【孝行息子?】

父ちゃんには、3人の子どもがいる。

小6の長男(ショウゴ、CR80)は、ジャンプで足をあげては喜んでいる。

長女(小1、ナホ)は、やっとJR50に乗り始め「もっと乗りたい」と言っている。

今回は、次男(小4、タカ)の話だ。

タカは父ちゃん一家の次男坊だ。

几帳面で神経質な長男と違い、次男らしく超マイペースなヤツなのだ。

そんなタカは、バイクに乗ってもやっぱりマイペースだ。

コースでは、小さい子に抜かれようと、女の子に抜かれようと気にせずに自分のペースでトコトコといつまでも乗っている。


父ちゃんやショウゴは、自分のことで精一杯なのでタカはいつもほっておかれていた。

おかげで気づいたときには、お尻をデンッとシートに乗せてツーリングのように走るようになっていた。

(父ちゃん一家が出ているレースはエンデューロではなく、モトクロスなのだが・・)


しかし、このタカはとっても親孝行なヤツなのだ。

まずめったに転ばないから、バイクが壊れない。

もうKX65に乗り始めて1年以上経つのにタイヤが減らないから変える必要がない。

(いつもグリップ走行だ)

1年ぶりにオイル交換をしてみたら、まだまだ綺麗なオイルが出てきてびっくりしたぞ。

(クラッチを使っていないんだな)

「ハンドルが曲がっている、エンジンの調子が悪い」と何かと神経質な長男と違い、

タカは何にも文句を言わずに乗っている。

もちろん、ヘルメットもブーツもジャージもパンツも兄ちゃんのお古だ。

本当に金のかからないヤツなのだ。

何かとお金が掛かる父ちゃん一家にとっては、孝行息子だと思うぞ。


でも、この前、初めてブーツを買ってやったときには、とっても嬉しそうにオイルを塗っていたな。

何か、父ちゃんは心が「キュッ」となったぞ。


タカが生まれたときは家族全員バイクに乗っていた。

そんな環境だったので、ひょっとしたら無理にバイクに乗っているのかと心配になって聞いてみた事があった。

「タカ、バイク好きか?」

「好きだよ、風が気持ちいいじゃん!」タカは、何を今さら・・といった顔で答えた。

父ちゃんは、ちょっと安心した。


でも、ひとこと言わせてもらうぞ。

「転んでもいいから、バイクを壊してもいいから、もうちょっとアクセル開けろよ、もっともっと風が気持ちいいからさ!」

PS

そんなタカだが、この頃やっとお尻をあげて走るようになった。

でも、まだまだアクセルは開けていないのだ。