[遥かなる爺ケ岳6]('15/11.22) 早いもので、今シーズンも最終戦の爺ヶ岳ラウンド(AAGP)がやってきた。 この最終戦には、「選抜ワイルドクロス(地域対抗のクロスカントリーレースみたいなもの)」というおまけもついている。 昨年は、ショウゴがCOMP枠、タカがFUN枠、そして父ちゃんがレジェンド枠(50歳以上)で選抜されたのにも関わらず、 土曜日が保育園の行事と重なってしまい出られなかったんだな。 そして、今年もありましたよ!選抜ワイルドクロス。 今回もJNCC代表のホシノさんから電話が掛かってきた。 しかし、選ばれたのは、COMP枠のショウゴのみ。 ほとんど出ていないタカは、当然としても(笑) この生きる伝説!と恐れられている父ちゃんも選ばれなかった・・。 (生きるおバカ伝説でしょ!by母ちゃん) まぁ、今年は昨年のような7人の選抜枠から5人になってしまい、 レジェンド枠もなくなってしまったので、当然と言えば当然の結果なのだが・・。 東海地域の選抜は、次の通り。 選抜「東海-A」・(静岡-A)・ 近藤香織(WA)・澤入正和(FB)・神馬 健(FA)・.山本浩史(AA1)・鈴木健二(AA1) 選抜「東海-B」・(静岡-B)・ 大田晴美(WA)・辻 夏希(FB)・/.小栗伸幸(FA)星野恭平(AA1)・内山裕太郎(AA1) 選抜「東海-C」・(愛知・三重)・菅原悠花(WA)・福森寿明(FA) .伊藤史朗(FA)中島章悟(A)・・・.榎田諒介 (AA2) 父ちゃんたちの(愛知・三重)のFA枠2人は、フクモリさん(ゼッケン10)とイトウさん(ゼッケン11)。 今シーズンの父ちゃんのゼッケンが12番なので、昨年のFUN-Aクラスのランキングが3人並んでいるんだな。 と言っても前の二人とのスピード差は明らかで、FreeRide250(通称テンちゃん!)に替えた今シーズンは、 ラップタイムでも1分以上は毎回離されている悲しい現実がある。 (今シーズンの最終ランキングは、イトウさんが4位、フクモリさんが6位、父ちゃんが8位だった!) 今回は、母ちゃんも応援に来てくれるので、張り切っていたのだが、みんなの応援に切り替えよう! いつものようにタカが着くのは、土曜日の夜遅く。 今回は、東京での学会が終わってからの爺ヶ岳入りなので、松本駅まで迎えに行った。 ナホこそいないが、久々に4人そろってテンションアップ! 「待っていろよ、爺ヶ岳!」と男たち三人は、燃えていたのだった!! 【JNCC 第8戦】最終戦での大逆転、渡辺学がタイトル死守 [Response.15より] 東洋最大のクロスカントリーシリーズである、 JNCCの最終戦は、ファンにはおなじみの名トラックである爺ヶ岳スキー場にて開催。 「AAGP」と呼ばれ、国際大会としての側面も持つ。 今大会では、国際大会ならではのユニークな顔ぶれが登場。 本場アメリカのGNCCからは、正式にGNCCから派遣されたC・バック、 そして個人的にJNCCへ参戦した世界的なトップライダーJ・ストラング、 またオーストラリアから昨年に続いてK・アンダーソンが来日した。 排 気量無制限のトップクラスであるAA1においては、最終戦までタイトル争いがもつれ込み、 これまで4連勝の鈴木健二と開幕から3連勝だった渡辺学の2名に 注目が集まった。 鈴木に関して言えば、この最終戦にあたって自らが開発に関わったYZ450FXをデビューさせるという檜舞台でもあった。 当日の夜明けから、しとしとと雨が降り続け、トラックはマディに。 レースは、鈴木がスタートからマシントラブルで10分ほどのロス。 また、渡辺学も大きく出 遅れて鈴木ほどではないにせよ最後尾スタートを強いられる。 オープニングラップから、外国勢の圧倒がはじまり、ストラング、バックの2名が3位以下を大き く離してランデブー走行を続ける。 3番手は、ここぞとばかりに矢野和都が躍り出た。 渡辺は「とにかくチャンピオンを意識していたので、 (鈴木)健二さんだけを気にかけていました。 毎周健二さんとの差をピットで教えてもらって、余裕をもちながらレースを続けた」と語るとおり。 ただ、持ち前 のスピードから結局のところストラング、バックから大きく離れつつも3位でのフィニッシュとなり、チャンピオンを獲得した。 1位はストラング、2位はバッ クという結果。 