[心の基地]('15/12.30)
 
 今年もあと一日で終わります。
来年もあちこちに出没する予定なので、よろしくお願いします。
コースで出会うことがありましたら、噛みついたりしないので声を掛けてくださいね(笑)
それでは、良いお年を!

 12月20日(日)、いなべモータースポーツランドにて、今年最後のレースがあった。
今回は、2時間エンデューロとエンデューロクロスに父ちゃんとショウゴが出場。
タカは、レースに出るどころか年末年始にさえ家に帰れない有様。
これでいいのかタカ?
ホントに、バイクの乗り方を忘れてしまうぞ!

この大会は、言わばショウゴの「心の基地」だ。
モトクロスで心が折れ、JNCCでも心が折れた時、
この大会に出ては、エンデューロで活躍したり、エンデューロクロスでタイチくんに勝ったりして、
自信を取り戻していた。

単純なショウゴは、その度に「まだまだやれる!」と思い込んで来シーズンに向かう。
そして、またまた心が折れて、この大会に還ってきて自信を取り戻すってことを繰り返している。
まぁ、ホームコースなのだから有利なのは当然としても、
心の基地」があるというのは、大切なことなんだな。

保育園の子どもたちもこの「心の基地」が大切だ。
ずいぶん昔に母ちゃんが2歳児さんの4月の様子を書いた文章があるので載せておくぞ。

「ママ~!」「おうちかえる―!!」 4月当初の新入園児は大パニック。
無理もないですよね。
今までは、いつでもふり向けば必ずそこにいたお母さんという"心の基地"が どこにも見あたらないのだから。

お母さんとの絆が強い子ほど、大泣きするようです。
だからこそまた、大泣きする子ほど、安心なのだといえます。


安定した基地の心地よさを十分味わえている子は、 「一時的」に大泣きして、素っ裸になることで、
いつの間にかそこに新たに自分の基地をつくってしまうたくましさも育っているからです。
ただその「一時的」がどのくらいなのか、2~3日か、1週間か、1か月…。

ある年、7月半ばになっても泣けてしまう子を抱え、
担当の保育者が、自分のかかわり方に問題があるのではと、
ため息をついていたことがありました。
うちの園では、保護者の中に卒園児が数多くいるのですが、 通りかかった園長(当時)がその子を見てひと言、
「その子のお父さんは、卒園するまで泣いていたわよ。」
そのお父さんは、今や3人の子を持つ、照れ屋でやさしい、そしてりっぱな社会人。
保育者もそれを聞いて、あきらめ半分、安心もした様子。

泣ける期間、泣き方にもいろんな個性があるようですね。
4月は、そのひとりひとりの個性や育ち、母親との絆を、 泣き方ひとつからも察知し、把握する期間。
焦らず、その子の悲しみやとまどい全てをまるごと受けとめてあげましょう。

子どもは本能的に感じます。 保育者がありのままの自分を肯定するのか、否定するのかを。
そして肯定してくれる者に心を開きます。
でも、子どもだってただ泣いているばかりでは絶対にありません。
泣きながら、この先生は私が泣くとどうしてくれるのかなとためしてみたり、 あの子は何して遊んでるのかなと観察したり…。
そうこうしながら、自分の好きなもの(心の基地)を園の中に見つけていきます。
ぬいぐるみやおもちゃ、水槽の金魚やカメ、自分のロッカーのシール、 おやつなどの食べ物、特定の保育者等々。
基地をみつけ、じっくりかかわり、心の安定が図れた子どもは、 今度は驚くほど生活の中で意欲的になっていきます。

2歳児が、俗に第一次反抗期と呼ばれる「自分で」期とも重なるからなのか、
食事面、靴や服の着脱、手洗い等あらゆる場面で、 「自分で」をアピールします。
この、失敗を恐れず、後先考えない、 「自分がやってみる」ことにのみ意義がある"何でもやりたがり期"は、
2歳から3歳頃特有のもののようです。

もっと大きくなると、要領が良くなるからか、相手の思いも考えるからか、
自分で出来ることでも相手の人がやってくれれば すんなりと受け身に回ってしまいます。
「あの子あんなことしてる、ぼくも。」 まわりの子の様子に刺激を受け、2歳児はどん欲に自分でやろうとします。
うまくいかずにかんしゃくを起こすことがほとんどでも、 懲りずに「自分で」をくり返します。

