[第6戦ほうのき!]('15/10.4)

 すっかり変わり果てた姿になったニュースクーターフリラちゃん。
少しずつ慣れてくると、またまた愛着がわいてくる。
そんな父ちゃんを見てショウゴが「もう、お山に帰れば?」と一言。

そういえば、JNCCではほとんど見ることがないFreeRide250。
しかし、「スターフォレストなみあい」というお山系のコースに行ったら、たくさんいた。 
 233:お山に帰る・・('15/7)

同じオフロードと言ってもエンデューロ系とお山系は、あきらかに違う。
モトクロスライダーは、エンデューロレースまでならいけると思うが、
お山系のレースならばトライアルライダーの方があきらかに有利だ。
まぁ、お山系と言ってもハードエンデューロやヒルクライムというレース部門と
仲間たちとお弁当や水筒を持って、山の中に分け入っていく人たちがいるようだが・・。

そんなお山系のライダーやバイクは、ひと味違う。
まず、オーラの出方が違う!(笑)
人と競うことを前提としているモトクロスライダーと
自然と対話しながら自分自身と戦っているかのような?お山系ライダー。

ヘルメットだって、トライアルライダーのようなジェットヘルを基本としながらも、
開閉式のシールドが付いていたり、強化アクリルでチンガードを付けていたりする。
フルフェイスのモトクロスヘルメットとゴーグルに慣れている父ちゃんたちから見ると
あまり格好良くない・・。

バイクだって、例えベース車が同じであっても
お山の中でこそ力が発揮出来るように、そこかしこが改良されている。
ロッシ高橋氏のバイクを「なみあい」でチラッと見ただけでも、
変な格好のハンドガードが付いていたり、エンジンの前に前掛け?のようなものがあったり、
こちらも、はっきり言って格好良くない・・。

そんな話をショウゴやタカとしていると
「じぃさんのバイクだって、充分普通じゃないぞ!」
「もう、お山に帰った方が良いぞ!」と揃って言う。
「まぁ、一言で言うなら“山の民(たみ)だな!」

山の民(たみ)?なんだそれ??

(お山系の頂点:ロッシ高橋氏)
(変わったヘルメット?のロッシ高橋氏)
(ヘルメットだって開閉式のシールドとアクリルのチンガード、
バイクだって見えるところだけでも、いろいろといじってありました!
ハンドル回りやエンジン前方に注目!見えないところもきっといじってあるはず?)

(山の民!と呼ばれたフリラちゃん。山の民って何だ?)

そして、やってきましたJNCC第6戦ほうのきラウンド。
今回は、久々にタカも参戦。
父ちゃん一家のテンションはマックス!
タカが叫ぶ「今回は、キングダム祭りだ〜!

キングダムってなに?と思う人もいるだろう。
何を隠そう、この父ちゃんもつい最近まで知らなかった。

時は、数週間前にさかのぼる。
タカが久々に帰ってくると、いつも撮りだめてある『雨上がり決死隊のトーク番組 アメトーーク!』を見る。
みんなでテレビを見ながら夕食を取るのが父ちゃん一家のスタイル。
いつものように家族全員でアメトーークを見ていると、
その時のテーマが「キングダム芸人」で、キングダムが大好きな芸人たちがコスプレをしながら
いかにキングダムが面白いのかを熱弁していた。

「キングダム」とは、中国の春秋戦国時代を舞台に、
大将軍を目指す少年・信(しん)と後の始皇帝となる秦王・政(せい)の活躍を中心に戦乱の世を描く、
単行本の累計発行部数が1900万部以上(39巻時点)という超人気漫画なのだ。
ちなみに、この時代の日本は、弥生時代・・。
恐るべし中国!


   (アメトーークのキングダム芸人より)

(ケンドーコバヤシの“山の民タジフ”のコスプレ)

その「キングダム芸人」を見た父ちゃんたちは、さっそくこの漫画を読みたくなった。
引きこもりのショウゴがつぶやく。
漫画喫茶でちょっと読んだことがあるけど、確かに面白いぞ!
「母ちゃんも読みたいから今度買ってきてよ!」
「よう言った、母ちゃん!」と父ちゃんとタカ。

数日後、ショウゴは、あちこちの本屋を駆け回り1巻から最新の39巻までの大人買い。
もちろん、お金は母ちゃんが出したぞ。

歴史が大好きなショウゴは、すぐに読破。
それに父ちゃんとタカが続く。
お金を出した母ちゃんが、最後だ。(笑)
そんなこんなで、すっかりキングダムファンになった父ちゃん一家だった。

そんな時の第6戦ほうのきラウンドだった。
タカが「キングダム祭りだ〜!」とNHKでやっていたキングダムのアニメを用意。
これで、今回の旅の往復は、キングダムづくしで決まり!