《稲垣 正倫》 まずは、土曜日の選抜ワイルドクロス。 この時は、まだ雨も降っておらずベストコンディション! JNCCのような個人競技と違い、こういう地域対抗リレーもなかなか良いものですよ。 「東海C」の1番手は、ユカちゃん。 現在のWAクラスのランキング1位ですぜ! 2位のカオリちゃんは、今回は「東海A」での出場だぞ。 今年は、選抜13チームに、クラブチームが8チームの合計21チームでの争い。 スタートすれば、予想通りにユカちゃんが独走。 それにしても速い! 2番手のフクモリさんと交代するころには、2位に2分近く差をつけている。 2番手のフクモリさん、3番手のイトウさんも速く、4番手のショウゴにタッチするころの差は2分半近く。 この差をショウゴとリョウスケで果たして守り切れるか? というのも、2番手を走っている「東海A」のCOMP枠二人は、AA1クラスのヤマモトくんとケンジカントク! 言っちゃ悪いが、ショウゴとリョウスとは、格が違う・・。 いよいよ、4番手ショウゴのスタート。 母ちゃんが「ショウゴ、がんばれ〜!」とおばさんらしからぬ黄色い声で応援。 この選抜ワイルドクロス、4番手までは約2kmのコースを4周で、アンカーだけが6周。 少しでも2位との差を広げてリョウスケに繋げたいところだ。 ところが、いきなりジャンプの飛距離が足りないということで20秒ストップのペナルティー。 COMPクラスからは、スタートしてすぐのジャンプを飛ばなくてはいけないのだが、 ショウゴ曰く「初めて飛ぶので、どれくらいの飛距離が出るのか分からんかった!」そうだ(笑)。 その上、1周につき15〜30秒ぐらいずつ差が縮まってくる。 ついに4周目に入ってすぐのゲレンデでヤマモトくんに抜かれる。 しかし、ゴール地点に1位で還ってきたのはショウゴ! 2位との差は、30秒ほど。 どうやら、ヤマモトくんは、最終ラップのガレでバッグフリップをしていたそうだ。(本人談) さぁ、アンカーは眠れる獅子リョウスケの出番だ。 眠りから覚めて、毎回のようにAA2のベストラップを叩き出している実力を見せてくれ! (ワイルドクロスに出場する面々、父ちゃんも出たかった!) (1番手のユカちゃん、とにかく速かった!ランキング1位は伊達じゃありません!) (フクモリさんとイトウさん、二人とも速いです!父ちゃんが敵う相手ではありません・・) (サスを戻してから少しずつ乗れてきたショウゴ) (今ではJNCCのトップライダーの一人ヤマモトくん。バイクはRMZ450) (眠れる獅子リョウスケ。いよいよ覚醒するか?) (お馴染みケンジカントク。バイクはデビューしたてのYZ450FX。 元ヤマハワークスは、伊達じゃありません!) いよいよアンカーのリョウスケ。 モトクロス時代をほうふつさせる走りで目の前を走り抜ける。 「りょうちゃ〜ん!」 母ちゃんがまたまた黄色い声援を送る。 2位でバトンをもらったケンジカントク。 こちらもモトクロス時代のような走りでリョウスケを追う。 2周目を終えた時点でもリョウスケとカントクとの差は、ほとんど変わっていない。 ついに目を覚ましたか?眠れる獅子リョウスケ! しかし、ここからカントクが実力を発揮。 リョウスケがガレで手こずったこともあって、あっという間に逆転。 結局、優勝は「東海A」。 「東海C」は、残念ながら2位だった。 でも、他チームのメンバーを見れば上出来でしょう! なかなか盛り上がった選抜ワイルドクロス。 「来年は、ハシモトさんたちと組んでクラブチームで出たいな〜」と すでに選ばれないことを前提に考えている父ちゃんは、遅い昼食を食べて下見に出かける。 爺ヶ岳は、もう何回か走っている場所なので、ウッズ以外は大体分かっている。 (何故か、ウッズだけは毎回迷子になるんだよな〜) しかし、名物のガレクライムまで来てびっくり! FUNのガレは、いつもそんなに難しくないのだが、今回は重機で掘り起こしてフープスのようになっていた。 これじゃ、ラインが限られるじゃん! 今回のエントリー数は690台!! FUNクラスで411台!!! う〜ん、渋滞必至か? 真ん中の掘り起こしてある部分は、難しいので、右端と左端の限られたラインを探る。 まぁ、父ちゃんと山の民のテンちゃん(FreeRide250)なら大丈夫でしょう! いよいよ問題のウッズ。 