特に新入園児にとって、園生活は刺激たっぷりです。
そして継続児は、しばらくは新入児を「自分より小さい赤ちゃん」と思って、 何をするにも得意気です。
どちらにとっても、互いに大きな刺激であることは間違いありません。
情緒の安定できる心の基地さえもてば、 やりたがりの2歳児にとって刺激ある園生活は、
家庭と同じくらい魅力的なものになれそうです。


出会いの4月―― まずはひとりひとりの子どもの心を温かく受けとめ、 「信頼」という「心の基地」をつくりましょう。 

ということで、今年もこの大会に還ってきたぞ。
ショウゴは、AA昇格どころかAクラスのシングルゼッケンさえもを落として・・。
父ちゃんもテンちゃん(FreeRide250)とのつきあい方に悩んで・・。
果たして今回もこの落ち込んでいる二人にとっての「心の基地」となることが出来るのか?

土曜日の朝から「いなべ」入りした父ちゃんたちは、一番にエンデューロクロスのコース整備。
タイチくんやモリさんと荒れていたコースを直したり、新設のセクションを作ったりと
結局、一日掛かりでコースを造る。
おかげで、安全ながらもなかなか面白いコースが出来たぞ。

今回は、アマクラスとプロクラスがある。
父ちゃんは、やっぱり実力からいって絶対にプロクラス!と思っていたのだが、
ショウゴが「悪いことは言わん。アマクラスにした方がいいぞ!」と強く言うものだから仕方なくアマクラスでエントリー。
まぁ、アマクラスで勝っておいてプロクラスに殴り込む!ってのも良いかも?

そして、日曜日。
まずは、エンデューロクロスだ。
タイチくんには、「アマクラス1位がプロクラスへの参戦の権利があること」を提案。
「面白いじゃないですか!」との返事をもらう。
「待っていろよ、プロクラスの面々よ!」

しかし、エンジンを掛けようとすれば、テンちゃん(FreeRide250)が急にへそを曲げる。
セルを回しても弱々しく回るだけで、エンジンが掛かる気がしない。
こんな時は、普通なら押し掛けでエンジンを掛けて一件落着なのだが、
リクルスを入れてあるものだから押し掛けも出来ない。

リクルスのギャップ調整をして、ほとんどリクルスが効かないようにして2速で押し掛け。
無事にエンジンがボロンボロンと掛かったぞ。
だが、ここからが問題。
テンちゃん号は、クラッチレバーをリアハンドブレーキにしてしまったものだからクラッチが使えない。
ニュートラルに入れようとしても上手く入らない。
2速のままパドックをクルクルと回りながら何とかニュートラルに入れて、バイクを止めてギャップ調整を戻す。
(これでリクルスが効いてアクセルさえ戻せばニュートラルと同じになる)

そして、アマクラスヒート1。
スタート地点に行けば、打ち合わせのためにエンジンを切る羽目に・・。
オ~ノ~~~!

みんながスタートラインに着くとショウゴを呼んで
急いでリクルスを効かないようにギャップ調整をして押し掛け。
ボロンボロンとエンジンは掛かるがニュートラルになかなか入らない。
その間、じっと待っているアマクラスの人々。

何とかニュートラルに入れてグリッドに着く。
急いでギャップ調整を直してリクルスが効くようにする。
スタートの合図とともにニュートラルから1速に入れれば、エンスト。
急いでギャップ調整をやったものだから位置を間違えたのか?(泣)

「ショウゴ・ショウゴ!」と呼んで押し掛けさせるがエンジンが掛からない。
じぃさん、こんな人に迷惑ばかり掛けるバイクは、もう止めてしまえ!」とショウゴが切れる。
結局、ヒート1はリタイヤ・・。

ヒート2までは、1時間半くらいあるはず。
すぐにKTM東海に電話を掛けてバッテリーがあるかを確認。
「ある!」ということなので、急いでテンちゃん号を車に積む。
急げば、何とか間に合うはずだ。

その間に、プロクラスのヒート1が始まる。
レースの様子がスピーカーから聞こえてくる。
どうやらショウゴとタイチくんがトップ争いをしている模様。
三番手はモリさん、4番手にアヤトくん、5番手がトミタさん。

レースの行方が気になるが、時間がない!
パドックを出るときにエンデューロクロスのコースの方をチラッと見る。
森川ロックを先行するショウゴをタイチくんが
神ライン(一番左端の難しいライン)で抜きに掛かるのが見える。

並んだ!と思った瞬間、頂上付近でタイチくんが斜面に転げ落ちていく。

その後が気になるが、とにかく今は自分のことが一番!(笑)
急いでKTM東海にGo!
バッテリーを取り替えてコースに戻ってくれば、「じぃさん、間に合ったな!」とショウゴが出迎え。
「おまえはどうだった?」と聞けば、
「勝ったぞ、最終ラップの森川ロックでタイチくんに並ばれたけど、
抜かれた!と思った瞬間に転げ落ちていった」そうだ。

そして、アマクラスのヒート2。
アマクラスの参加台数は、9台。
ヒート1の順位順にグリッドに入れるので、父ちゃんは2列目スタート。

エンジンスタートの合図でセルスイッチを押す。
ボロンボロンとエンジン始動。
エンジンが掛かるって素晴らしい!

