[たったひとりの鈴蘭!]('17/8.25)
 

 暑い日が続いたと思えば、大雨が降ったりと不安定な日が続いた八月。
みなさんお元気ですか?ホント、久々の更新です。
あ~忙しかった!
と言っても、半分は仕事で半分が遊びなんですけどね!!(笑)

と言うことで、話は五月に戻って・・。
JEC第1戦(広島)を一番練習をしていないタカだけがそこそこの成績で、
消防団とセクションだけで遊んでいるショウゴと
これまた竹やぶで竹を切っているだけの父ちゃんは、全然ダメというスタートだった。

JECの翌週には、JNCC第3戦(鈴蘭)があるのだが、
ショウゴは、「消防団の大会が近いので無理!」
タカも「オレは忙しいんだ~!」ということで、父ちゃんだけがエントリー。
それも初めてのCOMPクラス(三時間)だぞ。

JEC第1戦の検証で、
「父ちゃんは、竹を切って石を運んでいるだけで速くなれるのか?」は、
やっぱり、「竹を切って石を運んでいるだけでは、速くなれない!」と言うことが分かった。
(当たり前でしょ!by家族一同)

しかし、今回の鈴蘭では、もうひとつ検証しなければならないことがある。
どうして父ちゃんは、「JNCC(FUNクラス)やJEC(ナショナルクラス)を走っても全然疲れないか?」だ。
(誰もそんなことに興味はないぞ!by家族一同)
ショウゴやタカが言うように「あんなにダラダラと走っていたら誰だって疲れんわ!」なのか
はたまた「竹を切り、石を運んでいるうちに黄金の体力が付いてしまったのか?
いやいや、「ついに疲れなくても速く走れる黄金の法則を見つけてしまったのか?」の検証なんだな。
そのための三時間(COMPクラス)へのエントリーなんだ。

FUNクラス(100分)とCOMPクラス(3時間)は、走る時間だけではなく、難易度にも差がある。
スピード勝負のFUNクラスに対して、テクニックと体力が求められるのがCOMPクラスなんだな。
FUNクラスというと「じぃさんたちの溜まり場」みたいに考えている人もいると思うが、
それは、FUNーAクラスの話。
他のクラスは、モトクロスと比べれば、まだまだみなさん若いですよ!

と言うことで、レース前日の土曜日には、乳児さんの保育参観があったので、夜に鈴蘭に向けて出発。
当初は、ひとりだけで行く予定だったが、一人でアタフタしている姿を哀れに思った母ちゃんが、
「父ちゃんひとりだけでは心配だから付いていってあげる!」ってことになったんだな。
鈴蘭の土曜日は大雨だったようだが、タイヤを替える時間もなく、前週のJECのままのタイヤで鈴蘭に向かう。
日曜日の朝に鈴蘭入りして、そのままバイクも降ろさずにコースの下見に出かける。
お天気は、暑いくらいの快晴だが、コースはグチャグチャ。
今回のコース監修は、ケンジ監督のようだが、難所も各所にあり、例年よりも難しい感じだ。

ゲレンデの中腹あたりまで来たとき、FUNクラスのライダーたちが集まってきた。
ここからでは小さくしか見えないが先頭にいるのは、FUNーAのオヤジたちだな。
「本来なら父ちゃんもあそこにいるはずなのに・・」と少しおセンチになってしまう父ちゃん。
「みんな、頑張れよ。父ちゃんもCOMPで頑張るから・・」

気温がドンドン上がってきて、レース前に疲れてしまった父ちゃん。
下見を途中で切り上げて、車で寝る作戦に変更。
COMPって、レースが午後からなんで、以外と時間があるんですね・・。
いつも朝イチから慌ただしく動き回っている身としては、羨ましいぞ。
こんなに余裕があったなら、タイヤを持ってきて、コースを見てから変えることだって出来たのに!
と今更ながら後悔する。
しかし、後悔よりも先に眠気が襲う。
ノートパソコンを持ってきて、仕事をしている母ちゃんを横にお昼寝タイム。

1時間ほど寝れば、黄金の体力が蘇ったぞ。
スマホでFUNクラスの結果を見れば、1位がジンマさんで2位がカワハラさん。
相変わらず元気なオヤジたちだわい!
そして、いよいよ父ちゃんの出番。
仕事をしている母ちゃんが「父ちゃん頑張って!」とエールをくれる。
こりゃ、やるしかないでしょ!

                      [Response.より]

   (難所で右往左往するライダーたち。ホント、今回のコースは難しかったです!)

