[3年目の浮気]('14/10.23) 

  「3年目の浮気」   作詞作曲 佐々木勉
               唄 ヒロシ&キーボー
・・・
(男)3年目の浮気ぐらい 大目に見ろよ
(女)ひらきなおる その態度が気に入らないのよ
(男)3年目の浮気ぐらい 大目に見てよ
(女)両手をついてあやまったって 許してあげない
・・・

 出会ってはいけない人に会ってしまった・・。
会ってはいけない人に会ってしまった・・。

言ってみれば、20年ぶりの同窓会で初恋の人と出会い、
実は、私もアキちゃんのことが好きだった!」と言われたようなものだ。
(父ちゃんは、一度も同窓会に出たことはないが・・:父ちゃんの名前はアキヒロ)

または、部下のOLから「相談があるの」と誘われ、
軽い気持ちでお酒を飲んだら
そっと手を握られて「今日は、帰りたくない・・」と言われたようなものか?
(父ちゃんは、お酒は飲まないが・・)

いやいや、キャバ嬢のおねえちゃんから「いつも指名をしてくれてありがとう。
今晩、開けてあるから待っていてね!
と胸を押しつけられながら言われたようなものか?
(そういうお店に行ったことはないが・・)

それほどのことが父ちゃんに降りかかってきてしまった。
時は、10月11日土曜日、場所は、イナベモータースポーツランド
(2014KTMオレンジフェスティバル1日目)

次の日が保育園の運動会だというのに、
金曜日に一生懸命に準備をしたので、ショウゴと二人でノコノコとやってきてしまった。
(ホントは、日曜日のエンデューロやエンデューロクロスにも出たかった!)


(2014KTMオレンジフェスティバル:ボブさんのブログより)

土曜日は、試乗会がメインだったが、
自分のバイクを持ち込んでの練習走行も出来るということだったので、
普段の練習気分でやってきてしまったんだな。

試乗会の合間にモトクロスコースやエンデューロコースが使えたので、
父ちゃんとショウゴは、爺ヶ岳に向けてKTM 200EXCと 300XC-Wで
試乗会には目もくれずに練習していた。
しかし、父ちゃんたちが車を止めたパドックからエンデューロバイクの試乗会場が見下ろせた。
やはり、運命というのはこういうことを言うのだろう。

もう、次期マシンが揃っている父ちゃんたちには、試乗会なんて無用なもの。
ショウゴにも「試乗会をやっているけどどうする?」と聞けば、
「オレには、300があるからもう試乗会には行かない、
もし、300より良いバイクがあったら迷っちゃうし・・」という返事。
さすがは、長男。生真面目なヤツだ。

父ちゃんだって、タカの次期マシンを前倒しして買ってしまった手前、
しばらくは、バイクを買う余裕なんてない。

「オレも、今回はいいかな〜」と思っている父ちゃんの目の前を
明らかにエンデューロバイクとは違うシルエットが通り過ぎていった。

FREERIDE?
今回は、4サイクル350ccのFREERIDEがあるのか?
乗ってみたい気はするが、父ちゃんが一目惚れしたのは、2サイクルの250の方だし・・。
コースの奥の方に消えていくFREERIDEから目を移し、自分のバイクを見つめる。
やっぱり、オレには、このスクーターもどきの200が合っているぜ!
この200とも三年目になる。

今まで苦楽を共にした仲じゃないか!
と思った瞬間、遠くに消えていったFREERIDEにチャンバーらしきものがあったことに気づく。

へ、本当に250のFREERIDE?
あの2サイクルのFREERIDE。
今まで、何回もJNCCやKTMの試乗会に行ったが、一度も会うことさえ出来なかったFREERIDE 250R?

突然、会ってはいけない人(バイク)に出会ってしまった。
もう、察しはついていると思う。
その人(バイク)は、KTM FREERIDE 250R。
中古のKTM 300XC-WとKTM 250EXCを買った段階であきらめたはずだった。
無理矢理、忘れようとしたはずじゃないか!
泣きながら別れを告げたはずではなかったのか?

父ちゃんの胸はときめいた。
心臓がドキドキと鼓動するのが分かった。
気づけば、父ちゃんは走っていた!。
全速力で走っていた!
ブーツで走ったものだから試乗会場までに何回か転びそうになった。
年老いたオヤジが我を忘れて走っていた。

息が切れた頃に試乗会場に行けば、さっき遠のいていったFREERIDEが帰ってくるところだった。
そのFREERIDEは、紛れもなく250だった。
ついに会えたね。
どれほどキミを捜したことか!
どれほど、キミを待っていたことか!

急いで本部に行き、試乗会の手続きをする。
帰ってくれば、7〜8人ほどのライダーがそれぞれの試乗車が空くのを待っていた。
一番長い列に並び、「ここは、FREERIDE 250Rの列ですか?」と聞けば、
「いいや、350EXCですよ」との応え。

FREERIDE 250Rが一番人気と信じ込んでいた父ちゃんは、ちょっと肩すかし。
聞けば、乗りたいバイクのところにそれぞれ並んでいるそうなので、
先ほどまで250が置いてあったところに並ぶ。
といっても、誰も並んでいなかったので、FREERIDE 250Rが帰ってくるのをひたすら待つ。

いったい何周乗れるんだろうか?
何の説明もないまま待っていると、FREERIDE 350Rが帰ってきた。
こちらも誰も待っていない。
一瞬、どうしようかと迷ったが、一途な父ちゃんは、ガマンガマン。
オレには、キミしか見えない!

