徳を積む日!('21/9.13)
 
 今シーズンのJEC初戦は、テージャスランチ(広島,3/28)から始まった。
コースコンディションは、明け方までの雨でグチャグチャ・ツルツル・ベトベト・・・。
それでも、朝には何とか止んでくれたので良かった良かった!

JECメインの父ちゃんたちは、デカールもウェアーも新品のバンブーランド仕様だぜ。
こういうことが大好きなタカがやってくれたんだ。
それでは、今シーズンのバンブーライダーたちを紹介しよう!

バンブーライダー1号の父ちゃんがNAクラスの317番、バンブーライダー2号のショウゴがIAクラスの16番、
バンブーライダー3号のタカがIAクラスの36番、バンブーライダー9号のリョウスケがIAクラスの9番、
バンブーライダー10号のマメちゃんがNBクラスの465番、バンブーライダー12号のタクミくんがNAクラスの316番。
この広島は、総勢6名(IAが3名,NA2名,NB1名)でのエントリーだぜ。
もう、立派なチームじゃない?


       (バンブー使用のバイクたち。なかなかカッコいいでしょ?)

(新しいウェアーで気分もアゲアゲ!しかし、この後にとんだ悲劇が起こることを誰も知らない・・

(このナイスな写真を母ちゃんに送ったら「まるでみんなで立ちションしてるみたい!」だそうです。(;´д`)

(恒例のIAライダー集合写真。ショウゴやタカも嬉しそう?)

  (これが今回のコースマップ。テストは1回ですが、とにかく長い!ルートも雨で難所になってしまいました!)

この大会の様子を詳しく知りたい方は↓「JECホームページより」
Rd.1 広島大会「類を見ない激マディのテージャスランチを、鈴木健二が逃げ切り勝利。忍び寄る世代交代の音」

 お揃いの新品のウェアーに気分もアゲアゲのバンブーライダーたち。
それを待ち受けるデンジャラスランチ(テージャスランチ)!
テスト区間は、何とかなりそうだが、ルート区間が難しそうだ。
それもIA・IBルートは、かなりヤバそう・・。

パドックをうろついているとアヤトくんと遭遇。
アヤトくんと初めて会ったのは、もう6~7年前のイナベのエンデューロクロスの時か?
当時は、FXに乗っている元気な兄ちゃんって感じだった。
転ぶことが多かったが、光るものがあったな。
そんなアヤトくんが、今ではハードエンデューロ界のトップライダー。
偉いもんだ。(それだけの努力もしているしね!)

「あれ、出るの?」と聞けば「今年はNBクラスでチャンピョンを狙っているんですよ!」とのこと。
今日のコンディションなら楽勝でしょう!と言えば、
笑いながら「雨、降れ~って祈っていたんですよ!」と答える。
「アヤトくんなら、雨が降らなくても勝てると思うし、もっと上を目指してもいいんじゃない?」と言えば
実は、エンデューロのIAを目指しているんです」とアヤトくん。
ハードエンデューロでトップライダーになっても、こうやって違う分野にも挑戦するところがアヤトくんらしいな~。
と感心しながらコースを見渡せば、やっぱり酷いね~、アヤトくんが喜ぶはずだね!(笑)

こういうコンディションに意外と強いショウゴは、大丈夫だろうが、
IAに昇格したばかりのタカが心配だぞ。
あいつは、練習量も少ないし、雨の練習もほとんどしていないし、
父ちゃんのような老練なテクニックがあるわけでもないし、TTR110ばかりに乗っているし・・。
リョウスケも雨はそんなに得意でないし、タクミくんやマメちゃんも心配だぞ。
そんな感じで、みんなの心配をしながらレースが始まった。
(まず自分の心配をしたら・・by関係者一同)