5月14日、国内最大級のクロスカントリーレース、JNCCは第3戦を迎えた。
会場となったのは岐阜県高山市、現在は閉鎖されている鈴蘭高原スキー場。
いよいよJNCCの醍醐味のひとつでもあるゲレンデを使ったラウンドが始まった。

前日土曜日は大雨に見舞われ、コースコンディションが悪化。
さらにレース当日は朝から晴天に恵まれ、気温が上昇。
バイクは土に埋まり思うように進まず、キャメルバッグを背負うなど、
十分な熱中症対策をしても体調を崩すライダーが出たほどだ。

ここまで開幕2連勝の前年チャンピオン小池田猛は一周目からトップに立ち、レースを牽引。
今年はマシンのセッティングが合わず苦戦が続いていた斉木達也、
小池田を苦しめるもあと一歩届かないレースが続いている渡辺学があとに続いた。
レース前半には斉木、渡辺ともに、小池田をパスして先頭に立つシーンも見られたが、
次第に周回遅れのライダーや悪化するコンディションに悩まされ、小池田との差が開いていった。

小池田はそのまま大きなミスもなく先頭を走りチェッカー、これで開幕3連勝をマーク。
2番手には2ストロークのハイパワーマシンを操る渡辺学。
今回コースレイアウターを務めた鈴木健二はコンディションが悪化した後半も比較的安定したタイムで周回を重ね、
ついには終盤に斉木達也をパスし、表彰台へ。

今大会には最上級クラスCOMP AA1にハードエンデューロ界から日本チャンピオン高橋博が参戦。
総合18位と、レースの分野は違えどトップライダーとして素晴らしい走りを披露した。

次戦はJNCCきっての人気フィールドであり、
昨年は斉木達也が常識破りなスピードのダウンヒルで勝利を収めた爺ヶ岳スキー場。
小池田の4連勝なるか、はたまた渡辺、斉木、鈴木らが小池田の連勝をストップするのか、
次戦もトップ争いから目が離せない。       
《稲垣 正倫》


(ゲレンデの中腹からコースを望むとこんな感じです)

スタート位置に付けば、いつもとは違うメンバーにちょっと緊張する。
FUNクラスとは、明らかに違う緊張感がある。
やっぱり、オレにはFUN-Aクラスの「もう余生でバイクを楽しんでいます!」的な方が合っているのか?
まるで借りてきた猫のようにジッと縮こまっている父ちゃんに「ナカジマさん!」と呼ぶ声が聞こえる。
振り向くとそこにいたのは、アヤトくん。
イナベのエンデューロクロスでは、いつも競っていた仲だぞ。
(いや、アヤトくんはプロクラスで、じぃさんは、アマクラスだったろ!byショウゴ)

「久々だね。あれ?体が大きくなっていない?」と父ちゃん。
「実は、ジムでトレーニングもしているんですよ」とアヤトくん。
以前は、人のいい兄ちゃん!って感じだったが、何やら貫禄みたいなものも付いてきたぞ。
それもそのはずで、今では、ハードエンデューロ界の若手ナンバー1に成長している。
この鈴蘭には、師匠のロッシさんと共にJNCCに殴り込みに来たのか?(笑)

ハードエンデューロ界の帝王!と言われているロッシさんにしても
自分の世界から出てきて、スピードが求められるJNCCに参戦するなんて大したものだと思う。
だって、ハードエンデューロ界にいれば安泰なわけですよ。
こんなジャンルの違うJNCCに出たって(それもモトクロスの元ワークスライダーからIAがウジャウジャいるAAクラス)
ロッシさんにメリットがあるとも思えない。
もし、不甲斐ない成績だったら「ロッシもたいしたことない!」なんて、
知ったかぶりのバイク通もどきがSNSなんかで発信するのが目に見えている。

では、JNCC-AAクラスのライダーがハードエンデューロに出てみたらどうだろうか?
やっぱり、そうそう良い成績は残せないと思うぞ。
でも、それぞれのトップライダーが、いろんなジャンルに挑戦する姿は、素晴らしいと思う。
何より、盛り上がるしね!

こんなジリ貧の小さなバイク業界でいがみ合ったってしょうがない。
格闘技の異種格闘技戦みたいなレースがあったら面白いぞ!
そんなひとつの答えがエンデューロクロスなのでは?と考えている。
セクションやコースレイアウトでトライアルライダーでもモトクロスライダーでも
エンデューロライダーでも、それぞれの良さを出して戦えるレースになるはず。
実は、バンブーランド(竹やぶ)を最終的にはそうしたレースが出来るようなコースにしたいと思っているんだ。
死ぬまでには、そんなレースを開催したいな~。

では、FMX(フリースタイルモトクロス)の人たちはどうする?
コースの中にランプでも置いて、バックフリップでもして貰いますか?(笑)
いやいや、冗談ではなく、バンブーランドは高い竹に囲まれているので、
FMXの大敵の風に強いんですよ。
でも、やっぱりFMXは、危ないからな・・。怖いし・・。