深いわだちも多いが、そのわだちが落ち葉で隠れているので、またまたいやらしい。 特にFAクラスは、ラインも出来ていない先頭でこのウッズに入るので大変だ。 今回は、時間もないので下見を早めに切り上げてお風呂にGO! その後に松本駅までタカのお迎え。 帰り道の爺ヶ岳までは、タカが持ってきた、お決まりのキングダム祭り!(笑) コースに付けば、父ちゃんは死んだように眠りにつき、気づいたら朝だった。 (これが問題のウッズ。わだちやラインが全部落ち葉で隠されています!) 朝方、雨の音で目が覚めた父ちゃん。 天気予報の通り、見事に雨がザーザー。 父ちゃんとテンちゃん号なら雨でもいいが、ショウゴとタカは、すでにあきらめモード。 朝一のレースは、キッズ&トライ。 トヨハシ友の会からは、我がライバルハシモトさんの奥さん、マキちゃんと いつもスタッフとして頑張っているナイトウさんの奥さん、キクちゃんが出場。 二人とも朝早くから頑張っていたぞ。 (トヨハシ友の会レディース部門:キクちゃんとマキちゃん) いよいよ、FUNクラスのスタート。 今回は、FUNクラスだけで400台以上いるので、2か所でスタート。 スターティングエリアに集合しているバイクの数を見るだけでも壮観だぞ! スタート自体は、リクルスを入れているので心配ないのだが、例のガレクライムが心配! 今回は、糸魚川での根性なしの反省を踏まえて、絶対にエスケープなしで挑戦し続けることを心に誓っている。 俺は、やるときには、やる男だ! 一番初めにスタートできるから1周目は、心配ないのだが問題は2周目だな。 そんなことを考えながら、ふと横を見るとピカピカのYZ450FXのバイクだけが置いてある。 雨に濡れないように大きな傘が被せてあったので、今まで気づかなかった。 ゼッケンは、80番。 あれ?誰の450FX?? と、ここでやっと気が付いた。 AMAナショナルエンデューロのチャンプにしてISDEのゴールドメダリストに輝く男、 ランディ・ホーキンスが今回は走るってことを! 父ちゃんのようなバッタモンのレジェンドではなく、本物のレジェンドですぜ!! 年を取っているからCOMPではなく、FUNで走るんだ!!! それもスタート位置は、父ちゃんの隣。 ここで、父ちゃんのやる気は一気にマックスに! 母ちゃんの見ている前で、いいところを見せてやるぜ!! (注:母ちゃんは、雨が降っていたので、ずっと車の中で仕事をしていたそう・・) そうこうしているうちに、ランディがスタッフや家族と現れる。 周りの空気が変わるのが分かる。 こんな雨の中での初めてのコースにも関わらず、ニコニコしながらファンサービスをするランディ。 スゴイぞ、凄すぎるぞ、ランディ! 父ちゃんも一緒に写真を撮ってもらおうと思ったのだが、恥ずかしくて声がかけられない・・。 小っちゃんぞ、小っちゃすぎるぞ、父ちゃん! そして、スタート。 やる気マックスの父ちゃんには、ホシノさんのスタートフラッグがスローモーションに見える。 久々にいいスタートが切れて第1コーナーが迫ってくる。 こりゃ、ホールショットか? と次の瞬間、雨で滑りやすくなっているイン側から青いバイクにスパッと刺される。 ランディだ! 必至にアクセルを開けてランディに付いていく父ちゃん。 ランディのリアタイヤが掻き揚げる泥がすごい勢いで飛んでいく。 登りの第1コーナーから一旦下り、ゲレンデ部分の長い登りに入る。 スピードをのせて加速するランディ。 つられるようにマックス父ちゃんもアクセルワイドオープン。 次の瞬間、ランディのリアタイヤが大きな石にヒットして真横を向く。 ランディが吹っ飛ぶ! ビックリして思わずアクセルを閉める父ちゃん。 何事もなかったかのようにアクセルを開け続けていくランディ。 ただただ、見とれてしまう父ちゃん。 そんな父ちゃんを右から左から抜いていくFUNクラスのオヤジたち・・。 こんな一瞬にも人生の縮図が現れる・・。 ホールショット?を取ったのにも関わらず、ガレの登りに来る頃には10位くらい? 重機で掘り返されているところを避けて一番右端のラインを通っていく。 しかし、よく見ると下見の時ほど掘り返されていない気が? (下見の後にスタッフが手直ししたのか?) 無事にガレの登りを抜け、めちゃくちゃ滑るウッズを抜け、振られまくるロックンロールリバーを抜けて ゴールまで来て、モニターを見ればクラス15位・・。 