レースは、IAが9周(計測は8周)、IBが8周、NAが6周でNBが5周だ。
まずは、下見の1周。
やはり、ルートは滑る滑る。まだ、轍が深くない分スタックはしないが、あちこちでみんなが転んでいる。
そして、テストコース。
ルートに比べれば、走りやすいが、森の中の下りは滑るし、長いガレ区間も厄介だぞ。

1周してきてパドックに戻る。
ゆっくり走ってきて、何回か転んだからスタートまで3分もないぞ。
これは、どこかでハマったりしたら苦しそうだ。

そして、2周目。ルートも2周目なので、だいぶ慣れてきた。
いよいよテスト区間のタイム測定。
こういうコンディションでは、前の人と出来るだけ離れてスタートしたいが、前も後ろも詰まっている。
前の人がスタートして10秒後、スタートの合図の旗が振られる。
慎重にアクセルを開けたつもりでも、リヤタイヤが空転するのが分かる。
広い平地部分をコーステープに沿って走れば、フロントもリヤも滑る。
こりゃ、かなり慎重に走らないと即、転倒だな。
それでもツーリングではないので、タイムを詰めるべくアクセルを開けていけば、
平地から山に行く坂で下側に転倒。
バイクが足の上に乗ってしまい、ブーツが引っかかって抜けない。
あかん!あかんヤツや!!

ハエ叩きで叩かれたゴキブリのようにジタバタする父ちゃん。
何とか足を引きずり出して、リヤタイヤを坂の下側に向けてバイクを立てる。
どのくらいのタイムロスだろうか?
少なくとも30秒くらいはジタバタしていただろう。
1,2秒を競い合うオンタイムエンデューロで、
1周目からこんな大きなミスをしてしまい、すっかりテンションが落ちる。

そういえば、みんなには、坂で転びそうになったら絶対に下側に転ばないように!なんて言っていた。
そもそも転ぶまで攻めないで、転びそうになったら早めにバイクを止めた方がいい!とも言っていた。
全部ショウゴの受売りだが・・(笑)
あ~それなのに、それなのに・・。
悔やんでも悔やみきれないぜ!
ツルツル・ドロドロの坂で転んだ挙句にバイクの下敷きになったものだから
ウェアーからグローブまで泥だらけ。
せっかくの新品だったのに、泥だらけ・・。
あ~もうダメだ。

普段は、「オレはあきらめることを知らない男だ!」と言いまわっているが、
意外と簡単にあきらめてしまう父ちゃん。
その後は、無難に走ってパドックに戻る。
そんなこんなで1周目の順位はNAクラス18人中の11位。
タクミくんは、2位。

グローブを変えて2周目に突入。
ルートを走っていると怒りがこみあげてくる。
オレはいったい何をやってんだ!
チクショウ~!!チクショウ~!!!
自分に怒りながらルートを攻める。
もう、無難に走るルートじゃありません!
何せ、怒っているもんだから「チクショウ~!チクショウ~!!」と攻めまくる。
何回か転ぶがどうせオイラは泥人形!
もう、怖いもんなんてないぜ!

その勢いのまま、2周目のテストに突入。
チクショウ~!チクショウ~!!
転びそうになりながらも何とか完走。
この怒りの2周目のタイムがなんと3位!
人間、やっぱり怒りを忘れてはいけませんね(笑)

その後のテストは、6位・6位・7位で終了。
結果は、タクミくんが1位で、父ちゃんが6位だった。

ショウゴやタカは、大丈夫だろうか?
IAやIBでもルートが荒れてきてリタイヤが続出しているらしい。
ショウゴやリョウスケは、オンタイムで走っているようだが、タカが還ってこない。
きっと、どこかでハマって泣いているだろう?と一番近い難所に向かう。
沢からの登りで、タカの声が聞こえた気がする?
近づいていくと「よし、よし、もう少し!」とタカの声。
そこには、ヘルメットを取った泥だらけのタカがいた。

