憧れの北海道2!('20/11.19)
 
 一日目のレースも無事に終わり、片付けをしていると雨がポツポツ。
あれ?天気予報では降らないはずだけど・・と思うまもなく土砂降りに!
せっかく乾いてきたコースがグチャグチャ・ツルツルに戻っていく~
というよりも、レースで荒れた上にこの雨なので、二日目が心配だぞ。
パルクフェルメでは、バイクたちが濡れている。
明日の朝イチにエンジンが掛かりますように・・と祈って、コースから30分ほどのホテルに向かう。

今回は、いつものような車中泊ではなく、ホテルでの宿泊。
JECが手配してくれたホテルが割引で泊まれるので、
せっかく北海道まで来たんだし、ちょっと贅沢しよう!って事になったんだな。
そのホテルが考えていた以上に良いホテル。
普段なら絶対に泊まれないようなホテルで、
特に夕食は父ちゃんが今まで食べた中でもトップ級のバイキング形式の豪華ディナー。
カニはあるわ!ホタテはあるわ!!ステーキはあるわ!!!
興奮する親子三人は、もう、次の日のレースなんか忘れて、顔を青くするまで食べましたよ。
(う~ん、気持ちが悪い・・)
父ちゃんたち以外のライダーも今回はホテルに泊まっている人がほとんどで、もう酒池肉林?
ショウゴ以外の本物のIAライダーなら明日のレースを考えてセーブして食べているのかと思いきや、みんな一緒でしたよ(笑)

(これが二日目の夕食バイキング。ほんの一部です!幸せでした!!北海道最高!!!)


レース二日目の朝は、胃もたれから始まった!
それでも、朝食のバイキングを楽しみ、レース場に向かう。

二日目は、1周目の下見もなくすぐにタイム測定。
一日目6位の父ちゃんは、二日目も6位を狙う。
しかし、一日走って荒れたコースに降った雨は、考えていた以上に大変だった。
クロステストでは、いきなり第1コーナーで転倒。
何やってんだオレ?
気を取り直して、コースを攻めれば、滑りまくってまたまた転倒。
挽回を掛けたエンデューロテストでも二回転倒。
どうしたんだオレ?

気を取り直して向かったはずの二周目のクロステストでも2回転倒。
すっかり、気持ちが切れてしまった。
そして、この後みんなの運命を変えるようなことが起こる。

ツルツル・グチャグチャのルートを進んでいるときに雨がポツポツ。
あれ?雨??と思うまもなく土砂降りになる。
エンデューロテストに着く頃には、もう前が見えないくらいだ。
父ちゃんの先のクラスが、テスト入口で待機している。
おそらく、この雨の中をトライするべきか?時間ギリギリまで待つべきか??悩んでいるのだろう。
父ちゃんは、迷い無くトライ。
土砂降りの中のエンデューロテストは、悲惨の一言で4,5回転ぶ。
これだけ転んだので、もう順位は悪いに決まっている。
意気消沈してパドックに向かうと自分でも思っていたが、
ここまでコースコンディションも悪くなって転びまくっていると、反対に開き直る自分がいた。
(バイキングのおかげか?)
よし、三周目からがんばるぞ!やってやるぜ!!

ドロドロになってパドックに帰ってくると隣のテントの人が「NBは、これで終わりですよ!」という。
(アナウンスがあったようだが、走っているライダーは知るよしもない・・)
いやいや、まだ2周はあるはず!と思ってスタート位置に行くとパルクフェルメに止まっているバイクが・・。
スタッフから「NBクラスは、これで終わりです!」と告げられる。
どうやらあの大雨でルートがかなり大変な事になっているらしい。
せっかく大逆転を狙っていた父ちゃんは、意気消沈。
トボトボとパッドクに帰る。

そこにドロドロのショウゴがやってきた。
じぃさん、ルートがかなりヤバイぞ!タカは帰ってこられるかどうか分からないぞ!!
ガソリンを補給してショウゴを送り出す。
スマホでタイムを確認すれば、IAクラスで11位のタイムを出している。
お~、完走が目標のショウゴが頑張っている。

さぁ、次はタカだ。
タカ、ここが踏ん張りどころだぞ。
タイムを見れば、1周目は12位から始まったが、5位くらいまで上げている。
このまま行けば、昇格争いに残れるぞ!と思いながら待っているが、全然帰ってこない。
オンタイムエンデューロでは、遅延は致命的だ。
テストでいくら頑張ったって、数秒詰めるだけでも大仕事。
でも、遅延なら1分単位でペナルティーが付く。
それが、もうオンタイムを10分も過ぎている。

他のIBライダーもルートで遅延しているかもしてない。あきらめないぞ・・
15分経っても帰ってこない。まだ、一途の望みはあるはずだ・・・
そして、25分経過・・。あかん、すべてが終わった!
30分遅延すると完走者にもなれない。タカは来年もIBクラスだ。

