ切る作戦だぞ。

ショウゴもサインボードを持ってピットエリアにスタンバイ。
よし、舞台はそろったぜ!
タカをやっつけるイメージトレーニングをしているところに顔なじみのオヤジが来て
固定ゼッケンの息子にピットクルーをさせて、そのバイクで出る勇気には感心しますわ!」と一言。
褒められたと思った父ちゃんは、「すごいでしょ、タカにも負けませんよ!」とニコニコ顔で答える。
オヤジは、首を振りながらピットエリアに向かっていった。

そして、スタート。
スタートした瞬間に出遅れたのが分かる。みんな、速え〜〜!
第1コーナーに入る頃には、すでにベリ。目の前にはタカが見える。
すでに、イメージが壊れる父ちゃん。

こうなれば、勝負は第2コーナー。
トップグループがガチガチと当たり合っている。
こりゃ、誰かが転ぶな?長年の感が予想する。
そうなれば、ラインが限られているので、その後ろに付いている中盤グループが突っ込むはず。
咄嗟に、アウトにラインを変える父ちゃん。
さぁ、いつ転んでも大丈夫だぜ!という期待を裏切り、難なくクリアーしていく集団。
ひとり、大回りして遅れる父ちゃん。

あっという間にいなくなるトップグループ。
すぐに見えなくなる中盤グループ。
さっきまで目の前にいたタカさえどんどん離れていく。
後は、もうひとり旅ですよ。

ピットエリアでサインボードを出すショウゴも何も書くことがないので、残り時間だけを示すだけ。
固定ゼッケンの息子のバイクを奪い取り、その息子にサインを出させるダントツベリの父ちゃん。
俺の人生って何だろう〜?
世界ひろしとはいえ、モトクロスのレース中に人生を考えている人は、そうはいないでしょう。

トボトボとパドックに帰るとすでに先に戻っていたタカが
「レースをやった気がせん、すぐにみんなに離されてずっとひとりで走っていた、
もう何も考えることがないんで、人生を考えちゃったぜ!」と言う。
ここにもレース中に人生を考えたヤツがいましたよ・・。
IBクラスは、20分+1周だが、人生を考え直すには十分な時間であることを知った二人だった。

お昼にカップ麺をすすりながら「IB2、タカが7位で父ちゃんが8位!!」とLINEで母ちゃんに報告。
やがて「父ちゃん、8位なんてすごいじゃん!」と母ちゃんから返事があった。
すぐに「10台中の8位で2台リタイヤ!」とショウゴが告げ口。
母ちゃんからというスタンプが送られてきたけど、どういう意味だろ?

そして、IBオープン。
スタートエリアで父ちゃんがフラフラしていると朝とは違うオヤジが近づいてきた。
「中島さん、いくつになった?」
「今度の5月20日で53歳ですよ」
「2〜3年前と思うとだいぶ遅くなったな〜」
「そりゃ、そうですよ〜、この頃はモトクロッサーにも乗っていないですし・・」
その年でもまだ走っているだけは偉いわな〜
褒められたと思って「ありがとうございます!」とニコニコして答える父ちゃん。
首を振りながら立ち去るオヤジ。

スタート地点に行けば、すでにショウゴもタカもスタート位置に付いている。
450のショウゴは、パワーに任せてアウトから第1コーナーに突っ込む作戦だ。
タカは、中央からのスタート。
今度は、父ちゃんがサインボードを持つ。

「ショウゴ、スタートで出遅れても焦るな、第1コーナーまでには、パワーで追いつけられるから」
「タカ、ラインが限られる第2コーナーが勝負だ、前車をよく見て突っ込め!」
二人の背中をポンとたたいて、ピットエリアに向かう。

美杉長男が、15秒前のボードを出す。
そして、5秒前のボード。
エンジン音が上がる。

美杉次男が、スタートバーのレバーを踏み下ろす。
一斉にスタート。
キレイに全車が第1コーナーに突っ込んでいく。
アウトからショウゴが前に出て行くのが見える。
タカは、真ん中からイン側にラインを変えて第2コーナーに向かう。

ショウゴが第2コーナーに入ろうとすればイン側のライダーにラインを塞がれる。
ガチガチと当たり合っているのが、ここからでも分かる。
ショウゴがふらつく。
1〜2台に抜かれるが、その後のフープスで抜き返す。
タカは、集団の中でもみくちゃにされている。
キャメルジャンプを豪快に飛んでいくタイチやモリナガくんの後に続くショウゴ。
タカも後ろの方だが、まだ集団の中だ。
このメンバーの中で二人とも頑張っているぞ。

ピットエリア前のストレートをスゴイ勢いで駆け抜けるタイチとモリナガくん。
少し離れてショウゴが続く。
後ろには、ユウトやダイジロウ。
このメンバーでは苦しいぞ。タカも何台かとバトルしている。

いつもならすぐにタイチやモリナガくんに離されるショウゴだが、今回は何とか食らいついている。
というより、追いついているじゃん!
それどころか3周目には、抜きに掛かっている?
どうしたショウゴ??(山の神でも降臨したか???)

しかし、4周目以降は明らかに疲れが見えてきて徐々に遅れ出す。(やはり、450は体力を使うぞ)
タカも、またまたひとり旅になってきたぞ。(今頃、人生を考えているのか?
結局、ショウゴが5位でタカが9位だった。

パドックに向かって歩いているとまたまた違うオヤジが声を掛ける。
「息子、やっぱりIB2にも走らせた方が良かったんじゃない?」
「あいつは、不器用なもんでオープンだけで良いんですよ!」と答える。
首を振りながら立ち去るオヤジ。


(IBオープン5位のショウゴ、このメンバーでの5位は上出来でしょう!)


今シーズンの初めてのモトクロスレースだったが、それなりに楽しめたな。
美杉の山々と清流を見ながら帰り道を急ぐ。
タカがぽつりと言う。
オレは、JNCCのFUN-FAクラスでチャンピョンになって、
ショウゴと一緒のCOMPにいくわ!


タカよ、よく決心したぞ!さすがは俺の息子だ。
やっと、自分の置かれている立場が分かってきたな。
今日のレースが、自分を見つめ直す良い機会になったようだ。

そうそう、父ちゃんも自分を見つめ直してしまったぞ。
今回の成績は、単なる練習不足だったな。
やっぱり、ショウゴの’12CRF250Rでもっとがんばろう!

このことを帰ってから母ちゃんに話したら、

こんな顔になったけど、どうしてだろ?



PS1
やっと、COMPクラス(3時間)への挑戦を決意したタカだが、
4月からは、就職もせずに大学院に行くことになってしまった。
ショウゴのように毎月バイク費用として4万づつ貰う予定だった父ちゃんは、がっかり。
(これじゃ、父ちゃんの新しいバイクが買えないじゃん!)

その上、もし研究費が貰えるようなら(試験があるのでまだ分からないが・・)
土曜日も大学に行かなければならないという話だ。
これじゃ、練習も減ってしまうし、レースは現地集合?
大丈夫か、タカ?

PS2
期待されていたイナベでの全日本モトクロスの開催は、今年度はダメだったようだ。
でも、まだ諦めたわけではないようなので、来年度に期待するぞ。がんばれ、岡田社長!