[PERFECT 園長!('16/9.14)
  
 残暑厳しい9月3日(土)の夜。
保育園の採用試験(来年度採用)を終えた父ちゃんは、ショウゴと山形県の栗子に向かっていた。
ショウゴは、後ろで寝ているが、運転をしている父ちゃんはすでにハイテンション!
頭の中を『PERFECT HUMAN』が駆け巡る。

と言うのも、9月1日の夜に豊橋市の保育士さんたち340名近くが集まる懇親会があったのだ。
毎年行われるこの保育協会懇親会。
各保育園が、出し物をすることになっていて、
父ちゃんたちの出し物がPERFECT HUMAN』改め『PERFECT 園長!』だったのだ。
『PERFECT HUMAN』は、お笑いコンビオリエンタルラジオが率いる音楽グループ、RADIO FISHのスタジオ・アルバム。

今年もトリを務めた我が保育園の『PERFECT 園長!』は、父ちゃんの活躍もあって?大盛り上がり。
その勢いのまま栗子に突入していったんだな。

(たった二回の練習と自主練だけでここまで踊れるなんて、
やっぱり、うちの先生さんたちってスゴいですね!)

そのときの様子がこちら↓ お暇な方はどうぞ!

17年目のマサト先生との『PERFECT 園長!』のコント)

先生たちとの『PERFECT 園長!』の踊り)


初めてのコースなので分からないことだらけだったが、
台風も過ぎ去り、お天気も良さそうだし、みんなも初めてだし、何とかなるでしょ?
(会場の栗子国際スキー場は、JNCC初開催!)

しかし、目を覚ましてみれば、明け方からコースは霧に包まれ、
問題の超大坂「アドレナリンクリフ」は、全景がどうなっているのかさえ分からない。
下見もしてないし(みんなは、土曜日に自分のバイクで1周できたらしい)
この霧ではコース自体も分からない・・。
不安になる父ちゃん。

そんな中でも、頭の中ではPERFECT 園長!』のコントと踊りが駆け巡る。
レースが近づくと、小雨も降ってきた。
どうしよう?
「不安」と「PERFECT園長」が入り乱れて挙動不審になる父ちゃん。

雨は降らないと思っていたので、何にも用意していない・・。
タイヤだって、角が取れた中古タイヤ(VE33)
空気圧だってパンクを恐れて0.8。
一回「雨はない!」とインプットされた父ちゃんの頭は、もうリセットできない。
このままで行くしかない!

(4日当日のレース前に見た天気予報がこれ↓)

(レース前のお天気がこれ↓)

       (大坂のアドレナリンクリフどころかコースさえも分かりません!)

まずは、全貌さえ分からない「アドレナリンクリフ」の前でブリーフィング。
ホシノさんから、「ところどころ滑りやすいところがあるから空気圧を落とした方が良い!」と説明があるが、
父ちゃんの頭の中では、PERFECT 園長!』のコントと踊りがグルグルと回る。
今は、こんな状態だが、天気予報に寄ればすぐに回復するはず。
父ちゃんは、日本の技術の粋を集めた天気予報を信じるぞ!


ふと気づくと隣にいるのは、スズキさん。
確かスズキさんは、こっち(山形)の人。
それも、このFUN-Aクラスで優勝経験もある確かな人。

「目の前にあるアドレナリンクリフってどのくらいの高さなんですか?」
スズキさんが答える。
今見えているのは、全長の三分の一ぐらいで、頂上はずっとずっとずっと上ですよ!
それもWEXを走った人によると、単なる坂ではなく、
岩盤が出ていたり、ガレがあったりとなかなかの難所みたいですよ!」とのこと。

いったいこのアドレナリンクリフってどんな大坂なんだ?
そのスズキさんに「アドレナリンクリフに挑戦しますか?」聞けば、
スズキさんが答える前に隣のジンバさんが答える。
わしゃ、いくで~!
その声につられるようにスズキさんも頷く。
その隣のKTMマスターカワハラさんも行く気満々だ。

日本中の大馬鹿オヤジたちを集めたようなこのFUN-Aのオヤジたちに聞いた父ちゃんがバカだった。
「こりゃ、行くしかないでしょ!」とバカさ加減では負けない父ちゃんも決心した。
頭の中ではPERFECT 園長!』のコントと踊りが爆発する!