登場人物の中国の名前は、馴染みがなくて似ているので、今ひとつ覚えきらない。
このアニメでおさらいだぜ!
(歴史好きのショウゴは、ほとんどの登場人物の名前と場面を覚えているぞ。さすが、引きこもり!)


   (これが超人気漫画のキングダム)

このキングダムで重要な場面に出てくるのが山の民(たみ)。
山の民とは・・(キングダムWIKIより)
秦よりさらに西にある深い山々に住む民族の総称。
幾多の民族に分かれており、それらの盟主となった者を平地の人々は「山の王」と呼ぶ。
民族ごとにデザインの違う面を被り、腰布を巻きつけただけといった簡易的な格好ではあるが、
断崖絶壁を利用した城を築くなど、その技術力は非常に高い。

その山の民をまとめるのが楊端和(よう たんわ)。
山の民の最大勢力の王であり、他の山民族からは「山界の死王」と呼ばれる。
女性ながらその武力は山の民一とされ、自ら先頭に立って幾多の山民族を統合していった。
(重要な場面で出てくる山の民!メチャクチャ強いが、格好が変?

これが、山の王:楊端和(よう たんわ)
色っぽいがメチャクチャ強い!

このキングダムの登場人物の中でも父ちゃんが気に入っているのが、河了貂(かりょう てん)
これが父ちゃんお気に入りのテンちゃん!
テンちゃんとは・・(キングダムWIKIより)
黒卑村に住んでいた、梟鳴(きゅうめい)という山民族の末裔。
鳥の頭を模した蓑(みの)を被っており、初めて見る者は謎の生き物と思う事が多い模様。
当初は金のために政(せい)と信(しん)に協力していたが、共に行動するうちに懐いていき、やがて仲間となる。
やや幼い容姿と着ている蓑のために、登場時はどち らの性別か不明であった。
王都奪還編のときに女性と明らかになるが、
貂(てん)がそのことを明かさなかったために信(しん)は長い間気づいていなかった。
王都奪還後は信(しん)と共に暮らしていたが、段を飛ばして力をつけていく信や
同じ女性でありながら凄まじい強さを持つ“きょうかい”の姿を見て
自分も同じ場所に立ちたいと思うようになり、軍師になることを決める。

  (小さな頃のテンちゃん:蓑をかぶると・・)

(成長したテンちゃん、なかなか可愛いでしょう?)

父ちゃんの可愛いニュースクーターフリラちゃん。
「こんなブレーキペダルもないようなバイクは、モトクロスコースには似合わない!」
「もともと、山を走るためのバイクだ!」
「お山に帰れ!」
「変な格好だから、山の民だ!」・・・

散々言われたが、今 気付いた。
フリラちゃんは、山の民だったんだ。
これからは、フリラちゃんのことを“テンちゃん!”と呼ぼう。
同じ山の民でも、山の王 楊端和(よう たんわ)ではないな。
あんなに強く(速く)ないし、何より小っちゃくて可愛いからね。

そんなこんなで、キングダムのアニメを見ながら、ほうのきスキー場に着いた父ちゃんたち。
その美しさと雄大さに目を奪われる。
こんなコースをバイクで走れるんだ!

土曜日は、朝からコースを歩く。
しかし、この美しくて雄大なコースが、やがてとんでもないコースということに気付く。
前半は、これでもか!と続く登り坂。
それも結構な急斜面だ。

反対に後半は、これでもか!と続く下り坂。
結構な急斜面も何カ所かある。

前半の登り坂をハァハァ言いながら登れば「こりゃ、まずいぞ!」
この登りは明らかにパワー勝負。
父ちゃんのテンちゃんでは、絶対にみんなに付いて行けない・・。
きっと、あの「昼の夜も超絶テクニック!」と恐れられているイワイさん(ハスクの85cc)でさえ、苦しいだろう。

ショウゴもタカもすでにびびり気味・・。
悪いことに明日のお天気も危なくなってきた。
予報では、午後から雨の模様・・。

そして、晴れでさえ、びびり気味の父ちゃんたち三人に、ほうのきがついに牙をむくのであった!