そんなすっかり悟りを開いたときに時にタカが帰ってきた。
「タカ、大丈夫か?もう30分近くも遅延しているけど・・
もう、オレも止めようと思う。後1周あると思うけどもういいや。ガソリンも入れなくて良いから・・」とタカ。
これでスタート地点に行ってスタッフにリタイヤを告げれば帰ってくるはずだ。
へたに遠いルートでハマって出られなくなるよりはマシだ。
これで、タカのIAへの夢は立たれたな。

しかし、リタイヤして帰ってくるはずのタカが来ない。
いつまで経っても帰ってこない。
どうしたんだ?
ずいぶんと待った気がする。
探しに行こうかと思ったときにタカが帰ってきた。
聞けば、あの後リタイヤしようと思っていたが、スタッフに「もう1周だから頑張れば?
と言われて仕方なしにスタートしたそう。
ガソリンも補給してなかったので、とにかくアクセルを開けないようにそろそろと走って帰ってきたという話だった。
まぁ、無事に帰ってきただけでも良かった!良かった!!

パドックに帰ってきたタカが「ルートでは、IBクラスも何台もハマっていたぞ!ショウゴは大丈夫か?
ショウゴも同じことを言っていた気が・・(笑)
ショウゴのタイムを見れば、まだ11・12位ぐらいで走っている。
「スゴイじゃん、ショウゴ!」とタカ。

そこにショウゴが帰ってくる。
「ショウゴ、どうだ?」と聞けば、「とにかく大変だが、走れないことはない。あと1周頑張ってくるわ!
しかし、この言葉を最後にショウゴがパドックに帰ってくることはなかった。

探しに行くとゴール前の坂の手前でバイクを押しているショウゴが見えた。
お、ショウゴは大丈夫そうだ!良かった・良かった。
「ショウゴ、どうしたんだ?」と聞けば、「もう少しでゴールというところで急にエンジンが止まって掛からなくなった」とのこと。
このまま最後の坂を登る事は不可能なので、下の道に出るルートを探しながらバイクを押していく。
やっと、パドックに着いて一息。
どこが壊れたんだろう?焼き付いたのか?
と二人で泥だらけのバイクをのぞき込んでいると「どうしました?」とケンジ監督。
「エンジンが掛からなくなったんですよ」と応えれば「ちょっと見せて貰って良いですか?」とバイクを見て、
「あ、左側のラジエーターのパイプが潰れていますね」
「だからエンジンが焼き付いたのか!」と父ちゃん。
「でも、FXは、左右のラジエターに水が行くようになっているので、一方が潰れても大丈夫のはずなんですけどね」とケンジ監督。

そこにFXマスターのユウタロウくんも登場。
ちょっとバイクをのぞき込んで「エンジンオイルがないかもしれないですね!
このオイル点検窓からオイルが確認出来ないんですよ。

それから「オイルが漏れてしまったのかな?」と手際よくエンジンガードを外し出す。
大御所たちがショウゴのFXを囲んで「あ~だ、こ~だ」と言っている。
「おかしいな~、クランクケースからもオイルが漏れた形跡がないですね?」
「ひょっとして、オイルを入れ忘れた?

大御所たちの会話を聞いて段々と青ざめていく父ちゃん。
「イヤイヤ、そんなことはないと思います。
1週間前にショウゴと整備をしたときにオイル交換もして1回竹やぶで走っているし・・」と父ちゃん。
「ホントにオイルを入れたのか?」とショウゴ。
「あの時は、3台分のオイル交換をしたからな。そもそもオイルが無くてここまで走れるか?」と父ちゃん。
オレは、ちゃんとオイルを入れたのか?とじぃさんに確認したぞ!」と責めるショウゴ。
大御所たちを前に醜い親子喧嘩を始める二人。
見かねたタカが「走り始める前にオイルぐらい確認しろよ!」とピシャリ。
「まぁまぁ、FXのいい耐久テストが出来たんじゃない?」とユウタロウくんの一言で笑いが起きる。
みんなの笑いの中で、父ちゃんだけが夕食バイキングよりも顔が青くなっていくのでした。

めでたし?めでたし??

PS1
このおかげでエンジンの修理費が27万円。
高い貴重な経験が出来ましたよ。トホホ・・

PS2
すっかりIA昇格をあきらめたタカだったが、二日目も5位という結果に!
どうやらIBクラスでも遅延をした人が多かったようだ。
これで、IBクラスのランキングは3位に上昇。
父ちゃんもあれだけ転んだのにも関わらず8位だった。ランキングもトップを死守!
やっぱり、みなさんも転んだのね?

次回は中部大会のイナベスポーツランド。
イナベは何回も走っているのでホームコースのようなもん。
北海道で恥を撒き散らして来たこともすっかり忘れて、父ちゃん一家は燃えているのであった!

     (二日目のショウゴ・タカ・父ちゃん。父ちゃんの膝がまた開いているぞ!)

     (IBクラスランキング3位に上がったタカ。次回の中部大会はどうなる?)