視界30mほどの霧の中でいよいよFUNクラスのレースがスタートしようとしていた。


(今回もKTM200EXCで参戦。下り対策でリヤハンドブレーキを付けてみました。
リクルスは、付けていないけど、下りだけに使うのだったら行けるでしょ?)

【JNCC 第7戦】初開催の栗子国際で小池田が3連勝をマーク! Responseより)

JNCC初開催となる栗子国際スキー場(山形県)はWEX大会で使用されていた頃から雨天が多く、ライダーを悩ませてきた。
今回も台風の影響などが心配されており、土曜日にはマシンによる下見走行もおこなわれた。

午前中のFUNクラスでは小雨が降り、濃霧も発生したが、午後になるにつれて天候は少し回復してきた。
スタート地点から見上げることができるヒルクライム、「アドレナクリフ」も頂上までしっかり見ることができ、
COMPクラスのライダーの挑戦を多くの観客の大声援が後押しした。
また、「ムーンサルト」と名付 けられたツルツル滑る岩盤セクションがあり、
AAクラスのライダーでもアクセル操作がかなり慎重になったという。

JNCCもこの栗子国際を含めてあと3戦。チャンピオン争いも佳境になってきた。
現在のところはGNCC帰りの小池田猛が一歩リードしており、
昨年末頃から頭角を表してきた斉木達也、昨年のチャンピオン渡辺学と続いている。

スタートで出たのは昨年のIA2チャンピオン石戸谷蓮。
オープニングラップではチャンピオン渡辺学がリード。
前戦のほおのきではマシントラブルにより一周で リタイヤを余儀なくされてしまい、
ノーポイントに終わってしまった渡辺の気合いは十分。
続いて斉木達也、AA2の鈴木健二、小池田猛の順で周回を重ねてい く。

ピットでゴーグルチェンジをしている隙に、斉木が渡辺をパスしてトップに出るが、
徐々にペースを上げてきた小池田が斉木の大クラッ シュを尻目に、6周目でトップを奪った。
小池田はそのまま最終ラップまでトップを守り1位チェッカー。2位に渡辺学、3位に斉木達也という結果に。

FUNクラスでほおのきに続いて2戦連続総合優勝を飾った保坂修一はわずか14歳の中学3年生。
高校受験が終わったら来年はCOMPクラスに挑戦するつもりだという注目のライダーだ。   
《稲垣 正倫》


(アドレナリンクリフを見上げながらブリーフィングを受けるFUNクラスのライダーたち)

(いったい、頂上はどうなっているのか?登った後には何があるのか?)

スタートが近づくと霧も少し晴れてきたが、進むはずのコースは霧の中。
下見をしていないので、その先がどちらに曲がっているのか?登りなのか?下りなのかさえ分からない・・。

そんな中でスタート。
やはり不安があると反応が鈍る。
8台しかいないFUN-Aクラスの中でも後ろの方で第1コーナーに進入。
焦るな・焦るな・・
オレは、PERFECT 園長だ!

少し登っていくとまた霧が深くなってきた。
気づけば、霧の中で何台かが転倒している。
なんでこの程度の坂で転倒しているの?」と追い抜けば、急にガレが現れる。
タイヤが空転するのが分かる。
何とか持ちこたえて登っていくが、今度は小さな崖みたいなものが行手を阻む。
え?どこから登っていけば良いの??
霧の中で右往左往する父ちゃん。

後ろから来たライダーが登っていくのを見て、初めて右端と左端のラインしか登れないことが分かる。
実は、この坂こそが今回のレースで一番渋滞した難所だったのだ。
父ちゃんが登った真ん中のラインから何とか右端に移動。
しかし、すでにそこにも何台かのバイクが立ち往生。

「こりゃ、押して登るしかない!」とバイクから降りてひたすら押し続ける。
なんとか登り切るが、すでに体力は限界。
しかし、オレはPERFECT 園長!
レースはまだ始まったばかりだぜ!