【JNCC 第6戦】美しい雲海と厳しい濃霧に翻弄されるライダー達
[Response.15より]
 クロスカントリーレースにおいては、レースフォーマットや運営もさることながら、
その人気の根源となるのは「走ったことのない、新しいフィールド」であることが多い。
実に4年ぶりのJNCC新コース開催となった、岐阜県ほおのきスキー場には555台もの参加台数が集まり、
JNCC歴代2番目の記録をマークしており、今年一番の盛り上がり。
前日は真っ青な空が参加者を歓迎してくれたが、レース当日は朝から雨がちらつき、
目玉のCOMP GPレースが始まる頃には大雨へ。
ほおのきは、特に斜度のきついワイルドなコースだったこともあり、ハードな一日となった。
レースは2ストロークの 「YZ250X」に乗り換えて2連勝をあげている鈴木健二選手がトップを一度も譲らず圧勝。
《稲垣 正倫》


(土曜日のほうのき。こんな所をバイクで走れるんですよ!
ただ、前半は、バカみたいに続く登り!

(あまりの登りについにリョウスケ父は、ギブアップ!ひとり、山の中に置いてけぼり・・)

(こんなところを下ってくるんだ!とすでにびびり全開のショウゴ)

(土曜日の夜は、中部のライダーと楽しい夕食。ノリくんやギーちゃんも元気です!)

いよいよ、レース当日。
FUNクラスが、スタートする頃は、まだ曇りでベストコンディション!
気持ちが良いけど、勝てる気がしない・・。


(FUNクラスは、330台近くいたそう。)(父ちゃんとタカとバイクの012テンちゃん)

(リクルスが入っていうるので、スタートはまぁまぁ。01の鉄人ヤマモトさんと競りながら第1コーナーに向かう)

リクルスのおかげで、スタートそのものは悪くなかったが、その後に続く長〜い登り坂でゴボウ抜き。
ホント、こんなに長くアクセルを全開にした経験はないぞ。
テンちゃんが悲鳴を上げる!
オラオラオラ・・もっと悲鳴をあげんかい!!と攻める父ちゃん。
それでも、右から左から・・後ろから前から・・と抜かれる父ちゃん。

1周目は、あんなにスタートが良かったにも関わらず、14台中の10位!
その後も長い登りに苦しみ、長い下りにびびり・・
2周目から6周目までずっと9位。

1時間を過ぎた頃であろうか・・雨がポツリポツリと降ってきて、あっという間に大雨に!
みるみるコースが濡れていく。
あちこちでスタッグ、転倒するライダーが続出。
ひょっとしてチャンス到来?
みんなが転び回っている横をそ〜とそ〜と慎重に抜いていく。

しかし、ラスト2周でついに大渋滞が発生。
何十台というバイクが登り坂でスタッグ。
もうラインがない・・
あきらめて坂の下で待っている父ちゃんの横を右に左にバイクを滑らしながら
1台の85ccバイクが登っていく。イワイさんだ!
さすが、昼も夜も超絶テクニック!と恐れられているだけのことはある。

父ちゃんもテンちゃんの良さを出し切って何とか坂を登ったが、
結局、順位に変更無し。
やっぱり、FUN-Aクラスのオヤジたちは、みんな上手いですわ。
ただ、総合順位は、ラスト2周で56位から44位にアップ。
みんなもあの坂で苦しんだみたいだな。

ポイントランキング1位のイワイさんは、5位に沈む。
やっぱり、このコースでは、超絶テクニック!のイワイさんでも苦しかったのか?


(経験したことがない全開走行でした!)

(びびりながらの長〜い下り)

(下りを攻める父ちゃん。何か、格好悪い?山の民だからか??)

 (下りでは、あちこちで転倒者続出!みなさん、大丈夫でしたか?)

(こんな雄大で綺麗なコースが走れます。ただし、レース中は景色を楽しむ余裕はありません!)

  (超絶テクニックのイワイさん)

(鉄人とカワハラさんのお馴染みのバトル!)

 (ラスト2周は、大渋滞!もう、どうしようもありません・・)

(優勝は、ラスト1周で大逆転したカワハラさん、2位に鉄人ヤマモトさん、3位がアキタケさん)

(我がライバル:トヨハシ友の会のハシモトさん、今回も総合で負けました!)

(FUN-Dクラス2位のトヨハシ友の会トヨダさん)

(とてもレース中とは見えない父ちゃん)

お昼前から降り出した雨は、少し小雨になったものの止む気配がない!
そして、COMPクラスのスタート。
まずは、AAクラス。
リョウスケは、いつものようにベリ近くでスタート。

すぐに、Aクラスのスタートだ。
ショウゴも中盤よりも後ろでスタート。タカは、ベリの方か?
1周目は、ショウゴが24位で通過。
さぁ、ここからだ!と気合いを入れるがすでに目が死んでいる・・(笑)

タカに至っては、34位!
Aクラスのエントリー数が37台。
すでに数台がリタイヤしているので、ほとんどベリ?
タカ、目標は完走だぞ!