そして、スタート。
2列目スタートなので、焦らずに隙を狙う。
第1コーナーでインがあいた瞬間に3位に上がり、ロックセクションで勝負を掛けて1位。
そのまま3周を逃げ切って1位でゴール。

ハァハァとスタートラインに行けば、すでにプロクラスの面々が準備万端。
「出ていい?」と聞けばタイチくんが「どうぞどうぞ」と手招きをしてくれる。
聞けばヒート1の時は、1位の人がプロクラス出場を辞退をした模様。

ここでもう一度奇跡を起こして一年の締めくくりにしようと張り切る。
プロクラスは、5台+父ちゃん。
何故か一番にスタートグリッドに着かせてくれる。
みんなもだいぶ年寄りの扱いが分かってきたの~(笑)

この面々をアウトから指すのは不可能なので、一番イン側にバイクを入れる。
その隣にヒート1で勝ったショウゴが入ってきた。
今回のショウゴは気合いが入っている。
「心の基地」でのレースで一年間の鬱憤を晴らし、自信を取り戻そうとしているぞ。

何より、このコースを一番走り込んでいるのは間違いなくショウゴ。
前回のエンデューロクロスで勝ったときの賞品(シンコータイヤ)も履いてきた。
今回も勝って勝利者インタビューで「シンコー、さいこう~!」と叫ぶ準備も出来ている。

スタート5秒前の合図。
ただでさえ、ハァハァ言っている父ちゃんの心拍数が益々上がる!
そして、スタート。
イン側を押さえながら第1コーナーに突っ込む。
すごい勢いでアウトから野獣たちが襲いかかる。

第1コーナー直後は、テーブルトップの登り斜面。
この斜面を上手く登り切れば、なかなか良い順位だぞ!と思った瞬間にリアタイヤが空転。
あっという間にベリに落ちる。

しかし、これはエンデューロクロス。
この先の森川ロックで誰かが転倒するはず!
気を取り直してベリで森川ロックに突っ込むが、前を行く誰も転倒せずに自分が転倒。
振られたと思ったが、バイクを押さえることが出来なかった。

急いでバイクを起こそうとするが、全然力が入らない。
ここで、アマクラスのレースで力を使い果たしていたことが判明。
後は、みなさんのご想像通りの一人旅。
それも、ヘロヘロ・バタバタの一人旅・・。
あちこちで転倒して何とかゴール。

レース展開は、どうなったのか?
ショウゴは、どうだったのか?
なんて見ている余裕も考えている暇もなかった。
ホント、辛かったっす!

レース後、タイチくんやモリさんの後をバイクで付いてパドックに向かう。
恥ずかしいやら、情けないやら・・。
この大会で復活を目論んでいた父ちゃんにとっては、痛い出足になってしまった。

みんなが出場したライダーに拍手をしてくれた。
ただ、一番後ろについて行く父ちゃんは、顔を上げることも出来ない。
そんな時、「ドンマイ!ドンマイ!」と
明らかに父ちゃんに向かって拍手をしてくれる人たちがいた。
なんてありがたい人がいるんだ!!
単純な父ちゃんは、一気にテンションが上がる。
朝からいろいろあったが午後の2時間エンデューロに向けてやる気マックス!

結局、ショウゴは、タイチくんとトップ争いをしたあげくに転倒。
その隙にモリさんに抜かれて3位だった模様。

結果は こちら→H271122EDX.pdf

そして、2時間エンデューロ。
毎年、12月に行われるこの“いなべエンデューロ大会”は、決して大きな大会ではないのだが、
モトクロスのシーズンオフと言うこともあり、遊びで出てくるモトクロスライダーも多い。
今回は、例年と比べると少なかったような気もするが、
34番のカイノスケくんと113番のササキくんたち(3人組)は、明らかに強敵。
特にカイノスケくんは、全国大会のNAチャンピョン。
ササキくんも今年度中部IBチャンピョン。
このふたつの現役バリバリのモトクロスチームとショウゴがどこまで戦うことが出来るのか?