霧の中をコーステープを頼りに進んでいくが、自分がコースのどの辺を走っているのかも分からない。
レースをしていると言うよりも迷子にならないように気をつけて走っている感じだ。
そんなこんなでやっと1周終了。(1周目は、アドレナリンクリフを走らない)
順位を見れば8台中の7位。
目の前には、アドレナリンクリフがそびえているが、頂上どころか半分も見えない。
でも、行くしかないでしょ!

計測時点のアスファルト部分を慎重に走って(メチャ滑るんですよ!)いっきにアドレナリンクリフに突入。
始めの30m位の登りは、何とか行けたが、すぐに荒れて来るのが分かる。
それでもアクセル全開で登っていくと今度はガレが現れる。
半分ほど登ってきても頂上はまだ見えない。
空転するリヤタイヤ。
しかし、この登りではアクセルを戻すことも出来ない。

蛇行するバイク。
そのまま草の方に突っ込んでいく。
それでもアクセルを開け続ける。
まだ頂上は見えない。

ついに草むらで転倒。
深呼吸をしてバイクを起こし、ラインを探る。
バイクを押しながら少しでもグリップするところを探して、バイクに飛び乗る。
リヤタイヤがグリップしない・・。
何回か転倒を繰り返しながらも何とか登頂。

スタート後の例の坂に来れば、先ほどよりも渋滞が激しくなっている。
バイクを避けながら登りにチャレンジ。
案の定、坂の途中でリヤタイヤが滑り出して転倒。
根性で、バイクを押して坂を登ろうとするが、とにかくグリップしない。

「こりゃ、ダメだ・・」
ブリーフィングでのホシノさんの言葉を思い出す。
パンクを覚悟でリヤタイヤの空気を抜く。
ほとんど大気圧のタイヤでスタート。
おお、グリップする、グリップするぞ~!
なんとか、登り切って頑張るが、アドレナリンクリフでまたまた転倒。

結局、霧の中で最後までコースも覚えられず、転倒を繰り返して7位でゴール。
オレは、こんな山形まで来て何をやっているのか?
いつしか頭の中からPERFECT 園長!は消え失せ、
そこには、泥だらけになったヘロヘロ・ボロボロの小汚いオヤジがたたずむばかり・・。


       (スタートも決まらず、その後も転倒ばかり・・)

  (これが難所の坂。こんな状態で皆さん突っ込んでいきます)

(レースは終始霧の中。やっぱり前が見えないとレースじゃないです・・)

(そんな中でも元気なカワハラさんにジンバさん。恐ろしいオヤジたちです・・)

(コースは、グジャグジャ・ツルツル・・) (霧の中を地味に走る父ちゃん)

  (ラスト1周でもこんな感じ・・)    (地味にゴールする父ちゃん)

(優勝したのは、14歳のホサカくん。将来が楽しみです)

(1位ホサカくんにジンバさんとカワハラさん)

午後からのCOMPクラスが始まる頃にやっと天気が回復。
ついにアドレナリンクリフが全貌を現す。
お~、こんな大坂だったんだ!

スタート地点に行けば、ショウゴとイワキさんが話していたので、コース状況を伝える。
「この天気ならアドレナリンクリフは行けると思う!
ただ、ウッズに入ってからの180度曲がるコーナーのワダチは気をつけた方が良い。
イン側の2本は、深くてハマる。
1周目は、3本目か4本目で様子を見た方が良いと思う!
頷くイワキさんと横を向いているショウゴ。
この差が後になって出るんだよな~。


(ついに全貌を現したアドレナリンクリフ!)