泥だらけの親子がご対面。
どうした、タカ?」と聞けば、
「もうオレは、リタイヤだ。この坂が登れなくなってきたからヘルプをしているんだ!」とタカ。
確かに助走区間も短いし、斜面が深い轍だらけなのでIAでも苦労していた。
そうこうしているうちに次々とライダーが来る。
「こっちの轍はヤバいです。一番右端の方が行きやすいですよ」とライダーたちに教えているタカ。
それでも、坂の途中で止まりそうになるライダーもいて、一生懸命にバイクを押したり引いたりしている。
この元気なタカを見て、「バイクが壊れたのか?」と聞けば、「バイクは元気だ!」と返事。

へ?バイクも壊れてない、そしてこの元気??
どうしてリタイヤするんだ?」と素朴な疑問をタカに問う。
オレの心がリタイヤしろ!と言っているんだ!」と訳の分からない返事。
続けて「じぃさん、分かるか?今日は、徳を積む日なんだ!
分からない・・タカが何を考えているのかが分からない・・

そんな呆然としている父ちゃんの前をラスト1周のショウゴが上手く坂をクリアーしていく。
タカは「いいぞ、ショウゴ~!」と手を振っている。
分からない、タカが何を考えているのかが分からない・・。

スマホでショウゴの順位を確認すれば10位!
え?ホント??
ショウゴも「なんちゃってIAから、本物のIAになってきたぞ!
タカも今年は勉強の年だな。
ショウゴのIA1年目だって苦労していたしな。
今は、「今日は、徳を積む日だ!」なんて訳が分からないことを口走って錯乱しているタカだが、
きっと少しずつ本物のIAライダーになってくれると信じているぞ。


そうそう、このドロドロレースで、バンブーライダーズたちの新品のモトクロスパンツは、
全員が膝の内側に穴が開きましたとさ。
(それだけ、過酷なレースだったんですよ・・)

めでたし?めでたし??

PS1
IAクラス26台中リタイヤが10台と荒れたレースを制したのは、ケンジ監督。
(もちろん、リタイヤの1台はタカ)
2位にツバサくんで3位がホサカくん。
リョウスケは、嫌いなコンディションでもそこそこ頑張って5位。
フロントとリヤのブレーキパッドがなくなってしまっていたからこんなものか?
ラスト1周まで10位だったショウゴは、なんとその周にリヤタイヤのムースが爆発してリタイヤ。
どうやら、ビートストッパーが折れてしまい、タイヤの中のムースが全部バラバラになって出てしまったらしい。
哀れなショウゴ。

NBクラスの優勝は、やっぱりアヤトくん。
マメちゃんが5位に食い込んだのは立派の一言。
いつも竹やぶでも真面目に練習していたしね。

レースも終わりに近づいて、ショウゴのバイクをコースに取りに行けば、
ユウタロウくんが、一人でテストをやっていた。
タイムオーバーでリタイヤの確率が高いが、キャンセルになる周もあるから
万が一の可能性を信じてテストを走っているとか。
やっぱり、トップライダーたちはすごいね。
それに比べて、うちのタカは、バイクが元気なのにリタイヤ・・。
このユウタロウくんの姿をどんな気持ちでに見ていたのかな?

PS2
泥だらけのパドックを片付けていると、次から次へと知らない人たちがタカを訪ねてくる。
聞けば、ルートで助けてもらったお礼をわざわざ言いに来てくれていたようだ。
タカが言う通り「徳を積む日!」だったんだな~!(笑)

そういえば、レース中にタクミくんもルートでスタックしていた。
それもバイクが半分くらい埋まっている状態だった。
てっきり遅延をしたと思ったんだが、オンタイムで走ることが出来、
結果は、NAクラス1位で父ちゃんが6位だった。
タクミくんに「よくあの状態から復帰できたよね?」と聞けば、
「僕もあきらめていたんですが、タカくんが来てくれて助けてくれたんですよ!」と嬉しそうに話す。
その笑顔に「タカめ、余計なことをしやがって!」と毒づく父ちゃんでした・・。