一人ぽつんと残されるFREERIDE 350Rを他のバイクを待っていた人が乗っていく。
そうこうしているうちにFREERIDE 250Rに乗っていた人が3周ほど走って帰ってきた。
「3周は乗って良いってことか?」

その人からFREERIDE 250Rを渡してもらう。
前回の爺ヶ岳でFunクラスに出ていた人に触らせてもらったことはあったが、
跨がることさえ初めてだった。
そっと、シートをナデナデしてやさしく跨がる。
母ちゃんと違って、なんて細身のシルエットなんだ!
やさしくしてくれないと・・ダメよ〜、ダメダメ(by日本エレキテル連合)」と言っているようだった。

スッとサスが沈み込む。
シート高が915mmなので、あんこ抜きをした200EXCよりもだいぶ足つきが良い。
キックがないので、セルをシュルルル〜でエンジン始動。
そっとクラッチを握り、ギアを1速に入れる。
クラッチをつなげば、思ったよりも力強く発信するFREERIDE 250R。

おお!いいぞ!!
2速・3速・4速・・次々とチェンジアップ。
ぐんぐんと加速する車体。
低速から中速にかけては、明らかに200EXCよりも力強い!
さすがに高回転では、200EXCの方が力強かったし、全体のパワーも上だが・・。

楽しい!楽しいぞ〜〜〜!!
コーナーを高めのギアで立ち上がってみる。
グッグッグ・・とゆっくりに、しかし確実に加速する。
これは、ガレや滑りやすいところで使えるぜ!

前後ともトライアル向きのタイヤを履いていたが、気にならなかった。
写真で見たときに気になっていたハンドルの形状も気にならなかった。
軽い車体と軽いハンドリングに魅了される父ちゃん。
もう、キミを離さないぜ!

あっという間の3周だった。
ボケたふりをして、もう2周くらい乗りたかったが、人目を気にして出来なかった。
夢のようなひとときだった。

ハァハァと息を上げてパドックに戻れば、「どうだった?」とショウゴ。
「思ったよりも良かった!」と顔を赤らめながら応える父ちゃん。
「オレは、あんなおもちゃみたいなバイクはいいや!」
若いヤツらには、まだまだあの子の良さが理解出来ないんだな。

すでに、父ちゃんの心は、FREERIDE 250Rに首ったけ。
もう、何も見えないぞ!
どうしたら手に入れることが出来るのだ?
どうしたら自分のものに出来るのだ?

保育園でもしたことがないくらい考え込む父ちゃん。
どうしたらいいのだ?
どうしたら・・。
悶々とした日々が続く。

そんな時に超ド級のビッグニュースが入ってきた。
ヤマハが、あの評判の良い2015モデルのYZ250Fをベースにした
エンデューロマシンYZ250FXを出すというではないか!

あのYZ250Fにセルを付けて、変速比をワイドレシオ化、
FIセッティングやサスをエンデューロ向きにして、リアタイヤを18インチに変更。
サイドスタンドとラジエターファンを追加!
もう、他にやることないじゃないですか!!

もう、キミしか見えない!!!!!!!



      (YZ250FX!掛け値なしにかっこいいです!間違いなく速いです!)


PS
3年目の浮気」には、実はある程度の生物学的根拠があるのだ。
恋は三年で冷める」とも言うよね。

人が人を好きになる(恋に落ちる)と「恋愛ホルモン」が出る事が分かっている。
ただし、このホルモンは三年しか出ないことも分かっている。
要するに、人間が進化していく過程の中で、男と女が恋に落ちてからの三年間が大切なんだな。

しかもこの「恋愛ホルモン」が出ているうちは、なんと相手を批判的に見られなくなる。
恋は盲目!」とは、よく言ったものだ。
昔の人は、科学的根拠がなくても、経験則で人間を理解していたんだな。

では、「なぜ三年なのか?」というと、人が恋に落ちて、子どもを作り、
その子がなんとかなる2歳くらいまでの期間が三年なんだな。
この三年間は、子どもを授かり、育てる大切な時期なので、
相手の欠点が気になってしまうと子どもも母親も生きていくことさえ大変になってしまう。
それほど、人類が生きてきた環境は厳しかったんだ。

しかし、三年経つと「恋愛ホルモン」が切れて、恋の魔法も1回切れる。
我に返ったときに今後もこの相手でよいのか?とお互いに考える時期だ。
そこで、「この相手ではダメだ!」となれば、違う相手を探す。
こうやって、人類は、少しでも良い遺伝子を残そうとしてきたんだ。
「一夫一婦制」や「ひとりの相手と死ぬまで一緒!」なんて、文明が発達してきた過程でのことだったんだ。

ちなみに、人は恋に落ちると相手を批判的に見る能力は落ちるが、
男は視覚、女は記憶力が伸びると言われている。

男は、女の腰のくびれ具合から「この女は、丈夫な子どもが産めるか?」
「妊娠適齢期か?」と見分けるために視覚が発達し、
(大昔は、戸籍なんてなかったから年齢は見た目で判断するしかなかった!)

女は、「この男は、父親として価値のある男か?」
「ちゃんと自分と子どもを食べさせるだけの技量がある男か?」
と、言ったりやったことを記憶しておいて判断するためのようだ。

そういえば、母ちゃんも父ちゃんと初デートをしたときの服装や言ったことを今でも覚えている。
「あの時はこうだったよね〜、あんな会話をしたよね〜」なんて今でも言うが、
父ちゃんにとっては、すべては過ぎ去ったこと・・。
ほとんど忘れています・・(笑)

散々「うんちく」を披露したのは、
すべては、自分の「3年目の浮気」を正当化するためだ。
あ〜3年も経つと、目移りするな〜〜〜!
(アンタの場合はいつもでしょう!by母ちゃん)
父ちゃんに合ったバイクよ!待ってておくれ〜〜〜〜〜!!