(COMPクラスもアドレナリンクリフ前でブリーフィング)

そして、COMPクラスのスタート。
ショウゴが、2番手で第1コーナーを通過。
しかし、その後のコーナーで何故かガレのあるアウト側を回っている間に7位ぐらいに落ちる。
やっぱり、コースが分かっていないとミスが多い。

1周目は13位。
いよいよアドレナリンクリフに向かう。
前車2台との差は、30m位。

ここは、バイクのパワーと共にテクニックもいるところ。
今日のショウゴとバイクの調子が分かるぞ。
AAクラスにも劣らないスピードで駆け上がるショウゴ。
中腹あたりで前2台をとらえて、後半で抜き去っていく。
よし!
心配していたキャブレターのセッティングもそんなに外れていないはず。

ほとんどがインジェクションになっている4サイクルと違い、
2サイクルは、まだキャブのまま。
本来なら気温や湿度・高度でセッティングを変えなければいけないのだが、
(インジェクションならこういうことをコンピューターが自動で補正してくれる)
当日の練習走行が出来ないJNCCでは、いつもぶっつけ本番だ。
時に、セッティングが外れてしまい、思うように走れないこともあった。

と言ってもバリバリのモトクロッサーではなく、
エンジンの低・中回転でのトルクも考えてあるのがエンデューロ-レーサーの良いところ。
そんなに外れなければ、たいていそこそこ走れる。
でも、やっぱりセッティングがバッチリあった時とは雲泥の差なんだな。
めんどくさいので、シーズンごとにしか、キャブのセッティングをしない父ちゃんたちには、
インジェクションの方が合っているのか?


      (スタート自体は、そんなに良くなかったショウゴだが、第1コーナーを上手く抜けて2位で通過。)

    (しかし、その後のコーナーでラインミス。あっという間に7位くらいに落ちます)

(2周目に初めてアドレナリンクリフに突入。前車2台を抜き去るショウゴ。今日は調子が良い?)

3周目が11位。
よし、これからだぞ!
4周目が14位。
あれ?
5周目が13位。
あれれ??
この辺が定位置???
15位で給油。
やっぱり、ここが定位置ってことか。

「ショウゴ、バイクの調子はどうだ?」
「バイクは良い感じだが、下りがとにかく滑って攻められない・・」とショウゴ。
その後、12位まであがって11位のイワキさんに近づくが、またまた転倒。
14位でラスト一周で迎え、結局13位でゴール。
前を走っていた人がラスト1周でワダチにハマったそう。
(運が良かっただけね・・)

今回は、COMP-Aクラスもエントリー数が少なく(24台なので、多い時の半分ぐらい)
実質、20位くらいか?

後で聞けば、イワキさんも1周目のワダチでハマった模様。
それも父ちゃんのアドバイスどおりの3本目でハマってしまったそう。
おかしいな~。
ラスト2周の時にも3本目を走ったけど、ちゃんと行けたぞ。
(ちょっと深くはなっていたけど・・)

とここで思い出した。
ラスト1周の時点で、ワダチの3本目を通ろうとしたら、2台のバイクが止まっていたことを!
だから父ちゃんは、一番イン側のワダチに突入し、ズボッとハマったんだな。
きっと、あの2台が3本目のワダチから脱出しようとアクセルを開けて、ワダチを深くしてしまったんだ!
土の上を走るレースだからこそ、一周でコンディションが変わるんだ
イワキさんには、悪いことをしてしまったが、これがレースというものなんだな。(笑)

ここでまたひとつ格言が生まれたぞ。
アドバイス、鵜呑みにすると ひどい目に!

そう言えば、せっかくのアドバイスに横を向いていたショウゴ。
「じぃさんの言っているコーナーなんて最後までどこのコーナーか分からんかった!」とさ。

めでたし?めでたし??



(ここがムーンサルト?とにかく滑りました!)

(今回もヘロヘロ・バテバテでゴール。コースが全然分からないと疲れも2倍だそうです・・)

(今回も思うように走れなかったショウゴ・・)

(帰り道の那須高原PAで夕食)

母ちゃんに「チーズケーキとアップルパイのどちらがお土産にほしい?
とLINEで聞けば「両方!」と返事がきましたとさ。

めでたし?めでたし??