20台中の15位・・。 ホールショット?取って、大きな転倒やミスもしなくて15位・・。 悲しすぎる・・。 しかし、ここから父ちゃんは頑張った。 ガレクライムも一度もエスケープすることなく、一度も失敗せずにすべて登り切って11位でゴール。 (心配していた渋滞もほとんどなかった) 今回は、雨で滑りやすかったからパワー勝負でもなかったし、大きな転倒や迷子にもならなかったのに11位。 自分では、なかなか良い走りができていたと思ったのに11位・・。 悲しすぎる・・。 パドックに戻れば、すでにレースの準備を始めているショウゴとタカに 「じぃさん、頑張っていたじゃん!」と褒められる。 20台中の11位で子どもたちに褒められる父ちゃん。 悲しすぎる・・。 (スタート前の父ちゃんとショウゴ。後ろに少し見えている傘がさしてあるバイクがランディのYZ450FXです!) (トヨハシ友の会のハシモトさんとトヨダさん) (やる気マックの父ちゃんは、スタートだけは頑張りました!:中央) (しかし、イン側から青いバイクのランディが・・) (1周目のランディ、すぐ後ろにはイトウさんが付けています。スゴイぞ、凄すぎるぞイトウさん!) (ランディが通ると観客もヒートアップ!) (頑張って走っているつもりの父ちゃん) (頑張ってガレを登っているいるつもりの父ちゃん) (FB7位のハシモトさんとFD4位のトヨダさん、ハシモトさんには、今回も総合で負けてしまいました!) (今回のガレクライムは、こんな感じです。最後の曲がっていく登りが難しかったです) (雨の割には、走りやすかったゲレンデ部分。でも、部分的には、スゴク滑るところがありました) (石ゴロゴロの下りは、気を使います) (ウッズのわだちは、こんな感じ。ライン選びがタイム差に直結します) (400台以上は、伊達じゃありません。どこを走っていてもこんな感じです) (11位にも関わらず元気なゴール後の父ちゃん!) (凄い走りを見せてくれたランディと家族です) そして、いよいよCOMPクラスのスタート。 雨は、シトシトと降り続いている。 AAクラス昇格をすっかりあきらめて、COMPシングルゼッケンを目指すショウゴと完走を目指すタカ(笑)。 それでも、みんな楽しそうだ。 楽しむことが第一なのが、父ちゃん一家のやり方。 さぁ、今回も泥んこ遊びを楽しもう? (C・バックとJ・ストラング。この二人も凄かった!) (ショウゴとタカの応援団ミクちゃんと・・) まずは、AAクラスのスタート。 今回は、AA1クラスで23台、AA2クラスで9台の大量エントリー。 リョウスケを始めとしたAA2クラスの数台が二列目スタートになる。 ホシノさんのフラッグと共にエンジン音が響き渡る。 ここでケンジカントクのバイクが不調になりパドックに戻るというアクシデント。 リョウスケは、中盤でゲレンデに消えていく。 続いて、COMPクラスもスタート。 リクルスが入っていないショウゴとタカは、いつものように集団に巻き込まれてどこにいるのかさえも分からない。 今回のCOMP-Aクラスは、55台。 さて、何位で1周目を帰って来られるのか? (COMPクラスのスタート。なかなかの迫力です!) (COMPのガレクライムはこんな感じです) (ガレクライムを走るショウゴ) (紅葉がきれいだったロックンロールリバー登り。でも、難しくてハードです。紅葉を楽しむ余裕なんてありません!) 1周目、最初に帰ってきたのは、101番と102番の外人さんコンビ。 3位以下をずいぶん離してすっとんで行く。 COMP-Aクラスの1位は当然のようにサエキくん。 ショウゴは、26位?くらいでタカは36位?くらい。 ここからどれくらい順位を上げられるのか? しかし、2周目のショウゴの順位もそんなに変わってこないし、タカに至っては還っても来ない・・。 一所懸命にタカを探していると「じぃさん!」と後ろからタカの声が! 「クラッチが壊れて全然切れなくなってしまった!」とタカ。 泥だらけになったクラッチを見れば、確かに切れない。 泥を落として見れば、根元が外れていたので応急処置で再スタート。 「タカ、頑張ってこい!」と送り出すと「おう!」とタカ。 タカもまだまだあきらめていないぜ! その後もショウゴの順位はそんなに変わらず、1時間半で給油。 「どうだ、ショウゴ?」 