120分エンデューロのスタートは、ローリングスタート。
それもスタート位置に来た順。
昨年までならエンデューロらしからぬクラッチスタートの一斉スタートだった。
やる気マックスの父ちゃんは、早めに来て前の方だったが、
一斉スタートならスタート位置がどこからでも出られる!となめていたショウゴは、遅くに来て後ろの方。

バカなやつ。
こりゃ、先行逃げ切りでいくか!と益々燃える父ちゃん。
一周目は、マーシャルについて行って5位で通過。
この時点ですでに34番と113番がダントツですっ飛んでいく。
ショウゴは、通過リストを見ると9位だった模様。

ショウゴに後で「あの2台が飛び出て焦らなかった?」と聞けば、
確かに速かったけど絶対どこかでミスると思っていたから焦らんかった」そうだ。
う~ん、知らない間にショウゴも成長したな~。
その言葉通り、2周目には、34番・113番についでの3位。
父ちゃんは、7位だった。

ショウゴは、
7周目までは、113番とバトルを繰り広げるが、8周目にトップに立てば、そのまま最後までトップで走行。
父ちゃんは、通過順位表を見ると15周目で3位まで上がり(自分では何位かは全然分からんかった!)
ラスト1周の時点で5位。
しかし、ラストラップにラインが限られる登りで前者の転倒車に引っかかり転倒。
リカバリーに時間が掛かってしまい、最終順位は8位だった。

120分レース結果は こちら→H271122-2HLap.pdf
通過順リストは こちら→H271122-2Htuka.pdf

JNCCの広いコースでは、パワー不足を感じるテンちゃん号(FreeRide250)だが、
このぐらいのコースならば、良いところが生きたレースだった。
実際、その軽さや登坂能力に助けられたところも多かった。
テンちゃんと「来年度も一緒にやっていけるかどうか?」と迷っていたが、
今は はっきりと言える。「君ともう一度がんばろう!

ショウゴの成績は、エンデューロクロスの総合成績は、タイチくんについでの2位。
120分エンデューロは、1位だった。
表彰台に上がったショウゴは、みんなに祝福されて嬉しそうだった。
父ちゃんは、どちらも表彰台には上がれなかったが、手応えがあった。
何より、テンちゃんと「今後も一緒にがんばろう!」という決心が付いた。

シーズン最後のこの大会が、今回も父ちゃんとショウゴの「心の基地」になった気がした。
めでたし・めでたし。



PS1
みなさんには、「心の基地」となるものがありますか?
特に子どもたちには、この「心の基地」が必要だと思うぞ。

みなさんは「家庭の役割」って何だと思いますか?
父ちゃんは、一言で言うと「家庭の役割」は、「心と体を休める場所」だと思う。

言うなれば、家庭のどこかに「心の基地」がある子どもは、外で頑張れるんだな。
だって、頑張れば体も心も疲れるし、時には体も心も傷つくこともある。
しかし、「心の基地」があれば、そこで休養が出来るし、英気を養うことも出来る。
そして、また外で頑張ったり冒険したり出来るんだな。

これは、子どもだけの話ではなくお父さんやお母さんを始めとした家族みんなにも言えることなんだな。
特にお父さんは、家庭に居場所がなくなると外にパラダイスを求めにいくこともある。
だから母ちゃんを始めとした世間の奥さんたちに一言、言っておこう。
「もっと旦那さんに優しくしましょう!」と。

PS2
DIRT SPORTS1月号に載せてもらった。
何の成績も残せていない一家なので、ただただ恥ずかしい限りだ。

この号が発売されても恐ろしいくらいに反響がなかった(笑)
DIRT SPORTS が売れていないせいか?
父ちゃん一家に関わりたくない人が多いせいなのか?は分からない・・(爆)

PS3
信じられないような悲しい事故があった。
ショウゴとタカからLINEで「戸田くんが練習中の事故で死んでしまったらしい・・」と報告があった。

モトクロスバイクでジャンプ練習中、出火しライダー死亡


モトクロスを知っている人なら戸田くんが下半身麻痺の怪我後もどれだけリハビリをがんばり、
その結果、バイクにも乗れるようになり、
新たな活躍の場としてフリースタイルの練習も重ねていたことを知っている人も多いと思う。
ご家族を始め、たくさんの友人たちにも計り知れない衝撃と悲しみがあったと思う。

ご冥福をお祈りいたします。