トライアルだってモトクロスだって、エンデューロやエンデューロクロス、
ハードエンデューロだって、ジャンルは違っても同じオフロード。
それぞれのテクニックがあるし楽しみもある。
ちなみに父ちゃんは、遊びも含めれば上記はすべて経験済み。
それだけではなく、ロードでも「三河湾スカイラインの青い稲妻!」と恐れられて?いたしね。
ひとつのジャンに拘っていても、たまには他のジャンルを経験してみるのも面白いと思うぞ。
そうそう、ランプを使ったFMXだけは、怖いからやらないけどね(笑)
(イナベにあったランプを飛んだことはあるけど、ただ飛んだだけで手も離せませんでした・・)


(AAクラスの選手紹介で豪快なウィリーを決めるロッシさん。
 やっぱりトライアル系の人たちのウィリーは、パワーで前輪を上げているモトクロス系の人とは違うな。
 本来ならもっと反り返ったウィリーもやるんですよね。スゴイや!)

下見も途中で切り上げたし、そもそも第一コーナーから先がどうなっているのかも分からない。
Show Time!の上り坂には、1周目から行くつもりだが、
その前のフカフカのウッドチップがどのくらい掘れているのかも分からない。
FUNの子たちが「かなりヤバい!」って言っていたが、ラインだって分からない。
もう分からないづくしでスタート。

スタート自体は、6~7番で第1コーナーを抜けた気がする。
問題のShow Time!の上り坂が見えてきたので、前走者に付いていこうとすると
前走者が、フカフカウッドチップでスタック。
深いワダチがいくつかあるが、どれに行けば良いかも分からない。
とりあえず、前走者とは、ラインを一本変えてトライ。
「ズボ!」といきなりハマって急停車。
いくらアクセルを開けても、バイクは動かない。
そうこうしているうちに後ろのライダーがドンドンやってきて、Show Time!の上り坂を迂回していく。

何分経ったんだろ?
すべてのクラスがスタートし終わった頃、やっと脱出。
すでに、黄金の体力を使い果たし、ノロノロとゲレンデを登っていくのが精一杯。
すでに、あちこちの難所で渋滞が始まり、なかなか進まない。
タイヤもダメなので、全然グリップしない。
せめて空気圧を落とせば良いものを、疲れているし焦っているので、そんな簡単なことさえ考えられない。

それでも、何とか2時間ぐらい走行していたら、底なし沼みたいなところにハマる。
ドンドン沈んでいくバイク・・。
いろいろやってみるがどうしようもない。
後ろから来たライダーも次々にハマっていく。
みなさん、一人では抜け出せないので助け合う。
父ちゃんも何台かを助けたが、父ちゃんのバイクは、埋まり具合がひどくてどうすることも出来ない。
その後は、レースをあきらめてスタックスィーパーとして活躍?

レースが終了して誰もいなくなっても底なし沼で一人たたずむ父ちゃん。
あちこちでスタックしている人を助けているのか?スタッフも来ない。
オレはどうなってしまうのだ?と不安になった頃にやっとスタッフが来てくれて、
バイクを引き上げてくれようとする。
しかし、半分以上沼に沈んだバイクは動かない。
タイダウンベルトを二本付けて、数人のスタッフで引っ張る。
少し、動くバイク。

エンジンを掛けてバイクを動かして下さい!」とスタッフ。
エンジンはセルで掛けられたが、父ちゃんの足は限界に来ていて、
生まれたての子鹿のように足がブルブルと震えて、バイクに跨がることさえ出来ない。
子鹿のようなつぶらな目で「足が震えてバイクに乗れましぇん・・」と訴える父ちゃん。
「やれやれ、困ったじぃさんだ・・」という感じでスタッフの人がバイクに跨がり、
他のスタッフがバイクを引っ張ってやっと脱出。

スタッフのみなさんにお礼を言って、トボトボとパドックに向かう。
もう、コース上では、撤収作業が始まっていた。
やっと、パドックに近づいてきたら、母ちゃんがこちらを見ているのを見付ける。
父ちゃん、どうしたの?みんなが帰ってきたのに父ちゃんだけがいつまで経っても帰ってこなくて
心配になってずっと探していたんだよ

「母ちゃん、ごめんな。底なし沼にハマっちゃってどうしようもなかったんだ・・」
「まぁ、怪我をしなかっただけでも良いでしょう?」と母ちゃん。
こんな泥だらけの父ちゃんを待ち続けてくれた母ちゃんに感謝感謝・・。
成績は散々だったが、ちょっと心が温まった鈴蘭だったのだ。

そうそう、今回の検証・・

ショウゴやタカが言うように「あんなにダラダラと走っていたら誰だって疲れんわ!」なのか
はたまた「竹を切り、石を運んでいるうちに黄金の体力が付いてしまったのか?
いやいや、「ついに疲れなくても速く走れる黄金の法則を見つけてしまったのか?」は、

やっぱり、ただ単にダラダラと走っていたので疲れなかっただけでした。
めでたし?めでたし??