「やっぱり、難しいや!」とショウゴ。 ガソリンを補給してグローブを変えて送り出そうとすれば、 「そういえば、コース終盤のジュラシックパークでタカがずっと止まっていたぞ!」と言う。 「それじゃ、探しに行ってみるわ」 レースは、30分短縮されているので、2時間15分でラストラップに入るのか? プラグと工具をパドックに取りに行ってから、 ドロドロの中をジュラシックパークに向かうが、途中で息切れ。 森の中で上を見上げれば、紅葉が目に入ってきた。 泥沼でのたうち回るライダーときれいな紅葉・・。 タカも泥沼の中で呆然と立ち尽くしているのだろうか? 久々にバイクに乗れて嬉しそうだったタカ。 もうちょっと、ちゃんとしたレースをさせてやりたかったな! ハァハァとやっとのことでジュラシックパーク出口に来れば、木々の間にタカが見える。 「タカ、大丈夫か?」 「大丈夫だけど、バイクのエンジンが急に掛からなくなった。何回やっても駄目だった・・」 タカのバイクにまたがり、キックをしてもセルを回しても掛かる気配がない。 「こりゃ、プラグが死んだか?」 エンジン回りの泥をどかして新品プラグに交換する。 取り外したプラグを見てもかぶっている感じではない。 嫌な予感がする。 こりゃ、火花そのものが飛んでいない気がするぞ。 父ちゃんのFreeRide250の時と一緒だ。 その後も何回かキックをしたり、下りで押し掛けしてもダメだった。 二人でバイクを押してパドックを目指す。 久々のレースを楽しみにしていたタカ。 無理して東京からやってきたのにこの有様・・。 ゴール近くまでくれば、すでにレースも終わっていた。 「じぃさん、俺はあそこまで動かないバイクを引き上げたんだ、スゴイだろ!」とタカ。 さぞかし落ち込んでいるかと思えば、意外と元気で安心したぞ。 こんなドロドロのコースでもバイクが壊れてしまっても、 レースに出られたことが、バイクに乗れたことが嬉しかったようだな。 パドックに帰れば、すでにショウが着替えていた。 「お前はどうだった?」と聞けば、「22位だった!」と応える。 これで、目標だったCOMP-Aクラスのシングルゼッケンも無理だな〜。 ショウゴも落ち込んでいるかと思えば、タカと「あのウッズはヤバかったな!」とか 「1周目のガレクライムでショウゴにジャマされた。あれがなかったら簡単に登れたのに!」とか ワイワイガヤガヤと楽しそうに話している。 その時、母ちゃんが車から出てきて 「ショウゴもタカも頑張ったね。今日は、一日中仕事ができてスゴクはかどっちゃった!」と嬉しそうに言う。 「母ちゃん、俺も頑張ったぞ!」と言えば「あら、そう?」とつれない返事。 気づけば、父ちゃんも54歳で、ショウゴやタカも26歳と24歳。 「FAクラスなら、まだまだ若い方だ!」と言い張る父ちゃんと 「俺たちもモトクロスならベテランだが、JNCCでは立派な若手だ!」と威張るショウゴとタカ。 昔は家族でレースに出ていても、みんなベリの方ばかり走っていた。(今も似たようなものか?) 今思えば、レースに参加だけしていたモトクロス時代。 そんな家族だったものだから「オリンピック家族(参加することに意義がある!)」と言われたこともあった。 そして、なかなか思うようにいかないJNCC時代・・。 それでも、後悔はないぞ。いつも楽しかったし・・。 これが父ちゃん一家のやり方だと思う。 最終戦が11位で年間ランキングが8位(昨年は12位だった)父ちゃん。 22位で年間ランキング14位(昨年7位、3位までがAA昇格だからゼッケンは04だった)ショウゴ。 54位で年間ランキング53位(昨年は、FUNクラスを途中まで走って6位だった)タカ。 こうして、JNCC最終戦も無事に終わりましたとさ。 めでたし・めでたし? (今回は熟睡中?だった眠れる獅子リョウスケ) (ゲレンデ部分はこんな感じです) (ウッズを走るショウゴ) (ゲレンデを攻めるタカ) 父ちゃんの出走記録:FA11位、FUN総合24位だった。 ショウゴとタカの分は、爺ヶ岳を逃げるように後にしたので、もらい忘れてしまった!(笑) PS パドックで片づけをしていると、DIRT SPORTSのジャンキー稲垣さんから取材を受けた。 ずっと家族でレースをしている一家が珍しいそうだ。 やっぱり、レースでの活躍ではないようだな・・(爆) |