(選手紹介のリョウスケといつものようにベリの方でスタートするリョウスケ・・)

(Aクラスの激烈なスタートと出遅れるショウゴ、タカはどこにいるのかも分からない・・)

             (急坂を登るタカとショウゴ)

2周目。
タカが32位でショウゴが34位!
もう、兄弟でベリ争い!
二人ともへぇへぇ言いながら走っているが、あまりに情けない走りに見ているこちらがつらい・・。
このコース状況なら絶対に父ちゃんがテンちゃんと走った方が速いぞ!

3周目は、タカが28位でショウゴが33位。
ここで給油。
まずは、ショウゴ。
「ショウゴ、どうだ?」と聞けば、
もう、生命の危機を感じるから、これでやめる!」という。
それほど、グチャグチャ・ツルツルの下りがヤバイもよう。

続いて、タカがピットイン。
「タカ、どうだ?」と聞けば、「うん、思うようには走れんけど、楽しいよ!」と思いがけない返事。
「ショウゴは、生命の危機を感じるから(笑)もうやめるって言っていたぞ!」と言えば、
「あいつは、あちこちで転げ回っていたからな・・」
「難所の“ほうのき転がし”は、どうだ?」
「怖いけど、ゆっくり降りれば何とかなる。
ショウゴは、“ほうのき転がし”の前の小さな坂ですでに転げ回っていたよ
」とのこと。
さすがは、タカ。
ジュニア時代の中部戦では、いつも雨乞いをしていただけのことはある。
(晴れなら勝負にならないからな!)


                 (ショウゴが、生命の危機を感じた?坂たちです・・)

COMPクラスは、FUNのような大渋滞こそ起きなかったが、
一部ラインが限られてしまい、なかなか前に進めない坂があった。
渋滞が起きかけていたので、
スタッフ側が急遽、下からの別ルートを作った。(この判断は良かったと思う)

しかし、坂の下で待っているライダーは良かったのだが、
坂の途中で待っているライダーがエスケープに行こうとして深い溝に落ちてしまったようだった。
その一人がリョウスケ!(笑)
これで、リョウスケのAA2クラスのチャンピョンが消えたのであった・・。

このAA2クラスには、モトクロス時代にもお世話になっていたヤマケンさんがついにJNCCデビュー。
モトクロスを引退してからもずいぶん経っているが、そこは元IAライダー。
イシドヤくんに続く2位をゲット。
スゴイぞ、ヤマケンさん。
これからもJNCCへの殴り込みをお願いするぞ(笑)


(良い走りをするのだが成績に結びつかないリョウスケ)

(今年は、着実に速くなっているイシドヤくん)

(ついにJNCCに殴り込み?我らがヤマケン!)

(ここが、問題の坂。右上の場所です。
雨でラインが限られてしまい、急遽、下から左の坂にエスケープ出来るように・・
ここで、リョウスケのような運の悪い人たちが出てしまいました・・)

(途中からは、こんな霧も出てきました。霧の中を全開で走るのは、結構怖いです・・)

結局、「もう、やめる!」って言っていたショウゴは、ちびっ子応援団を見て、最後まで走りきっての32位。
タカは、徐々に順位を上げていき24位でチェッカー。
今回も全然ダメな二人だった。
でも、二人とも生命の危機を迎えなくて良かった、良かった!(笑)


(久々にバイクに乗ったにしては、頑張ったタカ!)

(練習が成績に全く結びつかないショウゴ。いつ、この逆境から脱出出来るのか?)

(AA2の表彰式。一人だけ態度がでかいヤマケン!いいぞ!!)

(Aクラスの入賞者たち。1位のサエキくんは、COMP総合でも3位!
ホント、ひとり別次元の走りをしています!)

(泥を洗い落とす中部勢たち。期待のノリくんも22位で撃沈。
IAヒロシは、そこそこに頑張って17位。
モトクロス時代のタカのライバル、ダイチくんは、1周で帰還。
母ちゃんにおもいっきり怒られたそうな・・。めでたし、めでたし?)

PS
不甲斐ない親子三人は、帰りもキングダムまつりで盛り上がったとさ。
めでたし・めでたし・・???